私にとって2台目のアルピーヌ・ルノーA110がやってきたのは2004年の2月のことでした。以前と同じ74年モデルでしたが、今度は最もベーシックな1300VCでした。1600SCと比べてパワーは4割引?だったものの、BMW M1やポルシェ911に加えて増車する形だったので別に気にはなりませんでした。厨子にお住まいの前オーナーは色々な意味でお手本にしたい素晴らしい “趣味人”。クルマ以外にも射撃やオモチャ等々など数多くの共通点があり、すっかり意気投合してしまいました。
購入の翌年には、シミズテクニカルファクトリーにてエンジンのO/Hを実施しました。ご覧のように、ブロック、ヘッド、クランクといった大物以外は全て新品に交換し、WPC処理を施しました。1300VCの場合、O/Hを機にチューニングをする方が多いけれど、完全にノーマルで、キャブも純正の新品、純正のエアクリーナーつきという仕様にしました。その結果、真夏でも安心して出撃することができ、燃費も14.0km/ℓ を超えるという大変フレンドリーなクルマに仕上がりました。
その後も、入手困難なスモークのサンバイザーを探してきて装着(リプロではなく、当時物の純正)したり・・・・・・
ワイパーブレードを本物の “カラベル33” に交換したり……
ミラーを本物(ビタローニに非ず!)の金属シェルのエンゲルマン・セブリング・マッハ1にしたり・・・・・・
マスターを22mmにして、フロントのキャリパーをウィルウッドの4ポットにしたり・・・・・・
清水さんにお願いして、ワンオフで油圧式のパーキングブレーキを作ってもらったり・・・・・・とにかく、凄く気に入って大切にしていました。
もちろん、ガレージにしまっておくんじゃなくて、
雪を求めて走りに行ったりもしましたけどね(笑)。
ところが、2008年になって駐車スペースなどの問題などが発生。何かクルマを一台手放さなければならなくなってしまいました。そこで、最初は一番使用頻度の少ないBMW M1を手放すつもりで交渉を進めていたものの、中々話が決まらず時間切れ。泣く泣くアルピーヌを手放すことにしました。2008年5月のことでした。預かってくださる方がいないわけではなかったのですが、SZのときのように、手元にないと乗らないことは分かっていたので、潔く諦めることにしました。
しかし、このアルピーヌとの別れが、やがて次のプロジェクトを思いつく契機となるのでした(続く?)。