今日もきのこ 観察日記

野山を散策したときに見かけたきのこ、草花、虫などを書きとめておきたい。いろいろ教えてください。

信州遠征 その1 2008.10.05-06.

2008-10-10 07:12:14 | Weblog
 朝から雨が降り続いている。きのう、自宅を朝4時に出てから、雨雲と一緒に二日行動していたようものだ。信州を後にする時間が迫っているというのに、山では相変わらず、雨が降り続いている。


 昼に出発して帰宅するとして、この山が最後のポイントになるのだが、あてにしていたコウタケは姿なく、マツタケのポイントは前日の日曜日に先行者が荒らした跡だけが残っていた。仕方なく戻りながら見ていくと、立派なナガエノスギタケが3本まとめて放置されていた。先行者に抜かれそのままにされたようだった。あまりきのこを知らない連中だ。これを焼いて食べたらなかなかに珍味なのに。


 そして、続く斜面には何と言うことか、シモコシが1本だけ出ていた。今年の複雑な季節の進行を物語っているかのようだ。



シモコシ Tricholoma equestre (L.) P. Kumm.


 恐らく、8月末の冷え込みで引き金が引かれてしまったものなのだろうが、その後の暖かい日のせいで、きのこの出は停まってしまっている。


 車に戻る尾根道は右側が急に落ち込み、車道に続いていて、ナイロンの紐が張られて止め山になっている・・・・。


 その時、その紫色のナイロンの紐の向こうから人が出てきた。「先週の金曜日に誰かが入って、松の木の根元を片っ端から掘っていった。そんなところにマツタケは出るわけないのに・・・」。そう言いながら、腰にはマツタケが沢山はいった籠を付けていた。



マツタケ Tricholoma matsutake (S. Ito & Imai) Sing.


 狭い急斜面の松林でも沢山でるものだ。やはり、出るところには出る!ナイロンの紐の向こうは別世界だ。もちろん、我々が別世界に侵入したとしても、容易に蕾のマツタケの在処を見つけ出すことは難しいことなのだ・・・。




 今回の信州への遠征は、友人がクロカワがどうしても採りたい僕を故郷の山に誘ってくれたお陰で、実現したのだった。10月5日、朝、自宅を出てから西明石の友人宅により、二人で長野を目指した。天気予報は午後から天気が崩れると予報していたが、雨は阪神高速を走り始めた時から降り出していた・・・・。


 養老SAで休憩を取り、南信を目指した。昼神温泉に着いたのは十時過ぎだった。道の脇には地採りのきのこが売っている。


   
左:クロカワ Boletopsis leucomelaena (Pers.) Fayod
右:スギタケ? Pholiota squarrosa (Batsch) P. Kumm.

クロカワはこの値段であっても、魅力的だが、スギタケはどうだろう・・・・。


 初日は案内も無く、さて、どこへ行こうかと考えたが、友人M氏の若かりし頃、通った山を見ることにした。温泉から西の山に登っていく。登ってゆくにつれ、カラマツが増えて行く。峠を目指して進むが、途中、白っぽいきのこが沢山出ていたところで、様子を見に歩いた。





   
ウスフジフウセンタケ Cortinarius alboviolaceus (Pers. ) Fr.


 周囲には分らないフウセンタケが幾種類か出ていた。そして、古いシロヌメリイグチ・・・。ハナイグチは出ていないかと探し回ってみると、漸く小さな幼菌を発見した。



ハナイグチ Suillus grevillei (Klotz.) Sing.


 ハナイグチはこれからがシーズンのようだ。その場所から峠まで一気に登った。高度、1100メートル辺り、車窓からオレンジ色の綺麗なきのこを目撃した所で車を降り、散策する。



アカヤマタケ Hygrocybe conica var. conica (Schaeff.) P. Kumm.


 ありふれたきのこでも、ここまで来ると色が鮮やかで綺麗に思えるではないか・・・。植物もこころなしか綺麗に思える。



センブリ


   
ノギク達・・・



 お気に入りのアケボノソウは、まだ、蕾だった。遅い・・・・。



アケボノソウ


 道沿いに白樺が生えている辺りにヤマイグチらしききのこが出ていた。



ヤマイグチ?


 そして、初めて出会うカラハツタケ・・・。





   
カラハツタケ Lactarius torminosus (Schaeff.) Gray


 カラハツタケの沢山出ていたところから少し下った道の反対側の斜面に気味の悪いきのこが幾つも出ていた。どれも、傘が開かぬうちに柄が腐っていくようだ。





   
マムシフウセンタケ?? Cortinarius trivialis J. E. Lange


 ヌメリ具合はとても美味そうだが・・・。


 そして、出会ったのは昼神の店で見かけたスギタケ。道沿いの地面から沢山出ている。









スギタケ Pholiota squarrosa (Batsch) P. Kumm.


 食毒注意とある。が、いかにも美味そうだ。でも、今夜はマツタケ会席・・・。写真だけにしておいた。


 峠の、去年、ホンシメジにであったというポイント周辺を歩いてみたが、季節は熟せず、雨もひどくなってきたので場所を大きく変えることにした。





天気は悪いが、やはりここまで来ると山のスケールが違う。降られて、尚、爽快!!

コメント (2)
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