昨日(5月11日)は、午後、北部総合庁舎で池田副知事、前川土木建築部長らとの面談が予定されているので、午前中は安和桟橋、本部塩川港の状況を見てまわった。
もう5月の中旬だというのに、今年は梅雨入りが遅れている。照りつける太陽の下での牛歩行動はきわめて厳しいが、それでも、皆、黙々と歩き続けている。最近、辺野古への土砂搬送が遅れているのも、こうした地道な取組の結果によるものだ。
本年2月17日、県は突然、本部塩川港に、「牛歩行動は県港湾管理条例に違反する禁止行為。過料に課すことがある」という警告看板を出した。塩川ディ実行委員会が知事の見解を問うために質問書を送ったところ、「(警告看板は)適切に処理されたもの」という知事の回答文が送られてきた。県が、県民の辺野古反対運動を違法と決めつけたのは初めてなので、さすがに呆然とした。
結局、この問題は、オール沖縄会議現地闘争部会としての取組となり、4月24日、県庁1Fロビーに100名ほどの人たちが看板撤去を求めて集まった。その結果、両副知事、土建部長らが看板の撤去を約束した。知事はギリギリのところで、県民の声を聞き入れてくれたのだ。
こうして本部塩川港の警告看板は、5月2日に撤去され、その他の看板も従来のものに戻された。
その後、県から、再度、我々と話し合いたいという申入れがあり、昨日の面談となった。県からは、池田副知事・前川土建部長・港湾課長・北部土木事務所長、我々は、山城博治さん・本部町島ぐるみ会議の4名・私が出席した。
(5月11日の県との面談。中央左が池田副知事、右が前川土建部長)
池田副知事は冒頭、次のように述べた。
「私どもは、辺野古を阻止するという点では、当然、皆さんと一致している。一方で県には、港湾管理者として安全確保の責任もある。今後は、抗議活動を安全にしていただけるということが確認できたので、警告看板は撤去し、以前からあったものは元の形に戻させていただいた。
今回、5月15日~16日にも現地での取組があると聞いた。県外の方が中心だということを聞いたので、なれていない方が多い。是非、皆さんから、安全に活動していいただくように呼び掛けてください。」
15日、16日は、以前のような塩川ディではなく、東京のグループが呼びかけたものなので、参加者はそれほど多くなるはずはない。何故、県がそのような情報を入手したのか不可解だったが、県は、業者から申入れがあったことを認めた。
「5月9日、本部塩川港を使用している業者の団体(本部港塩川地区の港湾施設使用にかかる連絡会)から、警告看板を元に戻すよう要請書が提出されました。」
この業者団体は、2月にも県に要請書を提出し、それが県の警告看板設置のきっかけとなった。同じ業者団体が再度、県に申入れをしているのだ。おそらく防衛局の後押しもあったのだろう。そのために県は、「市民グループにも注意はしています」ということを示さざるを得なくなり、昨日の面談になったものと思われる。
参加者からは、本部塩川港の最近の状況等について、次々と意見が出された。県の警告看板が出されて以来、防衛局がマイクの音量をいっぱいにあげて牛歩行動をしている県民にわめきちらしていること、周辺の国道の凄まじい粉じんの実態について、一日にダンプ台数は160台という約束が破られてしまっていること等が指摘された。
面談時間は30分少しだったが、池田副知事は最後に「これからも引き続き意見交換をしていきましょう」とまとめて、この日の面談を終えた。
(琉球セメント安和桟橋)
(本部塩川港)
(本部塩川港の警告看板は撤去され、従前のものに戻った)