ライブ・レポートpart,1からの続きだよ~!
5、6:50~7:10
「みどる亭」(歌謡ロック)
札幌から2年連続4回目出演の4人組み。
バンドからのメッセージです「気が付けば結成11年目熟年パワー益々健在!更に極上のステージへ?足腰は注意です(笑)」
男性3人、女性1人という編成。
女性ヴォーカルを前面に押し出して、ドラム、ベース&コーラス(メタリック・ブルーのボディカラー・フェンダー・ジャズベース。ローズ指板)、そしてギター&コーラス(ポール・リード・スミス。シングル・カッタウェイ。レモンドロップ・カラー)。
演奏する楽曲は、全て耳に馴染みのある曲ばかりで網羅。
サウンドの方はジャパニーズ・ハードロック歌謡というジャンルにくくられるのではないでしょうか。1曲目「ああ、無情(アン・ルイス)」からして、ひじょうにパワフルで清々しいほどの突き抜け感が申し分ない。
スレンダーなボディを駆使してアクションたっぷり交えたエキサイティング・ヴォーカルに絡むギター。まずはここに注目だね。
タイトに引き締まったバック陣なので、迫力も倍増。
ギタリストは名器PRSの特徴を極限にまで生かしていますよ。
「みどる亭です。よろしくお願いします!・・・・2曲目は・・・・ロコモーション!」
キャロルキングとジェリー・ゴフィンのペンによる愉快痛快なるロックンロール。
ここでは例のバスドラム&ハイハットのアクセント刻みから、ギターコードかき鳴らしグランド・ファンク・レイルロードのバック・アレンジを参考に(全米1位)、歌詞はゴールデン・ハーフで。
このバンドカラーからすればこれが大正解でしょう。より一層の親しみも沸くしね。
男顔負けなストロング・ヴォイスで観客を指差しながら、シャウトするヴォーカリスト。
最前列のスペースでは、観客達が童心に戻り輪になって練り歩き機関車ごっこ。
ヴォーカル嬢「皆さん!ありがとうございます!!ダンスの準備はオーケーですか?・・・・」ギター「外は凄い雪が降ってませんでしたか?俺ギリギリ本番10分前に到着しました!」ヴォーカル嬢「次の曲は・・・ヴァケイション!!」1・2・3・4!
この曲は誰もが知っているから、自然と会場中の皆がタイミングよく歌いまくっています。
「待ち遠しいのは・・・・・ハイ!!」という感じでね。
これに参加しない手はないよね。
ここでも弘田三枝子のヴァージョンだ。海外のポップスを日本語歌詞で歌ってヒット量産した第一人者は、やはり彼女が代表格なのでしょうね。普及率や浸透率は他を圧倒していたもん。貢献度は絶大さ。
だって彼女のオリジナルだと勘違いしている人がいるくらいに、違和感なく自分のモノとしてこなしていますよね。
ボーカル「ここからは激しいのをいきますよ!」
ギター「最後の曲だっけ?・・・違うかな・・・・?」
それはパット・べネターの「ハート・ブレイカー」でした!
泣く子も失禁しちゃうくらいに、どこをとっても強靭なる音壁で構築された骨太なロック。
これを女性シンガーが挑むんだから、よほどの度胸と自信がなければ自爆してしまうというもの。
結果はオール・ライト!WOW!でした。
それどころか、フロントの3人が横一列に堂々と並び、前後左右に体ごと揺らす振り付けも披露。
「最後の曲です・・・アン・ルイスで・・・・六本木心中!」
外は寒風吹きすさぶ豪雪地帯。そんな状況を尻目に、穏やかな会場内は優雅にロッカー達が所狭しと舞っています。
ドラムスが劇的な駄目押しの一撃で牽引。
そしてリズム・セクションの相棒ベーシストは、へヴィーで図太い音にて主張しまくり。
すごい!フィンガリングが器用だなあ。おみそれしました!!指の捌き具合も綺麗な運び。
やはりここでもアンコールがかかったよ!究極の一発「ありがとうございます!イエーッ!・・・タイム・マシーンにお願い(サディステック・ミカ・バンド)」
というか、これは木村カエラのヴァージョン(サディステイック・ミカエラ・バンドのあれね)。
しかもライブなのに、ご丁寧にもエンディングではあのブツ切りを再現してもいました。
通ウケするコダワリには、ついついニンマリと頬が緩むというもの。
それにしても異常なくらいに大盛り上がり。
ピョンピョンとジャンプしながら、メンバー達も誇らしげだ。
PRSがスポット・ライトを浴びて燦然と輝いていましたよ!
