【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

毎週土曜日夕方のTBS『報道特集』は稀有な勇気ある番組だ

2015-07-25 19:01:52 | 社会・政治思想・歴史

                 櫻井  智志



櫻井智志 @satoshitoday 24分24分前
@tbs_houtoku 自民党の総理や最高顧問を歴任した元軍人中曽根康弘は、慰安所をつくってアジア女性を陵辱した人間なのだ。このような卑劣で非人間的な政治家が戦後日本に君臨してきた。当時の軍人は「公衆便所」と発言する。差別の極限。口先だけの非人間的日本軍人は血まみれの殺戮者だ。





櫻井智志 @satoshitoday 39分39分前
@tbs_houtoku 日本軍兵士による外国人女性強姦の連続と慰安所。13才の少女を陵辱して進軍した日本兵。金平キャスターの「もう質問をしたくありません」という苦渋と介添え女性の「もう質問すべきでありません」という助言。例外でなく外国のあちこちで繰り広げられた女性への人間破壊。




櫻井智志 @satoshitoday 47分47分前
@tbs_houtoku 全学連でも全共闘でもなく、シールズ。今時の若者は、なかなか頼もしい。戦争法案反対を燎原の火のように広げているもの。これこそ戦後の平和憲法や民主主義がになってきたものの開花だろう。倒されても弾圧されても、しぶとい闘いこそレジスタンスの日本的展開と思う。

岩手県知事選挙に反自公の統一候補を擁立する意義

2015-07-19 18:27:16 | 社会・政治思想・歴史
                  櫻井智志
 9月6日に岩手県知事選が行われる。
現職の現在2期目の達増拓也知事(50)と、4月14日に元復興担当大臣の平野達男参院議員(60)が9月の岩手県知事選への出馬を表明している。いわば゜現在自公候補と小沢一郎氏直系の達増知事とが明確に立候補する。
 それだけではない。平野参院議員が辞職したために、参院に欠員ができ、10月には岩手県参院補選が行われる。

 国会では、衆議院に3分の2を占める自民党・公明党によって、戦争法案が強硬な採決をおこなった。参院で法案が通過されたら、日本の議会制民主主義と憲法法制は瓦解しかねない。
 安倍総理は、衆院強行採決により国民の怒りが、安倍政権の支持率と不支持率が逆転したことに驚いた。たえず国民の動向をキャッチしてはその対応策を講じてきた。内閣支持率に過敏な総理であることは、マスコミ人にはよく知られている。それが東京五輪のメインスタジアムの計画白紙撤回の支持となった。全く別の分野だが、安倍にはそれはわからない。たえず動物的な直感で支持率の動向に対応してきた。それがフジテレビ「笑っていいとも」への出演や日比谷野音の南こうせつが中心となりおこなわれたコンサートに飛び込み、ステージにあがり「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌った。支持率をあげるためなら、数ヶ月前に計画実施と国会で公言した五輪スタジアムのゼロベースの計画見なしと、平気で謝罪もなく責任の所在もなく言える政治家なのだ。二つの選挙に自公候補が勝ったら、安倍暴走は安倍狂気の独走へと変質する。

 国民の支持率低下に脅える安倍総理が、9月の知事選、10月の参院岩手補選に万全の対策を講じないはずがない。国民の側からすれば、この二つの選挙は、憲法解釈改憲を進ませていく安倍自公政権に、「敗北」の結果を突きつける絶好の好機である。

 その際に、昨年の沖縄県知事選での「オール沖縄」の体験や、今年に、森県知事選や群馬県知事選での共社系列の候補が史上最高の得票率を獲得したことは貴重な財産である。これらの体験を踏まえたものならば、具体的な形態は様々なケースが想定されよう。
 ここでは私の試案を提示する。

①岩手県知事選
 オール沖縄や戦争法案国会で、日本共産党と生活の党とは共闘の経緯がある。しっかりとした政策の検討をもとに、小沢一郎氏直系の現職知事候補と共闘する。あくまで達増候補の確認団体を尊重し、場合によってはブリッジ共闘として、達増候補と日本共産党との提携というパターンもあろう。社民党や生活の党、新党改革、新党大地など共闘しうる政党の共闘というケースもあろう。

 小沢一郎氏と志位和夫氏とが岩手県知事選をテーマに胸襟を開き対話することから始まろう。

②東北各県の共闘ルネッサンスの樹立を
 福島県知事選で出馬した「オール福島」の熊坂義裕知事候補、森県知事選で健闘した大竹進候補、最近では北関東の群馬県知事選挙で大竹候補同様に史上最高の得票率を得た萩原貞夫候補。ほかにも東北近辺で賛同する知事候補たちが、東北をひとつのエリアとして、東北再建と復興の民衆の立場で岩手県知事候補を支援する全面的組織的な支援体制を敷くことだ。


③岩手県知事選の構図を踏まえての話となるが-参院岩手補選
 これは国政なので、今は無責任な思いつきは言わない。ただ最低の一点は、自民公明与党の独裁政治に抵抗する野党が中心になる。生活の党候補や日本共産党候補を軸に、知事選の取り組みと結果をふまえた効果的な対応が求められる。

群馬県知事選立候補確認団体「憲法をくらしに生かす県政の会」ホームページへの投稿

2015-06-29 20:52:25 | 社会・政治思想・歴史
群馬県知事選と県議選との類推
              櫻井智志

 党派別得票を分析したいと思った。その取りかかりが①である。

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①前回・群馬県知事選挙(2011年7月3日投票)について
                     


392504票 大沢 正明 65 男 無所属 現 群馬県知事 67.36%
148790票 後藤 新  50 男 無所属 新 元県議 25.60%
33355票 小菅 啓司 60 男 共産 新 政党役員    5.74%
6515票 海老根 篤 64 男 無所属 新 賃貸業 1.12%
得票総数581154票
前回の知事は、67%台。共産党候補は6%弱。
十倍の票数。
日本共産党と社民党以外は現職につく。
どれだけ安倍政権批判票が出るかわからないが、投票日前日まで、豊富な政治の実態を県民にあきらかにすることから始まる。

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 しかし、資料蒐集の限界から投票率の分析に取りかかった。それが②てある。


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②群馬県議会議員選挙(平成23年4月10日)執行投票結果

