説明
彫刻とは、木、石、土、金属などを彫り刻んで、物の像を立体的に表すこと。または、それらの表面に書画や図版などを掘り込むこと。あるいは美術的な鑑賞を目的として、様々な素材を用いて立体的に制作された芸術作品のこと。また、その表現領域を指す。以下では西洋美術の概念における、芸術作品としての彫刻について述べる。 ウィキペディア
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彫刻とは、木、石、土、金属などを彫り刻んで、物の像を立体的に表すこと。または、それらの表面に書画や図版などを掘り込むこと。あるいは美術的な鑑賞を目的として、様々な素材を用いて立体的に制作された芸術作品のこと。また、その表現領域を指す。以下では西洋美術の概念における、芸術作品としての彫刻について述べる。 ウィキペディア
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残響音が不気味に果てしなく支配する。
その余韻を引き摺る様に
「ラストです!・・・・・今は何時くらいかな?(チラッと時計を見る)いい時間帯だな・・・・・・それでは正真正銘のこれがラスト、極上のお約束ミッドナイト・ソングで締めくくってみたいと思います」
この時、すでにニシヤンはギターを掲げて小刻みに震わせつつも唸りを発する・・・・・「ウィ~~~~ン・・・・・・」
マサは前傾姿勢で、モニター・スピーカーに左足を乗せたまま「泣いても笑っても最後です!いきます!盛大に盛り上がっていきましょうー!松山千春の曲ではないですよ(笑)・・・・・・25or6to4!!!」(EDIT VER)
マサがニシヤンの方向を左手で指差すと、「ギュイーン!」のスライディングから
「ガガガガガーン!」
メンバー全員が「ヘイ!ヘイ!」
「会場後ろの方も一緒に!!HEY!HEY!」
驚いたことにメンバー全員がそれに連動して、ノリノリに手拍子を交えている。
その上、しきりに楽器を振っている。
ギターも、これ以上ないほどに過激に攻め立てる。
マサも一緒にメインリフを弾き始めると、ヤスも問答無用にシンバル類総出で
便乗する形にて熾烈になぞってくる。
疾風のごとく耳をつんざくホーンセクションの狭間に、西やん交えてリズムの鬩ぎ合い!
あるバンドは「STAはスーパー・スペシャル軍団」
あるギタリストいわく「ニュー・ギタリストは上手いし、いい音を出していますね~!」
あるパーカション奏者いわく「STAはレベルが高い」
あるトランペッターいわく「STAはブラス殺しのナンバーばかり・・・・」
あるミュージシャンいわく「STAは歴史と伝統あるバンド!」
マサは1フレーズごとにステージフロント右から左に並べられているモニター・スピーカーに左足をのせながら移動。
ニシヤン&マサが両サイドのフロントにて陣取り。この躍動感あるロックなコントラストが長年の理想形だったのさ。
ギターがスポットライトを浴びる場面になると、必ず最前列に飛び出してきて自己主張。
白熱するホーン隊も拳を突き出すタイミングが絶妙。
誰言うともなくメンバー達が合間を縫って
「イェーッ!!」観客も「イェーッ!!!」のコール&レスポンス要求で半狂乱。
もうこれが本当にラストだと察してか、余力を振り絞って全員グチャグチャでどこもかしこも総立ちです。
STA全員が右手を何度も振り回しての熱演。
更にはブラス隊の目前にまで駆け寄って、コミュニケーションをはかる。
ヘッドバンギングにて中央で両膝ついて、気迫のヴォーカルを続行。
ニシヤンは、虎視眈々、隙間という隙間をびっしりと雷鳴のごときソロで埋めつくすほどに我を忘れて、ギターの鬼と化しています。
でも、起承転結のメリハリはバッチリ!!!
ありとあらゆるテクニックをぶち込んでいる様は、まるでギターの教科書、お手本を提示しているかのよう。
締めはエフェクター設置スペースにもどって、ワウワウペダルを踏み込む艦砲射撃で爆発寸前。
そしてクニが近年ギターソロの後半でやりはじめた、シカゴ・ライブバージョンでのブラス・フレーズをニシヤンの合図を待ってホーン隊全員が吹き込む。トドメはきっついハイノートで息の根を止める。
ウォルター顔負けなアルト・サックスで対等に渡り合うオカッチ。完成の領域に到達したのではないか!?
マサが3番を歌いながらベースのネックを観客方向に突き出す。
これもライブでなければ味わえないハプニングのシーンだ。
メンバー達が色めき立ってきた・・・この状況。
どいつもこいつも、ビックリするぐらいに凄い奴らばっかりだ。
何が飛び出して、どんな展開になるのか。我々にも皆目見当がつきません。
まあ、こういったスリリングな崖っぷち綱渡りパターンもSTAトラの穴(クニ曰く)ならではの持ち味のひとつだね。やはり役者が違います。
マサが自分の楽器を垂直に突き上げて、揺すりまくるの図。
尚もニシヤンのソロは轟き渡り、ホーンセクションは管体が破裂するんじゃない!?と、思えるほどの気迫プレイをクローズ・アップ。
照明もSTAのメンバー達を追うのが大変な作業だ。
エンディングではベースギターを天高くに突き立てホップステップ。
ベースギターを肩からはずして、マシンガン乱射のポーズ。
そしてベースを掻き毟ってもらうように観客に向けて突き出す。呼応するように我先にとベースへ群がる観衆。
ノリが最高!やはりこうでなきゃあね。
ダメオシでモニターやPAスピーカーめがけてベース本体をワイルドに擦りつける。
片足上げて思いっきり床に振り下ろした。「YEAH!!」一礼して、マサがジャンプ一閃でTHE END!!!
「ありがとうございました!」
温かい拍手に感謝です。
すかさずヒロリンの雄叫び
「アンコール!はじめからやれ〜!はやくやれ!(笑)」
「よしよし、わかった!それではお言葉に甘えて。
ヒロリンを怒らすと怖いからなあ!あ?!ヒロリンももう1ステージやるかい?(笑)」
ヒロリン「……(シュンとうつむいてしまう」
大爆笑!
「これからやる曲は5大ブラスロックの一つでシカゴの強力なるライバルとも言われた一発屋の悲劇バンドの作品。ダンサンブル・ビートがもてはやされた、アイズ・オブ・マーチで・・・・ヴィークル」
これも、「イントロダクション」「長い夜」に引き続いてのエディット・バージョン。
観客席から出てきたヒロリンとチャーリーも、STAと共に両手を高々とあげ、全身全霊を込めて大歓迎のジェスチャーを掲示しながらも拍手で合流。
最早いても立ってもいられない、といった様子での参戦だ。
好き者にとっては極め付けとばかりに、血液逆流しそうな炎のナンバー。
文句のつけようもないくらいに、ヒップなアタック感で熱狂。
伊達男ジュン、ここでもテナー・サックスとボーカルの二刀流。
彼はライブごとにアルトだったりテナーだったりと、よくもまあ混乱をきたさないものだね。
それでも十八番だけに、まるで自分のオリジナルソングのように捲くし立てるボーカルが優雅で圧巻。
熱唱に次ぐ熱唱という構成。
今回のライブセットリスト構造はマサ、ジュンとでボーカルを2分するというシステム。
ホーン隊は体を仰け反らせて、渾身の吹き込み。
マサは、ネックをグルグルと上下にひねり回し振り上げてのピッキング。
後ろへ振り返ったり、お馴染みのブレイク・パートではドラムセット前にてクルクル。
前後左右にと行き来しながらキックをぶちかます。
一時たりともジッとしていません。ロックバンドのライブはやっぱりこうでなきゃあね。
それだけにとどまらず、何度もドラムセットまで駆け寄って右足をバスドラムに乗せてシンバルを蹴りまくる。
ヤスもダニーセラフィンばりの連打で対応。
調子にのりすぎてマサの左肩がぶつかったシンバルスタンドが、傾いて倒れそうになるも、グイ~ンと元に戻った。
ジェームス・ブラウンのマイクパフォーマンスさながらの状態にマサとヤスは苦笑いさ。
長年ライブをやっていると予期せぬ突発的なことが起こるというもの。
後日に気付いたんだけど、この曲中マサはベースヘッドをメンバーのスコアにぶつけて床に落としてしまったのさ。丁重なる謝罪をしたら彼らは許してくれたよ。本当に申し訳ない・・・・。
それはともかく、時折ジュンとマサが向き合っての相乗効果を煽りあう、火花散るインター・プレイも微笑ましい。
ジュンが「ギター!!」とシャウトしながら、ギターソロへと橋渡し。
時代を反映してか、サイケデリック臭を狙ったかのようなニシヤン渾身のギター・ソロは確実に的を得ているね。
フロントにまで飛び出してきたマサはこの手の曲でも、的確なるリフワークの度に腕を突き出して盛りたてる。
そこへといっせいに群がるオーディエンス。凄まじき光景。
ギター・リックも伸びやかなるサスティーンも一際異彩を放ち、ここでも獅子奮迅。
決めのブレイクタッチ・フレーズでは、メンバーと観客達が何度も大合唱。
観客の中にはプレイ・スタイルを真似ている輩も出現。
エンディングにおける一瞬の空間を突き破るがごとく、目一杯にエモーショナルなひねりもきかせて喉を振るわせる官能的でブルージーなジュン絶叫ソロボーカルパートでは自己陶酔!
