いつになく早く寝たせいか、朝は3時過ぎには目が覚めていた。トイレに行ってから、また横になっていた。このまま、また寝てしまえばそれはそれでも良いと思っていたが、眠くはなかった。思い切って起き上がり、着替えて、カメラだけ持って外に出た。昨日の夜に、日の出は4時40分頃、そして山頂まで行かなくても夕方に景色を見に行った場所まで行けば朝日が昇るところを見ることができる・・・ことは調べてあった。
4時10分、宿舎のドアを開けて外に出ると・・・・、雲はあるが、その間から遠くの山が見えている。そして、空は色づき始めている。また杓子岳へ向かう稜線を歩いて行く。
空には三日月と、金星だろうか。明けの明星だ。
ゆっくり歩いて行く。足は筋肉痛がひどい。
また、テントサイトの上を通ると、幾つかのテントには灯りが燈っていて綺麗だ。
10分ほど歩いて、昨日の場所に着いた。既に数人の人が色づいてきた空を眺めていた。あと15分くらいだろうか・・・・
空が一段と明るくなり、空に浮かんだ雲が朝焼けで燃え立つ。
そして、太陽が地平線から顔を出した。
何時の間にか人が沢山集ってきていたので、日が出てからすぐ場所を譲り、朝日と反対側の山を眺めた。
そして、急ぎ足で宿舎へ戻る道を進んだ。
また、テントサイト・・・。
予定では朝飯を食べてから5時半には宿舎を出ようと思っていた。部屋に戻ると、同室の人が起き上がり、日の出は見えたかと聞く。朝日の様子などを話してから、また二人で食事に1階まで降りた。また、バイキング形式でデザートまである。昨夜はバテバテで、あまり食べられなかったが、今朝は、これから長丁場になるのでしっかりと食べた。
部屋に戻り、支度をする。そして、帰路についていろいろとアドバイスを聞いた。今日は焦らず、慎重に、無事に戻ることだけを考えること。鎖場と鑓温泉下の雪渓に気をつけること。体力を使い切らないこと。戻った頃には体はボロボロになっているだろうと、同室の人は言う。9時間くらいはかかるだろう・・・・・。
歯を磨いて、トイレに行き戻ってくると彼は栂池方面に出て行った後だった。こちらも、6時に宿舎を出た。
気持ちよい朝だ。晴れているが、稜線の道は風が強い。ウィンドブレーカーを着ようかとも思ったが、酷い汗かきなのでちょっと寒い方が良いかと思い、長袖シャツの上に半袖を重ねただけで歩いた。
朝日のあたる花を眺めながらゆっくりと進んで行く。
ミヤマダイコンソウとオヤマノエンドウ
シナノキンバイ
ミヤマクワガタ
ハクサンチドリは咲きはじめ・・・
クロトウヒレンと残雪
尾根筋を歩いて行く。
ハクサンイチゲ
尾根の右側の風の吹きさらしている辺りを見ていると、見つけた。
コマクサ
そして、ハイマツ帯にハクサンイチゲ
良い天気になった。土砂降りの大雪渓を登ってきた甲斐があったというもの・・・・。
何故か、懐かしい感じの・・・・
コイワカガミ
分かりにくいが分岐があった。
左、杓子岳山頂、右は山頂をトラバースする迂回路
宿舎を出てから、まだ1時間少々で、先はまだまだ長いのだ。体力温存のため、山頂を迂回した。
大雪でもみたミネズオウ
空が怪しくなってきたぞ・・・・
でも、崩れるという感じではない。
ハイマツ帯に入る。
ハイマツとキバナシャクナゲ
コマクサ
何故か、一箇所にいろいろな花が群れて咲いている。
稜線を進んで行くと、緩やかに道は登り始め・・・・
ミヤマシオガマ、ミヤマキンバイなどのお花畑
道はやがて傾斜が急になり、小鑓への登りにかかった。今回は昨日、登るための筋肉を使い切ってしまったようだ。登りになると、極端にスピードが落ちてしまう。休憩していると、小鳥が近くまで飛んできてとまった。
つがいで遊んでいたのだが、写し損なった。。。
シコタンソウ
ミヤマオダマキ
空は、下に雲海、上にも雲。雲と雲の間を歩いている・・・・。
さあ、鑓ヶ岳山頂に向かって登って行こう。
山頂への道。
さらに続く。