これは県の統計からまなんだ。
「県全体の投票者数は686,240人で、投票率は49.08%でした。
前回(平成19年)との比較では、6.43ポイント減でした。」

 各地域別にどれだけ今年の統一地方選で投票しているか。議会選挙のないところが空白となり残念である。



投票者数・投票率一覧
        投票率(%)
       男   女     計
前橋市   45.10  44.90    45.00
高崎市   49.52  50.63    50.09
桐生市   45.15  44.50    44.81
伊勢崎市  41.67  42.42    42.05
太田市   46.94  48.49    47.71
沼田市   57.55  58.19    57.89
館林市   45.28  45.90    45.59
渋川市   54.84  56.15    55.52
藤岡市   56.58  59.16    57.90
上野村   82.94  79.08   80.98
神流町   84.99 81.32 83.03
多野郡計  84.26 80.57 82.33
藤岡多野計 58.18 60.45 59.34
富岡市   58.16  59.15    58.66
安中市    (無投票)
みどり市  39.60  38.77     39.18
北群馬郡榛東村(無投票)
吉岡町
郡計
甘楽下仁田町(無投票)
南牧村
甘楽町
郡計

吾妻郡
中之条町 68.10 66.91 67.48
長野原町 59.03 58.10 58.56
嬬恋村 55.75 54.15 54.94
草津町 58.55 59.79 59.18
高山村 64.65 64.10 64.37
東吾妻町 67.75 67.11 67.42
郡計 63.69 63.02 63.34

利根郡
片品村 83.03 82.41 82.71
川場村 75.48 74.42 74.93
昭和村 64.37 64.52 64.45
みなかみ町67.20 67.78 67.51
郡計 69.53 69.74 69.64

佐波郡
玉村(無投票)
郡計
邑楽郡
板倉町(無投票)
明和町
千代田町
大泉町
邑楽町
郡計

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市部計
投票率(%)   男   47.57   女  48.28   計   47.93
選挙当日有権者数 男 640,880人  女 670,594人  計  1,311,474人
投票者数      男 1,311,474人  女 1,311,474人 計  323,745人
未投票者・棄権者数 男 336,004人  女  346,849人 計   682,853人

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郡部計
投票率(%)   男   66.63    女  66.21   計    66.41
選挙当日有権者数 男 42,116人   女 44,646人   計  86,762人
投票者数      男 28,060人   女 29,559人  計   57,619人
未投票者・棄権者数 男 14,056人   女 15,087人  計   29,143人

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県計
投票率(%)   男  48.75   女  49.40   計   49.08
選挙当日有権者数 男 682,996人  女 715,240人 計  1,398,236人
投票者数      男 332,936人  女 353,304人 計   686,240人
未投票者・棄権者数 男 350,060人  女 361,936人 計   711,996人

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 得票の傾向を知る前提として、別個に記したデータを重複するが掲載する。

③群馬県選挙投票率の推移

Ⅰ 県知事選
2015 群馬県知事選挙 -   ?%
2011 群馬県知事選挙   36.62%
2007 群馬県知事選挙 53.41%
2003 群馬県知事選挙 37.41%
1999 群馬県知事選挙 40.15%

Ⅱ 県議会選挙
2015 群馬県議会議員選挙 45.14%
2011 群馬県議会議員選挙 49.08%
2007 群馬県議会議員選挙 55.51%
2003 群馬県議会議員選挙 56.93%
1999 群馬県議会議員選挙 60.73%

Ⅲ 県議会補欠選挙
2014 群馬県議会議員補欠選挙 無投票
2009 群馬県議会議員補欠選挙 33.28%
2006 群馬県議会議員補欠選挙 無投票
2006 群馬県議会議員補欠選挙 74.18%
2005 群馬県議会議員補欠選挙 26.21%
2002 群馬県議会議員補欠選挙 46.06%

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 以上の雑多な数字からなんらかの参考になればと願う。
群馬県民の皆さん、
ご健闘を祈ります。
(了)


政局における群馬知事選の意義

2015-06-19 19:30:19 | 社会・政治思想・歴史
政局における群馬県知事選の意義
                      櫻井智志

 7月5日に投票される群馬県知事選挙は、ひとつ群馬県だけに限定された選挙ではない。来年の参院選までに、なんと今年のはやいうちに安倍政権は、戦争法案の成立と自衛隊の海外出兵までをも狙っている。

 それが停滞しているのは、持続的な政治運動を政党と市民団体が阻止を唱え続けさらに官邸前や全国各地で戦争法案ストップのこえが全国に席巻しているからだ。

 その点で、大きなうねりとなって戦争国家づくりを驀進していた安倍政治にかげりが見えている。しかし、安倍総理に自信を持たせているのは、アメリカの軍産複合体をバックボーンとしたネオコンとその手配下の政治家たちの強力な権力である。

 自治体選挙であっても、国民の政治意識を反映させる選挙は、ひとつひとつが直接的に国会の反軍国主義か好戦主義かの趨勢に影響する。
 
 先日おこなわれた森県知事選挙では、自公推薦の現職に、共産党、社民党、山本太郎氏、民主党有志が医師の大竹進氏を応援し、その得票率は社共ないし共産党の候補の得票率の最高を記録した。
 勝ったか負けたか、だけではない。どのように勝ったか、どのような負けかたか。その過程に重要な視点が必要である。
 大竹候補は選挙後に早速医師の仕事に戻りつつも、過疎地の医療について実地におもむき、自らの政治的展望を堂々と展開している。

 森県の大竹進候補を支援したあおもり県民のように、今回の群馬県知事選で、
「ぐんまルネッサンス」を目指して、県民と日本共産党代議士と共産党中央の政治的力量をも問われている。ことばの飾りではなく、極めて重大な選挙戦となることは間違いない。

森県外の素人が2015青森県知事選挙結果にアプローチする

2015-06-09 20:42:07 | 社会・政治思想・歴史
森県外の素人が2015青森県知事選挙結果にアプローチする

櫻井智志(フェィスブック『国民的共同をめざして』主宰)

Ⅰ 過去最高の得票率を森県民から獲得した大竹進候補

 戦後の公選制になってから、日本共産党または社共の推薦のある県知事選は、数えることができる。

第2回1950年投票率63.04%当選津島文治
共産党 大沢喜代一  辞退

第4回1956年投票率65.58%当選山崎岩男
共産党 大沢久明 得票率8.28%3人立候補第3位

第7回1967年投票率57.68%当選竹内俊吉
共産党  沢田半右衛門 6.14%3人立候補第3位

第9回1975年投票率54.04%当選竹内俊吉
共産党  須藤昭四郎 12.14%3人立候補第3位

第10回1979年投票率49.57%当選北村正哉
共産党  木村昭四郎 26.23%2人立候補第2位

第11回1983年投票率53.83%当選北村正哉
共産党  沢田半右衛門  8.40%3人立候補第3位

第12回1987年投票率48.30%当選北村正哉
共産党  沢谷忠則    7.12%3人立候補第3位

第16回2003年投票率49.68%当選木村守男
共産・社民推薦 平野良一 5.98%4人立候補第3位

第17回2003年 辞職に伴う同年選挙 投票率52.46%当選三村申吾
三村申吾 自民公明保守新推薦   48.30% 296828票
横山北斗 民主自由社民無所会推薦 45.01% 276592票
柏谷弘陽 無所属          3.53%  21709票
高柳博明 共産           3.16%  19423票

