THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY (S.T.A)

札幌で活動しているブラスロックバンド、STA(The Sapporo Transit Authority)です。

sadowsky(chicago)

2021-03-04 20:58:37 | CHICAGO

Sadowsky GuitarsはアメリカはNYにてRoger Sadowskyによって創業された主にベースの製造を行うメーカーです。創業当初はリペアショップとしての営業が主で、マーカス・ミラーといった伝説的なミュージシャンを顧客にする中で人気を獲得し今に至るといった形ですね。

現在はNew York Cityにて製作されるSaodwsky NYC,日本にて製作されるSadowsky Metroline日本製カスタムライン(オーダーモデル)となるSadowsky TYOの3ラインとなっております。

ベースについてはTraditionalなJBスタイルを元にシェイプやプレイアビリティー、サウンドをリファインしたモデルが人気ですね。

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VOL,178 小樽雪あかりの路オールディズライブ13(PART,9)S・T・A後編

2021-03-04 20:33:37 | Live Set List

****大変長らくお送りしてきましたこのライブ・レポートもこれで終わりです。

お名残り惜しい・・・・さあ、STA後半戦怒涛の初期シカゴの至宝ブラスロック3連発ぶち込みます。

覚悟のうえで臨みたまえよ、諸君!!****

 

「次はシカゴ初期の組曲7楽章からなる作品。時間の関係でそこから第1楽章をやります。コロコロと複雑に変化するややこしい曲です。ちょっと聞いてみてください。

お楽しみに!!

NEXT NUMBER ・・・・・メイク・ミー・スマイル!!(1・2・3・4!)」

 ヤスによる軽快なるハイハット4カウントが即座に空間を打ち破る。

 この曲もドテッパラに炸裂する一撃が狂おしいくらいに激しく、やはりイントロが常に豹変、それでいてごり押し感なくスッキリとスマートにまとまっているところがやたらと発揮されていて痺れます。

 実はね、この曲、小樽でSTAがライブのたびに、会場にいる外国人の方達から「MAKE ME SMILE !」とリクエストされていたのですよ。

 あちらサイドのほうにめっぽうウケがいいみたい。

 でもいろいろとややこしい事情があってしばらくお蔵入りしていたんだけど、最近はめでたくそれも解除されて徐々に日の目をみてきたというわけ。

でも再度取り組むからにはグレードアップは常識。(去年の3月以来の演奏披露だ)

みっともない不協和音も晴れて排除され、STA流の無駄無き王道ともいえるパーフェクトな曲になったよね。めでたしだ。

 最近のS・T・Aはけっこう、こいつに馴染んできたよ(カツちゃんにとっては鬼門かな!?だってトロンボーン・プレイヤーが作った曲だからね)。

 この曲でもリード・ボーカルはマサが専念。初トライなんだよ。苦労しました。マサはユラユラと腰振りダンスで観客を誘惑?挑発??。

 ヤスは、ここでも、相変わらず虎視眈々と大奮闘。

 血沸き、肉踊る現象とはまさにこのこと。

 各メンバー達は多方面の分野にまたがって八面六臂のフル稼働。

ダンディーなハマピーは、なかなか堂に入ったプレイスタイルで男ならではの色香をタップリと漂わせて吹き込む。

片や巨漢のファニーはハイノートヒッター。これにはミキティ、毎度のごとく戦慄を覚えるのだとか。

ツイントランペットという編成だけでも贅沢すぎるのにご両人とも全くタイプの異なるプレイヤーゆえに面白い化学反応がしょっちゅう勃発するものだからたまらないよ。

 ホーンによるバッキングは疾走感の塊のようなブラスロック代名詞をはかる。

エンディングではニシヤンによるトリッキーなる16フュージョン仕込みのピッキング・ギター・ソロ。

 ニシヤンのギター音って大きいんだけど、ちっとも耳障りだったりうるさく感じたりしないんだよね。これってやっぱり巧みなる音作りの技。

 ブラス隊による緻密に構築されたアレンジの妙が、更なる完成度と緊張感を増幅させつつも第1楽章を終了。

 フェイドアウト部分は入念にスタジオで打ち合わせたとおり、アルト・サックスの音色が揺らめく中、ニシヤンの流麗なるコードとヤスによるデリケートなシンバルが奏でる残響音の余韻で幻想的なトーンを漂わせる。

ああ・・・・こういうタイプの曲を演奏するたびにコーラスとパーカッションとテナーサックスとキーボードが欲しいよう・・・・・と、しみじみ心から思うよ。

「YEAH!残すところ、2曲となりました・・・・・」「ええええ!!???~」「(不敵な笑みを浮かべつつも)アベさんの大好きな曲をやりたいんだけど今日はピアノがいない、コーラスもいない、しかも今日は火曜日なんだけど・・・・(火曜日にSTAライブなんて初だ!)やっちゃうよ!土曜日の曲・・・・それでは西やん、どうぞ~~!!」

(ルチュ嬢いわくアベさんは最高の喜びを滲ませてノリノリだったそうですよ。こんな話を聞くとミュージシャン冥利に尽きるね)