このひとことで観客達が「ヒューツ!!」と大歓声。
プレイしている我々でさえも、手前味噌ながら震えがくるほどの高評価を下したくなるほど。
皆が皆、一様にエキサイトしていて、万雷の拍手が鳴りやみません。
これで全ての工程を終了。
マサが恒例の対バンを紹介!
一つ一つを読み上げてお礼を述べる。
対バンも律儀に立ち上がって手を振り返す。
何度見ても美しい光景だね。
もちろん沖野オーナーと、スタッフのアンリちゃんにも温かい拍手を送る。
世間ではライブハウスから新型コロナウイルスの感染者が出たからとやたら危険な場所扱いしているけど、もっと注意しなければならない所が沢山ある。
我々ミュージシャン達は微力ながらもこれからもずっと応援し続けるからね!
頑張ってくれよ!絶対!
そして一日もはやくコロナウイルスよ、終息して。
very special thanks to…okinokun&annachan&coca-cola&calpis water&barley tea&paper mask&disinfection&roko&SOGO&polar bear&MISATO&charlie&hippo&IKU&kei&ONA KISS&BREMEN CLUB BAND&POWER FUNK SECTION&JUMBLE DECTET&sweet tea‼️
****いよいよ満を持してこのブログの主役でもあり、「リブレーション52」の企画バンド、THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY(S・T・A)オオトリの出演時間となりました!****
5、20:40~21:10
ここのところ、STAは何故だかライブ・ハウスとのゴタゴタが連発して(別に事件性のものではありません・・・)なかなかスムーズに事がはかどらなかった経緯があります。
そんな時、いつも温かい目でサポートしてくれるのが,オキノくんが経営している白石区ピグスティ。
いつもいつも彼には助けられていますよ、本当にもう。
というわけでして、大好評を受け、またまた去年の4月に引き続きピグスティで早くもお世話になることとなりました。
STA企画「リブレーション」が、ごく短期間で同一会場にて開催されるのは珍しい事!
今回も前回同様、ご機嫌なサウンドを奏でてくれるバンドばかりが集結したから、とっても刺激的で楽しかったよ。
素晴らしい観客、対バン、オキノ君はじめスタッフのアンナちゃん(音響&照明)に大感謝です。
なんとSTAは都合で会場リハを行うことができませんでしたが・・・・・・
結果ですか?・・・・2020年最初の白石区ライブ・イベント「リブレーション」は成功の内に幕となりました!
当初はこの日、札幌のあちこちでライブが行われているとのことで、集客を多少は危惧していたのですが、いざ蓋を開けてみたらば最初からアットホームで和気藹々の大盛況!全くの取り越し苦労でした。
尽力してくれた皆、ご協力ありがとう!^_^
持つべきものは頼もしき仲間達だね。
会場に流れるBGMがマサ持参の思い切りドツボにはまる洋楽CD「シカゴのアルバム、ホットストリート」で、これがすこぶる好評。中々なムード盛り上げに一役かっていました!
そしてスタッフの女の子、アンナちゃんがめちゃくちゃに可愛いくて性格もナイス!
これはポイントが高い。久し振りの再会でお互い喜びを分かち合っていました。
ピグスティ・ライブまでのドタバタ奮戦記・・・・・・・
STAライブ史上最大のピンチ。
まずは私が2月からずっと喉の調子が悪く、嫌いな耳鼻咽喉科通い、マスク着用、ノド飴常に持参、吸入器を引っ張り出し、ハチミツドリンク、パイナップルジュースを飲んで、喉スプレー、終いにはボーカル・レッスンの中古本をたくさん買ってきた。
とても心配で夢まで見ちゃった。
マサは「あまり体調思わしくなくふがいない・・・」と語っていたんだけれど、「そんなこと微塵も露呈していなかったよ。」とヤスは優しく励ましてくれました。
ところで、最近のSTAは懐かしい面々が次々と復活。ついこの間はベテラン・トロンボーンのミツが他の管楽器ソロまでをも見事にこなし、孤軍奮闘の果てには秘密兵器まで飛び出す始末だったけど、
今回は心強き超多忙なダイちゃんが参加して、トロンボーンが轟き光明も射してきた。
しかも、ノリノリダンスで余裕の表情さ。
ブラス・ロックの魅力が即座に理解できるなんて将来有望だよ。「好きこそモノの上手なれ」を正に地でいっているパターン。(スタジオ・リハは1回のみ。彼は忘れた頃に合流してくるのです。元気一杯の姿で帰ってきたよ。・・・笑)。
ターミネーターのようなファニーは2バンドの掛け持ちで大奮闘!
待ってました!の心強きリズムセクションの相棒、ヤスはいついかなる時にも頼もしきドラマーでして、ニヒルでハードボイルドにおすまし。
今回、ギターによるSTAライブは初だけど、パフォーマーとして十分に研究済みだから気合も十分・・・・・とまあ、こんな感じでした(彼もスタジオ・リハは1回のみ。つまり3人が1回のリハ)。
さてさて、当初は8人体制だったのですが、なんとかかんとか総勢7人編成に落ち着き本番に臨みました。
セット・リストも決定済みだったので、新規参加メンバーらには各パートの責任者が密に連絡を取りあって、調整を図り事無きを得ました。
強烈なる布陣の構成上、ほとんどを濃密なるブラスロックのレパートリーで一大網羅。
ピグスティ初のメンバーも多く、昭和テイスト満載の作りに驚きと感動を覚えたそうですよ。とても新鮮にうつっていた模様。そうでしょうね。素晴らしいハコだ。
そんなわけでしていつものように紆余曲折を経て、奇跡的にここまで辿りつきました。どうです!すごいでしょう!ただただ感涙の嵐です。
この顔ぶれ。さあて、鬼が出るか蛇が出るか・・・・・。
結果はアンコールまでいただきました。
開き直りバンドの面目躍如。今回も炸裂!
見たかあ!の逆転劇。
それではたいへん前置きが長くなったので、ここからは詳細なるSTAライブ・レポートのはじまり、はじまり~!。
パワーに満ち溢れたロッカー達のパフォーマンスを思い切り目前で堪能させてもらいながらも、STA各メンバー達もウォーミング・アップ、チューニング、そして熱心に黙々とイメージ・トレーニングに勤しんでいます。
タイム・テーブルちょっと押し気味に進行する各バンドがライブをこなす中、
十分にホール内の空気も温まってきて、STAの出番が遂にやってまいりました。
このホールは、ステージ・サイドにミュージシャン用の階段通路があり、かなり本格的。
トリ前ちゃーりーの後を受けて、いざ出陣。
マサと入れ替わりにエキサイトしながらステージを降りてきたちゃーりーが開口一番「頑張って!!」とほっこりエールを送ってくれて大盛り上がり。
おお!貫禄満点で偉いなあ!
徐々に立ち位置、並び順も決まり軽く音出し。とんとん拍子に固まってきたよ。(ニシヤンは指慣らしとばかりにお気に入りフレーズをなぞっています。ワウペダルも軽く踏み込み)。
ご機嫌な洋楽ロックのBGMが爆音で流れる中を、マサが一人一人に「オーケー?」の確認。
いつのまにやら、ステージ最前列にはきたるべきその瞬間まで待ちきれないといった感じのホーンセクションが、ズラリと陣取っているではないか!?