第18回2007年投票率38.45%当選三村申吾
共産党  堀幸光    10.99%3人立候補第2位

第19回2011年投票率41.52%当選三村申吾
共産党  吉俣洋     7.68%3人立候補第3位

第20回2015年投票率43.85%当選三村申吾
共産・社民推薦 大竹進 26.38%2人立候補第2位


 今までの選挙で無所属と記した中に革新統一などのケースもあるかも知れない。それでも、戦後の公選制になってから、日本共産党ないしは社民党との共同推薦の候補者の中で、歴代の獲得投票率のなかで、
 8.28%
 6.14%
12.14%
26.23%
 8.40%
 7.12%
 5.98%
 3.16%
10.99%
 7.68%
の過去の10回と比べて、大竹候補の26.38%は1979年の史上トップの木村昭四郎候補の26.23%を抜いて得票率第一位の得票率である。
 木村氏の時は投票率49.57%で今回の43.85%を超えている。そのため得票数自体は、木村氏が134597票に対して、127525票である。
 このことは、今回の選挙結果の最大の特色である。


Ⅱ 多くの賛同を得た大竹候補

 沖縄県知事翁長雄志氏をはじめ、自治体の首長、小池晃さん・阿部知子さん・山本太郎さんらの国会議員、医師会の関係医師らの激励が相次ぎ、実質的には現職を応援した自主投票の民主党からも有田芳生氏らの檄文など支持が寄せられた。弁護士にして、数多くの平和市民運動の旗手海渡弁護士の応援も力強いものがあった。
 それらを大竹陣営では、「進め!ドクター大竹の会」が組織され力強い支援がなされた。「進め!ドクター大竹の会(津軽)」も結成されてともに支援に力を注いだ。
 大竹進公式サイトも含めて、インターネットを駆使して様々な工夫をこらしていた。しかもそれが長続きする持続性をもっていて、このことが運動を拡散する上でも役に立っていた。日本共産党志位和夫委員長は、統一地方選挙の渦中で、ツイッター、ライン。ブログ、フェィスブックなどのSNSの効果的な利用は予想以上の力を発揮して、公式談話でその創意的工夫をよびかけた。
 大竹進公式サイトや「進め!ドクター大竹の会」はそのことを実践し、選挙が終わってもきちんと後の措置に柔軟な心配りをおこなっており、このような関係者の実践は、青森県の今後の参院選をはじめ各種の選挙に良い影響を与えると感じた。

Ⅲ いくつかの気になった点

 神奈川県から、親戚はいるが青森県の実態も知らぬ小生の見当違いをご寛恕いただきたい。箇条書きで今度は疑問点のみを記す。

①青森県選出の国会議員の応援がほしかった。国会審議中でなかなか手が回らないと思うが、最初のスタートのときだけで、中盤、終盤での力添えがいる。メールやメッセージひとつでもよいので、地元選出の国会議員は、森の顔を決める決戦への自覚が少しだけ薄い。

②選挙中に、日本共産党青森県委員会と東奥委員会と二つのホームページを見比べた。県委員会のホームページは、選挙に関心がある者なら必ずまず最初に見る。田母神悟氏が委員長の「日本共産党神奈川県委員会」のホームページ、ツイッター、フェイスフックの中で、ホームページは担当者のせいか伝統かわからぬが、検索してご覧になるとひとつの参考事例となろう。

③せっかく多くの支援者からの期待を集めてスタートしたので、選挙戦でそれを活かしたイベントを飾らない手のかからないものを主催して、中だるみを防ぐ手立てとしたらよかったのではあるまいか。

④「大竹進公式サイト」「進め!大竹進の会」のような有権者の声をとりいれたり、コミュニケーションを活発におこなっていたのがよかった。それを他のSNSサイトでも参考にするとよかった。



Ⅳ さいごに

 なにはともあれ、私の好きな森県民の皆様の誠実で地道な人間性に、深い感銘を受けた。当選さえ逃しても、史上最大の得票率を得たこの闘いはきわめて有力な森の武器となる。これから、昔のような社共の革新統一戦線をさらに深めた県民的規模で、保守層の多くの良心的な有権者も、同じ生活の今日的課題をかかえて、ともに共闘する基盤ができつつある。ぜひ今回の闘いを大切な財産として、県民が心を交流し、苦悩をわかちあい、今後の社会的課題にはこまめに共同の場につき、さらに明日を展望し前進していってほしい。そのことを私は大竹選対の皆さんと一度もお会いすることなく、インターネットでまなぶことができた。熱く厚く感謝もうしあげたい。生意気で勘違いなどの失礼がありましたら、ご寛恕いただけたらと願う。ありがとうございました。(了)

『平和のための第16回コンサート』と「国立感染研の安全性を考える会」

2015-05-21 11:36:46 | 社会・政治思想・歴史
『平和のための第16回コンサート』と「国立感染研の安全性を考える会」
櫻井智志


 「平和のためのコンサート」も、「国立感染研の安全性を考える会」も、哲学者芝田進午氏とゆかりの深い営みである。
「平和のためのコンサート実行委員会の起草されたコンサートの呼び掛けを紹介しよう。


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 第16回目となる「平和のためのコンサート」を今年も開催することとなりました。
2015年は戦後70年、核時代70年です。しかし、現在は「新しい戦前」とも言える状況になってしまいました。解釈改憲、集 団的自衛権行使、武器輸出解禁、沖縄県辺野古での新基地建設、原発再稼働、原発輸出。この国はどこに行こうとしているのでしょうか。私たちは平和を求めてこのコンサートを開催してきましたが、ますます平和が遠のくように思えて仕方ありません。




 今年の講演は新井秀雄さんに「バイオ時代の感染症」と題してお話していただきます。本コンサートは予研=感染研裁判支援コンサートとして出発しました。同裁判を引っ張ってこられた故芝田進午先生の遺稿集「バイオ時代と安全性の哲学」も出版され、エボラウィルスの脅威が伝えられた昨今、国立感染症研究所主任研究官であった新井秀雄さんから有意義なお話が聞けるものと思います。