6、7:20~7:45
「M-Scats」(Jpop)
札幌から初出演の5人組バンドです。
バンドからのメッセージがあります「結成まだ1年少々で、不慣れで緊張してミスる事もありますが、みんな頑張りますので!」
トリ前は、全曲を女性シンガーのジャパニーズ・ポップ・ロックで占めたコピー・バンドです。
この日一番初々しきバンドが降臨。
フロントに女性メンバーが2人並んでいるだけでも華やかですね(なんたってオオトリに控えしSTAは、完璧なる野郎の集団ですからね)。
しかしこの日の出演バンドにおける女性ミュージシャンの多い事。大歓迎です!
ここの編成は・・・・・(女性VO)、(G)テレキャスター、ブロンドボディカラー、メイプル指板、(B)ジャズ・ベース3トーンサンバースト・ボディ・カラー、ローズ指板、(DR)、(女性KB&CHO。ローランド使用)。
何かとコダワリの強い女性シンガーは、往年のステージ映え満点なファッションでまずは掴みオーケー。
弦楽器コンビはフェンダーを携えてのプレイ。う~~ん、セレクトが渋いね。
1曲目の「ああ、無情(アン・ルイス)」から、超ハイトーン・ヴォイスが空間をつんざく勢いで挑みかかってきます。
コーラス・ガールとの息もピッタリ。
2人とも声域の幅が神ってる!
商業主義にのって大ヒットしたような歌謡曲路線ではなく、元祖ジャニーズ・へヴィーメタル・ポップスクィーンに重点を置いたスタンスが潔し。
黙々と真剣にボトムをキープするベーシストは、愛らしいルックスのシンガーとは対極に、そんじょそこいらのふやけた野郎どもなんか消し飛んでしまいそうな風格すら漂っています。
「いつもは男ばかりの脂っこいバンドですが、今日はちょっと趣向を変えてみましたよ(笑)」
プログレッシブ臭プンプンなシンセサイザーから「六本木心中(アン・ルイス)」。そこから力強いバスドラム・キックがバトンを受け取る形で主導権を握り、皆は手拍子。
体全体にズンズン跳ね返る重戦車のような音像も健在。ここまで一気に攻めてくると快感になってきちゃうね。
オフの時には物静かなここのドラマーも、いざライブともなると、あいかわらずメガトン級のドラミングを繰り広げているね。さすがに立派。流行になんか左右されないこのイカシタ楽曲は、いついかなる時でもライブにもってこいです。
この前に出演した「みどる亭」といきなり最初の2曲がかぶってしまいましたが、共にその白熱したステージングを一心不乱に見つめ続けながらニコニコと声援を送っていました。麗しきバンド愛を垣間見ちゃいましたよ。
「イエーイ!ありがとうございます。こんばんは。よろしくお願いします!凄い!素晴らしい。」「可愛い!(と、ラブコールが飛んできました)」「皆さんから元気をもらいました。・・・なんかね・・・・業務連絡・・・・・改めて考えてみるとこのバンドは1年が経過しているのですね。ここまでこれたのも皆さんの温かい応援のおかげだと思います。来年はどうなるかわからないけど、私は頑張っていきますよ。察してください・・・・・・ウーマン(アン・ルイス)!」
再び鍵盤楽器が牽引役。重厚なるサウンドが次に起こる展開へとワクワク期待させてくれます。
繊細なるピアノ・タッチに模様替えして焦らしまくり。憎いね。
皆で手を頭上にかざして左右に揺らす情景を見たメンバー達は、アドレナリンが噴出しまくってるんでしょうね。
光速リードギターに、スティック・ワークで挑戦状を叩きつけるドラムス。
「レーサーⅩ」真っ青だあ!
