【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

「国民連合政府」との「国民的統一戦線」*

2015-10-18 19:47:27 | 社会・政治思想・歴史

            櫻井 智志
*この文章は「統一戦線への確かな現実の現段階」を全面的に書き直した文章である。ぜひ比較していただけたら幸いである。 



  
 日本共産党と主要野党と市民団体とが同席し定期的に協議していくことを確認したことの意義は大きい。ここでいう野党とは、すでに共闘を確認している日本共産党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたちに加えて、民主党と維新の党も出席し、安倍政権に対抗する野党がすべて一同に介した 。
これらの政党は、「オール沖縄」を参加者がひとつのモデル例として肯定的に認識している。そして政党だけでなく、市民団体が恒常的に協議して統一戦線の重要な一翼をになうことが銘記されたことも画期的である。
 いままでの統一戦線とは、革新統一戦線にしても政党の共闘が中心で、市民団体は外郭的な関わり方であったり、実質は野党の系列下の団体であることが多かった。美濃部亮吉都知事を生んだ母体である「革新都政をつくる会」も、主には社会党と共産党の共闘が中枢を占めていた。



 ここまで統一戦線が進んだ原因のひとつとして、志位和夫委員長のすぐれた識見のもと日本共産党のたくみな戦略があげられる。民主党の一部に警戒心が働いて共闘が頓挫しそうになっても、短絡的に決裂せず、中期的な展望として「反戦争法制廃止の国民連合政府」を堅持し続けると、待ちの姿勢を示した。このような大局的な展望を示し続けていることが、今回のような大きな成果へと連なっていると見ることができよう。
 安倍政権はこのことに早くも警戒心をもち、菅官房長官は、「共産の連立構想は選挙目当て」と記者会見で公的に発言している(東京新聞10月17日朝刊12版6面)。あたりまえだろう。安倍政権のすべての施策は選挙の票目当てのアドバルーン以上のものは何もないではないか。大きく異なるのは、自公与党が選挙で求めるのは利権と儲けに終始しているのに比べて、国民連合政府樹立を目指す選挙構想は、わが国民を戦争法制から解き放ち、確固とした憲法擁護の立憲主義を回復し擁護しようとする政治の大義を獲得しようとしている。おなじ「選挙目当て」でも、安倍=菅政権と「共産党らの連立構想」とでは雲泥の差があるということだ。
 政党も大切だが、「安全保障関連法に反対する学者の会」・「安保関連法に反対するママの会」・「SEALDs自由と民主主義のための学生緊急行動」・「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」・「立憲デモクラシーの会」などの諸団体を大切に擁護し、今後もその存在を大切にしようとしていることも大きな特色である。


 私はSEALDsのホームページを見ているが、賛同以上に誹謗と中傷、女性学生へのセクハラ書き込みなど、SEALDsへの世論の一部の悪質さは、リーダー奥田愛基さんへの殺害を記した威嚇も含めて卑劣きわまりない風潮が一部にあることを見過ごしてはいけない。これは他の市民団体や市民運動家に対してもいえる。官邸前デモ行進で13人も公務執行妨害で連行されたことは、沖縄の辺野古移転反対闘争にまつわり、有名な市民運動家が市民を抑制している最中に、米軍が後ろからひきずりこみ無理矢理基地内に体を入れさせて逮捕拘束した事実も今後も起こりうる。
 政党の共闘を見ていて、安倍晋三と盟友の橋下徹は、今後油断できない。維新の党の破壊行為を含めて最大限この野党の連携を破壊するための安倍尖兵としての位置にいて、妨害工作を進めていくだろう。橋下徹には政治的展望はない。ピノキオのような操り人形となって強権政治の使い走りしかその存在の意義は薄い。
 
 今回の共同の協議は、見事な第Ⅰ段階としてのスタートが始まったといえる。この取り組みはマスコミはベタ記事扱いにとかしないだろう。大手新聞社やテレビ会社の幹部が、安倍総理と夜の宴会接待を受けるようになって久しい。最近毎日新聞の報道が以前よりも改善されているが、新聞社全体は60年安保闘争の時のように体制側にある。テレビではTBSの「報道特集」「NEWS23」、テレビ朝日の「報道ステーション」、日本テレビのこれはもうかなり昔から続く週に一度の深夜の「ドキュメンタリー」、NHKの「クローズアップ現代」など散発的にでも報道の良心を示す報道人は存在する。

 
 国民がSNS、ツイッター、ブログ、フェイスブックなどで伝えて拡大していくことが、集まった政党、団体の誠意に応じる営為であろう。そしてオウム返しにリピートすることでなく、自らの思考と吟味がなければ、たやすくデマを流す結果となることもあることを心しておきたい。

