先月末に行われたSTA企画ライブの熱き余韻も冷めやらないうちに、もう早今月の小樽ゴールドストーン「北運河の夜」のためのスタジオ・リハ入りです。
全2回のうちの初回。
恒例のメンバー変動(笑)
なんと久し振りの2桁人数。10人編成で賑やかに。
しかも・・・・・しかもですよ。
今回のメンツはSTA10年以上ライブを行ってきたなかで、最強の布陣が揃いました。
とにかく凄い!
ジャンルの壁も軽く超越しています。
すでに札幌バンド界隈では噂でもちきりだそう。
ありとあらゆる音楽界のトップミュージシャンばかり。
まずはSTAのお馴染みロックボトムともいえるリズム・セクションのマサ&ヤスのコンビ。
ラテン系代表はサワケンバンドからベテランのサワケン親分。
ジャズ・フィールドからは泣く子も黙るテク二シャンのユミ嬢。
フュージョン・シーンからはAXIAを率いる大御所クルさん。
あちこちから引っ張りだこの人気者エゴイズム・ラッピンからはジュン。
小樽の矢沢永吉カバーバンドのYプロジェクトからは代表してミキティ。
ムラカミバンドやトランペット講師、そしてFMDJとしても活躍のファニー。
山下達郎カバーの老舗バンド「プライム・ルース」からはイヨちゃん。
若干19才の最年少で現役大学生のカミソウくんは体調不良とのことで、残念ながら欠席。
総勢9人でのスタジオ入り。
初回でこの人数はまず上出来だ。
早速、ロビーはごった返しています。
マサはサワケン、イヨちゃんのパーカッションを車からおろし、ユミさんのキーボード運搬もお手伝い。
マイクのケーブル数も足りないよ・・・。
スタジオ内では所狭しと場所決めだけでも大変だ。
すでに熱気がムンムン。
マサは今回のセット・リスト表を壁に貼り付けます。
初STAのユミ&クルご両人を皆に紹介。ご挨拶。
といっても殆どのメンバー達とは顔見知り。和気藹々のムードが充満。
初参加の2人を中心に進行。
ポジションも固まり、チューニングと音作り。
簡単にオープニングの状況をユミ嬢にマサが説明。ヤス、そしてサワケン、イヨちゃんへと効果音とともにリズムの架け橋。
クルさんにもミュート・カッティングを勧める。
お膳立ては出揃った。
イメージを思い切り膨らませてもらい、マサのナレーションへと移行。
唐突にカウント!で1曲目。
2度目の2番歌詞カットバージョンにトライ。モダン・タイムで初披露したけどバッチリの好感触。
今回初演奏のメンバーらもすんなりとプレイ。皆、勘がいいね。
余計なこと言わなくても阿吽の呼吸でバッチリとドンドン音出し。
わずらわしい人間が一人もいないからストレスもなし。不協和音もなし。
楽しい事、この上ないヒトトキを満喫。
何年もSTAに在籍していてもとうとう曲を覚えられなかったメンバーも過去にいたけど、この人達は1テイク目で自己主張まで織り交ぜて余裕。
もちろん入念なる研究と考察の繰り返しで憶えてきたのであろうことはよく伝わってきます。
ストイックなくらい真面目に聞き込んできたのでしょう。
クルさんは前もって手渡してある音源だけにとどまらず、ユーチューブまで検索して歴代のシカゴ映像を探ったのだそうですよ。頭が下がる思いだ。ここまでやったギタリストはいない。
そして数ヶ月にわたってマサと詳細なる打ち合わせも行っていたのですよ。
クルさんもAORの印象「素直になれなくて」が一気にひっくり返ったらしいよ。こんなにギタリストがフューチャーされているとは、って。
ユミさんとも、サワケンとマサは事前に小樽おん座生ライブ出演の彼女に会いに足を運んでご挨拶。
「頑張りましょう!」とガッチリ団結を約束してきました。
そうなこんなでこの時を迎えたわけでありますが、想像していたとおり・・・・いやそれ以上の手ごたえを演奏はじまった瞬間から確信したのでした。
これはいける!もうこのままの状態でも本番いける!と。
とにもかくにも他のメンバーらへも意気込みが伝染して、みるみるうちにグルーヴがうねりまくり、微笑みまで浮かんできちゃいます。
イヨちゃんは念願のファニーとの競演が実現してご機嫌。サワケンも絶好調。
ミキティとユミさんの女性コンビは、もうステージ衣装のことで超盛り上がっています。
「豹柄にする?服を買ってこようかなあ・・・足も久し振りに出しちゃおう!」ってなあ勢い。
マサも便乗して派手にしちゃうかな(笑)。
