THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

宗次郎

2015-08-13 23:45:06 | free form space

オカリナ奏者「宗次郎」のコンサートに行ってきました。

デビュー40周年記念ツアーとのことで、総勢10人編成という豪華さ(ペルーから来日した男性ミュージシャンも在籍)。

てっきり少人数での素朴なステージを想像していたので意外です。

40周年記念縦断ツアーとのことで、力を入れた内容にしてみたとのことで、全曲オリジナルの2部構成で2時間半近いステージ。会場は前売りチケットソールドアウトでビッシリ満員。

宗次郎は現在も茨城県の山村で暮らしていますが、オカリナも自ら土を練って製作。その数はゆうに数十万本にのぼるとのことですが、その中で実際に演奏に使用しているのはわずかに数十本だとのこと。

あの長髪を後方で束ねて髭面のルックスから仙人のようなイメージ、神々しい人なのかと思ったらけっこうユニークなジョークも交えて笑いをとっていましたね。

淡々とした語り口は貫き通していましたが。

しっかりとグッズ、CD,教則本の宣伝、そしてスポンサーに対する感謝の弁も絡めてもいました。

第1部が45分(全身真っ白な衣装)、15分の休憩を挟んで第2部は1時間(着替えて赤を基調としたエスニック風衣装に)、そしてアンコール。

宗次郎が奏でる、伸びやかで澄み切ったオカリナの音色が会場全体に響き渡ると別の次元に運ばれて浮遊しているような心地よさに包み込まれます。

どの曲が演奏されても、不思議と誰もがそれぞれ子供時代に過ごした田舎の情景が脳裏に鮮明に映し出されるのですよ。アジアンティスト満載な楽曲からラテン調、和洋折衷風とバラエティーなサウンド。真横の台にズラッと並べられたオカリナを次々に素早く持ち替えて吹き鳴らす姿は神のよう。オカリナは土でできているから使い捨てのカイロを上に常にのせて温めているのです。そうすることによってより良い音が得られるとの事。奥の深い楽器なのですね。

期待以上の素晴らしいコンサートは、あっという間に終了しました。「あと10年は頑張ります」と宣言してくれましたが、そんなこといわずにまだまだあと30年は活躍してもらいたいものです。

彼がオカリナの魅力に取り付かれて、全てをつぎ込み山篭りをしていた頃は誰もこの楽器の存在すら知らなかったそうです。

経済的にも相当に苦しい思いをしたようで、今これだけオカリナが普及したことに対する喜びと感謝の気持ちを聞いた時には、グッとくるものがありました。

でも実は私、子供の頃に、オカリナは密かに知っていました。

実物を手にしたのは、ずっと後のことですが、あの妖怪漫画の第一人者、水木しげる先生の傑作「悪魔くん」の中に登場するメフィストの名物場面にそれはよく登場していました。

主人公の悪魔くんのいうことをきかずに反抗的な態度をとったメフィストに対して懲らしめの意味でよく吹いていた楽器がオカリナ。

まあオカリナではなく「ソロモンの笛」と呼んでいましたがね。これを吹くとメフィストの山高帽が吹っ飛び、脳天からモクモクと煙が出てきて、のた打ち回りながら苦しみ、結局は服従するというもの。

人間の少年が大人のしかも悪魔にセッカンをするという、ちょっとユニークな発想は水木先生ならではのもの。

メフィストもなかなかに憎めないチョコレートとカワイ子ちゃん好きな良い奴なんですがね・・・・・(笑)。

 

道新ホールは久しぶりに入りました。

かなり前に「プリンセス・プリンセス」「ルースターズ解散コンサート」、そしてブリティッシュロックボーカリストの王者「ポール・ロジャース」を観て以来かな。

しかしこの8階まであがる手段はもちろんエレベーターか階段。

ちょっと不便ですよね。まあ仕方ないかあ。

 

 

コメント
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