デヴィッド・ボウイを偲んで・・・・・4
今でこそ、ミュージシャンが俳優業に進出するのも珍しい時代ではありませんが、その先駆者といえば、やはりデヴィッド・ボウイをおいて他にはいないでしょうね。写真は出演作のパンフレット、DVD,VHS。
早くから音楽業と並行してパントマイムの修行にも専念。
一躍脚光を浴びたのは1976年初主演の伝説的作品「地球に落ちてきた男(20分長い完全版140分)」
鬼才ニコラス・ローグ監督。音楽はツトム・ヤマシタが担当。はまり役の宇宙人をミステリアスに演じています。
1983年「ハンガー(96分)」も公開当時話題になりましたよ。
なんたって麗しのカトリーヌ・ドヌーブと吸血鬼カップルを演じているのですから。怪しくもセクシーで華麗な傑作。監督はなんとトニー・スコット。老人に変化していくボウイの特殊メイクは必見。共演者にはスーザン・サランドンの名前も。
日本で一番有名な作品は誰がなんといっても「戦メリ」こと1983年公開「戦場のメリークリスマス(123分)」でしょう。
故・大島渚監督。共演に坂本龍一(音楽も)、ビート・たけし、トム・コンティ、内田裕也、ジョニー大倉他・・・・
日本軍捕虜収容所での奇妙な友情、出会いと別れを独特なタッチで描ききった問題作。
1986年「ビギナーズ(107分)」はミュージックビデオ出身のジュリアン・テンプルがはじめて手がけた劇場用作品。
古き良き50年代が舞台の青春ストーリー。映画全体に流れるロックやジャズ21曲も秀逸。
ボウイは広告代理店の経営者役。他にもシャーディー、キンクスのレイ・デイビスも出演。
主演のパッツイ・ケンジットは当時18歳。キュートな魅力を画面いっぱいに振りまいています。彼女はエイス・ワンダーのボーカリストとしてデビュー曲「スティ・ウィズ・ミー」をヒットさせて第2のマドンナ、シンディー・ローパーと注目されていました。
劇中、演技はもちろんの事、歌にダンスとはじけまくっていますよ。
撮影中に彼女はボウイに髪の毛をなでられ、感動のあまりしばらくは洗髪をしなかったという逸話もあります。ボウイは2曲を提供。主題歌もヒットしましたが、私のお気に入りソングです(プロモビデオも良いよ)
1983年作品「ラビリンス 魔王の迷宮(103分)」
製作総指揮はジョージ・ルーカス。監督はスター・ウォーズ「ヨーダ」生みの親でもあるジム・ヘンソン。3500万ドルを投じて作り上げたファンタジー・ワールド。脚本はモンテイ・パイソンでお馴染みのテリー・ジョンソン。音楽はボウイとトレバー・ジョーンズ。
ストーリーは魔王に操られている妖精やゴブリンに弟をさらわれてしまった少女が不思議な迷宮に旅立つというもの。その魔王ジャレスを嬉々として演じているのがボウイ様です。
まだ新人だったジェニファー・コネリーが初々しい。アニマトロニクスを大胆に導入したクリーチャー達の動きも見もの。私はこの映画を実家に帰省した際に映画館貸しきり状態で一人鑑賞を楽しんだ(田舎ならでは)という思い出深い1本でもあります。
1991年イギリス映画「ニューヨーク恋泥棒(109分)」
舞台はニューヨークのお洒落なレストラン。ここで働くバーテンダーのボウイとウエイトレス役のロザンナ・アークエットが繰り広げる恋物語。ロザンナはTOTOのヒット曲「ロザーナ」のモデルになったグラマラスな美女です。ボウイのバンド、ティン・マシーンのメンバーもカメオ出演。
1992年「劇場版ツイン・ピークス ローラ・パーマー 最後の7日間(135分)」
これはテレビ・シリーズで空前のブームを巻き起こした作品の劇場版。タイトルが示している通り、アメリカ北西部の街ツイン・ピークスで「世界一美しい死体」といわれたローラ・パーマーが殺害されるまでの7日間の謎に迫るダークでショッキング、エロチックなるミステリー。
お馴染みのキャスト、カイル・マクラクラン、シェリル・リーに加えてボウイはFBIの優秀なる捜査官役で出演。
他にはキーファー・サザーランドも共演していますが、この人はテリー・キャスの奥様と一時結婚しておりました(後に離婚)。
1996年作品「バスキア(107分)」。ニューヨークのアートシーンを駆け抜けた天才画家バスキアの栄光と孤独。
80年代のジェームス・ディーンと呼ばれた、実在の人物バスキアはストリートの落書きアーティスト。アンディ・ウォーホールに認められたことで彼は時代の寵児となり一躍時の人に。そんな毎日の繰り返しに彼の傷つきやすい魂は・・・・。
88年27歳という若さでこの世を去ったバスキアとは親友関係にあったアート界のスター、ジュリアン・シュナーベルが監督。ボウイは恐ろしいほどソックリにアンディ・ウォーホールになりきって演じています。
共演陣も豪華でジェフリー・ライト、ベニチオ・デル・トロ、デニス・ホッパー、ゲイリー・オールドマン、クリストファー・ウォーケン、ウィレム・デフォー、コートニー・ラブ、テイタム・オニール他。
1999年カナダ作品「天使といた夏(93分)」
物語は病に冒されている少年オーウェンと年上の友人ライスを軸に展開する謎解明冒険劇。
ライス演じるボウイはいきなり劇中で他界してしまいますが、その彼の役が重要なるポイントなのです。
2006年公開「プレステージ(130分)」
舞台は19世紀末のロンドン。2人のマジシャンが名声を賭けて張り合うのですが、あるステージ中、水槽脱出マジックに失敗して主役のマジシャンが溺死。ライバルのマジシャンに疑いの目がかけられて逮捕、冤罪を訴えるも認められずに死刑を宣告をされるという大どんでん返しの史上最大イリュージョン・ムービー。
出演はヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、アンディ・サーキス。
ボウイは実在した交流電気を開発した科学者二コラ・テスラの役。奇術用装置の開発を実現させます。このテスラという人の名前からつけられたのがロックバンド「テスラ」なのですよ。
最後にパンフレットのみの写真ですが1978年作品「ジャスト・ア・ジゴロ(104分)」
第一次世界大戦終結後、故郷ドイツへ戻った青年ポールは何をやってもうまくいかずに茫然自失。変わり果てた両親。かつての恋人とも疎遠に。失業状態のポールはジゴロの世界に取り込まれてゆく。その後一人さみしく夜の街を歩くポールの身に起こる悲劇・・・・。
主演のポール役にボウイ。共演はシドニー・ローム、キム・ノバク、クルト・ユルゲンス、マレーネ・デートリッヒ他。