****はい、お次に登場するバンドも長年のお友達ばかりです。
素敵なステージをご堪能あれ!!****
13:30~13:50
唯一無二のエンターティナー、その名も「杉ちゃんバンド」
前のバンドの余韻に浸る暇もなく問答無用の8番手。
満を持して遂に出た!札幌が生んだ名物男「杉ちゃん」を擁する話題騒然の貴重なるバンド。
ここで初めて、酸いも甘いも噛み分けた熟年の男性シンガーがフロントに立つわけです。
昭和&平成の代表的歌謡曲などを披露。
STAとのお付き合いの始まりはマサが近年小樽浅草橋ライブでタイバンする度、どうにも気になり、ダンディに着飾ってほろ酔い加減の杉ちゃんに話しかけたのがキッカケ。
それからは、あれよあれよと言う間に意気投合。
晴れてSTA企画ライブに、3度も賛同していただける運びとなったわけです(去年の4月ピグスティ&6月ホットタイム、そして9月ホットタイムのこと)。
驚いたことに杉ちゃんは、60歳になるまで、全くバンドで歌った経験がなかったそうなのですよ。
ある日ひょんなタイミングでうっかりと(!?)味をしめてしまった訳だ。「こんな素晴らしい世界があったんだあ!!」と、目から鱗状態。
生のバンドで歌うという究極の醍醐味を知ったその時からは、病み付き。
もうドンドンとはまりまくって、終いには自らがライブイベントを立ち上げるほどになったそうですよ。
この話を聞いた時には正直、感動に打ち震えてしまいました。純粋に音楽や歌に打ち込むその美しき姿。
誰もが忘れかけている初期衝動のお手本のよう。正に原点回帰そのもの。
今後、益々杉ちゃんの活躍に期待しつつ、こちらも胸高鳴るね。
実は去年2月の小樽公会堂・雪明かりの路ライブイベントにも「杉ちゃんバンド」は出演予定だったのです。
でも主役の杉ちゃんが健康上の理由で、ライブ出演を断念せざるを得なくなったとのこと。
非常に残念無念でした。まあ、もちろん杉ちゃんが一番悔しがっていたはずです。
ところがここで杉ちゃんは、見事に奇跡の復活を果たしたのでした。なんたる回復力だ。天晴れ。
今まで以上エネルギッシュで健康体になって帰ってきた心憎い奴。それが杉ちゃんだ。
この男は本番に向けて燃え盛る炎を抑え切れないのか、逐一マサとのやりとりでは、情熱溢れるトークを展開。
その都度、企画ライブ用フライヤーを独自で印刷して、ゴヒイキにしている店舗などの各所に配布、もしくは店内貼り付けに協力していただいて猛アピールを展開。歌の練習と並行して、宣伝活動にも熱心に汗を流す日々が続くのだそうです(内容によっては混雑を恐れて多少お誘いは控え気味にしたりするそうですよ。いざ蓋を開けてみたらば満員御礼の大盛況で馬鹿受けなのですがね)。
その甲斐もあってか、この日も熱狂的ファンを中心とした「杉ちゃん私設応援団」が大挙して詰めかけ、たいそう賑やかなるショー・タイムのヒトトキを過ごさせてもらいましたよ。これはひとえに誰からも好かれる杉ちゃんの人徳によるものですなあ(オールド・ジャンキー&ビア・プリーズのベーシスト・テツとも仕事関連でお付き合いがあるそうですよ。世の中って狭いね。ビックリ)。
一番の集客をたった一人で、あっけらかんと成し遂げたんだから大したものだ。
本人曰く「ちゃんと歌えるのか皆が心配して不安絡みで来てくれているだけ」とのこと(私が「親衛隊が回を重ねるごとに増えてるね」と言うと「いいえ・・・心配してる見守り隊です・・・」とご謙遜)。
何をおっしゃいますか。時にはディナーショーなの?と錯覚をおこしそうな場面もあったよ。
音楽はもとより、人生においても大先輩だ。
その心意気は見習いたいもの。いよっ!後家殺し!!まあそんなわけでして(笑)前置きが相当に長くなってしまいました。羨ましすぎるほどの人気度をここで証明した杉ちゃんのオンステージ。
まずは6人からなる編成を記載させてください(ほぼ全員がボーカル&コーラスをこなします)。