クルさんは性格が如実に反映されていて、ギターの音が綺麗で正確でピッキングの粒立ちがナイス。
初めて目前でクルさんの速弾きを見て衝撃を受けた。それも1音1音がクッキリしているのだよ。
トーンも鮮明。小汚くてぼやけた音は皆無。センスばっちり。
ジュンが「あのクルさんがSTAでどんなギターを弾くんだろう!?」と興味津々だったんだけど、これがまた違和感無しで素晴らしい具合にマッチしているのだ。
シャープなコード・カッティングも新鮮に響いてくるし。
ベルトーンも今回用に打ち合わせ。
タイミングを聞くユミさん。
ビブラートなしを要求するファニー。
順番決めはジュン。
MCについて1クッションおいて、壮大なる組曲へ。
これが最大の難関だったはずがバッチリとまとまった。
変態チックな展開や入り組んだリズム。
ボーカルの振り分け。コーラスの確認。
カウントをヤス、マサがそれぞれに受け持つわけなんだけど、皆しっかりとついてくる。
ヤスのドラミングがいつにもましてへヴィー。
刺激を受けまくったようで、テンションもあがるわけだね。
クルさんが絶賛していたヤスのドラムテクニック。
もう安泰だね。太鼓判を押してくれたよ。
バラードではイヨちゃんがコーラス・パートについて言及。そこのみ抜粋してみて取り組み。
あとでマサがキーが違う「ジョン・オバニオン」のバージョンをイヨちゃんに送ってあげた。
フィルをマサがユミさんに要求。エンディングもジュンが合図を送る。
クルさんのリバーブが心地よいギターソロ後半に、アドリブで高中正義風なフレーズが差し込まれて思わずニンマリ。
このワクワク感はなんだろう。
クルさんの痒いところに手が届くギター・プレイは絶品。
俺が俺がの自己主張ばかりで、アンサンブル無視の下手くそばかりが蔓延しているバンド界隈に強烈なる鉄槌だ。
というかクルさんに言わせれば、これが普通のことなんでしょうけれども。
ちゃんとドラムが叩きやすく、ボーカルが歌いやすく、というように常にその時々の主役をフューチャーするべく心がけているのだそうですよ。
頭が下がる思い。基本中の基本。全体像を意識しての音出し。
とても勉強になります。
高いレアな器材や楽器にばかり夢中になっている連中に聞かせてやりたいね。
ジャジーな楽曲はユミさんの真骨頂。
軽快なる鍵盤さばきに痺れちゃいます。
サワケンも思わず拳を突き上げているし。
急遽、ミキティがリコーダーも兼任することと、なりました。
そしてクルさんいわく「16にしか聞こえない」という曲も、新たなる息吹を注ぎ込んで生まれ変わったような感じになりました。
すかさずユミさんも「じゃあ私もそういう感じで弾いちゃおうっと!」
へえ・・・・そういう解釈のしかたもあるんだねえ・・・と、ことあるごとにカルチャーショック。
とにかく今回のセットリストはそうとうにキツイ!とあのファニーでさえこぼしたくらい。
でもいざ演奏が始まるとそんなことお構いなしに吹きまくり。
クルさんもイヨちゃんも「ホーン・セクションうまい」と絶賛。
短い曲なんだけど、難易度強の曲も、とうとう見事なまでにオリジナルどおりの再現に成功。
以前のライブでギター、キーボードがずっと調子っぱずれな音で演奏してぶち壊しにされて以来、もうこりごりとなって、せっかくクニが起こしてくれたスコアもお蔵入りになっていたんだけど(他にも理由があるけど・・・)このたびめでたく蘇りました。
感動モノ。
こうでなくっちゃあね。
クルさんはちゃんとシカゴやSTAのカラーを壊さないように、と気使いまで施してくれています。
今回のギターフェクターは、また変更するかも・・・・?決して妥協しないでより良い音を追求する姿勢に拍手を送りたい気分。
ミキティのお気に入りソングもしっかりと入れておいたよ!と告げると「ありがとう!」のひとこと。
イヨちゃんのコーラスが大助かり。
またサワケンもイヨちゃんとのパーカション・コラボーレーションに意欲的。
しばしの休憩を挟んで残り時間一杯まで再度煮詰めて見ました。
すでに次が待ちきれない!!
後片付け。
パーカッション(イヨちゃん用)は前回同様にスタジオ倉庫で保管してもらうことに。
ロビーでの談笑後、リラックスしてのポーズをサワケンが写真撮影。
あいにくの雨模様だったけど、そんなこと関係ないね。
ゴールド・ストーンの青写真がハッキリと見えてきたよ。