緊急搬送の後の1週間の入院の顛末をブログに書き残したあと、随分経ってからきのこの仲間二人からメールを頂いた。二人とも仲間というのも憚られる、きのこの大先輩でいつもいろいろと教えて貰っている。随分経ってからというのは、最近、花を訪ねて記録ばかりしているので、このブログもたまにしか見ていないということだろう。
二人ともとても心配してくれて感激したのだが、最後には「あの水色のイグチが出始めたら連絡してね」で終わるのだった。あの水色のイグチ、例年なら9月の第1週から2週位に出るのだけれど、今年は8月後半から雨が良く降り、しかも気温が下がった。そして、先週の山ではヌメリコウジタケの姿がちらほらと見えていた。それで、この週末はあの水色のAureoboletus sp.の出る斜面の様子を見に行くことにしていた。
朝はいつもの通り、7時には目が覚めていたが、それからのんびりとPCをチェックし、朝飯を食べた。それから着替えてカメラと籠を持って家を出た。庭には、早くも秋明菊が花を咲かせ始めていた。やっぱり、今年は秋が早い。妙に焦りを感じてしまう・・・。
知り合いの別荘の脇の斜面を歩くので、何か手土産を持って行きたいのだが良いものがない。途中、コンビニに寄ってみたが酒のツマミを持って行くわけにもいかないので、結局、手ぶらで行くことにした。
目的の場所に着いて坂道を登って行くと、知り合いの夫婦は庭のベンチに座ってビールを飲んでいた。ああ、もう昼になるのか・・・。すぐに呼び止められ、一緒に座って近況などを話した。話しながらも、周囲をチラチラと見ると・・・・
キニガイグチ
座っているベンチの2mほど手前に見慣れないきのこが数本出ていた。なぜか惹かれる姿・・・・
気になって写真だけ撮っておいた。このきのこの正体は翌日、明らかになって笑えるオチもついた。その内にまた。。。
話は尽きない。でも、続きはきのこを見てきてからにすることにして、斜面に向かった。知り合いの話では先週辺りからイグチが沢山出ていて、腐っているものも沢山あるという。僕のことを気にしてくれていて、今朝も様子を見に行ってくれたとか。で、・・・・「もう、出ちゃってると思う」だそうだ。
道から見える、2年前に僅かに出ていた場所を見てみると・・・・、愕然。
Aureoboletus sp.
もう老菌で、水色も僅かにしか残っていない・・・・
他にも分らないニガイグチ属が幾つも出ている。
Tylopilus sp.
やはり出てしまっていた。気を取り直して道の反対側の日陰の林の中に入る。そこが最も発生の多い場所の筈だ。斜面を登って行くと大きなコビチャニガイグチが出ていた。
コビチャニガイグチ
初めてこの斜面で水色のアウレオを見つけた時も同じ場所にコビチャニガイグチを見たのだった。でも、あの時はまだ幼菌だった。嫌な予感がする。
そして、さらに少し登った所に・・・・
Aureoboletus sp. 水色のアウレオ
やはり少し遅かったか・・・・。先週、この斜面は歩かず、車で通り過ぎて先の山を歩いたのだった。あの時の帰り道で立ち寄っていたら・・・・、などと考えながら歩いた。
Tylopilus sp.
これ、分らないけれど、沢山出ているな。
抜いて見た。??
雨が沢山降り続いたので、枯れ木からナラタケも出始めていた。
この時期だと、ナラタケモドキが沢山出るはずなのに・・・・
そして、水色のアウレオの特徴を良く残した個体に出会った。
傘は水色がかった灰色で老菌になると色褪せて、というより色が禿げてくる印象。孔口は鮮黄色で古くなると柄も孔口にも赤い染みが浮かんでくる。
そして・・・・
若い個体
成菌と老菌、合計4個体。
ここで、きのこの仲間二人に携帯で電話をした。「出ちゃってた!でも、まだ間に合うから・・・」
その後、幼菌も見つかり・・・・
これから、この斜面を訪れるだろう仲間のためにきのこには手を付けずにおいた。
この斜面には他にはダイダイイグチとかベニイグチとかが出ていた。
一応、満足して、一度斜面を下り別荘の主の所に戻り、昼飯をご馳走になった。
つづく。