10月15日、沖縄防衛局が辺野古新基地建設事業の「シュワブ(R3)傾斜提護岸新設工事」の入札公告を行った(防衛局のホームページ参照)。今年度の当初の工事予定にはなかった工事である。
「傾斜提護岸、L=約190m」とされているだけで、何処の工事か分からなかったので、沖縄等米軍基地問題議員懇談会事務局長の石橋みちひろ参議院議員の事務所にお願いして防衛省に問い合わせてもらった。昨日、その回答が届き、K8護岸の延長工事ということが判明した。
K8護岸は、2019年3月に着工され、総延長515.1mのうち約250mを造成しただけで、当初の目的にはなかった土砂の陸揚げ護岸として使用されている。K8護岸先端部付近には 38,760群体もの移植対象のサンゴ類があるため工事が出来なかったのだが、知事の特別採捕許可取消しを行政不服審査法の執行停止で停止させ、現在、移植作業が強行されている。今回、発注された「シュワブ(R3)傾斜提護岸新設工事」は12月16日に開札とされており、それまでに移植を終えようとしているのであろう。
防衛局がK8護岸の延長を急ぐのは、現在、造成中のN2護岸と同様に土砂の陸揚場にするためである。しかし、今回、造成しようとしているK8護岸は、大浦湾の軟弱地盤部分に隣接しており、設計変更申請が不承認となれば全く意味のない護岸になってしまう。K8護岸を先行着手することは許されない。
また、K8護岸が延長されれば、辺野古崎と長島の間が完全に閉じられ、潮流が完全に止まってしまう。大浦湾の環境に深刻な影響を与えるだろう。
沖縄県は防衛局に対して、K8護岸の延長工事をしてはならないと強く指示すべきである。
(「シュワブ(H27)傾斜提護岸新設工事(3工区)の平面図に加筆)
下が、防衛局のホームページに記載された「シュワブ(R3)傾斜提護岸新設工事」の入札公告