激しいフレーズのシャワーを浴び、分厚い音壁に襲われトドメはボーカルのみでのエンディング。
スリリングな音絵巻。
「アンルイスが続いたので、グッと抑え気味に・・・・プリンセス・プリンセスで・・・・ジュリア・・・」
ズッシリとしたミディアム・テンポでも、やはりボーカルがイントロのドラマを形成。
歌唱中ずっと目を閉じたままのボーカルも、オーディエンスもお互いに阿吽の呼吸で拳を振りかざして、すっかり一体化しちゃっているよ。
この辺に差し掛かったら、すでにステージ上は灼熱地獄。
ボーカルは「暑い・・・」を大汗かきながら連発。
それを察した親切なお客さんがウチワで扇いでくれる場面もあって、アットホームな「雪明かりの路」らしいなあ・・・とにやけちゃいました。
最後の決め技はギター・アーム・ダウンをギリギリまで目一杯に・・・・・・「グィ~~~~ン!!・・・・」。
リズム・セクションが鉄壁なる骨格を築き上げているので、さぞかしプレイヤーもシンガーもエクスタシーの領域で遊びまくれる事でしょう。
メンバー紹介を終えて「今日は真面目な話をひとつ・・・・最後まで見守っていただけたらと思います。とっとと最後の曲?話が長くなる押すタイプなもので・・・・よろしくお願いします。再びプリンセス・プリンセスで・・・・ナインティーン・グローイング・アップ!」
魂の絶叫、クォリティー高すぎでしょうよ!
観客たちから「もの凄い超音波ですね!」と感嘆しきり。
やっぱりここでもアンコールを求める声が鳴り止みません。
「いやあ、嬉しい。」「やちゃえ!やっちゃえ!」「汗だくです。じゃあスミマセン・・・。もう1曲だけお付き合いください。レベッカで・・・・ラズベリー・ドリーム!」
女性ポップ・シンガーならば、誰もが一度は歌ってみたいキュートな名曲。ノッコってやっぱり女性達永遠のポップアイコンなんだね。
はち切れんばかりの喜び漲るボーカリスト。
ホップ、ステップと一瞬たりともジッとしないで全身にて歌を表現しています。
もう今まで数え切れないくらいに見つめ続けてきた光景だ。
「最後まで楽しんでいってください。カンパイ!!」
もうこのライブ・イベントも早いもので終盤の時間帯ゆえに、動員も大袈裟ではなく寿司詰め状態。
客層は見るからに現役のロッカー、往年のロッカー、音楽やライブが大好きな方から家族連れ、カップル、ご夫婦等々・・・そしてチビッ子達もあちこちではしゃいでいます(耳栓をしている子もいる)。
イベント大成功の感触を早くも味わっちゃいましたよ。
ありがたいことです。
BGMは、バグルスで「ラジオスターの悲劇」
7、7:55~8:25
オオトリはどこでやっても浮きまくりのバンド「THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(STA)」
この日は特に浮きまくっていました。
でも温かいお客様たちの後押しで大成功でしたよ。
9年連続9回目は最多出演記録。
ずっとその偉業は誰に譲る事もなく更新中(でも皆勤賞はマサのみですがね・・・・)
バンドからのメッセージです・・・・「北国唯一無二極上のブラス・ロック・サウンドを熱くお届けします。ヨロシク!」
今回はSTA以外に管楽器が所属していたのはHOT WAXのルーシー嬢ただ一人。
岩見沢コミュニティFMラジオ音楽番組でDJを努めるケニーさんが、マサのそばに寄ってきて「STA出演はまだ?待ちきれないよ!」とひとこと述べて微笑んでくれました。
毎度毎度のことながら、今回のSTAがこの日一番の人数を誇ります。もう誰も驚かないよね(笑)
トリにふさわしく総勢8人の大所帯で賑々しくお送りします。半分はホーンセクションが占めています。これもお馴染みの編成。でも広いステージゆえに皆ノビノビとプレイに専念できます。
はやいもので、ニュー・ギター・ヒーローのコニタンは3回目のSTAライブです。
そしてまた新たなメンバーとして、キーボードのシバちゃんを迎え入れました。
彼は東京北区の赤羽出身。コニタンは和歌山出身。
そして共に31歳!グッとSTAの平均年齢を下げてくれました。
