金曜の夜の天気予報では白馬村は土曜は雨、日曜日と月曜日は曇り時々晴れだった。まだ、しばらくは梅雨が明けそうもない様子だったから、曇り時々晴れは上出来だ。それでも迷っていたのは、登ったことの無い山だったことと、標高差1500m程を一度に登ったことが無かったからだった。単独の登山だし、本当に登れるんだろうか・・・・。
考えていても、やって見なければ分からない、駄目だったが戻ってくればいい・・・・。気楽に考えることにして、兎に角、思いつく荷物をザックに積め込み、入らないものは車に放り込んで自宅を出たのが、午前の10時だった。猿倉の登山口の駐車場に夕方の5時に入ることにして、中国道から名神高速、中央道、長野道を走った。大町で食料などを買う。今回は白馬山頂で山小屋で1泊する積りだから、今夜と翌朝の食事、昼飯を2回分用意する必要がある。前回の大山ユートピアでデビューしたバーナーを持ってきたので、昼はカップラーメンにした。でも、水を背負っていかないといかんのか・・・・。それと、ビールを何本入れていくか・・・・
計算通りに、午後5時、小雨の降る猿倉の駐車場に到着。ほぼ満車なのだが、この時間で人影はほとんどない。3連休初日の今日、山頂に向かった人たちの車なのだろう。空いたスペースに車を停めて、登山口のある猿倉山荘の様子を見に行った。
猿倉山荘の脇の道が薄暗い森の中に続いていて・・・・、これが登山口のようだ。
そして、こんな看板が。。。
自己責任・・・・、きのこを食べる時に、いつも使う言葉だ。「自己責任でどうぞ・・・。食べられるなんて、言っていませんよ」、なんてね。また、不安になってくる。
車に戻り、晩飯にする。コンビニでパスタを温めてもらった。それと、チーズ、ソーセージ、ビールを2本。さらに、「大雪渓」という日本酒を・・・・、いい加減にしないと二日酔いになりそうだ。その後、轟々と流れる川の音を聞きながらシートの後ろで寝袋に入り寝た。
翌朝は、おにぎり2個を食べてから、荷物をまとめて出発。この車に戻ってこられるだろうか・・・、などと真剣に考えながら山荘まで歩いた。山荘のトイレにより、体調をチェックするが、まあまあ、なんとか行けそうだと思っていたところで土砂降りになった。山荘にはタクシーやらバスやらが到着して人がどんどん増えてゆく。
覚悟を決めて山荘から白馬尻を目指して歩き始めたのは6時過ぎ。
白馬尻から大雪渓が始まる。皆、ここでアイゼンを装着して歩き始めるのだ。
ここを歩いて行くのか・・・・・。
どうも覚悟が出来ずに、ウロウロ、グズグズしていたが、30分後、登り始める。
上下のレインウェアを着ているので、雪渓の上とはいえ、汗が吹きだした。急な雪渓が続く。何度も立ち止まって休みながら、その2時間後、大雪渓を登りきった。
下からも、どんどんと登ってきている。
アイゼンを外し、岩場の周囲の花の写真を撮った・・・・
ミヤマキンポウゲにクルマユリの蕾かな・・・・
さらに、写真を撮ろうとすると、突然、モニターに「バッテリーがなくなりました。交換して下さい」とのメッセージ。おかしいな、充電してきたはずなのにと思ったが、バッテリーを交換すると、レンズが飛び出したまま、応答しなくなってしまった。このタイミングでカメラが壊れた・・・・・。ザックの中にはデジ1が入っているとは言え、苦しい山行になるのは確実だ。
大雪渓を何とか登りきったが、その後の岩場、さらに小雪渓と続く。急斜面で、今までに経験したことのない苦しさ・・・、水分を採っても喉がカラカラのまま。カメラは壊れちゃったし、戻ろうかとも思ったくらい。それでも、何とか頑張って登り続けると、道の脇に花がチラホラとしだした。
左:ハクサンイチゲ
右:ミヤマキンバイ
あ・・・・、山で初めて見るミヤマオダマキ・・・
それからまた、急斜面を1時間ほど歩くと、赤いシャツを着た数人のガイドが花の説明に立ってくれていた。もう、先を急いでもしょうがないと思って、ストックを置き、ザックを降ろし、デジ1だけ持って写真を撮って歩いた。
マイズルソウ
ミヤマシオガマ
ミヤマクワガタ
?
・・・タデ?
シロウマオウギ
イワオウギ
イワオウギの仲間はこの葱平に4種咲いているらしいが、まだ季節が早くてほんの咲き始めだ。
ミヤマシュロソウ
ミヤマオトコヨモギ
これの名前を言ったらガイドさんに褒められた。。。
ヤマガラシ?
イワベンケイ(雄株)
ミヤマキンポウゲ
ハクサンイチゲ
また、ザックを背負ってゆっくりと歩き出した。もう、山小屋まで30分ほどのはず。カメラを肩から掛けたまま進んだ。
ミヤマオダマキ
つづく。