統一戦線への確かな現実の現段階

2015-10-17 12:59:57 | 社会・政治思想・歴史

            櫻井 智志


 朝、東京新聞を開いていて、「あっ!」と思った。
次の記事を目にしたからだ。



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安保法廃止へ連携強化確認 5野党と市民団体が対話

2015年10月17日 朝刊


野党議員(左側)と意見交換をする安保法制に反対する学者、母親、学生などの団体メンバーら=16日、参院議員会館で
写真
 他国を武力で守る集団的自衛権行使を容認した安全保障関連法に反対する市民団体などと野党五党は十六日、国会内で意見交換会を開いた。来年夏の参院選で与党を過半数割れにして、安保法を廃止に持ち込むため、野党共闘や各種団体との連携強化を目指し、定期的に協議していくことを確認した。
 民主党の枝野幸男幹事長は「立憲主義、民主主義を守る戦いは、より力を込めて継続していかなければならない」と指摘。「国民の声を参院選の結果にしっかりと反映させるために、野党が共闘しなければいけない」と強調した。
 会合では、保革が沖縄県名護市辺野古(へのこ)への新基地建設反対で共闘し、知事選や衆院選で勝利を続ける「オール沖縄」の取り組みも紹介。沖縄の成功例も参考に、安保法廃止に向けて、各種団体と野党五党が集会やデモなどを通して、関係を深めていくことで一致した。
 参加団体は、各界の学識者でつくる「安全保障関連法に反対する学者の会」、乳幼児の母親らが結成した「安保関連法に反対するママの会」、学生グループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」、国会前の抗議行動で主導的な役割を果たした市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」、憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」など。
 政党側は民主党、維新の党、共産党、社民党、生活の党と山本太郎となかまたちが出席した。

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①政党と市民団体とが同席し定期的に協議していくことを確認した
②政党側はすでに共闘を確認している日本共産党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたちに加えて、民主党と維新の党も出席し、安倍政権に対抗する野党がすべて一同に介した 。
③「オール沖縄」を参加者がひとつのモデル例として肯定的に認識している。

 ここまで統一戦線が進んだ原因のひとつとして、志位和夫委員長のすぐれた識見のもと日本共産党のたくみな戦略があげられる。
④民主党の一部に警戒心が働いて共闘が頓挫しそうになっても、短絡的に決裂せず、中期的な展望として「反戦争法制廃止の国民連合政府」を堅持し続けると、待ちの姿勢を示した。このことが今回の大きな成果へと連なっていると見ることができよう。

 安倍政権はこのことに早くも警戒心をもち、菅官房長官は、「共産の連立構想は選挙目当て」と記者会見で公的に発言している(東京新聞10月17日朝刊12版6面)。あたりまえだろう。安倍政権のすべての施策は選挙の票目当てのアドバルーン以上のものは何もないではないか。

 これからは、政党も大切だが、
⑥「安全保障関連法に反対する学者の会」
⑦「安保関連法に反対するママの会」
⑧「SEALDs自由と民主主義のための学生緊急行動」
⑨「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」
⑩「立憲デモクラシーの会」
などの諸団体を大切に擁護することだ。私はSEALDsのホームページを見ているが、賛同以上に誹謗と中傷、女性学生へのセクハラ書き込みなどその悪質さは、リーダー奥田愛基さんへの殺害を記した威嚇も含めて卑劣きわまりない風潮が一部にあることを見過ごしてはいけない。

 同時に、政党の共闘を見ていて、安倍晋三と盟友の橋下徹は、維新の党の破壊行為を含めて最大限この野党の連携を破壊するための安倍尖兵として今後油断できない位置にいて、妨害工作を進めていくだろう。

 ともかくも、見事な第Ⅰ段階のスタートが始まった。この取り組みはマスコミはベタ記事扱いにとかしないだろう。国民がSNS、ツイッター、ブログ、フェイスブックなどで伝えて拡大していくことが、集まった政党、団体の誠意に応じる営為であろう。

国民的統一戦線と「戦争法廃止の国民連合政府」と「反戦争・平和野党連合」について

2015-10-07 21:47:44 | 社会・政治思想・歴史

                               櫻井 智志

 私は日本共産党の提唱する連合政府について根本的に賛成する。それを前提として以下の論を進める。
 日本共産党はただの政党の組み合わせを言っているわけではないと考える。
 国民的規模で、戦争法制を廃し、立憲主義と国民主権を擁護するための連合政権についての構想である。

 社民党と生活の党と山本太郎となかまたちは、快く志位和夫委員長の提言を納得し了承している。
 民主党は岡田代表は、共闘について了解している。しかし、細野豪志議員や枝野幹事長らは、維新の党との共闘を進めてからの
営為と考えている。

 狡猾な安倍晋三とその政権は、民主党の隙間を突いて野党分断策にうってでるだろう。橋下新党とはまさにそのための自公与党強化手段である。
 民主党はさまざまな政治家の集合体なので、これからも紆余曲折があるとみる。

 「戦争法廃止の国民連合政府」は、政党の組み合わせでなく、広範な国民運動、市民運動、若者・学生の運動、若い母親たちの個人的運動、諸個人の小規模な集会から大規模な集会までともに場を共有し、そこから運動論を構築していくべきだ。
 誤解をおそれていえば、日本共産党の参議院候補や党勢拡大の運動は独自の建設を推進していくべきだ。
「これほど熱心に運動している予定候補をおろすとは」、と他党は思うだろう。共産党の前進と広範な連合とは矛盾するものではない。

 個人的な見解を言えば、私は2014年の段階で、「国民統一戦線は三層から成るべきだ」と考えていた。
①良心的な保守層
②民主集中制を組織原則とする日本共産党
③円卓の論理で結集した護憲リベラル政党共闘
以上の①~③が結集した国民的規模の統一戦線

①と②はそのまま接続する。
③の護憲リベラル勢力は、戦争法廃止と立憲主義を重視する志位提案のほうがよいだろう。憲法擁護はもちろんなのだが、安倍自公政権は、戦争体制に一気に進んでいる。
 参院選で負けないために、すべて経済政策で押すスタンスをとっている。特別委員会の書記の筆記録さえ記載できていない状況の段階まで遡って考えれば、志位委員長の提案は最善と考える。

