チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

会計検査院、辺野古の海上警備業務の過大積算を指摘---しかし損害は2億円にとどまらない。他の問題点は全て黙認したことも不可解

2017年11月08日 | 沖縄日記・辺野古

 今日(8日)は、高江の刑特法裁判の公判傍聴のため、辺野古には行けなかった。公判では、被告Sさんの本人質問が行われた。弁護側からの質問は、Sさんの生い立ちについての質問から始まったが、語られたあまりに凄惨な生き様には、思わず胸が詰まった。

 公判の後は、県庁へ。港湾課長に、石材の海上搬送のための県管理港湾の使用許可問題について話を聞く。奥の港だけではなく、さらにいろんな動きがあるようだ。

 

 今日、会計検査院が辺野古の海上警備業務で約2億円もの過大積算があったことを正式に発表した。この問題については、10月28日のブログでも説明したが、今日、会計検査院が内閣総理大臣に会計検査結果を手交したという。 

  辺野古新基地建設事業は、違法行為の連続で強行されているが、金額の面でもその杜撰さを国もこれ以上放置できなくなったのだ。

             (海上警備業務の警備船(10月31日撮影))

 今回、会計検査院は、2015年7月から2016年10月までの3件の海上警備業務の人件費の過大積算を指摘したのだが、この海上警備業務の問題はそれにとどまるものではない。

 まず、2015年度、2016年度の海上警備業務は、この3件(総額46億円)だけではなく、2016年度にもう1件、やはりライジングサンセキュリティ社と契約されている(「シュワブ(H28)海上警備業務(その2)」)。この業務は28億円もの金額で契約されており、積算方法も今回、会計検査院が問題とした方法と同じだ。従って、過大積算は約2億円だけではない。比例按分しても約3億円に跳ね上がることとなる。

 また、海上警備業務については人件費の過大積算だけではない。たとえば、「シュワブ(H27)海上警備業務(その2)」は、予定価格に対する契約金額の割合(請負率)がなんと99.94%にもなっているのだ。これは予定価格がそのまま漏れたとしか考えられない。いわゆる官製談合だが、今回、会計検査院はこうした問題については触れていない。そして、一般競争入札だったが、応札は4件の業務ともライジングサンセキュリティ社1社だけだったことも不可解である。

 さらに会計検査院は、約2億円もの過大積算があったと指摘したのだが、「今後の改善」を求めただけだった。過大積算による税金の損失を何故、放置するのか?

 8年前にも会計検査院は、辺野古のボーリング調査の問題を指摘したことがある。その際は、会計検査院は2名の防衛局局長の責任を問い、処分するよう求めた。こうした事例から見ても、今回の会計検査院の指摘の不十分さは明らかである。あまりのひどさに一応の指摘をせざるを得なかったが、それ以上については何らかの政治的判断があったとしか考えられない。

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <11月6日の辺野古>海でも陸... | トップ | 辺野古への石材の海上搬送は... »
最新の画像もっと見る

沖縄日記・辺野古」カテゴリの最新記事