
暖かい曇天でユキワリイチゲは開ききっていた。要するにユキワリイチゲは気温が上がれば開くということだ。斜面を降りたのは午後の2時過ぎ。今日、兵庫の自宅に帰るにしてもまだ、時間があるので、帰り道にある渓谷を歩くことにした。

ヤマルリソウ
探したいものはあるのだが、まだちょっと時期が早いとは思う。入口付近に車を停めて独り、ぶらぶらと歩いて行くと前方からカメラをぶら下げた同好の士が歩いて来た。様子を聞くと、この谷はあと1ヶ月くらいしないと花は楽しめないな、とのこと。
少々、がっかりしたが自分で確認しなければと思い、進む。


ユキワリイチゲ
谷を登る小道の両脇を見ながら進んでゆくが、時々、ユキワリイチゲが咲いている位だ。探しているものは、一つはきのこ、もう一つは小さな花。どちらも見つからない。

ユキワリイチゲ
山側の斜面を見ながら登っていると、視界の端に黒っぽいものが落ちて来たのが分かった。あれ、カラスでも下りて来たのかなとは思ったが、田舎暮らしでは普通のことだから振り向きもしなかった。でも、その後、ガサガサ、ガサガサと騒がしい。
それで、音のする方を見てみると、唖然。

子犬くらいの大きさの動物が木を登って行く。
慌ててカメラを構えて写真を撮った。マニュアルでフォーカスを合わせる余裕は無かった。花やきのこばかり撮っていると、こんな時に対応できない。
リスかなと思ったけれど、あんなでかいリスはいないだろう。木を登る速度も遅いし、空から降って来たのだからモモンガかムササビかなと思ったけれど・・・・

途中で停まり、こちらの様子を見てから・・・・
さらに登って行って・・・・


おいおい、どこまで登って行くんだよ。逆光でシルエットしか捉えることはできなかった。
その後、未確認落下動物のことは忘れて、谷をさらに登って行くがシロバナネコノメソウくらいしか見つけることが出来ず・・・・

シロバナネコノメソウ

小さなつぼみを付けてイチリンソウ
母の家に戻り、そこから兵庫の自宅まで帰った。帰宅してから調べてみると、大きさや目の辺りに白線があることからムササビであることが判った。でも、夜行性のはずなのに薄暗い谷とはいえ、午後の3時にウロウロしていていいのかな、とは思った。