 今後民主党や維新の党がどのように動こうと、そのために橋下新党などの仕掛けが水面下の安倍・橋下連携で進められていっても、永田町のコップの中でなく、全国各地に自治体レベルで「戦争法廃止の国民連合」を燎原の火のようによびかけ、それらが全国的な運動となって国政レベルの集結を見たとき、その壮大な国民的な共同に、あわてて加わる政党があったら、受け入れればよい。
 シナリオは多様な書き換えがあっても、「戦争法制廃止」「立憲主義確保」をベースとした国民的運動は、参院選を勝ち抜く。
 

自ら立ち上がった国民的政治勢力をもっと大切にし、はぐくんでいこう

2015-09-28 15:56:03 | 社会・政治思想・歴史


               櫻井 智志

 日本共産党がよびかけた「戦争法・安保体制廃止の国民連合政府」は、最初民主党の岡田代表が歓迎の意を表した。しかし、民主党細野豪志議員が民主党内の体制派の強い反対を背景に、選挙共闘への反対を強く代表に進言すると、岡田代表も党内の体制派に配慮せざるを得なくなった。

 けれども、いま最も強く戦争法制に反対し続けている勢力は、民主党ではない。共産党だけではない。誠意ある志位和夫日本共産党委員長が、シールズの代表の奥田さんの演説を聴いて強く感銘を受け賞賛している。私はそこにポイントがあると思う。

 反原発首都連合や大江・佐高・鎌田諸氏らが呼び掛け人として1000万人の反原発・原発廃止の署名運動は、政党のなかでは社民党の福島瑞穂元代表が意欲的だった。生活の党と合流した山本太郎氏も都知事選候補に「誰もいなければ自分がたってもいい」と市民グループ『私が東京を変える』の指導者格の今井一さんに、公開都知事を選ぶ市民会議で伝えてもいた。そういった福島原発廃止・県民救済の運動が、代々木公園で十万人集会が開かれた。その集会かその前の明治公園での集会かどちらかで、福島県民の女性がマイクを握りお話をされた。私は聴いている内に名状しがたい感銘で涙があふれた。お話されたかたは武藤類子さん。その後武藤さんの献身的なご活躍を後から知った。

 今回の共産党の提案は、永田町のなかの政党の組み合わせとは異質な発想を感じる。官邸前を埋め尽くした十二万人の多くは、日常生活の暮らしの延長上にやむにやまれず強い抗議と子どもたちの将来となる日本の歴史をになって立ち上がった。民主党細野議員がスマートに、時には美人女性アナウンサーと飲み歩きスキャンダルをスクープされるような、そんな優雅な国会議員お大尽暮らしに明け暮れる、身分制世襲国会議員大名制度とは無縁な政党と国民の新たな「憲法擁護共同体」を創出しよう、それが志位和夫氏の提案であろう。

 参院選で一人区で、もしも野党共闘が実現すれば、自民党の多くの国会議員は当選できない、

 しかし、与党の自民党公明党ははたで何もせずに指をくわえて見ていることはない、一人区での自公当選のために、あらゆる手管を尽くしてくるだろう。それは自公の基盤のみならず、民主党の地盤のナショナルセンター「連合」に、財界を通して徹底的に籠絡する策に出よう。自公は、マスコミを徹底的に利用して、国民世論を自暴自棄に陥らせるくらいのミス・リードは平気で行うだろう。

 この際に、潰瘍性大腸炎で持病と苦しむ安倍晋三氏が退陣したら、麻生太郎氏か石破茂氏をトップにすげ替えて、強力なリーダーシップを国民にアピールする策もあろう。安倍晋三の特異な政策であると同時に、アメリカ軍産複合体のマリオネットとして動く自衛隊制服組や政治家がポスト安部として動くだろう。
 安倍退陣、とシュプレヒコールしつつ、反原発・福島救援と反戦争法・安保体制、反米軍在沖・基地海外移転の三つの矢を三大根本理念・政策として動く巨大な運動体の形成が求められている。必要なのは、政党組み合わせではなく、立ち上がった全国の国民のエネルギーを大切に大事にして、参院選・衆院選へと導くルートづくりなのだ。

 民主党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたち・緑の党・無所属良識派そして日本共産党。こういった政党も巨大な運動体の一部に過ぎぬ。政党の解散集合などではなく、統一戦線政府として、賛同して結集した各々の野党、労働団体、市民団体、学生・青年団体。そして厖大なひとりひとりの個人。政党連合が国民に指示するのではなく、「反戦争・平和擁護」の政党連合も、さきにあげた団体も、諸個人も同じ理想のもとに、共同し共闘していく。そのような形態をとることが必要なのは、いま全国津々浦々にあふれている平和への声を生かすことなく、政党組み合わせでエネルギーを裂いてしまいには運動のエネルギーを終熄させてしまう愚策を憂う。1945年に終わり始まった戦争と戦後民主化憲法は、いま初めて日本国民自らの主体として存続が問われている。アジアには韓国の金大中氏を大統領に当選させた民主化革命という手本がある。韓国でも東南アジアにも学生革命や市民革命が歴史上の先達として刻まれている。日本にいま求められているそれは、アナーキーな一揆主義や言葉だけの革命とは異なる。核兵器を備える巨大なアメリカ軍部と日本経済などひとたまりもないアメリカ軍産複合体。この闘いは一歩一歩、日本の1945年8月15日の青空から始まっている。日本国の運命に日本国民が歴史的な主体として、日本を改善させていく営みだ。