フューチャリング杉ちゃんがヴォーカル、紅一点のチエミ嬢はサックスとコーラスを担当。ドラムはカバくん、ベースとコーラスはトモアキ氏(ブラックボディ。ローズ指板)、ツイン・ギター(3トーン・サンバーストボディにメイプル指板のSTはファーストギタリスト&コーラスのタイキ君。セカンド・ギタリストはリーダーのヒロさん。ブロンドボディカラーのストラトキャスター。ローズ指板を使用。ストラップはフェンダー布製黒を着用)。
そうなのですよ!去年4月ライブ以降からギターとキーボードのメンバーが増員されていたのですが、今回は再び原点回帰。
特筆すべき点は去年の前半までリーダーのヒロさんがエレキとアコギをこなしていたけど今回はエレキのみに専念していたこと。そしてチエミ嬢の艶やかなるファッションにも観客の熱視線が注がれていました。時にアグレッシブにボーイッシュ、時に南国ムードを盛り込んでムームー、時にアダルティックにドレスアップ。
で、今回のいでたちはというと・・・・・ロングヘアと長い脚を強調するべく、ジーンズシャツと黒いロングブーツでスタイリッシュに決めてくれました。(写真参照)
これにサックスを構えたら、なんまらカッコイイ。絵になるよ。羨望の眼差しが注がれていました。
こういうところなんかも、一つの楽しみですね。
そしてこの当日にも会場の雰囲気がとっても気になるのか、杉ちゃんは開場の時間を確認して早めに現場入り。会場の隅々を食い入るように見つめ続けていました。真面目で研究熱心な方ですね。
そのこともMCに早速盛り込まれ受けていました。
杉ちゃんはピグスティも初めてだったし、ホットタイムも友人のライブには何度も足を運んではいたけれども、自身がステージに立つのは初だったこと。で、ここ小樽の浅草橋屋外特設ステージは勝手知ったるホームタウンのようなもの(本人は札幌在住ではありますが)・・・・・・今後とも新天地への開拓で夢がドンドンと膨らんでいくわけだ。良かったね!
さあ、どのようなサウンドを披露してくれるのか期待しましょう!
なんだかんだいいながらも、物凄いファンの数だ。待ちわびていたよ。
今か今かと焦らしに焦らされた観客達は痺れを切らせてホイッスルや口笛を吹き鳴らしたり、手製の「杉ちゃんウチワ」を振りかざしています。
遅れてきた令和のスーパー・スター杉様による「ワンマンショー」のはじまり、はじまり~!!
開巻からいきなり華麗にやってくれました!
「去年に亡くなったショーケンは俺と同い年です(皆、驚く)。
でも俺の本当のライバルは沢田研二。
ジュリーも最近ヒット曲が出なくなりまして、一昨年観にいったら2時間のコンサートで1曲しか知っている曲がなかった・・・・。
カサブランカ・ダンディだけ。淋しい限りだ・・・・」
「寝てたんでしょ?」(大爆笑)
「はい、それではお待たせしました。短い時間ではありますが、ジュリーに成り代わりまして、私の青春時代に流行った曲をやります。私の鼻歌を聞いてください(笑)あの歌です。まずは・・・・・・・危険な二人」
「いいよ~~!!」
最前列にはダンサー達がズラリと集結して一緒に歌い踊る。グチャグチャの狂乱現象が勃発。
最早堅っ苦しい屁理屈なんて野暮というもの。説明は不要だね。
強力なるサポートに導かれてのノリノリ・スギちゃん、堂々たる歌いっぷり。怪しげに人差し指クルクルしながら誘惑のジェスチャー。気持ち良さそうに突き抜けている。
あの有名な決めのポーズも目一杯にジュリーを意識して何度もアクション。これ基本中の基本ね。
観客の中にもそれを真似している、ちゃっかり者があちこちに出現。「スギちゃ~ん!!」とラブコールが飛び出す。
ステージと客席との一体感は、後方から見ていても圧巻だね。
歌詞の「2人の思い出~!」で2本指を立てるのはお約束。
恍惚の表情を浮かべて自己陶酔だ。スギちゃんにはスギちゃんにしか醸し出せない素晴らしい魅力があるんだからね。茶目っ気タップリにパフォーマンス。それでいて全く嫌味に感じさせないところも好感の持てるところ。
ほとんどのメンバーが毎回同一の衣装と帽子で統一しているんだけど、今回は各人がちょっとラフな仕様。さりげなくイメージチェンジを図ったか??