 私たちは今年も平和を求めてコンサートを開催します。ぜひ、周りの方々にコンサートに足を運んでいただけるよう、声をかけて頂ければ幸いです。とりわけ、平和を継承する若い世代のかたたちにも来ていただきたいと存じます。戦争立法が不気味な現実のものとなって暴走している現在、戦争に行かされるのは若い人たちからなのです。絶対に若者たちを戦場へ行かせてはなりません。

2015年(核時代70年)
平和のためのコンサート実行委員会

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 今回の第1部講演者新井秀雄さんは、誠実な人格の持ち主であり、敬虔なクリスチャンでもある。コンサートパンフでは以下のような紹介がなされている。

新井秀雄さん

1942年静岡県生まれ。北海道大学獣医学部卒。獣医学博士。

国立感染症研究所主任研究官として百日咳、溶血連鎖球菌などの研究に従事する。長年、所内からバイオハザードの危険性を指摘し

、予研=感染研裁判では、住民側証人として法廷で証言を行う。
ドキュメンタリービデオ『科学者として』(本田孝義監督、1999年)に出演。同作は東中野BOXなど映画館で公開された。
2000年、自らの心情を綴った『科学者として』(幻冬舎刊)を出版。同書などの記述について、所内で厳重注意処分を受ける。
2001年3月、処分撤回を求めた民事訴訟を提訴、2007年敗訴確定。2003年3月末日、定年退官。
バイオハザード予防市民センター幹事。共著に『教えて!バイオハザード』(2003年、緑風出版刊)がある。



「平和のための第16回コンサート」の概要を示すと以下のようである。

日時:2015年6月2日(土)14:00開演(13:30開場)
料金:¥2,200(全席自由)
会場;牛込箪笥区民(うしごめたんすくみん)ホール
都営地下鉄大江戸線 牛込神楽坂駅A1出口 徒歩0分
東京メトロ東西線 神楽坂駅2番出口 徒歩10分


第一部〜講演〜

新井秀雄さん  バイオ時代の感染症




第二部〜コンサート〜

重唱       アンサンブル・ローゼ(ピアノ:末廣和史)
         ♪マリアの子もり歌/レーガー作曲
         ♪サンタ・ルチア/ナポリ民謡
         ♪セレナーデ/トスティ 作曲         他
          ソプラノ   :高橋順子  渡辺裕子
          メゾ・ソプラノ:高橋邦子  芝田貞子
          アルト    :嶋田美佐子

チェロ独奏    佐藤智孝(ピアノ:八木宏子)
         ♪白鳥/サンサーンス作曲           他

ビアノ独奏    児玉さや佳
         ♪ノクターン 変ホ長調Op.9 No.2/ショパン 作曲
         ♪ピアノ即興演奏

マリンバ独奏   水野与旨久(ピアノ:水野喜子)
         ♪組曲「グランド・キャニオン」より 山道を行く/グローフェ作曲
         ♪オペラ「タンホイザー」より 夕星の歌/ワーグナー作曲
         ♪タンゴ エルチョクロ/ビジョン作曲

会場の皆様とご一緒に
         ♪「青い空は」/小森香子作詞・大西進作曲

司会  長岡幸子さん

主催 平和のためのコンサート実行委員会

お問い合わせ  TEL&FAX 03−3209−9666 芝田様方


後援  アンサンブル・ローゼ/ノーモア・ヒロシマ・コンサート
    ストップ・ザ・バイオハザード国立感染症研究所の安全性を考える会
    バイオハザード予防市民センター

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◆芝田進午遺稿集『バイオ時代と安全性の哲学〜予研=感染研裁判と再移転要求運動〜』について



 このコンサートを後援する「国立感染研の安全性を考える会」は、同時に芝田進午遺稿集『バイオ時代と安全性の哲学〜予研=感染研裁判と再移転要求運動〜』を出版した実質的な編集主体でもある。



 芝田進午遺稿集『バイオ時代と安全性の哲学〜予研=感染研裁判と再移転要求運動〜』。この本は復刻版や再版ではない。2015年3月14日に桐書房から刊行された新刊である。(定価は、本体価格1850円+税)2001年3月14日に、予研=感染研裁判の原告団代表として、理論的実践的に文字通り先頭になって闘われた芝田進午氏は、胆管がんのためにご逝去された。本書によると、この3月14日はマルクスの命日でもあるのだそうだ。

 

 3月14日に出版されたこの本を、芝田進午氏の奥様芝田貞子さんから贈呈していただいて、私はとてもうれしくとても驚いた。
この本は、芝田進午氏の、公開されていないが、感染研裁判闘争の過程で折々に執筆された重要論文をよく整理して構成された遺稿集となっている。なによりも、予研=感染研裁判が最高裁まで闘われて、その後も「国立感染研裁判所の安全性を考える会」として再スタートした集団的主体について、私は全く認識を新たにした。会長の鈴木武仁氏は、本書の「はじめに」に以下の丁寧で理解しやすいそれ自体が問題提起の論文とも言える文章を執筆されている。なおそれまで会の事務局長として重責を担われた田頭盛生さんが都心から西東京市に転居なさり実務処理上に一定の不便をきたすため、この会を芝田進午氏の生前から運動に同伴しつづけた芝田貞子さんが、「国立感染研の安全性を考える会」の事務局長を引き受けられている。田頭氏自身は法政大学の芝田ゼミ以来一貫して芝田先生の学問と実践を継承し、今も一員として活躍なされていることにはなんら変わりない。


======芝田進午遺稿集『バイオ時代と安全性の哲学〜予研=感染研裁判と再移転要求運動〜』


「はじめに」引用 *原文の通り掲載==============


 予研=感染研再移転の裁判闘争を推進した芝田進午(一九三〇〜二〇〇一年)は、「人類生存の哲学」を体験的に構築し主張した社会科学者であった。それはアメリカ独立宣言に結集する民主主義思想を一つの柱として、東欧社会主義の限界を克服する思索の構築であった。思索はそれだけにとどまらずさらに視野を広げ、原爆による大量殺戮の現実を直視した「人類生存の哲学」へと発展していった。


 彼は若き日、『人間性と人格の理論』を執筆し、労働の技術的過程と組織過程において人間の発達過程から疎外化された人権をいかに回復するのかに関心をもった。その後、文通を続けていたクエーカー派のキリスト者アリス・ハーズのベトナム戦争への焼身抗議を通し 、知行合一の重大性に目覚め実践者として生きる覚悟をもった。それは『われ炎となりて−ベトナム戦争に焼身自殺したアリス・ハーズ夫人の感動書簡集』(編訳)となって六六年に上梓。翌年、法政大学社会学部教授になり、ベトナムへ戦争犯罪の実態調査に行き、『ベトナムと思想の課題』、ジョン・サマヴイル『現代の哲学と政治』(編訳)を出版し、三九歳で『ベトナム日記−アメリカの戦争犯罪を追って』、アリス・ハーズ『ある平和主義者の思想』(編訳)を出版した。一九七六年に広島大学総合科学部教授になり、六二歳で退職するまで「ノーモア・ヒロシマ・コンサート」運動を立ち上げ反核芸術を主張した。