無駄のない軽快なフットワークで黙々と作業をこなしながらも、ミキサー卓に戻ったアンナちゃんと、マサはアイコンタクトを送りあいながらヘッド・セット・マイクのチェック。
そのかたわらMCもこなします。
「もう少々お待ちください。はい、早いものでもう最後のバンドとなりました。大所帯、しかも迫力のホーンセクションを要するバンドの登場です。ブラスロックを展開してみたいと思います。」「イヨッ!!」「ハイ(笑)、もうちょっと待っててね。」「イヨッ!オーッ!!」「イヤア、嬉しいよ。最後まで皆よく残っていてくれました。前の皆もすごかったね。どこにあんなスタミナがあるのか・・・・俺たちも負けてはいられない。こんな物騒な世の中ではありますが盛り上がっていきましょう。そろそろ準備完了です。熱く締めくくってみたいと思います!さあ、いつでもいきますよ。よろしくお願いします。HEY!HEY!」「イエーッ!」マサからヤスへゴーサイン!!
両手でリズムをとりながら口ずさむマサのアイコンタクトで、ニシやんのギターが徐々に唸りをあげて、うねりまくるサウンドに追随する形で、ヤスのハイハットが小刻みに打ち鳴らされる。スペイシーなSE役。
これはいやが上にもプログレッシブな興奮を呼ぶ。
それに便乗するかたちでギターが、剃刀のごときミュート・カッティング。
ギター・コードを豪快にぶちかます。
この辺で早くも期待に胸躍る雰囲気作り大成功。
これから繰り出されるS・T・Aワールドに興味津々のオーディエンス。
「S・T・A~!S・T・A~!!」とシュプレヒコールを叫んでいる人も散見。
マサによる洒落た口調での・・・・・・ナレーション開始。
「たいへん長らくお待たせしました。いよいよはじまりますよ!
時間となりました。(拍手があちこちから打ち鳴らされる)
華々しくこれから開演です。
濃厚なる大所帯バンドが登場します。
札幌発ブラスロックバンド!
賑やかに、ド派手なホーンセクションの熱きサウンドを心ゆくまでドップリとご堪能ください!メンバー一同この日この時この瞬間を心待ちにしていました!それではヨロシク!THE SAPPORO TRANSIT AUTHORITY~!!」
マサは腰を低く落としてスタンバイ。
「アーユーレディ!カモン!!」
ジャストなタイミングで「1・2・3~!!」
波状攻撃へと、火蓋が切って落とされました。
猪突猛進の「イントロダクション」。
(四入囃子のGASくんもお気に入りソング)
さすが、このメンツだけに迫力が桁違い。
いつもの倍近い勢いを感じます。それは気のせいではなかったようで友人のバンドマンらにも同様の感想をいただきました。
プレイしている我々でさえ自分たちの音にエキサイトして、アドレナリンの噴出が止まらない。
普段はクールなヤスもスティックを手にスィッチが入ると、ドラム・ビーストに豹変するのです。
彼の今回のいでたちは、スポーティに動きやすい黒のジルジャンTシャツ姿。
渋くシックなロック系で統一。
一昨年の4月にマサが東京で観て来たCTAの土産話が相当に感動的だったらしくて、今だに刺激を受けている御様子。如実にドラミングの随所でそのダニー・セラフィン成果が現れていますよ。!
ヤスの卓越したツイン・ペダル連打が、速射砲のごとき爆音で後方から襲いかかってきます。
全身リズムの権化と化して、力強いサウンドが轟き渡る。
イントロが飛び出した途端にいつものお馴染みブラスセクション・フレーズが、ドッカーンとステージ全体を我がもの顔で支配。
皆さん、この変拍子の連続やコロコロ変わる変態的なリズムに、よくもまあピッタリとあわせてくれますねえ・・・と舞台上から失礼ではありますがしばし見とれてしまいました。
もうどれだけの回数この曲をオープニングでプレイしてきたことでしょうか。メンバー一同愛してやまないじゃじゃ馬のような曲。その中でもこの日ほど圧倒的完成度を誇ったことはなかったのでは?!出色の出来と自画自賛。
うるさ型のマサでも、絶賛していたくらいだから驚きです。
しかし、何度も言いますがメンバー全員、あの少ないリハ期間で、よくもまあここまで纏め上げたものだ。
結局、フルメンバーによるリハは叶わなかったけど・・・・(泣)。
各自は多くを語らないけれどね。
特に先述どおり10年以上ぶりに合流したオカッチは、さすが何の遜色もなく打ち解けているよ。
もう何年もSTAでプレイしている古参のような佇まいを醸し出してもいる。
多分この日ギリギリまで各人念入りストイックなまでに詰めへと没頭していたのだろう・・・・痕跡がビシビシと伝わってきます(本当にそうだったらしい)。
それぞれに責任重大なるミッションが課せられていたんだよ。
長らくご無沙汰だったダイちゃんも、すでに風格さえ漂わせています。
モニター・スピーカーに片足乗せて、マサが野獣のごとく吠える(ミキサースタッフのアンナちゃんに頼んでヴォーカルのリバーヴを深めにかけてもらいました。タイバン曰くマサのベースラインによるヴォーカルは異常だあ!!とのこと。モダンタイムのマスター・タケさんにも同じ事を以前言われたなあ。あれ普通は歌えるようなベースフレーズではないと)。
ジュンはアグレッシブなる卓越したプレイで、色気も振り撒いています。
エフェクターを駆使して周到に計算されつくしたニシヤン独特なるシャープなセンス良き音色のギターバッキングが、ヤスの冴え渡るパワフルなドラミングに絡みつく。
看板ともいえるホーンセクションのリフは、益々厚みを増してきましたね。
舞台両サイドからの弦楽器達による絶え間ない猛追。後方サイドからは、ドラムが遠慮なしにボトム構築しながらの進撃展開。
会場をまるごと覆いつくすかのような、ホーン隊による異次元空間模様の高鳴り。なんという高揚感であろうか。
鉄壁を誇るホーン・アンサンブルが稲妻のごとく吹き荒れて、全体をリズム・セクションが引き締めるという構図が近年のおおまかなる課題。
マサの知人3人が正面に座っていたんだけど、STAの強引なまでの音像に圧倒されっぱなしだったそうです。
さてさてライブの魔物はどこに潜んでいるのかな?・・・・今回は一体全体何を仕掛けてくるのか??
縦横無尽で、空間を縫うように駆け巡るアンサンブルは相変わらず天下一品。
去年の8月からSTA合流して数ステージを経験してきただけに、初ギターの西やんにも遊び心が芽生えて、随所に思わずニヤリとしちゃうようなエッセンスが盛り込まれてもいます。
ファニーによる包容力ある心地よいトランペットの響きは、安心印。完成の領域に達した感あり。
さあ、第一関門の不気味なリズム地獄にガッシリと突入だ(2番の歌詞をエディットする本番チャレンジは、もうすっかりと染み渡ってきたね)。
先月共々に見事クリアでワクワクゾクゾクだ。手堅く突破した後に待ち受けていたのは、ブレイクによる一瞬の静寂。切り込み隊長ダイちゃんによる鋭きトロンボーン・ソロが食い気味に吹き鳴らされて場面転換。
見事クールにこなしたのです。
しかも、やる気満々のガッツポーズで構える。
大した度胸の持ち主だ!(ヤスとの度重なるミーティングが功を奏した感アリ。
最近は多方面で吹いているという百戦錬磨の達人だからこそ成しえる技。何事もなかったかのような表情で振る舞っていたよ(ヤスと西やんによる縁の下の力持ちも忘れてはいけない)。
さりげなくジャジー・フレイヴァーのファンファーレ風アドリブを散りばめているところも、彼の凄いところ(ジュン&マサ談)。
能あるタカは爪隠す!とは昔の人もうまいことを言ったモノだねえ!
あふれ出る意気込みが全身からビシビシと伝ってくるようだ。
そしてマサが「STAのバディ・リッチ」と言わしめた手数王から、リム・ショットに切り替えてのヤスが期待通りに猛然と先導しつつ、お次はとうとうファニーの出番。
スポット・ライトを全身に浴びる瞬間が訪れた。
そこへの架け橋ともいえるベースによるピッキングタッチラインがオリジナルライブ音源に入っているのですが、STAでは今までにも、そこをマサが、再現しているのです。
慎重にヤスが注視する中、マサが丁寧にプレイ。
マサとヤスは阿吽の呼吸だけに、おかげさまで綺麗に入れた!