とにかくバックバンド「ベリー・ジャム」の演奏テクニックは完璧。年季が入ってる。
イントロのギター・トーンから、チョーキングのニュアンスに至るまでね。
安定感抜群。
そんな贅沢この上ない布陣に囲まれたナルシスト杉ちゃんが、安心しながらその中へドップリと浸りながらも、憧れのジュリーに成り切っています。
歌の内容に合わせて小指を立てるポーズにはゾクッとしちゃうね。マダムキラー・スギちゃん。黄色い歓声があちこちから飛び交う。
まるでジュリーが、スギちゃんに降臨したかのようだ。
皆の視線がスギちゃんに集中。
スポットライトも独占状態。君こそスターだ!!これぞ燻し銀の佇まい。
違和感一切なく、スムーズに聞かせてくれるねえ。様になっている。
と、早速ここで歌詞を忘れてしまったポーカーフェイスのスギちゃん。チエミ嬢はただひたすらに真横で苦笑い。ヒロさんはソッと寄り添ってサポート。やってくれました!それでもどうにかこうにか、難を乗り切りました。
ステージには常に恐ろしい魔物が潜んでいて、たまにこのようなイタズラを仕掛けてくるのですよね・・・・。
しかし、あれって本当に事故ったのかなあ?やらせなのかなあ・・・・究極のミステリーだ・・・?う~む・・・・。
歌い終わるやいなや、第一声が「なんかちょっと調子悪いな・・・・(笑)」「いつもどおりだ!(爆笑)」「どうも!あ!?マイクのチューニングは??(笑)
写真をいっぱい撮ってくださいよ。
続いてのナンバーにいきますが・・・・・・
いつも自分が歌いたい曲をバンドに選んでもらっています。次もちょっと変わっていまして・・・・それではチエミちゃんのサックスに注目してください・・・・・涙のイタリアン・ツイスト」
これはクレイジー・ケン・バンドの作品。
タイトルが示すとおりに、腰がムズムズと疼きまくっちゃうほどの心地よいツイスト・ナンバー。
ヒロさんのナチュラルギターによるストロークから「ジャラララ~ン・・・・!」
フューチャーされたチエミちゃんのサックス・プレイが、思い切り更なるパッション・ワールドへと誘ってくれつつも、お祭り騒ぎの様相を呈しています。
甘く咽び泣いているサックスの音色が切ない・・・・・・・。「チエミちゃ~ん!!」
古き良き時代、昭和の香りがプンプンと漂い出してきた・・・・・・・。
いじられキャラの杉ちゃんは、ただただひたすらに余韻に浸りきっている・・・・。その気持ちはよくわかるよん。大事なことだ。
「ここからはガラッと雰囲気が変わりまして・・・」「かわいい!!~」「まあその・・・・トラぶっちゃいましたけど・・・とりあえずは安心しました(笑)・・・・・・次に歌う曲は・・・・・・これをバンドで歌う人は日本広しといえども私しかいないでしょうね。」「いや、3人くらいはいるんじゃあないかい?(爆笑)」「いると思う?札幌地区でさあ・・・・・・・
とりあえずはバンド・メンバーからも、私に一番あっていると言われたくらいです。
それではいきましょう!!・・・・足手まとい(森雄二とサザンクロス)」
休むことなくアクティブに・・・・・と進行するもナベさんが後ろから肩を叩いてスギちゃんの耳元になにやら囁く。
それでも一向に変わる様子がないために、ナベさん、やむなく演奏をストップさせる。
「スギちゃん、今わざとやってたでしょう!?(笑)速いんだよ~」
「危ない、危ない・・・・自分の声に酔った(笑)。スコーンと抜けた・・・・」
「もう一回、入院だよ!(大爆笑)」
「面白い!それでは気を取り直してもう一回・・・・足手まとい・・・・を聞いてください!」
うるさ型の音楽通をも唸らせちゃうベストなセレクションだ。
狙いは的中。
ディスコのダンス・フロアと化したステージ前方は、スギちゃんファミリーやタイバンの仲間達でごった返しています。
あれ!?どこかで見たような面々がチラホラとスギちゃんバンド見たさに駆けつけてきましたよ。中にはキティちゃんのセンスを振っている熟女も見受けられます。
「サンキュー!ありがとうございました。
やっと3曲、終わりました(爆笑)」
どこまでが本音で本心、本気なのか、とぼけたトークも巧みの技。
「ありゃあ!?花束まで・・・・・今日は俺の誕生日かい?違うの??(などと愛嬌あるボケをかましつつも、ファンからの握手に快く応じる杉ちゃん)。今日はあがってますね・・・・」「いつもだよ~!(女性客 笑)」「いつもかい!?・・・・」
場も和んでリラックスしてきたので勢いに乗ってサクサクといきましょう!。
「夜明けのブルース)(五木ひろし)」
おお!!今後はこちらの路線中心に舵を切るのかなあ??
