(判決前の事前集会には200名を超える人たちが集まった。)
14日(水)は、高江の住民2人に対して、沖縄防衛局が通行妨害禁止を求めた訴訟の判決日だった。ヘリパッド建設により生活が破壊されるとして抗議した住民に対して、国が妨害行為の禁止を求めたものだから、これは、「スラップ訴訟」、すなわち被告や関係者の反対運動を委縮させる効果を狙ったものだ。那覇地裁には、200名を超える人たちが集まった。皆、勝訴を確信しているものだから、時々、笑い声も聞こえる。
傍聴席は26名分しかなく、抽選には落選。廊下で待機していると、10分ほどで皆が沈痛な顔をして出てきた。おかしい、どうも不当判決らしい。
地裁前の公園で弁護士さんらが掲げたのは、やはり「不当判決」という垂れ幕。あちこちで、「エーッ」という驚きの声があがった。
その後、八汐荘で報告集会が行われた。判決の内容は次のようなものだった。
1.国による本件訴訟の提起は、訴権の乱用または信義則違反には当たらない(「スラップ訴訟ではない」ということ。)。
2、被告Iさんの2007年8月の5回の行為は、「純然たる表現活動の範囲を超えている」。Iさんは、国が本件各土地を通路として使用することを妨害してはならない。
3.被告Aさんにの関与は、必ずしも通行や工事に対する妨害行為を伴わない。Aさんに対する国の請求を棄却する。
4.国側の、Iさん、Aさんが意を通じた第3者に妨害行為をさせたとする主張は退ける。
弁護団からは、判決の問題点が詳しく説明された。とりわけ、Iさんに対して「妨害行為」と認定した内容は、国が提出した写真などの証拠から形式的に判断したもので、「ゲート前に立ったため、防衛局職員が道路の端を通行することを余儀なくされた」という程度のものや、現場にいたほかの住民とともに座り込みや両手を挙げるなどして説明を求めたものなどにすぎない。生活を破壊されようとする住民らの、座り込みという最低限の異議申立を「妨害行為」とすることは、生きる権利や表現の自由を根本的に否定するものだ。
当然、Iさんらは、「これからも闘う」と強い決意を表明され、皆の拍手がまき上がった。
翌日の新聞報道も、判決の内容を強く批判したものだった。「識者談話」ではなく、本文で、「今回の判決をもって住民は抗議運動を委縮する必要はなく、国も住民運動を抑制することがあってはならない。」(琉球新報)という明確なメッセージが出されていた。
判決に関する新聞報道は、住民の会のブログに詳しい。
午後6時から、浮島通りの宿を借り切って打ち上げ会が開かれた。弁護士さんらも交え、皆で「食べ放題、飲み放題」で大騒ぎ。誰も敗訴を落胆などしていない。陽気な仲間たちとゆんたくをしていると、高江は負けない、明日からの抗議行動も今までと同じように続けていけると確信できた。
敗訴だったIさんのギター、そして弁護団事務局長Yさんのピアノ。さすがに息が合って、なかなかのものだった。その後のIさんのサックスも素晴らしかった。
以下は、15日(木)の朝刊。