シカゴ初の記念すべきミリオン・ナンバーがはじまった。

SATURDAY IN THE PARK・・・・・マサが西やんの方向へ向き直った瞬間、絶妙のタッチでシンコペーションを基調としたあまりにも超有名なるイントロをギターで響かせる。

当然ここでの主役は、最初から最後までピアノ役のギター。

ギターだよ!本来、ピアノがメインなのに、こんな冒険をするバンドってなんまらいかしているでしょう。

スタジオリハでキーボードが休みの時にはこのような変則パターンでトライすることもたびたびありましたが、本番は3回目。しかもほとんどぶっつけ本番という暴挙に出た。

これはすこぶる斬新で快感。違和感もなく、結果的にはやって良かったねえ。

当初は鍵盤なしでは考えられないからセットリストから泣く泣く外していたんだけど、西やんたっての希望で復活したという経緯があります。

西やんもこれをギターメインで演奏することを密かに夢見ていたんだから、そりゃあ至福の瞬間で天にも昇る心持ちでしょうねえ。

全身汗まみれながらも、気持ちよさそう。

もちろん、それに呼応するように会場全体は熱烈なる声援へと反応が変わっていく。

それにしても、この曲、リズムと強弱感覚の違いが如実に現れるのですよ。奥の深い部分があります。

マサは絶え間無く左右に、トレードマークともいえる軽快なステップを踏む。

とにもかくにも西やんによるギター・ストロークのおかげで、より誰もが贅沢極まりないハッピーに浸れちゃうのだから不思議なものですよね。

ほとんどの人々がスタンディング!

腕組みして目を閉じ、唸りながら、ジックリと聞き入っている人も発見。

会場のあちこちで嬉しそうに、両手をあげて大はしゃぎしている人たちが見えるではないか!?

数人のオーディエンス達も、ずっと横並びでタンバリンを打ち鳴らし続けているよん。

ステージ手前では、ある女性が簡単な振り付けを指導しながら皆と一体になって踊っています。

西やんも時折横目でバンドを確認しつつも、リズムカッティングにのって延々と体を揺らす。目の前の観客達の笑顔にもすこぶる癒されたそうですよ。

世界平和を声高らかに提唱する、スケールの大きいヒット。

まさしくシカゴ版「イマジン」との呼び声高き、ターニング・ポイントともいえるアンセム。

愛と平和を謳歌しながらも反戦を訴える部分もさりげなく含まれているんだから、さすがしたたかで思慮深い我らのシカゴだ。

マサが歌いながら最前列に歩み寄ると、客同士肩を組んでニコニコと微笑み返し。

他のミュージシャンらも、すこぶる気を吐いていますよ。

歌メロには人一倍のこだわりをもって挑んだ曲。「WOWOWOW~!!」

エンディング最後に至るまで、気合十分パーフェクトに完奏。

普段はホノボノと佇んでいるヤスではありますが、やる時は綿密にバッチリと決めてくるところなんかさすがですよね。

さあ、正真正銘の終盤に突入します。もうお約束の展開であれが飛び出しますよ!

残響音が不気味に果てしなく支配する。

その余韻を引き摺る様に

「・・・・・今は何時くらいかな?(チラッと時計を見る)ドンドンと日も長くなってきたから、まだこれをやるにはかなり早いな・・・・・・それでは極上のミッドナイト・ソングで締めくくってみたいと思います」

この時、すでにニシヤンはギターを掲げて小刻みに震わせつつも唸りを発する・・・・・「ウィ~~~~ン・・・・・・」

マサは前傾姿勢で、モニター・スピーカーに左足を乗せたまま「泣いても笑っても最後です!いきます!盛大に盛り上がっていきましょうー!松山千春の曲ではないですよ(笑)・・・・・・25or6to4!!!」(EDIT VER)

マサがニシヤンの方向を左手で指差すと、「ギュイーン!」のスライディングから

「ガガガガガーン!」

メンバー全員が「ヘイ!ヘイ!」

「会場後ろの方も一緒に!!HEY!HEY!」

驚いたことにメンバー全員がそれに連動して、ノリノリに手拍子を交えている。

その上、しきりに楽器を振っている。

ギターも、これ以上ないほどに過激に攻め立てる。

マサも一緒にメインリフを弾き始めると、ヤスも問答無用にシンバル類総出で

便乗する形にて熾烈になぞってくる。

疾風のごとく耳をつんざくホーンセクションの狭間に、ニシヤン参戦でリズムの鬩ぎ合い!