何を隠そう、スギちゃん本当は演歌出身なんですからねえ(笑)
そうそう、今回のスギちゃんの服装を紹介します。
眩いほどに映える上下ダーク色のスーツ姿を基本コンセプトに、黒シャツに赤いサテン地のネクタイでコーディネイト。白く走る斜めのラインがポイントだ。
一際目を引くのが、熱狂的ファンからプレゼントされたというキラキラハット。
それでも、以前に比べるとグッとシックな装い。
賑わいがピークに達した頃合いを見計らったかのようにスギちゃんMC。
「どうもありがとうございました!白熱のライブです。」「タバコも酒も止めたんだよね。」「あれ!?さっき吸ってたよね!?(笑)。女も止めたの?」「女はいいんでないの?!」「スギちゃんファンの方達は必ず来てくれるんだから」「それでは・・・」「泣くなよ~!!」」「スギちゃん、何かなかった?失敗してない?」「大丈夫・・・(と言いつつ焦り気味)どうもありがとう。喉が渇いちゃった・・・」(と観客からビールの差し入れ)
「では、早いものでもう最後の曲となりました。」「え~!?・・・」「大丈夫だよ。よろしくお願いします!聞いてください!・・・WOW!!」「おおお~~!!」
スギちゃん、慌てまくってジャケットを脱ぎ捨てる・・・・その場でもたつき気味のお着替えコーナー・・・・(笑)。
トドメともいえる定番中の定番スタンダード・ロックンロール・ソング「ファンキー・モンキー・ベイビー(キャロル)」
曲調に合わせて、革ジャンと黒いサングラスで突っ張りモード突入。
イントロのギターリフが軽快にピッキング・ヒット。ギターソロにも要注目。
タイキ君はなんであの若さで、ここまで繊細な熟練ギターが弾けるのだろうか?
これはオフ・ステージの時にも彼へ言ったんだけど、当の本人は至って謙虚に微笑むのみでしたね。
能ある鷹は爪を隠す、ではないけど筋金入りの本物だよ。
ツボへと、モロにはまった感ありのオーディエンス達は脳天ヒューズ・スパークしまくり。
勢いは収束することもなく、当然のごとくアンコールがかかった。
「実はこんな私にもオリジナル曲があるのですよ。でも自分で作ったわけではないですよ。そんな才能なんてありませんので・・・・・軽いのりでプロの方が作ってくれたのです。
それではこれから歌わせてください。
あ!?その前に・・・この帽子は光るんですよ(と、スイッチをオン!途端にピカピカと帽子のあちこちに装着されてるカラフルな電飾が瞬く)」「(会場一同から)オオオオ~ッ!!」
「これはプレゼントしてもらったのです。
このスタイルで最後はいきます。笑って聞いてください・・・・題名を聞いてビックリですよ・・・・そうです!・・・・・僕は自称ツアー・ミュージシャン!!」
なんのなんの、充実したテイストに満ちた楽曲ですよ。(解説・・・・・作曲トミー、作詞ヒロミ。北24条のライブバーVOICEのマスターでありプロの作曲家であるトミーさんと、VOICEのママであり、プロのシンガー能力ヒロミさんが杉ちゃんのために制作してくれた不朽の名作)
テケテケイントロに哀愁の泣きギターも散りばめられていて、聞き応えある珠玉の一編。
そこへ感情移入たっぷりに、杉ちゃんが男のロマンを含ませ、タメも効かせてコブシ込めビブラート・ヴォイス。
チエミ嬢とのコーラス掛け合いも、叙情的でムード満点。
一度でも見ようものならば、皆が皆、誰もがスギちゃんの虜。
人気独占しまくり。
余力を振り絞って観客も、忠実なる振りつけで、のっけからダンシング。
役者が数段違う、杉ちゃんマジックに、誰もが心地よく陶酔しています。
スギちゃんを主人公として描かれた物語ゆえに、歌詞にはスギちゃんに対する愛情と友情が目いっぱいに盛り込まれていて思わずニンマリ。正に人徳だねえ。スギちゃんあってのモノダネ。当の本人も嬉々として歌い終えてくれました。
今までに見たステージングの中でも出色の出来でしたよ。余裕と貫禄まで滲み出ていたし。
継続は力なりだね。
ジャンプ一一閃で大団円。
「どうもありがとうございました!さよなら~!次はベリージャムのステージです!!」
今回は時間の都合上、お得意の演歌はあまり聞けなかったけど、それはそれで次回の楽しみとしてとっておきましょう!
ステージからおりたら肩の荷が下りてホッとしたのか、スギちゃんがリラックスしながら会場内を散策した後、テーブル席でゆったりとくつろいでいました。
完全燃焼・・・・・本当におつかれさまでした。
****これにてライブ・レポートのパート7は終了。引き続きパート8をお楽しみください!それではまた!!*****