

森で暮らす小鬼は、弟を探して迷い込んだ少女・民と出会う。
過去見の術を使って弟がいた過去世を見せるが、その為に民は錯乱し、身内に『鬼の芽』を生じさせた。
鬼の芽は、破裂し、非道を働けば、地獄に落とされ、現世へ二度と戻れない。
だから小鬼は、生まれ変わる度に生じる鬼の芽を、千年にわたって、摘みとる業を自ら望んで背負うことに……。
人の心の機微を、気鋭の著者が描く、ファンタジー小説。
三粒の豆
鬼姫さま
れの呪文
隻腕の鬼
鬼と民
千年の罪
最後の鬼の芽








そ!ファンタジーかと思って読んでいた。途中まで・・・
民と小鬼、人と鬼だけれど通じちゃったのね、心が。
掛け替えのない・・・
だから千年もの間ずっと見守ってきた。
なのに・・・
最後がとても切ないです。
民は最後に送られてきたときに望んだ七歳の娘のまま、小鬼に出会った時のまま・・・
約束通り小鬼の体は砂と化した。
欠片をすべて集めることができれば小鬼は小鬼となるかもしれない。
だから民は・・・
150年で腕一本かぁー・・・
小鬼にふたたび会えますように、と願わずにはいられないお話だった。
良いお話でした。
★★★★★