あるバンドは「STAはスーパー・スペシャル軍団」

あるギタリストいわく「ニュー・ギタリストは上手いし、いい音を出していますね~!」

あるパーカション奏者いわく「STAはレベルが高い」

あるトランペッターいわく「STAはブラス殺しのナンバーばかり・・・」

あるミュージシャンいわく「STAは歴史と伝統あるバンド!」

マサは1フレーズごとにステージフロントに並べられているモニター・スピーカーに左足をのせながら移動。

ニシヤン&マサが両サイドのフロントにて陣取り。この躍動感あるロックなコントラストが長年の理想形だったのさ。

ギターがスポットライトを浴びる場面になると、必ず最前列に飛び出してきて自己主張。

各メンバー達も負けじとフォーメーションを維持しつつも大奮闘。

なるほど心強き存在感。

白熱するホーン隊は拳を突き出すタイミングが絶妙。

誰言うともなくメンバー達が合間を縫って

「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンス要求で半狂乱(声出しなしの拳突き上げ体制)。

もうこれが本当にラストだと察してか、余力を振り絞って全員グチャグチャでどこもかしこも必死です。

STA全員が右手を何度も振り回しての熱演。

更にマサはブラス隊の目前にまで駆け寄って、コミュニケーションをはかる。

ヘッドバンギングにて中央で両膝ついて、気迫のヴォーカルを続行。

ニシヤンは、虎視眈々、隙間という隙間をびっしりと雷鳴のごときソロで埋めつくすほどに我を忘れて、ギターの鬼と化しています。

でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!

ありとあらゆるテクニックをぶち込んでいる様は、まるでギターの教科書、お手本を提示しているかのよう。

締めはエフェクター設置スペースにもどって、ワウワウペダルを踏み込む艦砲射撃で爆発寸前(本家のソロをほぼそのままに再現。これも究極のフィンガリングで完成形とみた。オフステージの時にマサは西やんに言った。テリーのソロを弾いている時って本当に満たされた表情をしているね、と。)。

そしてクニが近年ギターソロの後半でやりはじめた、シカゴ・ライブバージョンでのブラス・フレーズをニシヤンの合図を待ってホーン隊全員が吹き込む。トドメはきっついハイノートで息の根を止める。

ウォルター顔負けなアルト・サックスで対等に渡り合う紅一点のミキティ。

麗しきレディが在籍しているという贅沢さが良い方向に作用しているようだ。

男顔負けの存在感も誇っているのだ。ウカウカしてなどいられないよ、野郎ども!

マサが3番を歌いながらベースのネックを観客方向に突き出す。恍惚の領域に到達したのではないか!?

これもライブでなければ味わえないハプニングのシーンだ。

メンバー達が色めき立ってきた・・・この状況。

どいつもこいつも、ビックリするぐらいに凄い奴らばっかりだ。

何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。

まあ、こういったスリリングな崖っぷち綱渡りパターンもSTAトラの穴(クニ曰く)ならではの持ち味のひとつだね。やはり役者が違います。

マサが自分の楽器を垂直に突き上げて、揺すりまくるの図。

尚もニシヤンのソロは轟き渡り、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイをクローズ・アップ。

照明もSTAのメンバー達を追うのが大変な作業だ(事前に、とにかく思い切りサイケデリックにと希望提出しておきました)。

エンディングではベースのネックを天高くに突き立てホップステップ。

ベースギターを肩からはずして、マシンガン乱射のポーズ。

ノリが最高!やはりこうでなきゃあね。

ダメ押しとばかり、片足上げて思いっきり床に振り下ろした。「YEAH!!」一礼して、マサがジャンプ一閃でTHE END!!!

アッという間の出来事。疾風のごとき。心地よき疲労感が全身をじわじわと襲ってくるところが癖になりそうだ。

「ありがとうございました!また会いましょう!!」

身体がやっとほぐれてきたところで、時間切れの完全燃焼。

アッという間の30分が過ぎ去った・・・・・いい汗かいたね。

この会場は初のメンバーらもいたけれども、なんとかかんとか無事に終えることができました。

十分に満足してもらえたかな!!??・・・・・YES I CAN!!

またすぐ、4月にここ小樽でSTAはライブのため戻ってきます(レノンセンスのサカイマスター主催の3階イベント)。

それまではお楽しみとしてとっておこうよ。痺れるようなかっこいい曲をたくさん用意していますよ。

 

very special thanks to・・・mr,kenny&akichan&iku&kei&mr,saitoh&mr,miwa&keitakun&mr,minagawa&e,yazawa(dvd-r)&stuff&hiroshikun&rutyuchan&mr,mayama&tomochan&misatochan&memechan&nightkun&yuzuruchan&tommychan&raira&masaikun&minory de abengers&mr,morley&marichan&tetsu&mr,fukuda&tanakakun&mutchan&naochan&calpis water&milk tea&bruce lee&snowstorm&abesan&master&berry jam!!!!