最大の目玉でもある彼等のヤングパワーを糧に、益々エネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げて見せますよ。
シバちゃんはたった2回きりのスタジオ・リハーサルなのに、よくもまあ責任重大なるパートを演じてくれました。
全員揃っての練習は遂に叶わなかったわけだし。
コニタン初STAライブ時も、同様でしたが、今回のセットリストもメチャクチャに複雑怪奇なる高難易度な内容。そこのところは真面目で努力家で何にでも真摯に取り組むシバちゃん。あの手この手を尽くして、孤軍奮闘で全曲を己のものとして習得していました。
彼の紹介者でもある、シュウヤ自身が驚愕していたくらいです。
若さが成せる業なんでしょうね。
いつも無理難題ばかりふってばかりで申しわけない・・・・。
でも結局悲鳴をあげながらも皆が皆、ドップリとはまってエンジョイしているのだから嬉しい限り。ブラスロックの魔力が成せる業。
そのような猛者ばかりがここに集っているわけです。
もうひとつ、エビちゃんはスケジュールの都合がつかずに、ぶっつけ本番という事態に陥ってしまいました。
しかも会場入りも本番ギリギリ。息せき切っての到着。
ゆっくりする間もなく、マサから依頼を受けたクニがエビちゃんに一通りの打ち合わせ。
それと、実はメンバーの中には最近インフルエンザのなった者、胃腸炎になった者などなど、病み上がりミュージシャンがいるのです。
まさに崖っぷち、綱渡り状態での危なっかしいバンドが何とかかんとかここまで辿りつきました。
ずっとケイタくん一人で音響をこなしていたところ、STA直前にミワくんが駆けつけてくれて2人体勢に。
いつものように手馴れた段取りでセッティング。心強いなあ。
もうこうなったら演奏に100%専念できるというもの。
ステージ後片付け中のMスキャット・メンバー達に「お疲れ様」とねぎらいの言葉をかけて、入れ替わりでSTAいざ出陣です!
***SET LIST***
1、INTRODUCTION・・・CHICAGO
2、SOME LIKE IT HOT・・・THE POWER STATION
3、IF YOU LEAVE ME NOW(愛ある別れ)・・・CHICAGO
4、VEHICLE・・・IDES OF MARCH
5、SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO
6、GET IT ON(黒い炎)・・・CHASE
7、FREE(自由になりたい)・・・CHICAGO
8、25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO
~ENCORE~
9、PETERGUNN・・・THE BLUES BROTHERS
***MEMBER***
MASA・・・B VO CHO
SYU-YA・・・DR
KONITAN・・・G
JUN・・・AS VO CHO
FUNNY・・・TP FLUGELHORN
KUNI・・・TP PER CHO
EBI-CHAN・・・TB
SHIBA-CHAN・・・KB
~GUEST~
SUBARU・・・VO(GET IT ON)
STAが楽器のセッティング中、観客席では場内に置かれているウチワを手にパタパタと扇いでいる人もいます。
外は大雪なのにね(笑)
この場面ひとつをとっても、白熱した会場内の雰囲気がもろに伝わってくるというもの。
BGMはクール&ザ・ギャング「ジョアンナ」
まずはスタッフと共に、ブラス隊の立ち位置決め。
コニタンは黙々とギターの音決め&ウォーミング・アップに余念がありません。
チョコチョコとドウービー・ブラザースの「ロング・トレイン・ランニン」「チャイナ・グローブ」、ツエッペリン「ホール・ロッタ・ラブ」などのリフを弾きながらね。ちなみにコニタンはコーラスのエフェクターが嫌いだそうで、空間系はもっぱらディレイを好んで使用。
この辺のこだわり具合は他を寄せ付けません。
各自チューニング&音造りに専念。
ここいらあたりで全員が、オフステージからライブ・モードにスイッチ・オン!
準備万端整いました!
マサが歩き回って一人一人から「オーケー?」の確認をして回りゴーサイン!
