



恋人の家を訪ねた青年が、海からの風が吹いて初めて鳴る“鳴鱗琴”について、一晩彼女の弟と語り合う表題作、言葉を失った少女と孤独なドアマンの交流を綴る「ひよこトラック」、思い出に題名をつけるという老人と観光ガイドの少年の話「ガイド」など、静謐で妖しくちょっと奇妙な七編。「今は失われてしまった何か」をずっと見続ける小川洋子の真髄。

海
小さくない小さい弟が発明した楽器 海からの風で鳴る 鳴鱗琴。机の引き出しの木箱の中。触れずにもどした。べたべたしたコップが気になった。
風薫るウィーンの旅六日間
一人で来たのにな~んにもできないんだ。お付き合いして観光できなかったけれど・・・ほんわかりん
バタフライ和文タイプ事務所
「猫を抱いて象と泳ぐ」を思った。ちょっとだけでも姿を見てみたかったです。
銀色のかぎ針
おばあちゃん・・・・?
缶入りドロップ
こんなに優しい幼稚園バスの運転手さんだったら・・・
ひよこトラック
しゃべれなくなっちゃったのね。ひよこトラックの横転したおかげで・・・
ガイド
なんていいお話なんでしょう。
僕の題名は「思い出を持たない人間はいない」
「バタフライ和文タイプ事務所」と「ガイド」が好き。