ヴィヴラートまで加えて、また一つ前進だ。
西やんは「現在自分が大好きなシカゴを演奏しているなんて信じられない!」と大喜びしているのです。
その西やんは巧みに曲の要所要所ヘストロークを織り交ぜて、バリエーションを膨らませる。
ファニーのソロは熟練の極致なので、大船に乗った気分に浸れます。
意外にもエモーショナルで、色香漂う艶かしき音色もナイス。感嘆の声があちこちから漏れていました。
本人は照れからなのか苦笑いしていたけれど、不安要素なんて微塵も露呈していなかったよ。
安定感抜群で、時折ヒステリックなハイノートなどもヒットしてニンマリ。
ヤスはことあるごとに遠慮気味な振る舞いが多いんだけど、ここぞという場面では見事バッチリ勇ましく決めてくれるね。
バッキングによる強弱のサポートも効果覿面で鳥肌が立ちっぱなしだ。
もうこのあたりにたどりついた時点で会場中の空気は一変。
なにやら恐ろしいことがステージで起こっているぞ・・・てな感じですでにかぶりついている。
それにしてもファニーは、いつでもどこでもナイスガイ。
そのファニーに指をさされた第3の男、ニシヤンのギターが火を噴く。
しっかりとオカッチとダイちゃんは彼のために花道をつくる。
いきなり過激なサスティーン・ピッキングが導入部分で一気呵成に飛び出して、益々進化したアヴァンギャルドなるソロを、これでもかあ!と言うくらいにぶちかます(よくもまあチューニングが狂わないねえ)。ただひたすらにテクニカル。
序盤はテリー・キャスに敬意を表して、ラインを奏でる。
へヴィーなサウンドは、これだけにとどまらずフィードバックにより加速。
音数がドンドンと増していき、とどまることを知りません。身をのけぞらせての恍惚状態。
チョーキングなどを交える際にはギターを揺さぶって身をよじる。あれだけのプレイだけでも引き攣るところなのに、オリジナルMXR(!?)エフェクター操作での効果もすこぶる大きい。
テリー・キャスのギター・ソロをリスペクト込めてほぼ忠実にコピーしちゃったんじゃあないのかい!?ビブラート、グリッサンドに至るまでバッチリ。
色々な本家の動画やら、マサから送られたキーボード・コード譜なども研究資料の一環として相当参考にしたらしいです。
それは現在でも進化の途中なんだよ。ストイックに決して妥協を許さないその真面目すぎる真摯な姿勢は誰もが見習うべき。
リズム・セクションはここでも全身全霊込めてのバックアップ。
極めつけはヤスが、紆余曲折を経て第2期JBG時代のコージー・パウエル直伝による力漲る究極稲妻フィルインで拍手喝采。
サンキュー!(ファニーやYプロのメンバー達は最近ヤスを絶賛していたよ)
マサもヤスのドラムセット手前にまで何度も駆け寄ってコミュニケーションを図る。
いつもは沈着冷静なるヤスもノリノリな様子で、このヒトトキを満喫している。すっかりと脳天ヒューズはスパークしちゃったみたいだ。
エンディングにおいて冴え渡るベルトーンも、ニシヤンを筆頭に見事な連携で流れるような繋がりをみせた。
ニシヤンがまずはピッキングして、ホーンセクションへとバトンを受け渡す。ここで繰り出したニシヤン入魂の1音がジミヘンのようにウォームで破壊力があって戦慄が走りました。これぞまさしくロックの原石。いかなるアクロバティックなテクニックをひけらかすよりも、「ギュウイ~ン!」一発でひれ伏させるほどの衝撃と説得力。
マサとヤスとで取り決めたダメオシ6連打も、去年からヤスのアイディアにより導入。
マサが右手を天井高く掲げてグルグルと回転。ヤスと息を合わせて、トドメはジャンピング・フィニッシュ(タイバンの先輩からは「ムラカミくんはエネルギッシュだね!」とお褒めの言葉を頂戴しました)。
あるミュージシャンに言われた事があります・・・・・「マサとヤスは何かにとりつかれているようだった」と。
めくるめくSTAのスピーディなる音像シャワーを、一身に浴びまくって酔いしれている観客達は身をゆだねるのみ。
ただただ目が点の放心状態・・・・。
「ありがとうございます!
さあ、黄金期のシカゴでオープニングをお送りして参りましたが、次のバンドも、もはや伝説と化したブラスロック三羽烏に数えられるであろう決定版です。
シカゴの強力なるライバルとして常に比較もされていた彼等の、バンド名や曲目名を知らなくてもブラスセクションのフレーズ一発で、あ!あれだ!!と皆さん、すぐにわかると思います。当時ウィークエンダーのテーマリフにも起用されていた・・・・ブラッド・スェット&ティアーズのスタンダードから・・・スピニング・ホィール!」
「オオオ!!」と会場のあちこちから感嘆の声が聞こえてきたよ。そうだろうねえ。これを取り上げるロックバンドって今時いないと思うし。
それが狙いなんだけど。
ヤスがナイス・タイミングで高々と掲げたスティックでカウント4つ打ち。
イントロからガンジガラメなクセモノ。
入り組んだブレイク構成にいつも冷や汗タラリ・・・。
ここでは御大ジュンくんにボーカルを託す。
彼のボーカルはセッキーはじめ周囲の人々に高評価を得ていました。それも当然の事。
以前はサビのボーカルに苦慮していたけど、そこはそれで本番に強い男。この日はアップテンポなバッキングにのってバッチリ堂々と歌いこなしていたよ。
ヤスは序盤に入るカウベルを、機転きかせてトップシンバルのカップ部分打ちにてバッチリと力強いアクセント再現で駆使していたね。
さすがだ。
ファニーのトランペットも嘶きまくり。しかし何度演奏してみても、個性的な傑作です。
決めの箇所に差し掛かるたび、心配そうに各メンバー達が周囲を見回しながら合図を送るので次々と難所もクリアできます。まさに手に汗握るシーンだ。
決してごまかしのきかない曲ばかりだもんね。一旦躓いたら総崩れになること必至。
オーディエンスも、あの一番有名なフレーズが炸裂する箇所に差しかかると一緒に腕を突き上げる。
しかしユニークなアレンジが目白押し。
先の読めないスリリングな進行具合が癖になりそう。
一番脚光を浴びる100%ジャズに場面転換する中間パートへ突入。ジャズ畑のルー・ソロフばりに、ファニーの血液逆流しそうなほどのけたたましきトランペット・ソロ。
それを的確に支えるバック陣も、プレイが冴え渡る。
ダイちゃんもところどころに出没するトロンボーンによるアクセントや、難解この上ない楽曲をスムーズなアプローチで完全克服。
食い入るように見入っている観客達。
この山場を乗り越えたら、メンバー達もかなりリラックスしてきたね。肩の荷が降りたのか、ゆったり気分に浸ってる?いや、STAトラの穴はそれほど甘くないのであった。
いつもならば、ミキティの必殺リコーダーが可愛らしく吹き鳴らされるエンディング。残念ながら今回は不在のため、マサが口笛を吹きながら伝家の宝刀を披露。コミカルなアクセントにシフトチェンジ。
他のメンバー達もそれぞれにルーズな雰囲気そのまま和やかユーモラスに機転をきかせてまるでオモチャ箱をひっくり返したようなムード漂うアドリブ・フェイドアウト。
「OH YEAH!FEEL SO GOOD!!」
とにもかくにも、メンバー達がオリジナルにはないおかずやフレーズをストイックに投げかけてくるので、その実験的精神に互いが感化されたはず。
コピーだけではつまらない・・・それプラスアルファを常に追求する姿勢が潔し。
追い求める水準が並みじゃあない。
マサが希望提出していたアドリブ合戦にいつのまにか誘われているという、趣向が見事にはまっていたね。
期待以上の効果を盛り込んでくれました。どんな注文もなんのその。
こんな事くらい説明不要!とばかりに、このメンツならばお安い御用かな。
STAライブに対してブランクがあるメンバー達の振る舞いも初々しく映って、古株の我々にとっては眩しいくらい。
苦節14年にして最強のメンバー達がここに結集してお披露目の図といった塩梅だ!
長き旅路の紆余曲折を経て、ついにここへととたどり着いたのだ。
「いつもSTAはスタッフ泣かせの大所帯バンドなのですが、頑固一徹ブラスロック街道一直線に突き進んで14年、最後まで楽しんでいってください!!
先程の村上トリオも採用していた三拍子を我々もシカゴの曲でやりたいと思います。
本家も50年以上ライブ演奏していないのですが、3分足らずで終わってしまう無駄のない曲。
ネクスト・ナンバー・・・・ロンリネス・イズ・ジャスト・ア・ワード・・・・・」
1.2.3.1.2.3‼️
ニシヤンが一番危惧していたこの曲のマイルス・デイヴィス調イントロ。
ヤスの重量感に満ち溢れたビートが噛み合って切れ味抜群。
このコアなシカゴ風ファスト・ジャズ・ワルツは一部の隙もないほどに突き進むマニア受け必至ソング。
ジュンはこの曲をライブでサックスでは体験していますが、ボーカルを初めて託されて、多少緊張気味。歌い出しに遅れながらも、必死にソウルフルな喉を聞かせてくれましたよ。ズレはメンバー達が強引に引き戻した。本来ならばハモンド・オルガン・ソロの箇所をニシヤンは流麗なギターソロを最初から最後まで滑らかなタッチで駆け巡るように弾きまくった。
これは快挙だ!
