****お次はこの日一番のプログレッシブなバンドが実験的要素をふんだんに加味しての登場だ!!****
13、16:00~16:20
結成4年目を迎えた「midnight crisis」
ジャンルは、黄金の70年代J-ROCK(伝説の驚愕バンド、カルメン・マキ&OZを披露)
隣町の札幌から4年連続4回目の出演。
STAとは何故だか、ありとあらゆるライブイベントで度々タイバンしています。
「歴史音楽紀行ライブ小樽運河プラザ」「浅草橋オールディズ・ナイト「お気楽ライブ」「ホットタイム」とかね。
男性陣がシンガーのひとみ嬢を前面にフューチャーする、イトウさん率いる不動の5人組によるバンド形態。
しかし音の方は、今までとはガラッと雰囲気一変して複雑極まりないロックをよりマニアックに昇華して披露。観るたびにドンドンと進化していくサウンドの様がクセになりそうですよ。
この非常にユニークなバンド名は「中年の危機を意味するミッドライフ・クライシスにリーダー・ナイト君のもじりで遊び心を加味したのだそうです。これが自分の本当に求め続けていたことなのか・・・・・?と人生半ばに差し掛かった頃、80%以上の人が経験するのだそうです。重たい意味を含んでもいますが、俺達、本当に大丈夫??という特有のギャグなんだとか」
男性のバンドマン達は・・・キーボードにカトちゃん(ローランドJUNO-Di)、ベースはニシやん(フェンダーのプレシジョン。ホワイトボディカラー。ローズ指板。ピックガードなし。ストラップも布製フェンダーの白)。
夏向きな水色ボディカラーのサイトウ・ギターを弾くのはリーダーのナイト(騎士)イトウくん!(一昨年の北運河ライブではムスタングを使用。ちなみにメタリックダークブルーのボディカラー。同年の8月は音符型ストラップだったけど今回はギターに合わせて水色のものを使用。コーラスも兼任。昨年の浅草橋ではスペアとしてミュージックマンもスタンバイ。ナチュラルボディカラーでローズ指板)。
更には持込みでオレンジメーカーのギター・アンプヘッドを設置していましたっけ。
何事にもコダワリ抜かれたアイディアが満載です。
そしてドラマーはムカイハラくんという編成です。
はい、もうお気づきでしょう。
この後17番目に出演するREMIXのギター・ナイトくんと、ベースのニシやんは掛け持ちミュージシャンなのでした(笑)
心底、2人はライブがお好きなんだねえ~!(聞くところによると、まだ他にもマニアックなバンドで活動しているんだそうです。そちらもとっても面白そうだなあ。まあ、それはそれで今後のお楽しみということで・・・・)
回想・・・・・・一昨年5月の小樽・運河プラザライブでバンド入れ替え後、早速音出しがはじまったのですが、驚いたことにベーシストのニシやんがいきなり「ダダダダダン!」と聞きなれたラインを弾きだした。「あれ・・??!!」
ミキサースタッフも、私が提出したセットリスト表を手にSTAのもとへと飛んで来た!
「STAと、もろに曲がかぶってるしょ!」
STAのメンバーたちもガヤガヤとざわめき出した・・・。
「でもブラスセクションがいないねえ。あ、俺もそういえばこれを、3人編成でヴィンス・ニール・ヴァージョン・へヴィメタルサウンドでライブをやったことがあるから十分に可能だよ」
結果はといいますと、その曲はやらずじまいで取り越し苦労でした。
ということは、あれ一体全体何だったのだろうか?
STAを意識した?単純に好きなフレーズだから指ならし?急遽ボツになった??・・・不明のままであります・・・。後日このことを西やんに尋ねたところ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべつつ「単なる気分でお気に入りのフレーズを爪弾いたんだよ」ということだそうですよ(笑)。
ところが・・・・・去年7月での浅草橋で、STAがライブを終えて舞台裏でマサがくつろいでいると、ニシやんが再度話しかけてきたのです。以前にもチラッとお互いに名刺交換をしたこともあるのですが、彼は熱烈なるシカゴ・ファン!!(Ⅶまでの限定だけどね!)
で、早速その場で意気投合しまして、ヤスも交え非常にマニアックな会話でしばし盛り上がってしまいました。
いつかコラボレーションしよう!と固い約束を交わし、数日後にはそれも実現の運びとなりました、超ハヤッ!!