 

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V NECK(chicago)

2021-03-04 20:29:33 | CHICAGO

Vネックとは、V時形のネックラインの総称。 またはVネックの服自体を示す。 丸首よりも襟元が広がるため顔を小さく見せ、首回りをすっきりさせる効果がある。

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VOL,178 小樽雪あかりの路オールディズライブ13(PART,8)S・T・A前編

2021-03-04 00:35:08 | Live Set List

****ハイ、このライブレポートの主役が遂に登場です。心して読むようにお願いいたしまする!!****

7、4:25~4:55

どこでやっても浮きまくりのバンド「THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)」

トリでの、この日はいつもにも増して浮きまくっていました。主催バンドのパーティーズを差し置いてのことに恐縮です。

でも温かいお客様たちの後押しで大成功でしたよ。

もう開きなおりの精神に乗っ取り、己を信じて信念を貫き通すのみ。

12年連続12回目は最多出演記録。

ずっとその偉業は誰に譲る事もなく更新中(実は皆勤賞はマサのみですがね・・・・)

延期やら中止やらでなんとかかんと今年初のライブに無事漕ぎつけることができました。良かった・・・・。ホッとした。

バンドからのメッセージです・・・・「北国唯一無二、極上のブラス・ロック・サウンドを貴方のハート

へお届けします。ヨロシク!」

今回はSTA以外に管楽器が所属していたのは「ビア・プリーズ」のミツグくんサックスのみ。

岩見沢コミュニティFMラジオ音楽番組でDJを努める御大ケニーさんが、マサのそばに寄ってきて「STA出演はまだ?待ちきれないよ!」とひとこと述べて微笑んでくれました。

毎度毎度のことながら、今回のSTAも大所帯を誇っています。もう誰も驚かないよね(笑)

ミキサー主任のミワくん、助手のケイタ君もすでにSTAに対しては熟知しているので余裕の構えです。

事前にマサが彼等の手元へ提出しておいた詳細なるセットリスト、編成表、器材位置、使用ワイヤレス2機の周波数帯域が記載されている用紙で内情はバッチリと把握。

口頭による打ち合わせも済ませてあります。

当初は9人だったところを、諸事情により総勢7人で賑々しくお送りします。4人がホーンセクションで占められています。これも毎度お馴染みのメンツ。でも広いステージゆえに皆ノビノビとプレイに専念できます。

満を持して、ニュー・ギター・ヒーローとして正式に迎え入れ昨年の9月小樽屋外ライブイベントで初めて参加した西やん。手ごたえを双方共に感じて再度合流したのがマリンホール。彼がパーカッション時代を含めると早いもので、あっという間に1年以上が経過しているのですね。

もちろん、STA内に多方面でグッと新鮮なる息吹を吹き込んでくれました。

安定感抜群のテクニックは当然として、最大の目玉でもある彼の知性を糧に、益々エネルギッシュなパフォーマンスを繰り広げてくれますよ。

ファッション・リーダーのミキティは、相変わらず見事にドレスアップしたイデタチで乗り込んできましたよ。

対バンの盟友達も、こぞって応援に駆けつけてくれました。

全員たった2回きりのスタジオ・リハーサルなのに、よくもまあ責任重大なるパートを各人が演じてくれました。

毎回のSTAライブ時も、同様ですが、今回のセットリストはメチャクチャに複雑怪奇なる高難易度な内容。そこのところは真面目で努力家で何にでも真摯に取り組むメンバー達。あの手この手を尽くして、皆がそれぞれに孤軍奮闘で全曲を己のものとして習得していました。

演じているメンバー達自身が驚愕していたくらいです。

火事場の馬鹿力なんでしょうね。

各自は多くを語らないけれど。

いつも無理難題ばかりふって申しわけない・・・・。

でも結局悲鳴をあげながらも皆、ドップリとはまってエンジョイしているのだから嬉しい限り。ブラスロックの魔力が成せる業。

そのような猛者ばかりがここに集っているわけです。

ゆっくりする間もなく、ホーン・セクション達は最後に客席テーブル上でスコアとニラメッコしながら一通りの最終打ち合わせ。

それと、実はメンバーの中には毎年今時期、必ずと言っていいほどインフルエンザになった者、高熱と咳に悩まされた者などなど、病み上がりミュージシャンがいるのです。

恒例のようになっている。こんなありがたくないサプライズはノーサンキューだ・・・・。

で、今冬は皆、万全の体勢で臨めるね・・・とホッと胸をんでおろしていたところ・・・・・コロナ感染者もいないし・・・。

入口カウンターでは体温検査もバッチリと受けて通過。

結果ですか・・・・?

現在のメンバー達だからこそ成せる、スムーズなる奇跡の離れ業。

涼しい顔して、かえってそれらを楽しんでいるようにも映りました。

今さらながらも大したもんだなあ・・・と痛感した次第。

一緒の舞台に立っていながらも、思わずゾクゾクしたほど。

何のトラブルもなく無事にこなしていました。テンションもマックス状態だね。

以前のメンツならば確実に、大恥ライブとなったことでしょう(STAは何があろうと、一度も穴を空けたことがないのが自慢)。

まさに、いついかなる時でも常に危機に瀕している、いつでも危なっかしいバンドが何とかかんとかここまで辿りつけました。

前にライブを終えてステージ後片付け中の「アンクル・キャッツ」メンバー達に「お疲れ様」とねぎらいの言葉をかけて、入れ替わりでSTAいざ出陣です!

