先週、「魂魄の塔」横の熊野鉱山に重機が動いているという連絡が入った。
さっそく沖縄ドローンプロジェクトが現地を撮影してくれたが、鉱山予定地に重機が入り、先に具志堅さんや県が遺骨を確認した上部の崖の下がすっかり荒らされている。業者の事業が始まったのなら、知事が出した「遺骨の確認」という自然公園法に基づく「措置命令」違反となる。
(鉱山敷地内に斜面を上がる作業道が付けられ、上部の崖下部分の岩が撤去されてしまった。(9月2日 沖縄ドローンプロジェクト撮影))
(同じ場所の今年3月30日の写真(沖縄ドローンプロジェクト撮影))
特に問題となるのは、上部の崖下の部分である。
(9月2日 沖縄ドローンプロジェクト撮影)
(9月2日 沖縄ドローンプロジェクト撮影))
下は本年3月30日の同じ個所の写真である。昨秋から今年、具志堅さんや県が、中央左側の扁平な岩の付近で遺骨を収集した。その一帯の岩が上の写真のようにほとんど撤去されてしまったのだ。
(3月30日 沖縄ドローンプロジェクト撮影)
今日(9月6日・月)、県庁に行き所管の保護援護課長に事情を聞いた。なんと県の遺骨収集情報センターが8月16日から25日、遺骨収集のために重機を入れたことが分かった。
そして以前、具志堅さんや県が遺骨を確認した扁平な岩の下から、上半身の遺骨を収集したという。岩の下に挟まれていたので、重機を入れて岩を取り除けたと課長は説明した。下半身部分の遺骨は見つからなかったが、頭部の骨もあったという。
しかし、斜面上部の崖下付近は、何処も遺骨が残っている可能性が高い。今回のように大型重機を入れてしまえば、その付近の遺骨が破壊され、散逸してしまった可能性が高い。重機を入れる前に、一帯を手作業で念入りに調査をしたのであろうか?
熊野鉱山で今まで見つかったのは細かい遺骨だったが、今回、上半身の遺骨が見つかったということは、周辺にさらに遺骨が残っている可能性を示している。全域の詳細な調査が必要である。
最近になって熊野鉱山が慌ただしく動きはじめている。業者は、県の措置命令を不服として公害等調整委員会に申立てをした。さらに土砂搬出のための農地一時転用申請を行い、進入路部分の伐採届を提出した。このままでは9月12日以後、伐採が可能となる。シーガーアブが破壊され、その付近の遺骨収集が出来なくなる可能性が高い。
このような時期に、県が遺骨収集作業を行ったことも不可解である。
<お詫び>9月4日(土)のブログでこの件を報じましたが、その後、県が行ったことが判明したので、全面的に書き変えました。