●鎌倉時代(後宇多天皇 北条時宗)
Pesants brought an action against Munechika Yuasa, Jito of Ategawa field.
悲痛(ひつう)な声が 聞こゆ朝。
1275年 紀伊国阿氐河荘民の訴状 湯浅氏
鎌倉時代、牛馬耕や二毛作など農業技術の著しい発展を背景に、農民たちは村落の自治的結合を強め、支配者に抵抗する動きも見せた。
1275年、紀伊国では阿氐河荘の上村の百姓は強制的な夫役徴発など、地頭湯浅宗親の非道を13カ条にわたって六波羅探題に訴えた。
地頭が「ミミヲキリ、ハナヲソキ、カミヲキリ」といった手段で百姓を責めた様子が片仮名で書かれている。
〈2014立大・現代心理コミュ福祉経営
鎌倉時代から室町時代にかけて農業技術が発達し、地顔や荘民を中心にして積極的な耕地開発が行われたため、農業生産力が向上した。そのため、これに伴う富を誰が手に入れるかを、荘園領主や地頭、荘民が争ったのである。13世紀になると、荘民は土地との結びつきを強め、地域的なまとまりである村落に関連して地域社会の主体的な勢力となった。1275年に紀伊国( ヌ )荘の荘民が、地頭である湯浅宗親の非法を、片仮名書きの訴状で13カ条にわたって荘園領主に訴え出たことも、その一例である。
(答:阿氐河)〉
〈2013早大・文化構想
このような意見や議論は、次第に地域社会へと広がっていった。たとえば、国司の暴政が著しくなり、その圧政をc尾張国郡司百姓らが訴えた愁状が知られている。さらに、荘園制の展開のもとで、d阿氐河荘の上村百姓等が13箇条にわたって地頭湯浅氏の暴虐を訴えたとされる例もある。一方、京都では、後醍醐天皇の御所に近い[ B ]条河原において、[ C ]の新政を批判し、社会を風刺する内容の落書が登場してくるようになる。
問5 下線dの所在する国名は何か。記述解答用紙の解答欄に漢字で記入しなさい。
問6 下線dの百姓らが訴えた文書に関する説明で誤っているものはどれか。1つ選べ。
ア この文書は、1375年に作成された。
イ 耳を切り、鼻を削ぐ、という暴虐行為が記されている。
ウ 材木に関することが述べられている。
エ 基本的には仮名で書かれた文書である。
オ この文書は、高野山に伝えられた。
(答:問5紀伊国、問6ア(正しくは1275年)、)
問7 空欄Bにあてはまる漢数字は何か。記述解答用紙の解答欄に記入しなさい。
(答:問7二)
問8 空欄Cにあてはまる語句は何をさしているか。1つ選べ。
ア法令の名称 イ国名 ウ職名
エ制度の呼称 オ年号
(答:問5紀伊国、問6ア(正しくは1275年)、問7二、問8オ(建武))
〈2014早大・教育
荘園のd下地中分に際して作成された図3(東海林註:問題内に当該絵図が付属している)では、中分が行われた境界の左右にこの決定を承認した[ B ]と[ C ]の花押が記されている。
問4 下線部dについて、この場合の正しいものをすべて選びなさい。
ア.この絵図には領家分と預所分の記載がある。
イ.この荘園の領家は松尾社である。
ウ.この絵図は伯耆国東郷荘を描いたものである。
エ.中分は守護と地頭の間で行われた。
オ.領家は地頭に一定額の年貢の納入を請け負わせた。
問5 空欄[ B ][ C ]に入る語の組み合わせとして正しいものはどれか。
ア.B:守護 C:地頭
イ.B:執権 C:連署
ウ.B:執権 C:六波羅探題
エ.B:預所 C:地頭
オ.B:守護 C:預所
(答:問4イ・ウ ※ア預所分→地頭分、エ守護→領家、オこれは地頭請の説明。問5イ ※執権北条長時と連署北条政村)