いつものようにミキサー担当の2人とパーティーズのスタッフ達が手馴れた段取りで迅速丁寧なるセッティング。心強いなあ。

マサの元にはミワ君直々にシュアーワイヤレスレシーバーを受け取りにきた。

ケイタくんは白いビニールテープを即座に貸してくれたよ。(マサは古いセットリストを持ってきてしまい、慌てて交換・・・ビックリしたなあ・・・・)

アベさんはホーンセクションと歓談しながら写真撮影ポーズ。すでにビールを飲んでいるらしく、ほんのりとほっぺたが赤らんで上機嫌の様相を呈しています(笑)。

ミワくんの指示に従って3管がいっせいに音出し。

マサもマイクチェックに勤しむ。

最近のSTAメンバー達はセッティングがすこぶる早い。

大所帯だと何かと面倒をかけてまごつくものなんだけど、無駄の無い手馴れた速やかなフットワークで軽妙な動き。涼しい表情だ。

もうこうなったら演奏に100%専念できるというもの。

キーボードなし、コーラスなし、テナーサックスもパーカッションもなしというハンディもなんのその。

怖いものなしの勢いにのって戦闘態勢が整った。

***MEMBER***

MASA・・・B VO

MIKITY・・・AS

NISHIYAN・・・G

YASU・・・DR

KATSU・・・TB

HAMAPY・・・TP

FUNNY・・・TP

***SET・LIST***

1,INTRODUCTION・・・CHICAGO

2,ONE FINE MORNING(ある晴れた朝)・・・LIGHT HOUSE

3,SUNSHINE OF YOUR LOVE・・・・・・CREAM

4,VEHICLE・・・IDES OF MARCH

5,MAKE ME SMILE(ぼくらに微笑みを)・・・CHICAGO

6,SATURDAY IN THE PARK・・・CHICAGO

7,25OR6TO4(長い夜)・・・CHICAGO

全員のセッティング状況を細かく見計らってマサがアイコント。そして手拍子でテンポを送る。

まずは西やんがプログレッシブ風スペイシーなギターミュートカッティングサウンドで、一種独特なる異空間を作り上げる。すかさず合図を返すと、それに便乗するかたちでヤスも剃刀のごときハイハットワークで応える。(この2人は何でも受け入れてくれるから調子にのったマサは思わず頭を抱えちゃうような要求をしょっちょう投げかけるんだけど、それら全てを軽くその場で仕上げてくれるんだよね。その手腕は大袈裟ではなくゴッドハンドの如しだ!)。

本編へのプレイが待ちきれないという様子。

マサは威風堂々とスタンバイ。

 もうすっかりと手慣れた感じの司会進行役サイトウ氏が、会場後方から落ち着き払った声で華々しくナレーションを告げる。

「たいへん長らくお待たせいたしました。いよいよはじまりますよ!今か今かとお待ちの皆さん。そうですよね。これから熱いステージをお届けして参りますよ。もはやお馴染みとなりました大所帯バンドが小樽公会堂に颯爽と帰ってきました。ハーイ!!北国唯一無二の札幌発ブラスロックバンド!

ド迫力ホーンセクションを心ゆくまでドップリとご堪能ください!メンバー一同この日この時この瞬間を心待ちにしていました!それではヨロシク!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」 

ジャストなタイミングで「オーケー!1・2・3~!!」(思い切りミワくんがリバーブを深めにかけてくれたよ!)

波状攻撃へ、火蓋が切って落とされました。

猪突猛進の狼煙を上げる「イントロダクション」。

さすが、この人数だけに勢いが桁違い(本来はもっと多いんだけどね・・・・)。

プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。すでに掴みはバッチリとオーケーだ。

普段は寡黙なヤスもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに豹変するのです。

その上、3年前の4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が相当感動的に残っているらしくて、ずっと刺激を受けている御様子。如実にドラミングの随所にダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!

イントロの爆音が情け容赦なく多方面へと襲い掛かる!

ほほえましい光景に常連組が客席でやや控えめに参戦。写真&ビデオ撮影にと勤しんでいます。

皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリと手拍子をあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。

もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛して愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。その中でもこの日ほど迫力一杯の完成度を誇ったことはなかったのでは?!出色の出来と自画自賛。

モニター・スピーカーに片足乗せて、マサが野獣のごとく吠えまくりながらも襲いかかる。アグレッシブなアクションを巻き起こす。

計算されつくしたニシヤン独特なるシャープな音色のギターが、ヤスのタイトかつパワフルなドラミングに絡みつく(この黒いレスポールタイプのギターは謎多き怪しいメーカーの貴重なる一品。コンディションも良好な光沢を放っていますが本人は詳細を決して語らず・・・・マサも必要以上に問いただしたりはしない・・・笑)

看板ともいえる4管によるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。

舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。後方サイドからは、ドラムが遠慮なしにグルーブを構築しながらの進撃展開。

会場をまるごと覆いつくすかのような、ホーン隊による異次元模様の高鳴り。なんという高揚感であろうか。

鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが嵐のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が今回のおおまかなる課題。

さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??

