THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

NATALIE COLE 死去

2016-01-05 04:04:52 | free form space

新年を華々しく迎えたばかりなのに、いきなり元旦に訃報が舞い込みました。

大晦日午後に入院先のロサンゼルスの病院で心臓疾患のためナタリー・コールが亡くなったとのこと。享年65歳。

ここのところずっと体調が思わしくなく2008年にはC型肝炎感染を告白。腎臓移植手術を受けたりもしていました。

26歳の時にデビューアルバムから「ジス・ウィル・ビー」が大ヒット。グラミー賞最優秀新人賞&最優秀R&B歌唱賞の2冠にいきなり輝きました。

彼女の父親はもちろん伝説のジャズ・シンガー、ナット・キング・コール。

私はさすがに彼の現役時代は知りません。ここからはちょっと長くなりますが私的なことを・・・・。

私が初めて洋画にどっぷりと狂っていったキッカケは中学生の時に知ったチャールズ・ブロンソン。

それまでのハリウッド男優の2枚目路線から大きく逸脱したその無骨でごついルックス。

遅咲きブロンソンの人気が当時はうなぎのぼりで公開される作品はリバイバルも含めて次々に大ヒット。

その頃、日本の男性化粧品メーカーといえばMG5の資生堂で、ハンサムなモデルを起用したCMも大当たり。ライバル会社の丹頂がマンダムに改名後、CM出演オファーしたのがなんとチャールズ・ブロンソンでした。ハリウッド俳優がCMに出演するなんて異例中の異例。ところが髭のブロンソンが「う~ん・・マンダム」と唸ったこのCMシリーズは大当たりで一大ブームを巻き起こしました(このセリフとポーズは日本男性の間ではやりましたね。これをきっかけにハリウッド俳優が日本のCMに出演するのも珍しくなくなりました)

このCM映像監督は若かりし頃の大林宣彦氏。

そして商品ヒットの一翼を担っていたのが、これまたロングヒットしたカントリー・シンガー、ジェリー・ウォレスが歌ったCMソング「男の世界」です(激しいドラムフィルから飛び出すイントロはまさにブラスロック!!)。

1発屋で終わっちゃいましたが、彼の歌唱が日本男児の魂を振るわせたのは間違いありません。

CMはシリーズ化され、ブロンソンも出演続行(髭を剃るシーンもありました。このためだけのギャラも相当な額だったらしいです)。

ジェリーが歌う「男の世界」も一段落したころ、ワイルドなマンダム路線からちょっとスタイリッシュに変更して登場したのがアイク・コールがカバーした「男の世界」

ピアノとオーケストレーションをフューチャーしたジャズ・テイスト溢れるお洒落でダンディーなバージョン。

残念ながらジェリーが歌うオリジナルほどのヒットは得られませんでしたが、私は両方のテイク共にお気に入りです(もちろん2種類所持。周囲の友人達からも不評をかっていましたが)。

で、そのアイクはナット・キング・コールの弟とレコード解説に記載されていたので、私もそっち方面にグッと興味が沸いて来た訳です。

また時は流れて私が内地に渡った1976年、第5回東京音楽祭が盛大にとりおこなわれ、そこでグランプリを受賞したのが初来日のナタリー・コールだったのです。

埼玉(といってもほとんど東京の真横の街)の音楽好きな先輩の部屋で生放送されていたそのテレビ番組を私も一緒に観ていましたが、そこで歌われた受賞曲(写真参照・来日記念盤)「ミスター・メロディー(3:06)」の豪快で華麗なボーカルに圧倒されたものです。

囁きかけるように抑え気味にスタートするもドンドンと大盛り上がり一気にフィナーレを迎えるというドラマチックな楽曲は言う事無しのパーフェクトな展開。

穏やかで優しい先輩もつい思わず「すごいなあ!!!」と感嘆しきり。

レディ・ソウル界の新星誕生の栄光の瞬間を目撃したのです。

しかし父親の偉大なる重圧はそうとうなものだったかもしれません。その後はセールスも落ち込み薬物中毒に陥ってしまい活動も一時断念します。

ところが長年拒み続けていた父親の曲を満を持して1991年にカバー。それが起死回生ともなった「アンフォゲッタブル」

ジャズ作品としては異例の大ヒット、全米5週連続第1位を記録し数多くの賞も独占しました。これは当時としては最高の録音技術を駆使してナット・キング・コールとのオーバーダブにより擬似デュエットを再現したもの。

プロモーション・ビデオも何度見ても感動的です(漫画:課長 島耕作の中でもこのプロモが描かれています)。

彼女にとっての最大ヒット曲。私ももちろん大好きな曲。

でもそれとは別に個人的思い入れで「ミスター・メロディー」が彼女を知るキッカケでもあったし、鮮烈な印象が忘れられないのでやっぱりこれはこれで別格ですね。

今頃は天国で擬似ではない親子デュエットを楽しんでいることでしょう。

 

コメント
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