(那覇地裁に入る原告団)
5日(月)午前、那覇地裁の辺野古アセス訴訟で、元防衛庁課長の高見沢氏(現防衛研究所長)の証人尋問が行われた。彼は、普天間基地の移設返還などを定めた日米特別行動委員会(SACO)当時の防衛庁の交渉担当者で、オスプレイ配備を念頭に米側と交渉しながら、地元側に明言しないよう米側と想定問答集を調整した、いわば、オスプレイ隠しの張本人ともいえる人物だ。
28の傍聴席に対して、傍聴希望者は130人にもなった。とても傍聴券の抽選には当たらないと思っていたが、なんと見事当選。しかし、今までこの訴訟を担ってきた関係者に譲って、法廷の廊下で待機した。
閉廷後、前の公園で報告集会が開かれた。やはり高見沢は、防衛大臣が守秘義務を解除した範囲でしか証言できないとして、国会で答弁した以上の内容にはいっさい入らなかったという。そして、「国会では、はぐらかしの答弁をすることもある」と認めるなど、まさに、高級官僚としてのふてぶてしさを見せたようだ。それにしても、高見沢の証人尋問が実現したこと自体が、市民運動の力で、防衛省の高級官僚を引きずり出したのだからすごい成果だ。
これで辺野古アセス訴訟もいよいよ終盤を迎える。今後、原告、被告双方が最終準備書面を提出し、7月18日に結審。判決は秋になるだろう。政府の埋立申請ができなくなるような判決が出ることを期待したい。
(開廷前の事前集会)
辺野古アセス裁判 当時の交渉担当者が証言台に(3月5日 QABテレビ)