さあ、第一関門の地獄にガッシリと突入だ。

12月の反省点は見事にクリア。手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。切り込み隊長はいきなり久しぶり参入のカツちゃんによる、やや食い気味かつ流麗なるトロンボーン・ソロで場面転換。

 ギリギリ滑り込みのリハなしぶっつけ本番だから正直な話、不安要素てんこ盛りだったんだけど、それも取り越し苦労だったようです。

大した度胸の持ち主だ。さすがに百戦錬磨の達人だからこそ成しえる技。何事もなかったかのように振舞っていたよ(ヤスによる縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。

ここがカツちゃんの凄いところ。

なんと自宅に宿題として持ち帰り3つのコードで繰り広げられるソロ・パートを、極上のエモーショナル・ラインで纏め上げてきて披露したのだ!!

能あるタカは爪隠す!と、昔の人はうまいことを言ったモノだ。ねえ、カツ君よ!(1回目のスタジオリハ前にブレイク部分による拍数の謎を解明するべく独自でスコアを探しだしてきて見事に解明したのだそうですよ。すさまじき探求心。正直な話、この曲はトップがキツイとのこと・・・・それは、うなずけるねえ‥‥でもご挨拶ソングだからねえ。不動のポジションなのですよ。悪しからず。)

マサによる流麗なる美しきオクターブベースに導かれて場面転換。西やんもピアノ旋律を代行してギターで再現。これがまたとびっきりに効果絶大さ。

マサいわく「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのヤスが猛然と先導しつつ、お次はベテラン・ハマちゃんの出番。

彼のトランペット・ソロは熟練の極致なので、大船に乗った気分に浸れます。

一聴しただけで安定感抜群。時折ヒステリックなハイノートなども懇切丁寧クールにヒットしていてニンマリ。

さすが北海道トランペット協会会長だけある。

ファニーは「滅多にこのソロを他の人が吹くところを聞けないので新鮮」と語っていました。

バッキングによる強弱のサポートも効果覿面だ。

もうこのあたりにたどりついた時点で会場中の空気は一変。

なにやら恐ろしいくらいにもの凄いことがステージで起こっているぞ・・・てな感じでかぶりついている。

ニシヤンは臨機応変、歪みからコーラスサウンドまでコンスタントに幅広く音色をエフェクターで器用に切り替える(ここはスタジオリハ時に取り決めたこと)。

そして第3の男、そのニシヤンによるワイルドなギターが火を噴いた。

いきなり過激なハーモニクスを導入部分に一気呵成に飛び出して、益々進化したソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。ただひたすらにエキセントリック。

序盤はテリー・キャスのフレーズに敬意を表する・・・・。

へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。

音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。身をのけぞらせてイナバウアー・アクション。

チョーキングなどを交える際にはギターを激しく揺さぶって身をよじる。あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、ビジュアル面も大きい。

西やんのみこの日のライブで掛け持ちしている(リミックス)。しかもあちらではベーシストで。

リミックスの時は大股開きスタイルなんだけど、STAでは常に横向きポーズで全体を注視している。

これが彼の楽器別スタイルなんだね。

そして遂にテリー・キャスのギター・ソロをほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?ビブラート、グリッサンドに至るまで再現しているよ。

この前面へのせり出しシーンはヒロリンのリクエスト。

極めつけは第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝によるヤスが、力漲る究極の稲妻フィルインで拍手喝采。

サンキュー!

いつもは沈着冷静なるヤスもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している様子。すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。

いくつもの修羅場を潜り抜けてきたからこその、説得力ある支柱だ。

エンディングにおけるベルトーンも、ニシヤン渾身の2音を筆頭に見事な連携で繋がった。

ミキティ嬢からホーンセクションへと受け渡る流れへ。ここで繰り出したニシヤン入魂のピッキングがジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。これぞまさしくロックの原石。いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。

マサが後方に設置されたドラム用のお立ち台に左足を乗せ、右手を頭上に掲げてグルグルと何度も素早く回転。ヤスと呼吸合わせ、雷鳴のような怒涛の連打をスリリングに交えて激しいジャンプでフィニッシュ。