 一九八七年、五六歳から予研=感染研裁判闘争に関わり、一九八八年『生命を守る方法−バイオ時代の人間の権利』、一九九〇年『論争 生物災害を防ぐ方法−バイオ時代の人間の権利Ⅱ』、一九九三年『バイオ裁判−バイオ時代の人権と予研裁判』(編著)を出版し、裁判闘争を組織する中心となって活躍した。



 彼は常に物事を深く洞察し、その本質を鋭く見抜く目をもっていた。ただ単に観察するだけではなく、人間に付与された本質が永遠の平和と生命の復権の闘いへと彼自身を導いていった。それは必然的に「安全性の哲学」の構築へと発展した。同氏の理論的実践的展望から、その諸著作や発言は、〈未来〉のためになすべき課題を投げかけていた。いつか襲来すべき感染症の猛威のバイオテロの攻撃は今や現実化し、想定外の話ではなくなっている。



 バイオハザード(生物災害)は、病原体微生物の存在、それに呼応し、感受する個体および集団の存在、および感染経路の存在が複合的に関連し合って発生するものだが、そのどれかを根絶または遮断・制圧する技術により安全が維持される。西アフリカで発生したエボラ出血熱の脅威は間もなく終息するであろうが、さらなる微生物の脅威が襲ってくることは想定できる。しかし課題はそれだけではない。このバイオハザード対策が生物兵器開発の研究へと転化することへの危険である。国立感染症研究所はその創設期には旧陸軍の七三一部隊と密接な関係を維持し、彼らは生物兵器の開発と使用に積極的であった。そのときの人脈的・思想的流れが今でも断ち切れているとは言いがたい。このような意味で、芝田のめざした「安全性の哲学」には二つの意義があった。


 第一は公衆衛生上の問題であり、第二には世界平和を守るためにも戦争のための兵器の開発を許さないという問題である。このような観点から、芝田進午に率いられた予研=感染研との裁判闘争は最高裁まで進展した。


 ここに芝田の課題とした思想を論じたものを収録できることはうれしい限りである。この二つの課題を私たちもまた追究し、共有していきたいと願うものである。

   国立感染症研究所の安全性を考える会・会長
                   鈴木武仁

===============引用終了=====================

 本著の構成は以下のとおりである。

はじめに (国立感染症研究所の安全性を考える会・会長  鈴木武仁さん)

序文  「安全性の哲学」をめざして
第Ⅰ部  生命の哲学的考察と人権論
第Ⅱ部  予研=感染研裁判を闘う
第Ⅲ部  バイオハザード防止に向けて
第Ⅳ部  近代市民社会の二つの法的原理

あとがき    (編集責任者  長島功さん)

=================================


 私は芝田先生の論文自体にも強く惹かれるが、同時に戸坂潤が提起した「集団的主体」として有機的な理論的実践的な「国立感染症研究所の安全性を考える会」に今回遅まきながら、深く感銘を受けた。この会では、年三回、『ストップ・ザ・バイオハザード/国立感染研の安全性を考える会ニュース』も、「予研=感染研再移転要求ニュース」から引き続きなんと通算100号をA4版八ページ立てのタブロイド版の冊子として今日を迎えている。

 「一粒の麦もし地に落ちて、死なずば唯一にてあらん。死なば多くの実を結ぶべし。」
吉野源三郎氏は、「一粒の麦」(『世界』一九七三年五月号初出/『同時代のこと』岩波新書一九七四年初版所収)で訴えている。

この言葉は、芝田進午氏がご逝去されても止むことのない実践的主体「国立感染症研究所の安全性を考える会」が実現しさらに継承を現実化している事実にも実に相応しい言葉である。




 「国立感染症の安全性を考える会」は、生前の芝田進午さんとともに闘い、芝田進午さんの死後は、芝田進午・貞子夫妻が開催しつづけた「ノーモア・ヒロシマ・コンサート」「平和のためのコンサート」を後援し支え続けた。さらに、芝田進午さんの遺稿集を出版することで、名実ともに芝田進午さんの遺志を継承して実践しつづけている芝田貞子さんの闘争をともに担う団体である。

 歴史修正主義・軍事大国主義を暴走する政府のもとで、日本社会は閉塞した情勢にあるが、安倍=橋下改憲連合を、沖縄の「オール沖縄」という先駆者と同様に日本共産党から自民党大阪府連まで「オール大阪」とそれを支持する日本国民は、見事に打破し、「大阪市解体」投票は頓挫した。

 引き続き続く危険な社会情勢に、「国立感染症の安全性を考える会」は、バイオハザードを専門的に研究し運動する主体として、見事な抵抗主体として実践しつづけている。

 戦前に、戸坂潤が創設した唯物論研究会は、見事な集団的主体として、過酷な侵略戦争国内での言論弾圧と闘い続けた。
1945年に侵略戦争が終わり、2015年は戦後70年に及ぶ。唯物論研究会は唯物論研究協会(全国唯研)として唯物論の哲学的研究に取り組み続けている。けれども、戸坂潤はまず反動政治との闘いから離れた訓詁学にとどまってはいなかった。芝田進午さんも、「現実という書物」「世間という書物」を読解することを重視した。芝田さんの遺志をつぐ「国立感染症の安全性を考える会」は、集団的主体として、コンサートや出版事業などもこなしつつ、クラシックの声楽家である芝田貞子さんとともに、「人類生存思想の哲学者にして平和運動家」であられた芝田進午先生の最も的確で最も重要な継承者として、実践されている。

