ケスハマソウ
翌日は朝、9時に友達の家に行く。夜中に随分と雨が降っていたのだが、6時頃からは雨は止んでいた。10時には雨が上がるだろうから、
その頃に谷を下り始められるように集合時間を合わせていたのだが当てが外れた。
予定の時間より10分余り早く着いたが、もう一人の同行者は到着して待っていた。去年?にも違う谷を一緒に降りた人。
友達からは、今日は新しい谷を降りる、と言われているのだが、その谷への道は地図にも出てこないし、待ち合わせた場所も把握できていない。
帝釈は恐ろしく道が複雑で、訳が分からない。そんな訳で写真を見ても記憶が蘇らずに困ってしまう。
谷への降り口は、友達は道というが普通の感覚からすると草藪だ。でも、そこを過ぎると何となく人の踏み跡か獣道か分からない道が
谷に続いていた。今回の道は比較的緩やかだが、石灰岩のゴロタ石が続いていて歩きにくい。かなり下った右斜面の岩壁にケスハマソウが
張り付いているが、残念ながら花は開き始めたところ。シロバナはそこそこ咲き始めているが・・・・
一面のケスハマソウを期待してきたので写真を撮る気になれず、周囲を偵察していた。
友達は、さらに下って川まで出ると言う。やっぱり、谷を下るのだから川は見ないといけないと思い、後に続くと途中にワサビを見つける。
友達はいつもとは違って早々に大きめのワサビを収穫して袋に入れている。帰り道に採ればいいのにね。
下った先は深い淵になっていて突き当たって右に進むしかない。
進んだ先には思いもしなかった景色が広がっていた。
正面が太郎岩という絶壁。下に空いている穴はダムの底に通じる放水口だという。岩壁の下方にある鉄枠のようなものは、作業用の通路のようだが、
去年の緊急放水で破損したらしい。友達は、この景色を見せたかったんだよと言う。
どうも記憶が不確かだが、2週後にもう一度ここに来ることにしてまた、長い斜面を登り戻った。