ファニーもミキサー方向に向かって、両腕で大きな輪を送ります。
マサがニューフェイス・シバちゃんの肩をポン!と叩いて合図。
鍵盤からはいつのまにか、プログレッシブなる重厚なサウンドが地鳴りのごとく轟くわたる。次いでマサがシューヤに手拍子しながらアイコンタクト。
小刻みなハイハットワークで追随。
シンちゃんがアナウンス
もう毎回のことなのでマサは彼とは一切の打ち合わせをしなかったのですが、絶妙の滑らかなる口調でバンドのアナウンスをこなしてくれました!
「小樽恒例ともなった真冬の音楽祭典に今年も札幌からやってきました。
北国唯一無二のブラスロックバンド。ド迫力の熱きホーンセクションを心ゆくまでドップリとご堪能ください。メンバー一同、この日、この時、この瞬間を楽しみに待っていました。それではよろしく!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORIY~!!」
「オールライト!1・2・3~!!」
怒涛の波状攻撃へ火蓋が切って落とされました。
「イントロダクション」
もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。その中でもこの日ほどワイルドで迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!出色の出来。
マサが野獣のごとく吠える。クニはカウベルにタンバリンにと、場面転換ごとに持ち替えながらもアクセントを演出。
コニタンはアグレッシブなアクションを巻き起こしながらも、剃刀のような切れ味鋭いコード・カッティングを繰り出す。
計算されつくしたシバちゃんのハモンドオルガンの音色が、シューヤのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく。
看板ともいえるホーンセクションのリフ攻撃は、益々厚みを増してきましたね。
舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。後方センターからはドラムが迫力のグルーブを構築。
ホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をキーボードが引き締めるという構図が今回の基本コンセプト。
さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??
さあ、第一関門の変拍子地獄に突入だ。
若干乱れたけれども、程なく修正(よく立ち直ったものだ。周囲には気づかれなかったみたいだけど・・・・)
手堅く突破した後に待ち受けていたのは、切り込み隊長エビちゃんによる流麗なるトロンボーン・ソロ。
全くのぶっつけ本番だから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。
大した度胸の持ち主だ。涼しい顔して何事もなかったかのように振舞っていたよ(クニによる縁の下の力持ちも忘れてはいけないよ)。
ハモンドからピアノ音色に切り替えてのシバちゃんが先導しつつ、お次はファニーの出番。
彼のトランペット・ソロは百戦錬磨なので大船に乗った気分に浸れます。
安定感抜群で時折ヒステリックなハイノートなどもクールにヒットしてニンマリ。
バッキングによる強弱のサポートも効果覿面。
そして第3の男コニタンのギターが火を噴いた。
いきなり最前列へ飛び出して益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいに披露。
序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを忠実に再現。
炎のごときへヴィーなサウンドは、これにとどまらずより加速。
音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。
グリッサンド&チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。(でもコニタンは3曲目までは寒くて指がまともに動かなかったらしいです。そんなことは微塵も感じさせなかったけどね・・・・)
極めつけはシューヤの稲妻フィルイン。
バスドラムの設置が不安定だったらしく、ドンドンと前に動くため叩きにくかったらしい。でもなんとか乗り越えて拍手喝采。
マサがライブ途中で前面に回ってバスドラムを押してあげたよ。
更にはシンバルスタンドが倒壊!危うく前面にいたクニを直撃するところだった。
危ない、危ない・・・。
命拾いしたけれど、クニのトランペット専用マイクケーブルがブッツリと切断されてしまい即座にコードチェンジ。
押し戻したスタンドは相変わらず不安定な状態だったけれども、ホット・ワックスのギター「ギダイ」くんがすかさずステージに駆け上がってきてくれて助け舟を渡してくれたよ。サンキュー!
シバちゃんもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。
エンディングにおけるベルトーンも、見事な連携で繋がった。
シバちゃんからコニタンへと渡る流れからホーンセクションへ。
マサが右手を天井高く掲げてシュウヤと呼吸合わせて、ベースの振り下ろしでフィニッシュ。
大きな山場を全員一丸となって乗り越えた。達成感に酔いしれる暇もなく間髪入れずシューヤがファンキー・グルーブを叩き出す。
このビートには四苦八苦したけれども、本番では慎重に一つ一つのオカズを噛み締めるようにスティックを振るう。
マサの熱烈リクエストによって実現したエディットバージョンでの「サム・ライク・イット・ホット」
ジュンがSTA加入後、初リード・ボーカルをつとめた思い出の曲が久し振りに復活。
実はその最初のライブも、この「雪明かりの路」だったのさ(場所はエンペラーだったけど)。
あの時にはかなりナーバスな状態で臨んだけど、今では遊び心も交えル余裕も生まれています。
前曲とは色合いの全く異なるこの曲を是非ともシューヤと演じてみたかったのもこの度の狙い。
バッチリと応えてくれたよ。本人も故トニー・トンプソンには学ぶべき点、発見が多々見受けられたはず。
このあたりの空気感を察してか、観客も踊り始めています。
マサとコニタンがミュートピッキングとアタック音でテンションを高めます。
ソウルフルなジュンのボーカルが優雅で圧巻。
トレードマークの腰振り歌唱スタイルも健在。
コニタンはこの手の曲でも的確なるコードワークで盛りたてる。
もちろんマサのハイトーンコーラスとジュンの渋いボーカルとのコントラストもミソ。
アヴァンギャルドなギターソロも一際異彩を放つ。
シバちゃんはハモンドオルガン独自の解釈論を発揮。
軸となるのは、何と言ってもシューヤのダイナマイト・ドラム。
エンディングのアカペラ・パートもバッチリと区切りをつけて終了。
「ありがとうございます。改めましてTHE SAPPORO TRANSIT AUTHORITYです!皆さん、楽しんでますか~!?」イエイー!」「最後なのにこんなにも多くの皆さんに残っていただいて感謝してます。最後に登場しtのがこれこのとおり見るからに暑苦しいバンドではありますが、ラストまでガンガン一直線に頑張っていきますのでよろしくお願いします!」「イエイ!」「うちのバンド唯一のバラード・ナンバーです。セクシー部門担当のジュンが心を込めて歌います。シカゴの金字塔・・・イフ・ユー・リーブ・ミー・ナウ!」
この曲はオリジナルキーとは違ってSTAでプレイしていることを、シバちゃん&コニタンにスタジオ練習に入るまでマサが伝え忘れていたのです・・・・。
でもこの2人は即座に曲の本質を理解してくれて(相当に大変だったと思うよ)、本番では美しい仕事を果たしてくれました。
シバちゃんはオーケストレーションを施して、ストーリーを練り上げ、コニタンはそれまでの彼とは一線を画する極力抑え気味のプレイに没頭。控え目なるナチュラルトーンのソロも魅力に貢献。
マサとクニによる繊細なるコーラス。そしてクニの緻密なるトライアングル&ウインドウチャイム&クラベスやシューヤのリムショットが目立たないながらも最高の隠し味。
もちろん、体を軽く揺らしながらのホーンセクション(ファニーのフリューゲルホーンを筆頭に)の響きが甘く切なく咽び泣いている。
曲に合わせてチークダンスをしているカップルも数組います。
「ありがとうございます。次は踊れる曲をかましてみたいと思います」
メローな余韻に浸っていると急転直下!