そして翌月の北運河では一緒にライブしていました(パーカッションプレイヤーで)。そのまま現在に至る。「縁とは奇なるもの」を自でいくノリでしょう。いかにも、らしいぶっ飛びなエピソード。
まあその辺のマサによる感覚は相変わらず予測不能なのだ。
つまり今回のライブ、ニシヤンは3ステージをつとめることに。
最多出演記録保持者は彦、その次の記録はクニと西やんだ!
前置きが相当に長くなったので、ここいらで話を元に戻しましょう。
「青白い夕焼け(リュウのテーマ)」でライブはスタート!・・・・激レアなオープニングナンバーでは超絶技巧派のキーボード・ソロを織り交ぜつつも、シンガーひとみ嬢が男性顔負けなパワフル・ヴォイスで迫ってくる。
歌詞の一言、一言が凶器のごとくこちらのハートにグサグサと鋭く突き刺さってきます。
春日博文役のギタリスト・ナイトくんも足元のエフェクターを巧みに使い分けて、ヴァリエーション豊富な音色を紡ぎ出していきます。
引くところ、グイッと目立つところとのメリハリがクッキリとしていて爽やか。
選曲もひじょうに渋い。その筋モンにとっては感涙に溺れちゃうほどの曲が目白押し。
ちなみに、この曲はマキ嬢のソロの曲。
ジャパニーズハードロック黎明期バンドからの、こだわりにこだわりぬかれた美味しい部分ばかりをチョイス。
うねりまくるサイケデリックな音壁に思わず陶酔しちゃう。
隙の無い縦横無尽なる変化の連発でエクスタシーに到達。
ストレートなる迫力で聞かせてきたかと思えば、すかさず難攻不落なる複雑展開に雪崩れ込んで様式美を構築する姿には思わず唸らされました。
もはや絶え間なく表情を変えるアレンジワークにはお手上げ状態だ。
「眠ってもいいですよ(笑)
照明も煌びやかになってきたし感激。
・・・・・・今日はなんとかかんとかまあまあの天気に恵まれて良かったですね・・・暗いけれども、まったり系で・・・・・空へ」
2曲目では、4カウントにはじまる序盤をしっとりと・・・・しかし、徐々に圧倒的な迫力を伴ってシャウトの応酬。
叙情的なるイントロのギターによるフレーズが泣かせるなあ。
琴線をビンビンに振るわせっぱなしで最高。
静と動の抑揚の付け方が革新的でお見事。絶品の構成も気持ちいい。斬新なる発想の勝利だね。
時代を反映してか1曲が長いので大胆なるダイジェスト版でお送りしております(まともに1曲をフル演奏したらそれのみでステージを終わっちゃうもんね)
それにしても、70年代で既に日本人離れした、これだけ圧倒的にスケールのでかい曲を生み出したカルメン・マキ&OZは改めて言うまでも無くやっぱり偉大だなあ。
(近年は奇跡の再結成が実現してツアーの一環として何とZEPP札幌にもやってきた。
何故だか札幌のみチケットの売れ行きは芳しくなかったみたいで、マキオズはSNSで嘆いていたけど・・・・チケットが高い、という声もチラホラと聞こえてきたけれどもね)
一部のコアなファンを除いて、あまりにも過小評価され過ぎだ。今だからこそ再認識されてしかるべき。
だからこそ、硬派なミッドナイト・クライシスの存在は絶対的に貴重極まりないよ。
そうこうしているうちに、メドレーでそのまま3曲目へ。
「どうもありがとうございます。もう2月ですね。もっと長い曲です・・・・・」
あれれ・・・??どこかで聞いたことがあるよ。これって「火の鳥(1976年リリースの名アルバム・閉ざされた町に収録)」でしょう。
壮大で繊細なるオルガンが奏でられはじめた。荘厳で澄み渡る響きは唯一無二。
延々と進行する横ノリのミディアム・テンポによる重低音。
アダルトなムード全開でグッと迫ってきます。
この曲調はアッサリとしているけれども、難解で中々に一筋縄ではいかない。
それを涼しい顔してサラッとこなしきっちゃうところなんかはやっぱり只者ではない心憎き集団だ。
当然ここでもバンド全体で全身全霊込めて、究極のスタイルを貫き通す。
こういう明快な表現方法もあるんだね。あまりもの力強さに目から鱗状態でビックリ。
更に衝撃的だったのが、淡々と説得力十分の熱唱を支えるバックの演奏。
パワーバラードの極致。
