生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

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ジェネラリスト原理主義の恐怖

2020-09-26 | 社会・法律・労働

この国では、ェネラリストを求め過ぎる。

たとえば、今この日本で、アインシュタインのような
「理数系は天才だけど、アルファベットの読み書きは怪しい」
鬼才が現れたとしても、無能のレッテルを貼られて
干されてしまうことは想像に難くない。


この前こんな話題があった。
知的障害があり、お金の計算ができずに、
自治会の仕事を辞退するのが認められず、自殺に追い込まれたという。

以下、twitterからの引用だが、この国の病理を的確に言い表していると思う。

この国ではたとえ障害者でも、『特別扱いしない』し『容赦しない』し『できない事を許さない』。できないなら『できる様になるまでまで決して逃さない』。できる様にならなければ『容赦なく皆の前で恥をかかせて』ボコボコに『晒し首』にする。そしてときに命まで取る。

そう、「最低限のことをできない」のは、死をもって償うほどの
大罪とされている恐ろしい文化なのだ。


葛飾北斎のような「整理整頓」という概念がすっぽり抜け落ちた天才、
野口英世のような金銭感覚がハチャメチャな天才、
アルキメデスのように、法則発見の興奮のあまり全裸で町を走り回った奇才……
現代日本が、こういった方々に居場所を与えるほどの器があるとは思えない。

※葛飾祖北斎は、掃除という概念もなく、
家が汚れたり散らかったりするたびに、引っ越していたという。

この国で「博士」の扱いがひどいのも根っこは繋がった問題だろう。
『スペシャリストよりも最低限のことを無難に
こなしてくれる人が欲しい』……どこの企業
もこのように価値観を画一化させることで、
日本はどんどんつまらなくなっていく。


「最低限のことを無難にこなす」なんて、
AIに任せてしまえばいいじゃん?
人間が努力してまで身につけるスキルではあるまい。

コメント (2)
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