◆暗記に対する認識
その力を真に有意義な目的に注ぐ必要があります。
勉強を進めていくうえで、暗記は欠かせないものです。
単語を覚えることなく語学を修得することは不可能だし、人名を用いずに歴史を語ることはできません。
そもそも語彙なくしては考えを言葉にすることすらできはしないのです。
それほど重要なものであるにもかかわらず、
暗記に関する技術的な側面が語られることはほとんどありません。
その理由は多くの人たちが記憶力を天成のものと信じて疑わず、
それゆえその改善や向上など不可能だと思い込んでしまっているからです。
学生諸君はおろか、
勉強を教える教師たちまでもがそう思い込んでしまっているからやっかいです。
その結果、覚える事に対しては何の工夫もなされず、
がむしゃらに繰り返すしかないと誰もが漠然と考えてしまっているのです。
しかしながら他人と比較して「覚えられない、記憶力が悪い」と考えている人は、
単に覚え方が悪いだけなのです。
覚える際に、覚えるべき事柄にほんの少しの加工を施すことによって記憶力は格段に上昇します。
驚異的にと表現しても大げさな表現にはならないでしょう。
学習する上で最も重要な認識は、
暗記は勉強でも何でもないが、暗記すべき事柄は勉強を進めていく上において非常に重要な要素であるということです。
暗記は目的ではなく手段なのです。
あるいは道具と表現した方が分かりやすいかも知れません。
画家にとっての絵の具であり、演奏家にとっての楽器なのです。
ゴッホが絵の具を自ら作ることから始めていたら、
あるいはモーツァルトがピアノ作りにエネルギーを費やしていたなら、かれらは作品の中でその天才を発揮することはなかったでしょう。
持てる力を最大限に発揮するためには、
その力を真に有意義な目的に注ぐ必要があります。
勉強でもない暗記にエネルギーを費やしてしまい、
創造的な思考や独創的な発想から遠ざかってしまっては
まったくの本末転倒ではないでしょうか。
「ベック式!暗記術」は修行を経なければできないような難行や苦行ではありません。
その習得の容易さも大きな特長です。
立ち位置を少し変えるだけで大きく視野が開けるように、
視点をほんの少し変化させることによって大きな効果があらわれる、
そんな取り組みなのです。
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