カミさんと二人で東京都現代美術館に行きました。現在開催されている企画展はこちら、『豊嶋康子 発生法 ‐ 天地左右の表裏』です。豊嶋康子さんの作品、
2019年に国立新美術館で開催された『話しているのは誰? 現代美術に潜む文学』で観る機会があり、ちょっと興味を持っていたのです。
以前に見た作品はこういった ≪パネル≫ のシリーズで、今回も数多くの作品が展示されていましたが、それ以外の作品達も期待以上に興味深い物でした。
この ≪固定/分割≫、ひもを引っ張ってみたくなるなぁ(笑)。
この作品は ≪色調補正1≫。同じ色見本でも、異なる光を当てることで全く違った姿を現出させます。
こういう作品を観ていると、視点を変えることで、それまで見ていた世界が確固たる根拠のない "お約束" の上に成り立っている虚構であることが良く分かります。
これを見て何だかわかる方は少ないと思いますが・・・
後ろに回ると刈払機であることが分かります。私達が普段の生活の中で無抵抗に受け入れてることは物事のわずかな断片しか捉えていない・・・というか、何物も意味を内在させている訳ではないということを再認識させてくれますね。別に安っぽい警句と結びつける必要などはなく、単純にそのこと自体が新鮮で面白いよなぁ。
その他、これまでに受け取った断り状や小学校~高校までの通知表を並べた ≪発生法≫ のシリーズ等々、こんな所にそのまま展示しても大丈夫なのか?と心配になるような作品も色々あって(笑)、当初予想していたより遥かに見応えのある展覧会でした。
尚、この会期は来年、2024年の3月10日までで、特に事前予約の必要はございません。