箱入り息子

私はマイペース人間と言われるし自認もしている。
さしずめ私の師匠はこの猫かと思われる。



なんていうと、この猫は齢60の化け猫かと
怒られそうだ。
年老いた猫は人語を解し、化けるとか。
そして尾が二股に分かれるとか。
猫又（猫股）という妖怪猫の民話は全国に散在している
ようだが、上越にもお話があり子供の頃聞いたことがある。

話は逸れたが、我が家の猫をそのように言っては失礼だ。
もう７,８歳になるのだが、やんちゃなところと不躾な
ところは相変わらずである。
とにかく、好奇心が旺盛で、缶ビールの箱が空くと
どういうわけか入ってみずにはいられないようだ。
称して「箱入り息子」という。門外不出の猫なのだ。
かって、たまたま開いていた玄関から外に飛び出したことが
あるが、家の裏に回ったところでコンクリートが途切れ
土の地面を前にして立ち往生してしまい、
あえなく、家の中に引き戻された。



玄関先に食餌をねだりに来る外猫の方がよほどしっかりしている。