生き物好き気象予報士&理科教員、公認心理師・金子大輔(金兵衛)のブログ~通り雨の旅路~

拙著10冊目出版、ぜひ読んでね!おかげ様で19年続いている老舗ブログです。

東北地方を訪問して

2011-09-14 | 東日本大震災関連

大震災からほぼ半年。

Sさんという方から、お見舞いに行くことのお誘いを頂いた。
被災地には、Sさんと共通の友人がいる。

それでも、けっこう悩んだ。

現地が今、どんな状態かわからず、
はたして伺ってよいものなのか?
凄惨な現場に、どんな態度で向き合えばいいのか?

だが、「ぜひ東北地方に来て、現場を見てほしい」
という現地の強い願いがあることを知り、
ご一緒させていただくことを決めたのだ。

現地では、
ご家族から、周辺を案内していただいた。

半年経ったとはいえ、
現場を見ると、なんと言っていいのかわからない。
なので、客観的な事実を中心に書くことにする。


一見、ごくありふれた草原に見えたところ。
草の下では、
一面、家の土台と思われるものが連なっている。

生えている草をよく見れば、海岸の植生だ。
(海からずっと離れているのに)

もっとひどいところでは、
この猛暑なのに、枯れ野が広がっていた。
地面は、塩をかぶって白くなっている。

また、本来であれば、
貝殻やら海草やらが散乱しているはずの海岸では、
食器の破片、ガラスなどが散らばっている。

一方で、一階部分が駐車場などになっている建物
(ファミレスなどによくある構造)では、
津波が下を抜けていったためか、
被害が比較的軽いことが多いようである。


案内してくださった方は、
「津波はとんでもなく恐ろしいものであること。
普段から、逃げる方法を考えておくことが大切」
とおっしゃっている。

今回訪れた地域でも、
とにかく逃げ場がないのが印象に残った。
7キロも8キロも走らないと、
高台や高層建築物に辿り着けないのだ。

地球上で生きている限り、自然災害は避けられない。
もし災害が起きたとき、どのように逃げるかは、
普段から真剣に考えておく必要がある。


我が家も、海から数キロの関東平野のゼロメートル地帯。
「明日はわが身」であることだけは確かだ。

鎌倉の「露座の大仏」がその証拠。。。
鎌倉の大仏も、昔は建物の中にあったということだが、
たびたび津波で流されるから、
再建を諦めてしまったということだし。


自然が相手ならば「●●すれば絶対大丈夫」
ということは、絶対ないことも認めるべきかもしれない。

たとえば、イエローストーンが噴火すれば、
北半球には、まず住めなくなると言われる。
そのくらいのレベルの「非常事態」まで、ときには
考えておくことも必要ではなかろうか。


※なお、よく
「1メートルの『波』では被害が起こることないのに、
1メートルの『津波』となると、なぜあんなに怖いのか?」
と言われるが、
一般の波と津波では、「波長」がまったく違う。


津波は、波長がとんでもなく長いので、
破壊力が強くて、比較もなく危険。

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血眼になって探し、見つけたい!

2011-05-11 | 東日本大震災関連

これまで、震災関連のことは日記に書いてこなかった。

大した被害を受けたわけでもない上、、
復興に貢献してるわけでもない自分が無責任なこと言っても……
と思ってたのだが、備忘も兼ねて、
考えたこと、感じたことを書き綴っておこうと思う。


街でもマスコミでもネットでも、
「がんばれ日本」、「がんばれ東北」
というスローガンをやたらと見かける。

でも、個人的には。。。
もうがんばらなくてもいいのは? と感じる。

この二ヶ月間、「がんばる」などという
安っぽい言葉で片付けられないほど、
がんばってきたのではないだろうか……。

日本が復興していく過程で、
「がんばる時代」にも訣別していってよいと思う。

というのは、がんばることが美徳とされたために、
異様な緊張感が漂う、「超ウルトラ級のきつい社会」
が出来上がってきてた気がするからだ。

がんばることとも関係が深いけれど、
「経済的なものを過剰に重視する習慣」
も、もう捨て去っていいかもしれない。

非常時には、札束よりトイレットペーパーのほうが
はるかに役に立つことがわかってしまったし。。。


夏の電力不足が問題視されているけれど、
いっそのこと、欧州みたいに40日以上のバカンスを
日本にも導入
してしまってはどうだろうかと思う。

もちろん、いきなりすべての職場でというのは厳しいから、
まず、役所とか官庁とか大企業がリードして導入し、
「バカンスがない職場はおかしいんじゃない?」
という空気を作っていくのだ。

※↑自分は公務員ではないので念のため。


言い方を変えると、『経済活動以外に生きがいを見つけること』
になるかもしれない。
「経済活動以外の生きがい」……
血眼になって探し、何が何でも見つけるべきだろう。
(きっと、それが「がんばる」という行為の最後になる)

それが見つかれば、温暖化対策にもつながるし、
経済的に行き詰ってる他の先進国から、絶賛されることは間違いない。

ここしばらく、経済的な混乱は避けられない。
その間、いかに楽しく幸福に過ごすかは真剣に考える価値がある。


ついでに、
エコノミックアニマル(経済的なことしか考えられないエテ公)
という、日本人の不名誉なあだ名も返上したい。


復興の際には、単に壊れたものを直すのではなく、
「幸福度世界一の国」への生まれ変わりを目指してはどうだろうか。

 

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