もろにドラマティックなるブリティッシュ・ハードロック仕立てなところもたまりませんよ。。
そうです、ちょっぴりとブルージーな知性が漲るリズム・アレンジ。
魂の咆哮は圧巻でデンジャラス。懇切丁寧なる歌い込み。感情の起伏や表現が鮮明に描きつくされている。
なるほどねえ。洗練された鬼気迫る眩しすぎるほどの輝きは、新たなる発見だ。
途中ギターソロをはさんで、コロコロと目まぐるしく曲調が変化。
インパクト十分なメリハリが、縦横無尽に駆け巡る音絵巻。
バックのメンバー達は徹底的自由自在にバッキングへと徹する。
もうここまできちゃったら、ジックリと腰をすえて聞き入っちゃおう。
「皆さん、飲んでますか!?ちょうど眠たくなる時間帯だね(笑)。横で寝ている人がいたらチョンチョンと突いて起こしてあげてくださいな。
今日のライブ、女性シンガーが多いですよね」「ええ!?女性??・・・」「一応、今のところ私も女性・・・・(笑)
HEY!というわけでして・・・・・すみません、ラストの曲です・・・」
「えええ~~~!!???」
はい(笑)、ラストの曲となります!10分以上にわたる完全版でいくよ~!!」
起承転結の強弱が極限に達した時、フィナーレともいえる「私は風」に突入。カルメン・マキ&オズの代表作品。
ヒステリックなほどのハイトーンで怒涛の連続。
イントロからエネルギッシュな流れで雪崩れ込んでいくパワフルなる大作。
メンバー達が一致団結して取り組まなければ、即座にほころびが露呈してしまい崩壊の危機に瀕してしまうような複雑極まりない曲。
どことなくスマートな空気感の演出にも、盛大なる拍手を送ろうではないか。
さり気なく場面転換して曲中に「人形の家(弘田三枝子)」をすんなりと挿入。これがまたより軽快に、効果テキメンで凄いセンス。
とにかく次々と目まぐるしく豹変する先の読めない構成には脱帽。
構想がはっきりと描かれている芸術的な作風が冴え渡る。
でも、このバンドにピッタリとフィットしていて、余裕で溶け込んでいましたよ。
「今日はどうもありがとうございました!」
う~む・・・・今回も期待していた以上に聞き応えがあったなあ。
余談ながら・・・・・実を言うと私は高校生の時に、故・内田裕也氏主催「第一回ワールド・ロック・フェスティヴァル」でカルメン・マキ&OZのステージを札幌は真駒内アイスアリーナで見ているのです。
マキさんのカリスマ然とした女王様のような佇まいが、メチャクチャにかっこよかった。
カーリーロングヘアに真っ白いフリルのロングドレスと、片手にはタンバリンを持って絶叫する姿には惚れ惚れしちゃったよ。
あのスレンダーなスタイルとゾクゾクするエキゾチックな顔立ちも魅力的だった・・・。
だって私が小学生の頃、ドップリと暗いフォークソング「時には母のない子のように」のヒットで登場したイメージがずっとあったからねえ。
その徹底した声域の広さも衝撃だった。
グランド・ファンク・レイルロード2度目の来日公演でもOZは前座を務めていましたね。
活動内容からして、すでに海外へと視野を向けていたのは明らかでした。
OZ解散後も、私は1981年に久保講堂で本格派ジャパニーズへヴィーメタルバンドの「5X」を見ました。
この時のマキさんはTシャツ姿。
ベーシストはリッケンバッカーをプレイしていたキンタさんだった。
「夜のヒット・スタジオ」にレディース・ロックバンドのショーヤが出演した際に、ボーカルの寺田恵子嬢が「カルメン・マキさんを尊敬しています」と言った途端にマキさんがスタジオに登場。
寺田恵子嬢は感動のあまりに号泣してしまい、マキさんにあやされるというシーンがあったなあ。
まあ、そのくらいカルメン・マキさんは、日本における女性ロック・シンガーの草分け的存在なのであります!。
ちなみに、西やん、まだこのあとREMIX&STAの2ステージが残っているよん。タップリと充電しておいてね~!!(笑)
****というわけでして愉快痛快なるライブレポートは第13弾へと続きますのでしばらくお待ちください!!それではそちらでまた会いましょう!!****