ここまで爽快にやってくれるとは。
ニシヤンは得手不得手が鮮明ながらも、火事場の馬鹿力は人並み以上だね。
かなりラフな時もチラホラ垣間見えはするけど、計り知れない底力を発揮する。
「次はシカゴ初期の組曲を。7楽章からなる作品。時間の関係でそこから3つの楽章をやります。コロコロと複雑に変化するややこしい曲です。ちょっと聞いてみてください。
お楽しみに!!
NEXT NUMBER ・・・・・メイク・ミー・スマイル!!(1・2・3・4!)」
ヤスによる軽快なるハイハット4カウントが即座に空間を打ち破る。
この曲もドテッパラに炸裂する一撃が狂おしいくらいに激しく、やはりイントロが常に豹変、それでいてごり押し感なくスッキリとスマートにまとまっているところがやたらと発揮されていて痺れます。
実はね、この曲、小樽でSTAがライブのたびに、会場にいる外国人の方達から「MAKE ME SMILE !」とリクエストされていたのですよ。
あちらサイドのほうにめっぽうウケがいいみたい。
でもいろいろとややこしい事情があってしばらくお蔵入りしていたんだけど、最近はめでたくそれも解除されて徐々に日の目をみてきたというわけ。
でも再度取り組むからにはグレードアップは常識。
みっともない不協和音も晴れて排除され、無駄のない王道ともいえるパーフェクトな曲ですよね。
最近のS・T・Aはけっこう、こいつに馴染んできたよ(ダイちゃんにとっては鬼門かな!?だってトロンボーン・プレイヤーが作った曲だからね)。
この曲でもリード・ボーカルはジュンに受け渡し、マサはバッキング・ボーカルに専念。
ダンディーなジュンは、なかなか堂に入った喉を男ならではの色香をタップリと漂わせて歌い込む。
ジュンはユラユラと右手で観客を誘惑?挑発??。
バッキングは疾走感の塊のようなブラスロック代名詞をはかる。
ヤスは、ここでも千手観音のごとく、相変わらず虎視眈々と大奮闘。
エンディングではニシヤンによるトリッキーなる16フュージョン仕込みのピッキング・ギター・ソロ。
ニシヤンのギター音って大きいんだけど、ちっとも耳障りだったりうるさく感じたりしないんだよね。これってやっぱり巧みなる音作りの技。
血沸き、肉踊る現象とはまさにこのこと。
各メンバー達は多方面の分野にまたがって八面六臂のフル稼働。
ブラス隊による緻密に構築されたアレンジの妙が、更なる完成度と緊張感を増幅させつつも第1楽章を終了。
エンディングのフェイドアウト部分は入念にスタジオで打ち合わせたとおり、テナーサックスの音色が揺らめく中、ニシヤンの流麗なるコードとヤスによるデリケートなシンバルが奏でる残響音の余韻で幻想的なトーンを漂わせる。
マサが間髪入れず「1・2・3!1・2・3!!」のカウントを発する。と共に第6楽章の「今こそ自由を」
ここは1分ちょっとの超変態的リズムを誇る迷路のようなインストルメンタル。
この流れが今回のライブ全員にとっては最大の難関。
ついにやっとここまでとたどり着いてしまった。
序盤の想像を絶するアクセントはニシヤンも指摘していたけど、最大のトラップ。
テンション漲るシーンだ。
何度も訪れるヤスの見せ場だ。ツインペダルによるボンゾスタイルの爆裂的ドラミングに会場中からヤンヤの喝采が沸き起こる。
とにもかくにも、入り組んだ展開が生半可な気持ちでトライしたならば一筋縄ではいかないのだ。
コロコロと景色の変動に忙殺される、正直な話が予測不可能な曲。
究極の場面は後半に訪れるベースとトロンボーンによるユニゾンライン。
これをダイちゃんはものの見事にやってのけたのだ!
スタジオではどうもシックリと噛み合わなかったんだけど、相当に鍛錬を積んできたのでしょう。
バッチリとパーフェクトに乗り切ったよ。
一緒にプレイしていてもそのカッコイイ姿に戦慄が走ったものです。
ここさえ乗り切ればもうこのライブはいただいたも同然。
次々に襲い掛かってくる落とし穴を、大船にのったつもりで、突破していこう。
まだまだ続くデンジャーゾーン!
メドレーで最終楽章も1分少々の「愛は限りなく」だ(第7楽章)。
初めて聞いた人達ならば誰もが口々に「なんじゃ、こりゃあ!!」と思わず驚愕の雄叫びをあげちゃう拷問のような、それでいて癖になるアート・ロック。
地響きのごときボトムサウンドを打ち砕くようなヤスのフィルインでメインテーマに戻り、想像もつかないくらいのマーチへ一丸となって渾身のプレイ。
気を抜く暇を全く与えてくれない、ひじょうにやりがいのある曲。
最後の1音に到達して終えると、観客達は一瞬我を忘れていたのか無反応状態。一息入れてから拍手が。
どこかから「おいおい、なんまら難しそうだなあ・・・・」という声が聞こえてきた。そうなのです、難しいのですよ(笑)。
大役をこなしきった清々しきメンバー達の満足そうな表情が神々しい。
だってまともに演奏できるメンバーが、過去にあまりいなかったものでね・・・・。
「はい!ここからは後半戦に入ります。
次は唯一ブラスロックではない曲。
シカゴがデビュー前からずっとライブに取り上げていたソウルのスタンダードナンバー。
日本公演ではいまだにプレイしていないのでブートでしか聞く事が出来なかったのですが、50周年記念としてやっと日の目をみたのです。
そこで是非STAでもやりたいなあ、とファニーに去年末にかけあってみたら、正月に2時間ほどでブラススコアを書きあげてくれたのです。
そんなわけでして後はトントン拍子に事が運んで本日初披露となりました。
STA数年ぶりのニューレパートリー。
オリジナルはエディフロイドですが、ブルースブラザーズのバージョンで!
ノックオンウッド!」
ヤスのスティック4カウント。
マサもファニーも感無量です。
長年の念願が叶ったわけだからね。
おいおい、この日のセトリ中、一番出来がいいではないか?!
確かにシンプルな3分程の曲だし、ボーカルがメインだけあってグルーブが半端ない。
少ないコードで淡々と進行する構成ながらも、全員一体化した音の壁がエクスタシィへと誘う。
エンディングの合図を請け負うジュンは責任重大。
事故も無く最終コードへ。
マサはジミヘンのサードストーンフロムザサンのリフをサービス挿入。
「この曲を俺は伝説のブルースギタリスト、バディガイをペニーレインで見た時に演奏していたのを聞いていつかやりたいなあ、思っていただけにこれは快挙だ!
この曲、誰か知ってるかなあ?」
ヒロリン「知ってるよ!わかるよ!」
「あらら、怒られてしまったあ!(笑)」
ダイちゃん達も大爆笑!
「かなり古い曲なのに、知ってる人がいてとても嬉しいです!
それではあまりやらないんだけど、初めての記念すべき編成だからメンバー紹介をば。
人数が多いからちょっと時間がかかるけど、さあてと、どこからいこうかなあ?
じゃあ、後ろから。
気心の知れた相棒ヤスです、よろしく!
今回はテナー担当の人気者ジュンちゃんは新婚さん、よろしく!
ライブ三昧のタフネストランペット、ファニーよろしく!
彼のおかげでバンド平均年齢が下がりました、オカッチよろしく!
トロンボーンさんは味噌田楽でも活躍中!
誰だあ?」
ヒロリン「私の中では有名人!」
「それではヒロリンに彼を紹介してもらいましょう!」
「ダイちゃ〜ん!イエイ‼️」パチパチ👏
「まだまだいるよ!彼との出会いはベーシストだった!でも一番得意なのはギターなんです。ニシヤンよろしく!」
シロクマさん「どうりでうまいと思ったよ!」
「最後に、リーダーを務めさせてもらっておりますマサです、よろしく‼️
ありがとう!