筋金入りの本格的ブラスロックが炸裂。油断も隙もありゃしません。
フリューゲルホーンからトランペットにマイクを付け替える作業を見計らっていいかな?オーケー?」
ファニー&クニが右手を上げて応える。
「アイズ・オブ・マーチ・・・・・ヴィークル!」
ケニーさん、両手をあげて全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示。
ベッシーホールでの雪辱をここでしっかりと晴らしました。
文句のつけようもないくらいにヒップなアタック感が刺激的。
ジュンはアルトサックスとボーカルの二刀流。
ホーン隊は体を仰け反らせて渾身の吹き込み。
マサはネックをグルグルとひねり回してのピッキング。
後ろを振り返ったり、クルクルと回転。
一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。
時折ファニーとマサが向き合っての火花散るプレイも微笑ましい。
時代を反映してか、サイケデリック臭を狙ったコニタンのギター・ソロは確実に的をえているね。
決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も拳を突き上げる。(マサは左足でキック)
観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている猛者も出現。
エンディングにおける目一杯にタメをきかせて喉を振るわせるジュンに観客達が痺れまくっています。
「イエー!ありがとうございます!」「かっこいい!」「もう一回!もう一回!」のシュプレヒコールが始まった。
「おいおい・・・それはどういう意味かな?この曲をもう一回?(笑)
じゃあね、ディスコティックな曲の後にはピアノポップソングをお送りしたいと思います。
今日は日曜日だけど、土曜日の曲・・・・シカゴ初のミリオンで・・・サタディ・イン・ザ・パーク!」「ワア!!」
シバちゃんが最も注目を集める珠玉のナンバー。
本人もかなりの気合を入れて取り組んだらしく、その努力の跡が鍵盤から発せられる音色のあちこちに散りばめられています。
マサがシバちゃんに「固めでね」とリクエストしていたとおりに、トレブリーなピアノでシンコペーションを繰り広げてロバート・ラムのニュアンスを醸しだしてくれました。
会場内では大きく手をあげて手拍子を打っている人々の姿が見えてきてハッピーですよ。
ホーンセクションの4人も吹き出す直前まで観客に向けて手拍子の要求。
2番歌詞のマサ・コーラスとクニによるボーカル・パートもかなりこなれてきましたね。
コニタンはアドリブをこなしながらも、嬉しそうにピョンピョン飛び跳ねプレイ。
ホイッスルが絶え間なく鳴り響いてきて、益々の活況を呈しています。
マサは調子にのりすぎて足元に設置されていたミラーボールをステージから落としてしまいました。
そこへタイミングよく現れたレディ。
さりげなくそのミラーボールを拾いあげて元の位置に戻してくれました。
「あ!?皆さん、ここでスペシャル・ゲストを紹介したいと思います。
盛大なる拍手で迎え入れてあげてください!
スバルちゃんです!どうぞ!!」「ウオー!」とアイドルタレントに対する雄叫びにも似た図太い声が沸き起こる。
「去年の夏からダンサー・アベさんから熱烈なるラブ・コールがありまして、是非この曲をSTAとスバルのボーカルでやってねと言われていたのです。
やっと約束が果たせます。彼女が札幌界隈でアニソンからエゴ・ラッピンまで手広く音楽活動を行っているのは皆さんご存知かとは思いますが、今日はまさに1年ぶり、以前も舞台はこの雪明かりの路でした。
準備オーケーかな?STAフューチャーリング・・・・スバルで・・・ゲット・イット・オン!!」
シューヤ、待ってました!とばかりにスティック・カウントで・・・1・2・3・4・1・2・3~!
怒涛の「黒い炎」が帰ってきた。
スバル特製「TOPS」のバージョンでね。
ベーシスト・ヨッシーもマサの正面にやってきて、煽りをかましてきますよ。
ヒステリックなホーンセクションは、バック陣も腰を抜かすほどの威力。
特にファニーの乾いた金属音ハイノートは特筆モノ。
メイナードファーガソンか、はたまた本家ビルチェイスを彷彿とさせます。
ジャズのエッセンスをたぶんに含んだオルガンソロも光っている。
後半、転調後のダメ押しに至っては、レッドゾーン振り切れギリギリ。
しのぎを削るかのように、ホーンが競い合ってピッチを上げるところなんか、ぶっ倒れるんじゃないか?と、心配になってしまうほど。
まあ、いずれにしてもそれまでの男ばかりの鉄壁なるハードロックに、一石を投じてくれた花一輪は高得点でしょう。口笛ピューピュー!
(スバル)「ありがとうございました。」
(マサ)「スバルちゃんにもう一度盛大なる拍手を!残り二曲は100%シカゴ初期のブラスロックで突っ走っていきます!
・・・・・・・・フリー!!!」
シュウヤの強烈なドラムロールを目印にマサが「1・2・3--!!」
2分ほどの曲なんだけど、その間をメンバー全員が全力疾走するような息継ぎ不可の難曲に突入。
マサとクニによるツインボーカルは、喉が張り裂けんばかりの雄叫びリフレイン。
耳をつんざくほどのホーンと変態チックなリズムの鬩ぎ合い!