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孫崎享のつぶやき
安倍政権下の民主主義の危機と高村光太郎著『智恵子抄』
2015-09-28 08:454



1:安全保障関連法案、何が問題か
日本の国家が「民主主義国家」か、「法治国家」かが問われる

「民主主義国家」の点では国民の過半数が集団的自衛権に反対、安全保障関連法案の成立に反対した。日本国家は国民主権を大前提としている。国民は国会議員を選出する。国会議員はあくまで、国民の意思を実行するために存在する。国会議員にすべてを授権し、好きにしてもらう制度ではない。国の行方を左右する問題では国民の意思を最大限に尊重することを基本とする。しかし、安倍政権は国民の反対の声に配慮することなく、強引に法案の成立を行った。民主主義を前提に国家の経営を行うという前提が大きく崩された。
「法治国家」であるかの点については
①大森、宮崎、坂田(少なくとも一時期)、角田元内閣法制局長官が違憲ないし疑問の発言
②山口繁・元最高裁長官「集団的自衛権の行使を認める立法は、違憲」
③憲法学者の約95%が違憲と述べている。
 安倍政権が合憲とする論拠は砂川事件をめぐる最高裁判決であるが、ここでは安倍政権のいう自衛隊を米国戦略のためにつかうことを目的とする「集団的自衛権」は何らろんぎされておらず、「集団的自衛権」は専門家に激しい反論をあび、論拠となるものはほとんど存在していない。


2:高村光太郎著『智恵子抄』を見てみたい。
「すつかり変つたといつても、それは他力による変革で(日本の再教育と人はいひます。) 内からの爆発であなたのやうに、あんないきいきした新しい世界を命にかけてしんから望んだ さういふ自力で得たのでないことが あなたの前では恥しい。
 あなたこそまことの自由を求めました。 求められない鉄の囲かこひの中にゐて、あなたがあんなに求めたものは、 結局あなたを此世の意識の外に逐おひ、あなたの頭をこはしました。あなたの苦しみを今こそ思ふ。
 日本の形は変りましたが、あの苦しみを持たないわれわれの変革を あなたに報告するのはつらいことです。」


 3:『智恵子抄』では日本は民主主義と変化はしたが、それは自分の力で獲得したものではない、「日本の形は変りましたが、あの苦しみを持たないわれわれの変革を あなたに報告するのはつらいことです。」と述べた。

 与えられた民主主義。
 それでも国民はそれを謳歌したはずなのに今安倍政権で取り去られようとしている。
 結局民主主義は、国民自らの努力で獲得し、国民自らの努力でその維持に努めなければならないことを示した。

4:幸いにも安保関連法案で多くの国民が自らの選択でデモに参加した。
 政治勢力になりつつある。これがどう育つか、そしてそれが育つのに協力していきたい。

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今こそ日本共産党と国民との広範なリーダーシップの出番だ

2015-09-25 23:09:14 | 社会・政治思想・歴史

             櫻井 智志
 民主党があれほど日本共産党と共闘して闘ったこと自体が、予想外の大健闘と思う。
民主党は維新の党と共闘を優先すると岡田代表が言い出した。
それは当然だろう。
 民主党には野田元総理や前原元代表のような新自由主義派がごろごろしている。
 問題はこれからた。
ねばりづよく志位和夫委員長は交渉を続けていくと発言している。それが今は最善策と思う。
ここで大切なことは、民主党や維新の党、あるいは日本共産党が国民的闘争の主役であったわけではない。共産党は粘り強く支えて一貫していたし、民主党も国会内でよく闘った。
けれど、国会を取り囲んで連日数万人が安保法制反対の意思表示をした若者からママさん、労働者から知識人まで国民的規模で無党派もふくむフツーのひとたちが立ち上がったことだ。
共産党が政党よりもこれらの国民的な規模の無党派層と民衆との連帯を重視して、他の政党との共闘を追求しつつ、あくまで国民との連携を重視して進めていったら、いまも国会の外で反対しつづける国民は、どの政党を信頼できるか見極めることだろう。
民主党や維新の党だけではない。社民党と生活の党と山本太郎となかまたち、そして参院選では国政にとり組む緑の党の3党を重視したらよいと考える。
もしも日本共産党・社民党・生活の党・緑の党の四野党共闘が選挙共闘を組むことを実現すると、橋下徹氏がらみで分裂しそうな維新の党や党内で諸派対立があって綱領やマニフェストひとつ設定できないでいる民主党は、強力な国民的リードをする力はない。
私は山本太郎氏の政治行動には小沢一郎氏の指南もあると見ている。パフォーマンスながら、山本太郎氏の政治戦術は自民党にはブローのように効いているとみる。
共産・社民・生活・緑。この四党共闘は、無党派国民層をも結集しうる。国民的規模の政党・民衆の結集した巨大なパワーなら、民主党のほうから参加を申し入れてくる。
日本共産党は、大胆に無党派民主主義国民層に働き掛け、同時に反戦争・平和擁護政党連合として、社民・生活・緑との選挙共闘を水面下で交渉しはじめる絶好の機会だ。年が明けたら、はっきりいって手遅れとなる。
安倍晋三ははっきりと参院選では憲法改定を公約にすると言い出した。野党もずいぶんとなめられたものだ。いまがチャンスだ、自民党公明党の与党をたたきつぶす参院選戦略を英知を結集していま日本共産党が動くときだ。

