



シリトリが特技の古風な高校生、スミレは駅裏商店街の映画館に迷い込んだ。映写技師の有働に一目惚れしたスミレは、両親に頼み込み、映画館でアルバイトを始めることに。『走馬灯』の上映を観てしまった翌日、スクリーンが何者かに破られていた。父の浮気、スミレの悩み、そして映画館の謎。まるく収まるか、大惨事か?―。


最近の映画館はシネコンとかで明るくてきれいでひとりでも安全だけれど、むか~しの映画館は結構怖かった。
ま!痴漢がでるってのもそうだけれど、薄ら暗くてジトーっとしていたり、ねずみが走っていたり・・・っていつの時代の話をしているのでしょう。
商店街には映画館があったんです。〇〇国際って映画館が。子供だけでは入れないから親につれていってもらうんだけれど、今みたいに入れ替え制ではないから一日中いられるわけ。
で、マタンゴをもう一回みたいとゴネて観て、さらにもう一回と言ったら親に勝手にしなさいと置いていかれたことがあった。2本立てだったからつまらないもう1本をみないとマタンゴはやらないわけで・・・
それに映画館にはお化けがしょっちゅう出る。と聞いていたから怖くなってやっぱヤメようと走って帰った。そのことはずっとずっと語り継がれているから、刷り込まれて記憶として残っちゃっている。
おばけは出ていたみたいです。。。

お隣にいつの間にか知らない人が座っていた。その人がいつの間にかいなくなっていた。暗がりならではのお話がまことしやかにささやかれていた映画館でした。2階はお化けが出るから行っちゃダメだよ!
私の話はいいとして・・・この映画館にも幽霊がいます。にも?

途中、ややドタバタしていて、こんなはずじゃなかったんだけれど?と読者の私は思ったのですが、思っただけで読み進みました。そうしたら

最後はまたしてもドタバタしていましたが、こういう境目っていうのは、やっぱりきっとどこかにあるはず。と、妄想のきっかけをつくっていただきありがたいことでした。
境目はステキでした。行ったこともないのにパリのオペラ座、はたまたウィーンかどこかの・・・
堀川アサコさんは2冊目 初めての「幻想郵便局」が、こういうの好き だったから新刊が出たお知らせをみて読んでみた。楽しめました。