ブラス隊含めて全員が残響音を轟かせる中、あっという間にエンディング。息も絶え絶え・・・・。
「ありがとう!正真正銘これで最後です!いきます!盛大に盛り上がっていきましょうー!!!
・・・・・・25or6to4!!!」
マサがコニタンを指差すと、
「ガガガガガーン!」
ギターが、これ以上ないほどに過激な爆音を叩き込む。
コニタン&マサが両サイドのフロントにて仁王立ち。
誰言うともなくホーンセクションが合間を縫って
「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンス。
もうこれが本当にラストだと察してか、全員グチャグチャでどこもかしこも総立ちです。
それまでのタイバン達も総出。
エビちゃんも右手を何度も振り回しての熱演。
マサはシュウヤのドラム台にまでホップステップで駆け上って、コミュニケーションをはかる。
両膝をついてヘッドバンキングにてヴォーカルを続行。
コニタンは、虎視眈々隙間という隙間をびっしりとソロで埋めつくすほどに我を忘れて、
ギターの鬼と化しています。
でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!
エンディングではマサがベースを垂直に突き上げ、
コニタンのソロは止まらず、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイ。
マサはベースギターを肩からはずして、片足上げて思いっきり床に振り下ろした。
と、やはりアンコールの声がかかった。
「アンコール!!アンコール!!」
実を言うと、今回のSTAライブはメンバーの都合上、本編の楽曲分しか用意していなかったのです。
ところが、本番当日、出演バンドへ次々にアンコールがかかる。
おいおい・・・・この流れで行ったらSTAもアンコールをやらないわけにはいかないよねぇ~と、
メンバー達が色めき立ってきた。
こういう苦しい時には、お決まりの「ピーターガン」です。
マサがさっそくメンバーたちに伝令。
ところが、シバちゃんだけはこの曲には一回も関わった事がない・・・・。
マサから、「E一発だから!」
シバちゃん「OK!!では、曲を探してコピーしておきます」って、本番の直前です・・・・この状況。
でも、やっちゃいました。
シュウヤは、有無をも言わさずドラムでリズム開始。
マサとコニタンがメインリフを弾き始めると、知性派シバちゃんもオルガンで
それに便乗する形にてなぞってくる。
その時にもソロパートの三人はパパッと指差しで順番を決めていました。
その間数秒。
どいつもこいつも、ビックリするぐらい頼もしくも凄い奴らばっかりだ。
何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。
まぁ、こういったスリリングなパターンもSTAならではの持ち味であり、魅力のひとつだね。果たして軍配は誰の手に!?
驚いたことにファーストソロは、エビちゃんではないか!
やるときはバッチリとやってくれる男だねぇ。
ムードメーカーのクニはちゃっかりと、どさくさにまぎれて客席に降りて踊っているし(笑)
二番手はファニーによる超絶な嘶きトランペットソロ。
最後は、コニタンがジミヘンかSRVばりのエモーショナルなギターソロ。やはり役者が違います。
完全燃焼。
真っ白な灰になって燃え尽きました。
「ありがとうございます」
一礼して、マサがジャンプ一閃でTHE END!!!
ブラスロックは爆発だ!!
「皆さん、最後まで残っていてくれてありがとうございましたー!!」
司会のシンちゃんへ、
「はい、最後も盛り上げていただきましたSTAに今一度盛大なる拍手をお願いしますー!!」
と言うわけでして、今年も小樽名物「冬の祭典オールディズ・ナイト」の夜は更けてゆきます。
まあ、色々とアクシデントもありましたが、お蔭様で何とか無事に大団円。
また来年もここに帰ってくるよ。
再会の時まで皆さん、お元気で。
とりあえず、外は氷点下の冷気に閉ざされていました。
道中スリップ事故に気をつけてね・・・・。
VERY SPECIAL THANKS TO・・・MR,KENNY&ABESAN&MICHIKO&CETERA&MR,SATOH&MR,MINAGAWA&YOSSY&KOBACHAN&SUBARU&INARIZUSHI&COCA-COLA&MINERAL WATER&OTARU NO MIZU&EDAMAME&KARAAGE&ORANGE JUICE&IKU&KEITA-KUN&SHIN-CHAN&MIWA-KUN!!