【資料】
来夏参院選:共産と共闘、民主に異論…25日トップ会談
毎日新聞 2015年09月25日 08時30分(最終更新 09月25日 09時50分)
http://mainichi.jp/select/news/20150925k0000m010092000c.html
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「法案成立に必要なもの、国民の支持、立法事実、民主主義のプロセスと、すべてが崩れ去った」

2015-09-18 23:43:57 | 社会・政治思想・歴史
「法案成立に必要なもの、国民の支持、立法事実、民主主義のプロセスと、すべてが崩れ去ったのです。何ひとつ正当性がなくなったものだから、最後は力で強行採決した。」(弁護士倉持麟太郎氏のご発言。記事参照)
                      櫻井 智志


 安保法案は、本日9月18日中に可決できていない。民主党・日本共産党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたちの小生が名付けた「反戦争・平和擁護政党連合」の縦横無尽の力闘で、あれだけ票差はあっても、明日9月19日午前に延会ということで、採決にまで届いていない。

 以下の日刊ゲンダイの記事を、仕事帰りのバスの中で読んでとても勇気づけられた。昔朝日ジャーナル、いま日刊ゲンダイ。少なくとも下に転載させていただく記事は、朝日新聞よりもはるかに見識ある政治的判断と政治的構想力のある記事である。




【日刊ゲンダイ転載】


=======転載 開始============================

憲法と民主主義を破壊…安保法案「強行採決」識者はどうみたか
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/164224/4
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2015年9月18日

《民主党の小西洋之議員にパンチをかましたヒゲの隊長》


 国会審議を通じて、その違憲性とデタラメさがこれでもか、と露呈した安保法案が17日、参院特別委員会で強行採決されて可決した。法案は参院本会議にかけられ、こちらも「数の横暴」で可決、成立する運びだが、野党は議院運営委員長の解任決議案や中谷防衛相の問責決議案を連発。18日は安倍首相の問責決議案を出し、衆院での内閣不信任案提出と、あらゆる抵抗を試みている。それにしても、今回の強行採決でハッキリわかったことがある。

 この国では憲法が破壊されただけでなく、民主主義の手続きも壊され、もう何でもありになってしまったということだ。それが今度の国会審議と採決強行日程であからさまになった。だから反対運動が広がったのに、そのシュプレヒコールが最高潮に達した瞬間に、与党はその声を力でねじ伏せたのである。

「それも採決の瞬間、鴻池委員長は何を言っているのか、まったく聞き取れず、参議院の速記録には(議場騒然、聴取不能)と書かれていた。果たして、これで11本の法案と付帯決議を採決したと言えるのでしょうか。鴻池委員長は17日、第一委員会室で理事会を開くというだまし討ちをやろうとして、委員会は紛糾、野党から不信任案を出された。立法府が時の政権の言いなりで、こんなセコいことまでやってしまう。参院の矜持はないんですかね。こんなことが許されるのであれば、もう何でもありになってしまう。三権分立も何もありません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 与党は18日午前、問責を連発し、演説をつづける野党に業を煮やし、討論時間を10分以内に制限する動議を可決した。露骨な言論封殺で、もうムチャクチャだ。安保法制の国会審議をすべてウオッチしてきた弁護士の倉持麟太郎氏はこう言った。

「強行採決の前日に横浜で開かれた地方公聴会は、採決の日程を決めたうえで開いたアリバイ的なセレモニーでした。安保法制の国会審議では最後になって安倍首相がホルムズ海峡での機雷掃海を想定していないと答弁するなど、立法事実が次々と崩れた。国民の反対運動も凄まじい勢いで拡大した。つまり、法案成立に必要なもの、国民の支持、立法事実、民主主義のプロセスと、すべてが崩れ去ったのです。何ひとつ正当性がなくなったものだから、最後は力で強行採決した。横暴の一語です」

 憲法を踏みにじり、立憲主義を否定し、民主主義の手続きを破壊し、国会を形骸化させた。それがこの法案審議と採決における、安倍政権の“成果”なのである。

「僕には強行採決する理由がさっぱりわからない。安倍自民党は支持率が下落し、アジア諸国との関係も悪くなるでしょう。結局、安倍首相は米国から『使えるヤツ』と思われることが最重要と信じているのではないか」(思想家の内田樹氏=17日の国会内での講演)

 野蛮政権の蛮行は世紀の愚行でもあって、日本が失ったものの大きさにはボー然とするばかりだ。



《後ろ暗い安倍首相の顔色を見てもこの政権は長くない》


 委員会の強行採決で自民党の高村正彦副総裁は「大きなヤマを越えた」と安堵していたが、その高村副総裁の人相の悪くなったこと。安倍首相はというと、採決の瞬間は委員会室から出ていて、17日夜は閣僚の問責決議案が連発されているのに、よっぽど体調が悪いのか、さっさと自宅に帰ってしまった。

 このところ、嘔吐だ、吐血だと報じられ、その真偽はとにかく、顔色が悪く、薬の副作用なのか、明らかなムーンフェースの安倍首相は、可決に喜ぶどころか、疲れ切った表情を見せている。これこそが、安倍首相の後ろめたさ、後ろ暗さと今後を暗示しているのではないか。政治評論家の野上忠興氏は言う。