小林多喜二と市田忠義の『党生活者』

2015-03-15 23:00:07 | 社会・政治思想・歴史
 小林多喜二と市田忠義の『党生活者』
櫻井智志




■市田忠義さんの「共産主義的人間像」に感銘

 一時老齢化がすすみ、青年層が減少し続ける日本共産党に党外の支持者からも危機感が募った。それがうそのように、東京都の吉良佳子さんや池内さおりさん、大阪の辰巳孝太郎さんなど溌剌とした青年層が国会議員に当選している。
 ただ何か私には気になることがあった。原子物理学の専門家吉井英勝さん、国会質問で私が私的に感嘆した議員、名前が思いだせないが、それらの方々の議員引退発表に驚いた。今回の市田さんの引退にも驚きを感じた。
  しかし、市田忠義さんの自らのお考えをブログで読み、疑問は一応解決するとともに、さらにそれ以上の感銘を受けた。党の先頭に立つ指導部の志位和夫委員長、山下芳生書記局長、小池晃副委員長らは、私心なく実に明快で実行力のある指導者であることを前提として、述べたい。
 私が市田忠義さんの文章から感じたものは、まさに学生時代一、二年の時に読んだ小林多喜二の小説に感じたと同質の感触といえる。私は映画『小林多喜二』も見た。映画は、いまひとつ焦点化されていない気持ちが残ったが、ロシア革命からソ連共産党解党にいたるまでの同世代に、理知と無償の献身に徹した共産主義者たちを、私は決して否定的には思わない。同時代に精一杯時代と向き合った共産党員たちの生き方に、人間である以上完璧などあり得ないけれど、深く敬意を表したい。
 市田忠義さんの演説は、奇をてらったり修辞をちりばめた演説とは異なる。演説の内容そのものが市田さんの腹の底から聴衆の胸に響いてくる。その実直な誠実さに、市田さんが生きてきた日本共産党員としての生き方そのものが滲みでている。
 市田さんが演説されたのを聞いたのは、神奈川県の国会議員選挙応援の時だった。動画でも視聴した。議員を引退されるのには、さまざまな事情があるのだろう。それよりも、このような民主主義を体得している人物が、日本共産党の党員であるという事実が、どれだけ日本共産党にとって有益であり、その真価を広く世間に知らしめていることだろう。
 長くなった。市田忠義さんご自身の文章をぜひお読みいただきたい。

■市田忠義さんのブログから
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参議院比例候補の発表

昨日の山下芳生書記局長の記者会見で、来夏の参議院選挙・比例代表候補7人が発表されました。九州・沖縄を中心的な活動地域とするもう一名もまもなく発表されます。現職、元衆議院議員、元地方議員、若手の党幹部など多士済々です。
私は今期をもって勇退することになりました。選挙時には73歳、もう一期となれば79歳になります。長い間のご支援ご協力にここらから感謝申し上げます。任期いっぱい全力をあげて頑張ります。身体はいたって元気です。議員は勇退しても、次期党大会までは副委員長の任務もあります。私たちの世界に引退はありません。どんな部署にあっても初心を忘れず社会変革とそのための党作りに力を尽くすのが日本共産党員の生き方だと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。米子遊説のため、いま羽田です。明日は千葉・市川、明後日は、NHK日曜討論の後、藤沢、一日置いて長野。まだまだバリバリ頑張ります。

 来夏で私は議員を辞める。十分なことをやって来れなかったので、申し訳ない気でいっぱいだ。ただ誰もがそうであるように、我々は、議員になりたいために日本共産党員になったわけではない。
 「国民が主人公」の新しい日本をつくる、搾取も抑圧も戦争もない、真に平等で自由な共同社会を作ろうと決意して、入党した。党はオーケストラのようなもの。指揮者だけではいい音は出ない。ヴァイオリンがあり、ビオラ、チェロ、コントラバス、オオボエ、クラリネット、シンバル……等々、様々な楽器があってこそいいハーモニーが奏でられる。部署は違っても、みんな大事な役割をになっているのだ。議員もいれば、党の専従職員として、選挙、政策、宣伝、党建設、財政、の任務を分担する人もいる。職場で仕事をしながら、あるいは、医者、弁護士をしながらその分野でみんなの信頼を得つつ、党の影響力を広げているという人もいる。
文化や学術の分野で頑張る人もいる。
 それらの全てが意味を持っている。貴重な宝のような任務、活動、仕事なのだ。私自身について言えば、働きながら学んだ二部学生の頃に入党した。だから学生支部の経験がある。仏教系の大学の図書館で10年近く働いていたので職場支部の活動もした。その時労組を結成し書記長をやったこともある。地区委員会、府委員会、中央委員会でも専従者として仕事をさせてもらった。そしてはからずも、全く自分には向いていない国会議員になることを要請され、1998年から参議院議員を務めている。
 どの部署にも貴賎はない。責任の重さに若干の軽重はあったとしても。だから年齢上の理由で、後進に道を譲ることになっても、これまでと気持ちに全く変化はない。どんな部署にいようと、黙々と、地の塩となって頑張る。それが共産党員の生き方だと思う。
任期いっぱい議員の任務を全うしつつ、副委員長として、一人の共産党員として、誠実に任務に励みたいと決意している。他の議員党との違いもそこにある。議員は大事だが、議員だけが全てではない。
勇退が発表されてそんなことを考えた。
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市田さんのお気持ちを生かすためにも、迫る統一地方選挙と来年の参院選で、日本共産党の大規模な前進を国民的支援で実現させたい、非党員の無党派デモクラット、統一戦線志向派の私でさえ切実に思う。

「不安倍増」『安倍』総理と本源的共同体の歌

2015-03-12 11:32:14 | 社会・政治思想・歴史
  「不安倍増」『安倍』総理と本源的共同体の歌
                      櫻井智志



孫崎享氏は、こう述べている。

「今や質は東京新聞上。読売・朝日記者は自社紙が部数だけ多い「安倍首相御用新聞」をどう思う」と。
同氏の2015年3月12日のメルマガでのご発言である。



孫崎氏wrote
民主主義化のマスコミの役割に、政権監視の機能があるはずだ。
 もし、その機能を果たせなくなったら、民主主義は危機に瀕する。
メルケル首相訪日の際に、「言論の自由」に言及し、「私は言論の自由は政府にとっての脅威ではないと思います。民主主義の社会で生きていれば、言論の自由というのはそこに当然加わっているものであり、そこでは自分の意見を述べることができます。法律と憲法が与えている枠組みのなかで、自由に表現することができるということです」と発言したことだ。彼女の頭の中に、「日本は今、言論の自由が脅かされている」があるのでないか。
 残念ながら、読売、そして朝日も「安倍首相御用新聞」になってしまった。
 もし、そうでないというのなら、次のような記事が今日、朝日、読売に掲載されることはあるか、問うてみたらよい。


小生wrote
孫崎氏のこの趣旨の例文が、私がフェィスブックに転載し、佐久総合病院医師の色平哲郎氏がインターネットに転載した記事と全く同一のものであることに、少なからず驚かされた。そしてうれしかった。私は転載する時に、権力からにらまれる要素となるという脅えはあった。それでも、掲載したのは、東京新聞の以下の記事はそうとう勇気を奮って記者名を入れて書いた東京新聞の記者の勇気にみならうものがあったからだった。
以下の記事である。再掲する。
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 3月11日付東京新聞「不安倍増」略して「安倍」?