とても励みになりますね。残すところあと2曲となりました!まだまだ続くよ。
毎回、色々なタイプの曲を用意しています。(とここで観客席からシカゴのトドメともいえるリフを口ずさむ・・・・ダダダダダン!と・・・・)なんだ、なんだあ。営業の邪魔をしている奴がいるな。それは、もうちょっと待っててね。
シカゴばかり続いたから次も強力なるライバルバンドのちょっとのりのいい過酷この上ない曲を・・・・シカゴときたからには、このバンドをやらないわけにはいきません。
ブラスロック界における重要なるターニング・ポイントと言われているもの。
それでは、俺たちSTAなりのアレンジで勇猛果敢にプレイ。
このメンバー達でなければできない、メチャクチャに強烈な、ディスコでも人気だったというわずか3分足らずの曲です。ブラック・ビスケッツ風(爆笑)リフ一発で皆さん、わかってくれると思いますよ(これにどよめく会場内)。うちのジュンちゃんが情熱的に思いの丈を込めて歌います・・・・燃え上がってください(と、ここでジュンちゃんの方を指指すと大きく手を振り返す・・・・ジュンはマサにハイタッチ)。」
サイドテーブル席の男性が「黒い炎!」という声が飛んできた(ドキッ!!・・・・)
「そうだ!正解!!(笑)日本歌謡界にも多大なる影響を与えた、すこぶる燃費の悪い曲です。皆、聞いてね!チェイスで・・・・・GET IT ON~~!!!」
ヤスが、待ってました!とばかりにスティック・カウントで・・・1・2・3・4(マサも)1・2・3~!
アグレッシブな「黒い炎」が帰ってきた。
歌詞の内容は卑猥そのものだけど、火傷しそうなくらいのヴォイス攻め。
このようなやさぐれたボーカル・スタイルのジュンちゃんを聞けるのも激レア。ハードロックも歌いこなせる器用なシンガーには脱帽だ。さりげない仕草が板についてるね。
会場内では大きく手をあげて手拍子を打っている人々の姿が見えますよ。
STA勢も、積極的に観客へ向けて手拍子の要求。
クル氏折り紙つきの、ニシヤンによるジャジーなWOWOWペダルソロがこれまた秀逸。(名器VOXを使用)
ニシヤンはアドリブをこなしながらも、嬉しそうにプレイ。全編にわたって捲くし立てるように掻き鳴らされるストロークも絶妙なるスパイスだ。
ジャズのエッセンスをたぶんに含んだ超絶技巧のアヴァンギャルドなギター・バッキングがドライブしていて光っている。
これがあるとないとでは雲泥の差。
ダイちゃんも常に半身のポーズにてジュンとアグレッシブに暴れまくりながらのプレイが鮮烈だ。普段はポーカーフェイスな佇まいのオカッチも、適材適所に要所要所でしのぎを削るかのように燃え上がる。
ここでもホイッスルが絶え間なく鳴り響いてきて、益々の活況を繰り広げています。
マサは調子にのりすぎて足元に設置されていたドリンクを、途中でステージ床に倒してしまいました。
「ウオー!」とアイドルタレントに対する声援にも似た図太い声が沸き起こる。
マサもヤスの正面にて、煽りをかましてきますよ。
ジュンも頭上高く両手を突き上げて悦に入ってる。
脳天がメラメラと炎上しているようだ。会場内の熱気は沸点に達した感あり。
けたたましきホーンセクションは、バック陣も腰を抜かすほどの威力を確立している。
メイナードファーガソンか、はたまた本家ビルチェイスを彷彿とさせる悶絶なる真骨頂サウンド。
後半のダメ押しに至っては、レッドゾーン振り切れギリギリで命がけ。
ジュンちゃんが必死に会得した転調箇所と、ランニングラインでガッチリと埋め尽くしたマサの捌き方も惚れ惚れするほど。
ジュンを筆頭にホーンがダメオシとばかりに競い合ってピッチを上げるところなんか、ぶっ倒れるんじゃないか?と、これには心配になってしまったよ。
突き抜け感が尋常ではない、ファニーのハイノート・ペットがやはり群を抜いてる。
スタミナ消耗率が激しい・・・・わかってもらえたでしょう。体力の温存が課題だね、ここでは・・・・。
西やんも、一種独特なるSTAワールドに手ごたえを感じているはず。
それだけにやりがいがあり、一度味をしめたら脱出不可能なジャンルでもあります。
なるほど・・・と目から鱗が落ちるほどに、世界観がガラッと変化するのです。
ここでもマサはニシヤンに、バッキングリフとソロという二重苦ともいえる過酷なる試練を求めたのですが、またもやサラッとこなしてくれました(オリジナルはトランペット4本なもので・・・)。実は彼ならば平然とやってくれると信じての、確信犯なんだけどね。
大喜びで受け入れてくれる、輝かしき漢だ。ソロなんてゾクゾクしちゃって、横でプレイしているメンバーさえもが聞いていて鳥肌立っちゃった。
オカッチは、昔取った杵柄とばかりに、ここへきてもスパイスがピリリと効いていて燻し銀の光沢を放っていたのでした。
決めのエンディング目印では更なる進化を遂げたヤスが、目一杯にタメをきかせてフロアタムにてのブレイク。美味しいトコ独り占め。
マサとのリズムコンビネーションも、ピッタリ絶好調。
ブラス隊含めて全員が合図の残響音を轟かせる中、息も絶え絶えな暴れん坊。
燃え盛る炎で焼き尽くされて、真っ白な灰になったかな・・・?
まあ、いずれにしても勇壮なるハードロック直撃弾逆落としは鮮やかだなあ!
※※※さあ、正真正銘の終盤に突入します。もうお約束の展開であれが飛び出しますよ!※※※
3,MURAKAMI☆TRIO
さあ、早くも中盤に差し掛かりましたよ。
STAとのタイバンは4ヶ月振りの3人組みが満を持しての登場と相成りました。
2019年11月夕張ファイブペニーズのSTA企画「リブレーション」以来だね。
ジャンルを説明するのがちょっと難しいのです・・・ジャズ・ポップロック歌謡???
オールマイティにカヴァーするという大役を、堂々いともあっさりとこなしてくれました。
2016年の2月「小樽公会堂・雪明かり」やモダンタイムでもSTAとタイバンを組みましたが、ここ数年はキーボードとしてミサト嬢を新たに迎え入れてのライブです(YAMAHAを使用)。
彼女とマサは練習スタジオ・ロビーでムラカミトリオ・リハ時に何度かお会いしていましたが、驚いたことに現在の彼女の職場上司がマサの以前の上司なのですよ!
これは衝撃だ。
今の北海道音楽関連でのマサがあるのも、この恩師あってのこと。ずっと今でも年賀状でのやりとりは続いています。
「ヨロシク伝えてね!」とミサト嬢に会うたびお願いしてます。
で、バンド名からもすでにおわかりでしょう!
STAのトランペッター、ファニーのリーダーバンド。
STAホーンメンバーによるプロジェクト。
彼はこの日の出演者中、ただ一人の掛け持ちミュージシャン。
STAの強力なる底力を見せつけたラインナップ。
アップライト・ベーシストは、おなじみのシロクマさん(アリアを使用。ボディは空洞で、PUはマグネットとピエゾも内臓。ピエゾはオフ状態に設定しているそうです)。
そのシロクマさんは、懐かしき流行歌を聞かせるトリオのウッドブロッカーズとして、今までSTAと何度もタイバンを組んでいます。
その時には黒いサングラス着用というコワモテ姿でウッドベースをスピンさせるという小技まで繰り広げてくれましたが、ここではいたってクールな佇まいで、落ち着き払い黙々とボトムラインを牽引。
この日も早々と一人で愛車を駆使して会場入りした、シロクマさんとマサは挨拶を交わしました。
お互いに近況報告。 近年はスバルが力を入れているエゴイズムラッピンに久留さん共々加入しています。
「恋のバカンス(ザ・ピーナッツが1963年の4月に発表したヒット曲)」
アッと驚く斬新なる幕開け。
アダルトな雰囲気満点。
ジャンルの壁なんてこのバンドにかかれば一切関係なし。軽く超越しています。
ファニーのトランペットが昭和歌謡界の情景を渋い響きで描きあげています。
この日のサウンドバリエーションを狙った心憎い演出かなあ。
それに追随するキーボードソロや、シロクマ氏のグリッサンドやミュート・タッチ音が、生々しく弾き出されて効果覿面。
中間部分でのベース&ピアノ・ソロも、本家以上にジャズ・テイスト満載。
でも全体的にじらし気味、グッと落ち着き払って抑えているところが心地よきテイストを醸し出している軽快なるミュージック。
MCもファニーが兼任。
「はい、どうも。はじめまして!改めましてムラカミトリオです。宜しくお願いします。
いつもこのような感じで場所によって臨機応変に演歌、映画音楽、スタンダード・ジャズなどを織り交ぜて披露しています。
先ほどの1番目、2番目に出演したソロの方達。凄いなあ。よく緊張しないで演じてるなあ、と感心して見てました。」
「やはり1人でやるのは大変です。プレッシャーが半端ない。間違いをおかすとモロバレ。自分もよくデモンストレーションでソロを披露するのでよく気持ちがわかります。
我々はマイペースに活動していますが、かろうじてピアノのミサト嬢が平均年齢の引き下げに貢献してくれています(笑)。
さて、次の曲はどうしよう・・・と思案しました結果、それならば、じゃあということで・・・元ポリスのスティングをちょっとやってみようと思います。」
「おおおお!!」と会場全体に驚きのどよめきが沸き起こる。
「最近、やっとスティングの良さがわかってきました。そうでもないかい?