「これで間違いなく支持率は相当下がりますよ。どの世論調査でも、今国会での強行採決に賛成は2割強、5割以上が反対です。ただでさえ、3割台に低下した内閣支持率が2割台になってもおかしくない。問題はそうなったときに、今後上がり目になるような目玉がないことです。五輪もケチがつきっ放しだし、国債も格下げされて、経済はメタメタです。頼みは内閣改造のサプライズ人事ですが、どこに、そんな人材がいるのか。それどころか大半の閣僚を留任させる意向ともっぱらですから、大臣ポストをばらまくわけにもいかず、人事で恨みを買う恐れもある。落ち目の政権はこうして求心力を失って党内がザワついてくるのです。国民世論をなめていた安倍政権は、来年の参院選まで持つかどうかも怪しいものです」

 そうなれば、当然、支持率下落がストレスとなって、確実に安倍の体をむしばんでいく。自業自得の末路が見え隠れする。

========転載終了===============

見解

 60年安保では、安保条約が批准され、闘った国民は挫折の季節に入っていき、岸内閣は退陣し、後を嗣いだ池田勇人氏は所得倍増計画で経済政策にしぼり国民生活の経済的向上につとめた。そのかわり政治的には護憲のスタンスで保守本流の安定政治路線を固めた。戦後政治史を見ると、この池田勇人から大平正芳、宮澤喜一、鈴木善幸、伊東正義、河野洋平、などの自民党政治は、戦後日本をそれなりに世界に「平和憲法国家」として知らしめた。
 もちろん沖縄の犠牲、公害の全国拡散、等などの政治的矛盾と無策に等しい一面も二面もあり、手放しで賛辞をおくるつもりはない。

しかし、中曽根康弘、小泉純一郎らの親軍国主義政治は、いまの安倍政権の下地になっている。

 これから政局は、反原発連合や安保法案に抗して生まれた新たな抵抗運動などが大きなうねりとなって、長期的な展望に入っていく。私称「反戦争・平和擁護政党連合」は、参院選に向けてオールにっぽんを形成して、護憲勢力の選挙に向けた策略が練られなければならない。

 そしてなによりも、今回立ち上がった若者から若い母親ママさんとよばれる層まで広範に立ち上がった国民と共闘し、彼らをリードするなどと思わずともに安倍政治に抵抗する具体的でわかりやすいテーマでとり組み続けていってほしい。

 真夜中に泥棒猫政権は、戦争法案を可決していくことだろう。今はそんなことに挫折するような余裕はない。福島原発被害者や沖縄県民とともに、「国民のいのちと暮らし」を擁護するために、とり組む課題は明確なものとして目の前に、在る。

議会制民主主義政治の滅亡を実行し続ける男。アベシンゾー、あなたを総理とは思わない

2015-09-08 21:50:47 | 社会・政治思想・歴史
安倍晋三の実像
議会制民主主義政治の滅亡を実行し続ける男。アベシンゾー、あなたを総理とは思わない。あなたをもはや見ないし聞かない。


安倍晋三が全部の派閥の支持をとりつけ、無派閥も支持をとりつけついに野田聖子氏の兵糧攻めに
成功した。独走する暴走安倍政治。それを公明党が支え続け、見事に自民党の分身であることを見せつけた。

考えてみると、女性の活躍する法案さえつくりあげた安倍晋三は、党内の声を反映した女性議員で総務会長さえつとめた女性の立候補さえ
叩き潰した。恐ろしい男だ。私はなんの力もないが、安倍晋三政権の巨大な空っぽの伽藍のむこうに荒廃のコンクリートの砂漠が感じられ、
これからも戦後民主主義運動史の本流を見守り続けたい。

党内の意見さえ叩き潰した男、安倍晋三。この男の無惨な政治的末路はさらに突き進んでいった、自分から。
これからの安倍政権政治とは、日本版ナチス政権の模倣の二番煎じであり、安倍の教科書は「アーミテージ・ナイ報告」である。
国民が連帯して日本版ナチス政権を退陣させる怒りの季節に入っている。
冷静にアメリカ政府にも安倍政権にも、情理を尽くして対話を続けた翁長雄志沖縄県知事のすべてを拒否した。
今度は日本国民が、安倍政権の統治の正統性が皆無であることを告発し続ける番だ。
戦時特高政治で国民の世論を否定し続ける安倍に、日本国はあなたによって滅亡させられつつある。もはやあなたを総理とは
思わない。断固拒否する声も聞こえない男には、なにが見えきこえているのか。

オール沖縄に続く「みちのくシリーズ」、小沢氏の呼びかけで民主、維新、共産、社民、生活が共闘

2015-08-21 20:26:31 | 社会・政治思想・歴史
オール沖縄に続く「みちのくシリーズ」、小沢氏の呼びかけで民主、維新、共産、社民、生活の5党首が盛岡市に結集
櫻井智志

 安倍自公政権の破綻があちこちで収拾のつかない状態のなかを、野党の共闘にいままでと様相の異なる風景が見られる。日刊ゲンダイの報道は、いまの野党共闘が今までよりも前進している活気を伝えている。おそらく安倍政権の「ムチャぶり」に心底あきれ果てた国民の失望と絶望が根底にある。