人間のすることとは思えない行為を、さも平然と行う。中東や北アフリカでの過激派組織の蛮行は冷酷非道、無慈悲といった言葉しか見つからない。

 しかし、この一見平和に思える日本においても、忍び寄る不気味な不安を感じる。軍靴の音が近づいてくるような、暗い時代に向かっていく恐怖である。その正体は無論、現政権がつくり出す危うい雰囲気による。

 「決めるのは私だ」「この道しかない」などと異論を許さず、道理や機微が通じない。狡猾(こうかつ)で専制的。首相は昨年十一月の衆院解散を消費税増税先送りを問うためと言った。アベノミクスが争点とも強調した。なのに選挙の大勝が判明した途端、安保法制を含む政策全般が「国民の信を得た」と言ってのけた。

 そんな詭弁(きべん)は子どもの教育に悪いからやめてほしいが本人は本気のようだから恐ろしい。一内閣の判断で戦争への道を暴走しているかのごとくだ。このままでは国防軍になった自衛隊が他国や武装勢力と戦火を交え、血が流れる。若者らに犠牲が出る。過激派の憎悪を煽(あお)り、日本が、国民がテロの標的になる。

 3・11から四年。「汚染水はアンダーコントロール」と東京五輪招致活動で国際社会に大うそをついてからも一年半。事態は改善しないのに原発再稼働、原発セールスである。息苦しさの中で戯(ざ)れ言が聞こえた。「不安倍増」、略して「安倍」だと-。 (久原穏)

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小生wrote
 いまこうして書いてる部屋でシンガーソングライター・フォークシンガー横井久美子さんの歌が流れている。「おいで一緒に」という歌である。チリ合法的社会主義政権のアジェンデ大統領が軍部クーデターによってピノチェト将軍後の大統領に虐殺された。その頃にチリには詩人パブロ・ネルーダがいた。ネルーダが詩を書き、 ディナ・ロットが曲をつけた「山と川」を日本のフォークシンガー笠木透が訳詩した。日本では横井久美子が「おいで一緒に」と題して歌い、横井さんはなんと御自分の長期継続したミニライブら「おいで一緒に」コンサートと名付け、今年2015年の五月から再開する予定と聞く。

おいで一緒に

【作詞】パブロ・ネルーダ Pablo Neruda
【作曲】ディナ・ロッド
【訳詞】笠木 透

 私の国には 山がある
 おいで一緒に わたしたちと
 私の国には 川がある
 おいで一緒に わたしたちと

1.山にのぼるのは 悲しいから
  おいで一緒に わたしたちと
  川をくだるのは 淋しいから
  おいで一緒に わたしたちと
  
  私の国には 山がある
  おいで一緒に わたしたちと
  私の国には 川がある
  おいで一緒に わたしたちと

2.苦しみばかり 続くとも
  おいで一緒に わたしたちと
  私と同じ あなたたち
  おいで一緒に わたしたちと
   
  私の国には 山がある
  おいで一緒に わたしたちと
  私の国には 川がある
  おいで一緒に わたしたちと

3.この闘いは きびしいだろう
  けれどあなたは 行くだろう
  この生き方 きびしいだろう
  けれどあなたは 行くだろう
   
  私の国には 山がある
  おいで一緒に わたしたちと
  私の国には 川がある
  おいで一緒に わたしたちと

  おいで一緒に わたしたちと

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小生wrote

この歌に流れる共同体への人間的情感は、国家Statementへの愛国心ではなく、共同体としての「くに」Landへの愛着であり人間の本源的共同性に根ざす連帯感である。同じことは、笠木透が作詞して田口正和が作曲した「わが大地のうた」にも全く同一の連帯感に満ちている。
笠木透+我夢土下座がうたう「わが大地のうた」
https://youtu.be/3LkUp8ucl8s

 私たちは、安倍晋三閣下の暴政にカッカとせずにはおられない。けれど、私たちが草の根から滲みわたる大自然の摂理に沿って、連帯と友愛の感覚に立脚して日常を暮らすならば、必ず人間的自然の摂理に逆らって暴政を続けることを阻止しうる。国家の愛国心は人工的策略で一時的に成功することがあるかも知れない。けれど、郷土の自然が人間に喚起する連帯感は、どんなに阻止され破壊されても、再び再建される性質の人間的情感である。





イスラム国人質問題と私たちの求めるもの

2015-01-28 22:38:50 | 社会・政治思想・歴史
生きた日本国憲法の尊重こそ大事にしたい
櫻井智志


 このままで行くと、24時間の時間切れで後藤さんは極めて生命が危うい危険性がある。私は、この記事を早めに読んでいたが、なによりも後藤さんの実母石堂順子さんの気持ちを考えると、政治の論理に終始して、生きる権利を喪失させられることに匹夫の勇を奮って書いている。

ツイッター上で、日本共産党志位和夫氏は池内さおりさんに注意を促したというツイッターを知り、疑問に思ったが、さまざまな情勢から判断した志位委員長のお考えは理解できたので、書かなかった。

読者は下記の新聞記事をお読みになって何をお思いになられるだろうか。

私は「I AM  KENJI」コミュニテイに参加して、考えに考えて、この文章が「国民的共同をめざして」に違背しないかどうか迷い続けた。

しかし、現実にひとりのすぐれた日本人ジャーナリストの生命が奪われる時間が迫っていることを考慮して、書く。もしかしたら、この記事が直接の原因で「国民的共同をめざして」を閉鎖せざるを得ないかもしれない。

迷い迷いを重ねつつ、それでも個人が信ずる信念を言明することこそ、日本共産党のかたがたが、戦前戦時中に虐殺されても、反戦平和を主張した原点と考える。

===以下日刊ゲンダイweb転載===============

安倍政権に同調する野党…真っ向対峙は「生活の党」だけか

2015年1月28日


「生活の党と山本太郎となかまたち」の小沢一郎(72)と山本太郎(40)の2人が27日、揃って記者会見し、両者が共同代表に就任すると発表した。

「党名に固有名詞が入るのはいかがなものか」「シロウトの山本太郎と共同代表とは小沢も落ちたもの」などと揶揄する一部メディアもあるが、今の野党でマトモに安倍政権と対峙しているのは「生活」だけかもしれない。