ミディアム・テンポでイングランドのイメージをお届けしたいと思います・・・・イングリッシュマンインニューヨーク!!(4:32。1987年10 月にリリースされた2枚目のスタジオソロアルバム、ナッシングライクザサンからのサードシングル。)
よろしくお願いします・・・1・2・3・・・・」
当然、歓声が湧き上がる。
(これで掴みはバッチリとオーケー!)
マサもお気に入りさ。
スティング節はいつ聞いてもどんなアレンジでも、かっこいいし痺れるんですよね。
ファニーここでは、トランペットがメロディーラインを一身に請け負っての独壇場と化す。
ムーディーな心地良さに満ち溢れていて、グッときます。
琴線をビンビンに震わす、ナイス・セレクションだね。
観客も、皆酔いしれています。
ピアノとベースは、さりげなくバッキングにまわって盛り立てています。
後半はピアノ・ソロにチェンジして、ブレイクの連発からファニーのしっとりとしたエンディングへ・・・・。
「という感じで、ネットリとした曲をお送りしました(笑)。
はい、いかがでしたか。
私は数年前からコミュニティFM札幌村ラジオで、毎週土曜日午後2時からムラカミアキラの楽しい音には福来る!という1時間生番組をDJ担当しています。
独断と偏見でコレクションの中から音楽を紹介していますが、STAマサさんもゲストで出演してくれたことがありました。で、記念品として粗品もプレゼントしています(欲しい!の声)。ブランド物ゼブラのボールペン(爆笑)!滑り止めのゴムまで付いている!(大爆笑)
世界中でこの番組でしか入手できないという、激レアな一品。
皆さんも是非出演してください。イベント企画、ライブ告知で番組を占拠して30分は喋っていただきます。」
と、ここで誰かの携帯電話から着信音が発せられる。
「あ!?電話だ・・・・あれ、シロクマさんのかい??」「もしもし・・・・今出れません・・・・」
またしつこく鳴る・・・・「しばらく出れません・・・・・こちらから電話しますね。」
その間中、観客はジッと待っている。
「シロクマさんの電話タイムを楽しんでいただきました(笑)
次の曲も聞けばわかりますよ。宜しくお願いします。・・・・時の流れの予想図Ⅱ」
キーボードのイントロで、もう納得!
テレサ・テンとドリカムによる、夢のような合体ヴァージョンだあ。なんて素敵なコラボレーション。
もちろんバカ受けしていたよ。
腹を抱えて大笑いさ。
もう皆、リラックスしながらアット・ホームな雰囲気が漂う中、自由気ままにこの空間を堪能しています。
思わせぶりに、自然と連結する「時の流れに身をまかせ」が姿を現すたび、一気に微笑ましいシチュエーションへと場が豹変。
ミサト嬢も弾きながらニコニコ。
それだけにとどまらず、最後は観客全員で大合唱が始まった。もの凄い現象。
演奏だけでも大変だろうに、なんという遊び心。
余裕シャクシャクに繰り広げていきます。
「こんな風に趣向を凝らしてやっております。今後とも宜しく。次は手拍子をお願いします・・・・・・・コーヒー・ルンバをお届けしましょう!(西田佐知子)」
まず序盤はボサノヴァの巨人セルジオ・メンデスの代表作品「マシュケナダ」ではじまるというサプライズなる豪華オマケ付き。アップテンポな鍵盤タッチで面目躍如。
軽快なるラテン系タッチのリズムから本題の昭和歌謡へと繋がっていきます。
和気藹々のマニアックな空気感は、このバンドが持ちうる最大の武器でしょう。
通受けを狙ったかのようなしたたかさ、ありとあらゆる箇所にオタク心をくすぐる味付けが笑いも交えつつ施されていて、素晴らしい。
最後はミュートを装着したファニーによる、リアルすぎるくらいのロング・トーンが轟き渡ってフィニッシュ。
「少し受けたね(かなり受けていたよ)・・・まあいいや!よし、今年はこれへヴィーローテーションでいこう!
メンバー紹介にうつります。」
と、ここでファニーが懇切丁寧、敬意を込めつつ2人を紹介。
去年はよくライブをやりました。
16本!結成5年目で最多記録。この勢いにのっていきますよ。
私事ではありますが、猫を6匹飼っています。
去年また1匹増えました。雉白のマンチカン。もう名前も決まりました。マー坊です。
猫の話題が出たところで、ジブリ映画・魔女の宅急便から・・・・海の見える街(久石譲)という曲をやりたいと思います」
マスクを外したシロクマさんはここでもベースが勢いよく唸りをあげ的確なるイントロを奏でて、ピアノがサビのパートを追随。
ファニーがメインの歌メロを、再びトランペットで吹き鳴らしながらも猛アピール。
咽び泣くアレンジセンスが斬新で粋だね。
トランペットとピアノによるアンサンブルも光っている。
「いいでしょ!」とファニーはドリンクを一飲みしてご機嫌。
「はい!え~、さあ、どうしようかなあ・・・
あ、そろそろいい時間になってきましたね。最後の曲にいこうかな。今年になってから色々とやった事柄をネタにしながら進行していますが、つい最近というか、去年末にスコアを作りました。ちょっと綱渡り状態ではありますが、アストル・ピアソラで・・・・・liberdango・・・・・
・・・・お聞きください・・・・」
客席から歓声が沸き起こった。「まじかい!!??」「ワー!!」「大好き!!」
リズミカルなピアノに、さりげなく絡むミュート・トランペットが官能的で、思わず身を乗り出して聞き入っちゃいます。
この憧れのアルゼンチンタンゴワールドには、誰もが引き込まれてしまいますね。
特に日本人受けが良いようです。
遥か遠くの地ではありますが、共通する古き良き哀愁の旋律に対する想いは一緒なのかも。
しかもだよ、タンゴつながりで洒落た趣向を凝らしてもくれました。
なんと「団子3兄弟」のフレーズが、ミサト嬢の鍵盤からいきなり飛び出した。
このあわせ技には思わずビックリ仰天で爆笑。予測していなかった驚愕の展開だ。
今度は「クロネコのタンゴ」にもチャレンジして欲しいなあ・・・と密かに欲張りなリクエストをしておきます。
しかし、許容範囲の広いこのバンドには、いつものことながらも、敬服しちゃいますよ。
一体全体どれだけ秘密兵器の引き出しがあるの!?
お楽しみが目白押しだあ。
ベース・ソロでスポットライトを浴びた、シロクマ氏も意気揚々と自己主張。
「最初からやれい!」(ヒロリン)
「(笑)今日はありがとうございました」
万雷の拍手を一身に浴びていました。
****これにてpart,2はお終い。
残すところ、あと2バンドです。
これがまたアクの強いクセモノたちばかりだっていうんだから始末におえないよ。
それではまたねー!!!****
STA企画LIVE
「LIBERATION52」
啓蟄を過ぎて、遂に本格的な春の到来。ここのところ寒暖の差が激しく体調を崩しがちな日々が続いております。
周囲を見渡してみても具合の悪そうなバンドマンが続出。かくいう私も風邪にやられちゃいましたよ、久し振りに。
ちゃんと注意をしていても、一瞬の隙をついたかのように襲われちゃいました。
ライブの日が近づくにしたがい必死に治療専念。
その結果ですか??・・・・なんとライブをやったらすっかり元気になっちゃいました。あれほど熱、咳、だるさ、体の痛みに苦しんでいたのに。
今までにもこういう経験は度々ありましたが、たぶんバンドマンにとっては最高の特効薬がライブなのでしょうね(笑)。
まあ、何はさておいても、やっぱり健康が1番ですな。
元気な体がなければ何も行動に移せませんからね。S・T・Aのメンバー達も練習はもちろんのこと、その辺もバッチリと管理しつつ3月のライブを無事に迎えることとなりました。
出かけ間際に空を見上げてみたらば天候は良好。
場所は去年の4月21日(SUN)にひきつづき、またまた「ピグスティ」
12号線と環状通りがクロスした所に位置するこの会場は、JR白石駅にも近くて、素晴らしい環境のハコです。
オーナーのナイスガイ・オキノくん、いつも大変なのにありがとう!