 「日刊ゲンダイ」のwebを転載する。




=============引用開始====
野党共闘で苦戦必至 安倍自民党「東北地方選で全敗」の悪夢


 岩手県知事選が20日告示され、現職の達増拓也氏の3選が無投票で決まった。達増氏の“不戦勝”は、安倍自民党が担ぎ出した平野達男参院議員

(元復興相)がダブルスコアをつけられ、敵前逃亡したからだ。その平野氏が尻尾を巻いて逃げ出したのは、安保法案に対する国民の猛烈な反対に加え

、小沢一郎氏が旗を振った「野党共闘」が機動的に働いたからである。

 しかも、この「野党共闘」はまだまだ続く。19日、小沢氏の呼びかけで民主、維新、共産、社民、生活の5党首が盛岡市に結集し共闘をアピール。今

後、次々に行われる東北の地方選を「みちのくシリーズ」と位置づけ、候補の一本化などの選挙協力を宣言した。

 9月13日には遠藤利明・五輪担当相の地元・山形市で市長選があるが、維新を除く野党4党の統一候補と自公推薦の候補が激突する。10月25日には

宮城県議選、11月15日には福島県議選の投開票があり、ほかにも女川町長・町議選(宮城)、相馬市議選(福島)、釜石市長選(岩手)など、政権の

命運を左右しそうな重要選挙がいくつもある。


 今月9日投開票の埼玉県知事選に続き、岩手県知事選で2連敗を喫した与党が、3タテ、4タテを食らう可能性は十分ありそうだ。

 ジャーナリストの横田一氏が言う。

「今月9日に学生団体『SEALDs』の東北支部『シールズ東北』が発足したことも、与党にとって大きな逆風です、東北全体で安保法案反対の機運が高

まるのは時間の問題でしょう。与党に対する逆風はこれだけじゃない。今は中断している沖縄の辺野古移設工事を再開すれば、再び批判が噴出するでし

ょうし、被災3県の選挙では川内原発の再稼働がマイナスに働くはず。数の論理で安倍政権が強行してきた政策に対するシッペ返しがまさに今から始まるわ

けです。そこに野党共闘が加わる。与党の苦戦が予想されます」

 野党共闘の「みちのくシリーズ」は、安倍政権メルトダウンの始まりである。

=============引用終了=======

 岩手県知事選勝利を経て、盛岡市長選、山形市長選など東北の重要な県都をはじめ次々と続く。私は、このルーツに福島県知事選の熊坂義裕氏の健闘と森県知事選の大竹進氏の史上最大の得票率があったことを重視したい。群馬県知事選のはぎわら貞夫候補、埼玉県知事選の柴田やすひこ候補と日本共産党単独の推薦候補としてはかなり前進している。そこにもってきて、沖縄のオール沖縄の衝撃は強い。首都圏官邸前がいつも注目されているが、沖縄県民の闘争や森県民の闘争など全国を牽引しているのは、今までの左翼政党や左翼知識人のカテゴリーを大きく拡張したところまでたどり着いている。

 ここまで日本の国民的規模の運動を盛り上げてきたのは、新たな段階に達した国民の運動である。学生団体『SEALDs』、福島原発以降反原発運動こをリードしてきた反原発国民連合、首都圏連合などあきらかに21世紀に入っての抵抗運動がいままでの政党を逆にリードしている。

国民的統一戦線への私論(二)

2015-07-30 22:42:23 | 社会・政治思想・歴史

         櫻井 智志


 戦争法案と言ったほうがふさわしい「平和安全法制法案」をめぐり、衆議院では、日本共産党が民主党と共闘し、衆議院での審議に臨んだ。鳩山=小沢両氏を追いやった民主党を、私は支持していないけれど、自公巨大与党の暴走と対決する上でこの民共共闘は実りあるものだった。参院でも、議会闘争は堅実な野党の闘争が見られる。衆院にはない社民党や生活の党と山本太郎となかまたち、新党改革などがそれぞれの持ち味を発揮してとり組んでいる。

 国民的闘争は、大学・母親・各種団体と広がり国民の取り組みは広大なすそ野を広げてとり組んでいる。大学で教授から学生まで一体となって声明をアピールしている大学は日増しに増えている。乳幼児を抱えたりベビーカーに乗せた母親も含んで、女性独自の行進があちこちで見られる。シールズという略称の青年や学生たちの団体はきわめて知性と政治的見識の高い団体として相次いで創造的な運動を繰り広げている。政党の枠や、保守革新を問わず、安倍政権の専制政治に広く反対の声が全国の各地に広がっている。

 沖縄県でのオール沖縄や森県知事選挙をはじめ統一地方選挙でいくつかの首長選でも、共闘の布陣が見られる。中でも日本共産党はリアリズムに徹し創意工夫が見られる。9月の岩手知事選などでも反自公の生活の党や市民との共闘の模索が見られる。日本共産党の政治変革に臨む姿勢は、国民のの信頼を増し、市民団体と日本共産党推薦ないし支持の候補による知事選は、群馬県知事選での共産党推薦候補あるいは社共統一候補の得票率で戦後最大の得票率という結果となってあらわれている。民主新自由主義派候補VS自公候補VS民主県政の会・日本共産党推薦候補の実質的に三つ巴の埼玉県知事選も8月9日投票日に県民の審判を仰ぐ。私は候補者と陣営、支持者の盛り上がりから県民の高い支持を得ると予想している。


 市民運動、政党運動、文化運動などの全般にわたって、現在の日本共産党は、具体的課題に即応した的確な対応を進めている。「無党派民主主義に立つ容共派の統一戦線志向」という私のスタンスはいまも同じであるし、さらに日本共産党の政治的実践にいっそう支持を覚える。国民統一戦線について、私は三層構造を考えてきた。
①大工業の組織的過程としての「民主」集中制(官僚集中制ではない)に立脚する日本共産党
②護憲リベラル政党の「円卓の論理」に拠る共闘
③良心的保守層
 この三者がともに互いの立場を尊重した国民的規模の共闘組織をくむ。それは日本共産党が1960年代後半から主張している「民主連合政府」展望と近い政治情勢にある。同時に政党連合を超えた段階にある。