以前、ASの女傑ミキティいわく「マサとニシヤンは何かにとりつかれているようだった」とのコメントを述べていましたっけ。

口笛がピーピーと吹き鳴らされる中、マサとヤスとの目配せで瞬く間にスリリング・メドレー「ある晴れた朝」(2019年5月の江別以来のプレイ)。
「YEAH!」

重戦車のごとき恐ろしいまでの、ヤスによるアグレッシブなるビートがガッチリと炸裂。

カナダのシカゴ、BS&Tと言われたライトハウスの代表作を2曲目に持ってきた。度重なる強烈なる一撃。

今回参加のアルト・サックス・プレイヤー・ミキティお気に入りゆえに久しぶりの復活ソングなんだよ。

さっそくマニア心をくすぐりまくる選曲。

 西やんのギター・カッティングはお飾りに終始するのではなく、痒いところに手の届くプレイとして華があるよ。

 初演奏なんだけど、もうすっかりと板に付いてきた感あり。

 縦横無尽に絶え間なく駆け巡るトーンの響きも絶妙の味を噴出。実は非常にヘヴィーなコード進行らしい・・・・。

マサがドラムに絡みつくようなベースランニングで挑みかかる。

鮮烈なるフィンガリング。

リズム・セクション・スクランブルが猛然と確立された瞬間だ。

マサによる熱きヴォーカルが、ここでも雄叫びをあげる。

これをリード・ボーカルで担当するのは数年前からなんだけど、目一杯に頑張りましたよ。

ベースだけでも運指やピッキングが忙しいのに、ボーカルも非常にへヴィー(延々と伸びやかに上昇するハイトーンが後半へ向かうにつれて複雑に増してくるという構成)。

観客群からの熱視線も加味されて、グイグイと牽引の好サポート。

おそらく会場のお客さん達でこの曲を知っている人、ほとんどいないであろうことは確実。

でもそんなこと問題なし。関係ないね。

このうねりまくりのバツグンなグルーヴはどんな世代、人種、男女問わずビンビンと伝わっていることでしょう。

今までに聞いたこともない一種独特で異様なまでの先読み不可能楽曲群に、多少は戸惑いつつもぶっ飛んでいる御様子。

もちろん何度もSTA体験している人々にいたっては、言わずもがなですなあ。

中間部分では本来ならば怒涛のピアノソロが展開される手はずなのですが、今回は西やんのお手並み拝見といきましょうか。

マサが引導を西やんへと投げかける。

アヴァンギャルドに奏でられる攻撃的なるギターの弾丸ソロがヒートアップして、したたかで素晴らしい。

コード・バッキングとアドリブ・フィンガリングとの連動が神がかり的。

上半身をくねらせての仁王立ち。ゴッドハンドが降臨だ。

ここも重要なるポイント。

スポットライトを独占した西やんによる全身全霊を込めたフレーズが、フィンガーボード上をスムーズに滑りまくる。

御大ヤスはバリエーション豊富にフィルインを交えながらも小刻みにバックから屋台骨を支え続けます。これって最も重要なお仕事。

なるほど、その手があったかい。工夫の痕跡が垣間見える。

ならばと、曲の後半戦ではメンバー一丸となっての応酬。

マサ、ヤスとがガッシリとスクラム組んでの骨格リズム・セクションもクセモノなんだよ。

緊迫感ほとばしるメリハリも冴え渡っていて切れ味バッチリ。

マバタキ厳禁。息つく島も与えないほどに攻め込み突入してくるS・T・A。

体全体でリズムをとりながら、腰振りミキティも見栄えが中々にロックしていてナイス。

ブラスセクションは笑みを浮かべながらも、余裕の構え。

マサは耳をつんざくほどに、お得意のハイトーンをダメオシ連発ヒットで締めくくり。絶賛拍手の嵐。盛大だ。

オープニングとセカンド・ナンバーだけをもってしても、ひじょうに体力の消耗が大きい、はっきりいって燃費の悪い進行なんだけど、メンバー達はいたってクールに対応。

STAの割にはスッキリとシンプルな編成ゆえ、音の分離や輪郭がクッキリ。

マサは単独で歌うので冷静にペース配分を考慮しなければいけないところではありますが、結局はおだってしまって(!?)すでに全力疾走で魂の咆哮。

誰一人として一切の手抜きなし。力を抜こうとするなんて微塵も考えていないよ。

観客もネオン・スティックを振りつつそれに応戦。


「ここからは中盤戦。

STAは基本的にアメリカン・ロックを中心にお送りしていますが、次はブリティッシュなやつ。(マサは喉を潤すべくドリンクをグイッと一飲み)

全然ブラスロックではないんだけど、以外にもこれ受けがいいんだよね・・・・(案の定、色めきだってきたオーディエンス)ヘヴィーメタルの元祖。

伝説のバンド、クリームからご機嫌なサイケデリックワールド・・・・・・といえば皆、知っているよね。いきます・・・・ネクスト・ナンバー・・・・・・サンシャイン・オブ・ユア・ラブ!!(エディット・バージョン)」

シカゴもデビュー前に取り上げていた金字塔。

実は、コアなジャンル好きのタイバンの一部メンバーらから歓迎のエールが密かに飛んできていました。

あんたも好きね!と思わず言っちゃいそうなくらいの一体感。

西やんは長年敬愛してやまないエリック・クラプトン師匠のソロにおけるセルフカヴァー・テイクをこの曲の参考にしているらしく、本来の野暮ったさをできうる限り排除して、よりモダンな味付けを器用に施してきました。

試行錯誤の結果、使用ギターとエフェクター類が最近ほぼ決定したそうです。

(マサもそのライブ動画を見せてもらってから一時相当にはまってしまいました。オリジナルを凌駕する勢いに圧倒されちゃったもん。)

じらしにじらしまくったかのような、あのリフを空間突き破るがごとく、伝家の宝刀ともいえるファズ・エフェクターで応戦。

しかし、その直後にリズム隊がメガトン級ユニゾンの塊となって猛追撃。

結局は、極上のハードロックに豹変。

照明もそれに応じるかのごとく、灼熱の点滅を繰り返す。

ヤスはずっとジンジャー・ベイカー直伝アフリカン・ドラムではなく、独自の解釈による現代的な味付けを盛り込むオリアンティ・バージョンで鮮烈に対抗してきたのですが、この日は特別で一昨年末に亡くなったジンジャーへ敬意を表して忠実なるオリジナルドラミング。

