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入試 大正政治史 3

2015-11-23 | 入試問題+ゴロ合わせ

次の文章を読み、下記の問に答えよ。

日露戦争前に第 1 次内閣を組織した桂太郎は戦後退陣して、政権は西園寺公望へと移った。第 1 議会以来、衆議院内で多数派を構成する政党は、政治過程において無視できない存在となっていた。

1900(明治 33)年に結成された立憲政友会は、1903(明治 36)年に初代総裁伊藤博文が( a )に就任したため第 2 代総裁に西園寺をむかえ、衆議院において有力な勢力を保持していた。すなわち日露戦争勃発の時点では、第 2 党( b )を大きく上回る議席を有していたのである。

こうして1906(明治 39)年 1 月、第 1 次西園寺内閣が成立し、以後桂と西園寺が互いに政権を担当しあう桂園時代とよばれる時期をむかえた。両政権のもとでは、(1)日露戦後期固有の政策が展開した。

1912(大正元)年末、(2)2師団増設問題で陸軍大臣上原勇作が単独で辞表を天皇に提出し、第2次西園寺内閣は総辞職に追い込まれた。 ( c )に就任してまもない宮中の桂が、第3次内閣を強引に組織すると、それに反対する憲政擁護運動が全国的に展開した。立憲政友会が野党の立場をとったため、桂は与党となる新政党の樹立を試みた。しかし桂は多数派を組織することができず、50 日あまりで退陣を余儀なくされた。
第3次桂内閣倒閣後、第1次山本権兵衛内閣が成立した。海軍軍閥の巨頭山本は、立憲政友会を与党として組閣したが、シーメンス事件のために総辞職した。続いて第2次大隈重信内閣が(3)憲同志を与党として成立した。

衆議院における立憲政友会の絶大な勢力は一時的に低下し、(4)大隈内閣のもとでの総選挙の結果、( d )を総裁とする立憲同志会が第1党の座についた。大隈内閣が倒れた後に政権を握ったのは陸軍軍閥の寺内正毅であった。大隈・寺内内閣期は第一次世界大戦期とほぼ重なった。

東アジアにおけるヨーロッパ諸国の勢力が一時的に後退すると、日本はその間隙をぬって対中国政策を積極化させ、権益の拡大をねらった。二十一カ条要求、西原借款を通じての援段政策などがそれである。

寺内内閣は、国内では米騒動が、国外ではロシア革命が勃発するという危機的な状況のうちに崩壊した。たかまる社会不安に(5)元老は大きな衝撃を受けて、立憲政友会総裁の原敬を内閣総理大臣に推薦した。

原は陸・海・( e )の3大臣以外を総て党員から任命し、ここに本格的な政党内閣が成立したのである。

問 1.文中の空欄(a)に適する語句を、次の 1~5 から一つ選べ。
1.貴族院議長  2.枢密院議長  3.韓国統監  4.内閣総理大臣 5.元老
問 2.文中の空欄(b)に適する政党名を、次の 1~5 から一つ選べ。
1.立憲国民党  2.憲政党  3.進歩党  4.立憲改進党  5.憲政本党

問 3.文中の空欄(c)に適する語句を、次の 1~5 から一つ選べ。
1.宮内大臣  2.侍従武官長  3.宮中顧問官  4.内大臣  5.枢密顧問官

問 4.文中の空欄(d)に適する人名を、次の 1~5 から一つ選べ。
1.桂太郎  2.後藤新平  3.若槻礼次郎  4.大隈重信  5.加藤高明

問 5.文中の空欄(e)に適する語句を、次の 1~5 から一つ選べ。
1.内務 2.外務 3.大蔵 4.文部 5.司法

問 6.文中の下線部(1)について。桂園時代に展開した具体的な政策として誤っているものを、次の 1~5から一つ選べ。
1.工場法の実施  2.地方改良運動の施行  3.鉄道国有法の制定  4.八・八艦隊の計画設定  5.南満州鉄道株式会社の設立

問 7.文中の下線部(2)について。この問題はどのようなかたちで決着がついたか、次の1~5から正しいものを一つ選べ。

1.第 2 次大隈内閣期に増設予算が議会を通過した。

2.原内閣期に増設拒否を議会が決定した。

3.寺内内閣期に増設予算が議会を通過した。

4.満州事変後までその実現は見送られた。

5.第 3 次桂内閣期に増設予算が議会を通過した。

問 8・文中の下線部(3)について述べた次の 1~5 から、正しいものを一つ選べ。

1.桂太郎が樹立をはかった新政党の後身で、立憲国民党が一丸となって母体となり、それに中央倶楽部が加わって成立した。

2.1916(大正 5)年に改組して憲政会となり、さらに 1927(昭和 2)年には、革新倶楽部、および立憲政友会から分かれた政友本党と合流して立憲民政党となった。

3.桂太郎が新政党結成の宣言書を発表し、桂の死後結党した。シーメンス事件に際しては立憲政友会に同調して第 1 次山本内閣を厳しく追及した。

4.1916(大正 5)年の第 2 次大隈内閣総辞職とともに与党の座を退き、以後憲政会時代を含めて「苦節十年」とよばれる野党時代をむかえ、長く政権から遠のいた。

5.寺内内閣が成立すると党組織を再編し、憲政会を組織してそれに対抗し、立憲政友会と提携して超然内閣批判を展開した。

問 9.文中の下線部(4)について。この総選挙の選挙権資格を、次の 1~5 から一つ選べ。

1.男子 20 歳以上、直接国税 10 円以上納入者
2.男子 25 歳以上、直接国税 10 円以上納入者
3.男子 20 歳以上、直接国税 15 円以上納入者
4.男子 25 歳以上、直接国税 15 円以上納入者
5.男子 20 歳以上、直接国税 3 円以上納入者

問 10.文中の下線部(5)について。この元老に該当する人物を、次の 1~5 から一つ選べ。
1.黒田清隆 2.大山巌 3.桂太郎 4.井上馨 5.山県有朋
[解答]
問12  問25  問3 4  問45  問52  問6.1 問71  問84  問9 2  問 10.5

[解説]

問4.「立憲同志会」の後継政党は「憲政会」。

問6.工場法の実施は第二次大隈内閣。★地方改良運動

 

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