 現在立ち上がっている国民は、市民運動や市民団体、シールズや反原連のような新たな運動体も輩出している。それらを視野に入れると、政党の共闘次元だけの構想ではなく、政党、団体、個人が、戦争国家にあらがうことに立脚する、国民的な統一戦線の結成を展望しうる段階にあると考える。その樹立は今日的な課題となりつつある。

 しかし、いまは抽象的言辞ではなく、安倍自公政権の暴走を阻止する国民的運動が大切である。安倍自公政権にかわる「反軍国主義」政権の樹立は、国民的運動の合意のなかからその母体が雄大な姿を現すことだろう。喫緊の課題は、参院国会での戦争法制法案の廃案をめざす広範な国民的結集であろう。戦後民主化闘争、60年安保闘争に次ぐ新たな全国闘争は、現在の闘争の質を内実にはらんでいる。


「反」戦争国家観に立脚する【21世紀における国民的な統一戦線】

2015-07-30 00:45:55 | 社会・政治思想・歴史
統一と野合、共闘と分裂
~「反」戦争国家観に立脚する【21世紀における国民的な統一戦線】~
         櫻井 智志
 国会では、日本共産党が民主党や生活の党と共闘し、衆議院での審議に臨んだ。
民主党という政党については、私は支持していない。けれど、自公巨大与党の暴走と対決する上でこの民共共闘は実りあるものだった。
 国会の外でも、福島原発事故以来、東京の代々木公園や明治公園での社民党や緑の党などと共産党が示した闘争形態は二重の意義をもつ。ひとつは、政党共闘であり、もうひとつは反原連などの市民団体との共闘の取り組み方である。いずれも国民的共同として見事な取り組み方だった。
 沖縄県でのオール沖縄や森県知事選挙をはじめ統一地方選挙でいくつかの首長選でも、共闘の布陣を敷いた。今後の岩手知事選などでも反自公の生活の党や市民との共闘の模索が見られる。
 そういった日本共産党の政治変革に臨む姿勢は、日本共産党への信頼を増し、日本共産党単独でも群馬県知事選での共産党推薦候補あるいは社共統一候補の得票率で戦後最大の得票率という結果となってあらわれている。民主新自由主義派候補VS自公候補VS民主県政の会・日本共産党推薦候補の実質的に三つ巴の埼玉県知事選も8月9日投票日に県民の審判を仰ぐ。私はかなりの得票率獲得を期待しているとともに候補者と陣営、支持者の盛り上がりから県民の高い支持を得ると予想している。
 戦後に兵庫県では全政党相乗りの神戸市長選など続いた。しかし、市政の問題点から日本共産党は全野党路線から、節目ある確かな政治路線を貫くために独自候補擁立を模索した。京都市長選にも立候補したことのある広原盛明元京都大学総長や神戸の教職員組合の牽引車でもあった佐藤三郎氏らがとり組んでいる「護憲円卓会議ひょうご」には、しんぶん赤旗紙上でも今までにやりとりがあったことを私は知らないわけではない。それでも護憲円卓会議ひょうごを支持していることには理由がある。
①戦後の神戸市政の変遷と民衆運動の考察
②広原盛明氏の京都市長選のインターネットによる「京都市長選勝手連」運動の取り組み
③日本共産党は決して独善的政党ではなく、全国各地で庶民の立場に立つ共闘を組んでおり、兵庫県や神戸市の独自の経過がある
以上の3点である。
日本共産党と市民団体のやりとりでは、インターネット「さざ波通信」や文芸季刊誌「葦牙」同人のケースがある。民主文学の会(前身民主主義文学同盟)には、「葦牙」の編集長牧梶郎氏が再入会するなど独自の動きがある。「さざ波通信」も、私は執筆投稿と批判を経て文章修行をさせていただいたと思っている。「葦牙」には私は今もスタンスとしての共感はある。「さざ波通信」は編集部にはお世話になったという感謝の気持ちをもっているが、現在の投稿文章を更新されるたびに読んでいるが、「さざ波通信」創立の初心とはかけ離れた記事を読み、疑問を覚えている。
 私は市民運動、政党政治、文化運動において、現在の日本共産党の具体的課題に即応した対応を支持する者である。何度も「無党派民主主義に立つ容共派の統一戦線志向」という私のスタンスはいまも同じである。著作『座標』では、国民統一戦線について三層構造を述べた。
①大工業の組織的過程としての「民主」集中制(官僚集中制ではない)に立脚する日本共産党
②護憲リベラル政党の「円卓の論理」に拠る共闘
③良心的保守層
この三者がともに互いの立場を尊重した国民的規模の共闘組織をくむ。
それは日本共産党が1960年代後半から主張している「民主連合政府」となることも否定はしない。
ただ、市民運動や市民団体、シールズや反原連のような新たな運動体を視野に入れると、政党の共闘次元からの構想ではなく、政党、団体、個人が「反」戦争国家観に立脚する【21世紀における国民的な統一戦線】の結成樹立である。
いまは抽象的言辞ではなく、安倍自公政権の暴走を阻止する国民的運動が大切である。安倍自公政権にかわる「反軍国主義」政権の樹立は、国民的運動の合意のなかからその母体が雄大な姿を現すことだろう。
喫緊の課題は、参院国会での戦争法制法案の廃案をめざす広範な国民的結集であろう。(2015/07/29 2:28AM)