マサは憧れのジャック・ブルース役になりきっています。

ブラスのアレンジはコロシアムのテイクを拝借してきて歴代S・T・Aホーン・メンバーらが、ライブのたびに手直しを加えていったという裏話があります。

まあ、この辺に至っては、ほぼリラックスしながら望めるというもの。

スタミナ温存ソングという色合いなのだ。

続々と観客達もより間近で目撃しようと、食い入るように詰め寄ってきます。

マサは最前列の観客を指差してベース本体突き出して挑みかかる。

西やんはクラプトンはもとよりジミヘン、レイヴォーンなどなどを融合して散りばめたアドリブをほどよき刺激発散とともにバシバシと連発してきます。

ウーマントーン、プリングオフなどなど荒々しく持ちうる限りの天才的テクニックを、トリッキーに交えて惜しげもなく注ぎ込みます。

異常なほどの溶け込み具合で昇華。

エンディングでは全員が一丸となってノイジーに爆走しながら加速しつつも、徐々にスピードダウン。

マサがジャンプしながらフィニッシュで一瞬の静寂。 

マサのMC

「ありがとうございます。皆さん、楽しんでいますか!!??YEAH!!時間もあまりないので、ひじょうにマニアックなものも開き直って織り交ぜつつ、さて早くも折り返し点へ突入します。次の曲は5大ブラスロックの一つでシカゴの強力なるライバルとも言われた悲劇の一発屋バンド。曲調一転してダンサンブル・ビートが大受けしてもてはやされた、アイズ・オブ・マーチで・・・・ヴィークル」

 これも、「イントロダクション」「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」に引き続いてのエディット・バージョン。

 観客席から再び出てきたケニーさんもアベさんも、ミキティ嬢と共に両手を高々とあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示しながら拍手で合流。

タイバン達も最早いても立ってもいられない、といった様子でホイッスル鳴らしての参戦だ。
好き者にとっては極め付けとばかりに、血液逆流しそうな炎のナンバー。

文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感で熱狂。

マサはこの曲、5回目のリード・ボーカル担当。(去年の9月に小樽屋外ライブでも経験済)

それでもSTAにとっては第1回ライブから取り上げている十八番だけに、まるで自分達のオリジナルソングのように捲くし立てる。

ボーカルがノビノビとしていて優雅で圧巻。

熱唱に次ぐ熱唱という構成。

今回のライブセットリスト構造は、マサのボーカルをフルにぶち込むという強引なまでの強硬システムを導入。

ホーン隊は体を仰け反らせて、渾身の吹き込み。

マサは、ネックをグルグルと上下にひねり回し振り上げる。

後ろへ振り返ったり、お馴染みのブレイク・パートではドラムセット前にてクルクル。

前後左右にと行き来しながらキックをぶちかます。

一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。

それだけにとどまらず、何度もドラムセットまで駆け寄って右足をバスドラムに乗せてシンバルを蹴りまくる。

手数王ヤスもシンバルの乱れ打ちで対応。千手観音のようだ。

調子にのりすぎて左肩がぶつかったシンバルスタンドが傾いて倒れそうになるも、グイ~ンと元に戻った。

ジェームス・ブラウンのマイクパフォーマンスさながらの状態にマサとヤスは苦笑いさ。

長年ライブをやっていると予期せぬ突発的なことが起こるというもの。

後日に気付いたんだけど、この曲中マサはベースヘッドをミキティのスコアにぶつけて床に落としてしまったのさ。丁重なる謝罪をしたら許してくれたよ。本当に申し訳ない・・・・。

それはともかく、時折ヤスとマサが向き合っての相乗効果を煽りあう、火花散るインター・プレイも微笑ましい。

マサが「オールライト、ギター!!」とシャウトしながら、ギターソロへと橋渡し。

70年代初期を反映したかのような、西やん渾身のギター・ソロは確実に的を得ているね。

フロントにまで飛び出してきた西やんはこの手の曲でも、的確なるコードワークの度に腕を突き出して盛りたてる。

そこへといっせいに群がるオーディエンス。凄まじき光景。

ギター・リックも伸びやかなるサスティーンも一際異彩を放ち、ここでも獅子奮迅。

決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も大合唱。

観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている輩も出現。

エンディングにおける一瞬の空間を突き破るがごとく、目一杯にエモーショナルなひねりもきかせて喉を振るわせる官能的でブルージーなマサ絶叫ソロボーカルパートでは自己陶酔!(ミワくんが機転を効かせてリヴァーヴで巧みに演出)

このひとことで観客達が「ヒューツ!!」と大歓声。

プレイしている我々でさえも、手前味噌ながら震えがくるほどの高評価を下したくなるほど。

皆が皆、一様にエキサイトしていて、万雷の拍手が鳴りやみません。

・・・・・・なんという夢心地な空間であろうか。

 

****さあ、泣いても笑ってもいよいよ残すところ3曲となりました。すべてが70年代シカゴの至宝だ。一気に後半戦へ続くよ!覚悟して臨んでくれたまえよ。****

 

 

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