ここは元々「白石会館」という映画館だったので、ようく見渡してみると、そこかしこに往年の面影が点在しています。
ロビー正面にある受付カウンター(映画入場券のもぎり窓口だったんだね)は今回閉鎖して、全ての業務はホール受付にて行います。
階段を降りる途中の頭上中央に燦然と掲げられた「白石会館」のミニプレートが神々しい。
左手には楽屋控え室(頭上注意)。
この部屋はかつて映写室だったのです。
だから壁には穴が数個残っていて、そこから映写機がフイルムを回してスクリーンに映像を送っていたんですね(もちろん穴は現在塞いであります)。まさに「ニュー・シネマ・パラダイス」の世界そのまま。
ホール内はイスを取り外した映画館という感じ。(年配の人たちや足腰を痛めている方達は長丁場だとちょっときついみたい・・・)
スタンディング場内の周囲にイスが点在しているというシステム。
横幅のある高いステージ、広々としたアリーナと申し分のないシチュエーション。
照明なんかも綺麗で、ハデハデにカラフルなんですよ。
飲料用自動販売機には懐かしき「ガラナ(残念ながらこの日は売り切れ・・・)」「ドクター・ペッパー」なんかもなんと100円で(!!)売っていて昭和テイスト(皆さんも衝撃を受けてご満悦。カバちゃんもお気に入り)がぷんぷん。
一気に古きよき時代へとタイムスリップしたような気分。
もちろん受付でもドリンク販売を行っています。
練習用スタジオもホールの隣にバッチリ3部屋完備。
で、今回は5バンドの出演ということで、オーナー・オキノくんのご好意によりAスタジオ(廊下の手前)を楽屋、荷物置き場、飲食喫煙場として特別に開放してくれました。
なんという太っ腹なことを。皆、大感謝していたよ。
さて、午後4時からリハーサル開始。マサは早めに到着したのに、もうすでにバンドマン達が楽屋入りしていて賑やか(スタジオ練習のバンドマンもね)!
パーキングもギリギリで満車です。
タイム・テーブルにしたがって各バンド20分程度の持ち時間内で、セッティングとリハーサルを順次こなしていきます。
全5バンドといってもジャンルがバラエティに富んでいてゴージャスな空気感(笑)。
それぞれが様々に個性的なサウンドを聞かせてくれそうで、個人的にも楽しみにしていますよ。
このピグステイはどちらかといいますと、オリジナルをこなすロックンロール、グランジ、オルタナ系からパンク系の若者バンドが中心となって利用しているのです。
これはオーナー・オキノくんの趣味かな?
でもかえって、STAのようなバンドも新鮮で重宝されてもいるのですよ。
特に今回はベテラン・バンド目白押しで刺激的。
ここのところライブイベントといえば膨大な数のバンドが出演、長尺な時間を費やして行われるのが常だったから、たまにはこのようなコンパクトでタイトな流れも、ほど良いペースでこなせるし、観客もじっくりと見聞きできるしで、熱気維持の意味でも好条件だと思いますよ。
当然、実力のあるバンドが集結しての話ですが。
結果を述べちゃいます、はい。
今回のライブイベントは最初から最後まで一切だれる事もなく、常にアットホームな空気漂う中で大成功でした。
これも対バンド、スタッフ、そして温かいオーディエンスのおかげだね。
感無量の極致。
それと忘れ物がやたらと多かったのも特徴。またすぐにでもここへ戻って来たいほどに全員から好評でしたよ。
楽屋、ロビー、地下通路、ホール内とミュージシャン達がリラックスしています。なにせゆったりとしたスペースゆえに、のんびりとした気分に浸れるんだよね。
いつもはオキノくんがほとんどを1人で取り仕切ってスタッフ業務をこなしているのですが、前回、なんとオキノくんは多忙のため、不在との事で、アンナちゃんがミキサー、受け付けはハシバくん、照明はモエちゃんがこなしてくれました。
STAの本番に間に合うよう、律儀なオキノくんは会場へ戻っていましたがね。
ここのスタッフは皆、腕も抜群!今回オキノくんはサポート役に回って中心で音響関連を仕切るのはやはりアンナちゃん。
受付譲のモエちゃんはオヤスミだった・・・・残念。
この子達がこれまためちゃくちゃに可愛くて性格がいい。
バンドマン達の人気者。(今回も前回もハシバ君はお休み)
これはこれで期待しちゃいます。
ホール内では早速そのミキサー担当のアンナちゃんにマサはご挨拶。
この女性は高校時代からここのアルバイトをしていたそうで、想像以上に仕事の要領が巧み。
バンド連中が驚愕していましたよ。
何度もあの高いステージにピョンピョンと駆け上がるしね!(笑)
キュートな笑顔がはじける女性。
男性たちから大評判でして、一緒に写真撮影しているちゃっかり者も出現。
スタッフ2人が各持ち場を忙しく動き回って
ミキサー、照明、セッティング、販売、受付等全てをこなしています。
ミュージシャンらの無理難題にもクールに対応してくれる頼もしき存在だ。
凄い!頭の下がる思いだよ。
しかも、しかもだよ・・・・本来ならば前売り1000円、当日1200円だったのさ。
それを全て1000円で統一してくれました。
こちらサイドが恐縮しちゃうほどに欲がない。
ピグスティ初出演のバンドが多く(S・T・Aメンバーも初体験者が多数)、皆新鮮なのかあちこちに興味津々。
スタッフやマサがバンドマン達からの質問に逐一対応。
S・T・Aもメンバー7人で綿密な打ち合わせ(久し振りの野郎組だ)。
各バンドがリハーサルの時間内に演奏できる曲を決めて本番さながらに図太い音を轟かせていました。
モニターの返しバランス以外は、ほとんどこれといった問題もなく各自で最終チェック。
いくつかのバンドは結局、リハなしのぶっつけ本番。
マサは全タイム・テーブル表。全バンドの編成表、そしてSTAのセットリストなどを提出。
アンナちゃんは細かなことにも手馴れたもので、マサのワイヤレス2機を即座に対応してくれて安心です。
ワイヤレスの周波数帯域チェックも無事に済ませてくれました。
廊下でウォーミング・アップをする者、ストレッチを欠かさない者、ずっと真剣な表情でスコアとニラメッコしている者、タイバンと歓談をしている者と様々。
飲食物の持ち込みも全て自由なので、弁当を広げてパクついている食いしん坊も出現。
正直な話、この日は、札幌&小樽のあちこちでライブが行われています。
よって多少の不安があったのですが、いざフタを開けてみると開場と同時に気心の知れた連中ばかりゆえに拍手、歓声が絶え間なく送られるという和気藹々のライブ・イベントとなりました。
MASAによる恒例自主企画「リブレーション」も遂に52回目を迎えることとなりました。
このリブレーションというタイトルは、シカゴの記念すべきデビューアルバム「シカゴの軌跡」最後に収録されている長大なるインストウルメンタルから命名したもの。
邦題は「解放」。トロンボーン奏者ジェームス・パンコウによるアドリブ合戦が凄まじい傑作。ロック、ジャズ、ソウル、ファンク、そしてアバンギャルドなジャンルまでジャンルの壁を軽く超越するほどに幅広く導入されたなんでもありの世界!ということで、まさしくこのイベントタイトルに相応しいと思います。
これがすこぶる好評でご機嫌だ。
17:30 OPEN
リハの最中、アンプ接続に時間を要してしまったバンドがいたためにちょい押し目で開場。
さあ!なんとかかんとか準備万端整いましたよ!!
令和2年のSTA企画ライブはじまり!はじまりだあ!!
いつものようにマサはアンナちゃんが用意してくれたマイクを手にミキサー横の後方よりの手馴れたご挨拶、そしてライブの主旨から注意事項、全5バンドを丁寧に紹介。
早々と熱気ムンムンで期待度大だね。
BGMにシカゴ「ホットストリート」CDが流れる中、華やかに開演を告げます。