 イスラム国による人質事件を受け、民主党内では「政府を後押しする姿勢を見せるべき」との声が上がり、共産党も政権批判をした議員をいさめ、発言を自粛している。安倍首相が2人の人質をほったらかしたまま中東を歴訪し、イスラム国対策に2億ドルの支援を表明した“外交ミス”をとがめることもない。

 ところが「生活」は違った。この日の会見で小沢代表は、ハッキリこう言った。
「人命救助を最優先することが大前提。しかし、事件は何が原因で起きたのか。日本はイスラム国に敵対する国を支援すると表明したのだから、敵国と認識されるのは当たり前のこと。今後、政府はどう対処するのか。米国を中心とした有志連合に参加し、集団的自衛権の行使に踏み切っていいのかどうか、国会の場でしっかりと主張していきたい。人命救助最優先を理由に声を上げない今の野党はおかしいのではないか」

 山本代表もこう気勢を上げた。
「<政府を批判している時ではない>という同調圧力が出来上がっている。(安倍政権が)これを利用して海外派兵や集団的自衛権に足を踏み入れようとしているのは明らかだ。安倍首相が日本のトップとしてふさわしいのかどうかを含め、上げるべき声は上げていかなければならない」

 野党には安倍首相の横暴にストップをかける責任がある。民主党も共産党も少しは見習った方がいい。

======転載終了======

 私は小澤一郎氏にも山本太郎氏にも批判的見地はもっている。しかし、今回の人質問題に関しては、両者の発言を否定するところはなにもない。もしも、このまま事態が進み、後藤氏が解放されても、虐殺されても、日本の政治は特定秘密法と安倍の政治手法によって、完璧な高度管理抑圧社会体制に陥っていく。安倍総理を頂点とする社会体制の許可する範囲内での批判や政党運動に縮小されたものしか認められなくなっていく。
 私は、安倍政権批判の文を書く度に、苦しい心理状態を感じ続けている。それでもいま言わなければ、手遅れになるという思いがすいぶん重なり続けてきた。それでも書くのは、胆管癌の激痛と闘いながら、生物化学兵器や細菌の住宅密集地における人間の生命の危険性を住民運動、裁判運動で戦い続けた芝田進午先生の記憶があるからだ。
 みんなが大勢参加したから後から社会運動に参加するのか。はじめは少人数でも絶対少数でも、社会的批判が必要ならば、「ノー!!」と声低く言うべきだ。

 結論が出てくるのは、もう間近だ。

その場その場で行き当たりばったりの安倍総理は日本国民を不幸のどん底に突き落とす

2015-01-23 21:14:39 | 社会・政治思想・歴史
フェイスブック【国民的共同をめざして】

その場その場で行き当たりばったりの安倍総理は日本国民を不幸のどん底に突き落とす
櫻井智志

 私は、安倍総理が中東歴訪中におこなった演説をテレビのニュースで見ていた。その言葉が、欧米諸国には心地よいものではあっても、これは危ういなあと感じた箇所がある。勇気あるリベラリスト孫崎享氏の評論を以下に掲げるのでお読みになると、なにがイスラム国の側の逆鱗に触れたのかがわかる。


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孫崎享のつぶやき
安倍首相「イスラム国の脅威を食い止めるため2億ドル」と戦う姿勢明言」。殺害なら安倍に責任
2015-01-23 08:085


今政府はやっきになって、2億ドルは人道支援目的であると宣伝している。朝日新聞など。相変わらず、政府の大本営発表をそのまま報道している。

 安倍首相が何を言ったかは、演説を見れば一目明瞭である。
 23日朝日は次のように報じている。

「政府は2億ドルは“人道目的”再三発信」
「「イスラム国」側は20日に公開した身代金要求で、日本の2億ドル支援は“我々の助成と子供を殺し、イスラム教徒の家々を破壊するためだ」等と主張した。
このためこの映像をイスラエルで見た安倍首相は、電話で菅氏に「2億ドルは人道支援だとあらゆるメディアを通じて発信してほしい」と指示した。外務省はホームページで、「2億ドルは非軍事分野での支援です」という「日本からのメッセージ」を載せた」

 では安倍首相はどのような発言をしたのか。
「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。
 イラクでは、全党派を含む、国民融和内閣による安定的な統治が絶対に必要です。日本は、そのための努力を支援し続けます。地域から暴力の芽を摘むには、たとえ時間がかかっても、民生を安定させ、中間層を育てる以外、早道はありません」

 この演説では、明確に「イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです」と述べている。

 確かに日本政府の云う様に、難民・避難民支援が主たるものである。
 しかし、今政府が行っている説明には、「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです」というフレーズが抜けている。

 今政府ははやっきになって、2億ドルは人道支援目的であると宣伝しているが、安部首相が「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです」とISIL対決姿勢を打ち出していたことには言及していない。

 更にイラクについては「イラクでは、全党派を含む、国民融和内閣による安定的な統治が絶対に必要です。日本は、そのための努力を支援し続けます。地域から暴力の芽を摘むには、たとえ時間がかかっても、民生を安定させ、中間層を育てる以外、早道はありません」とも言及している。今回の人質殺害予告は安倍首相の発言を原因としていることは明白だ。

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 念を押せば、イスラム国の様々な危険性や問題点を肯定しているわけではない。日本国の現在のありようと課題を明確にしたい。
安倍総理は、いままでの国会審議の様子でも、論理的な一貫性を欠いていることが多い。全く別の概念を修飾語でかざりながら、さらっと矛盾を自分の脳内では解決できているのであろうが、まるで矛盾そのものの答弁もある。集団的自衛権でも、消費増税でも、辺野古移転でも、どちらにでもとれるような曖昧な丁寧語が多い。「積極的平和主義」が「平和主義からの逸脱」を意味しているとは、外国の民衆には言葉だけではわからない。

 人質となっている後藤健二さんの母親石堂順子さんが日本外国特派員協会で記者会見をおこなった。
少し長いがきょうの東京新聞夕刊トップから書き写す。

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 私は石堂順子と申します。ジャーナリスト後藤健二の実の母親です。多くの外国人記者の皆さんにお集まりいただき、感謝します。日本国民・日本政府の皆さん、諸外国の皆さんに健二が大変ご迷惑をおかけしていることに心よりおわびします。私はこの三日間、ただただ悲しくて泣いていました。表現できません。健二は幼い頃から心の優しい子でした。健二はいつも「戦地の子どもたちの命を救いたい」と言っていました。中立な立場で戦争報道をしてきました。イスラム国の敵ではありません。日本は戦争をしないと憲法九条に誓った国です。七十年間戦争をしていません。日本はイスラム教諸国の敵ではなく、友好関係を保ってきました。日本は唯一の被爆国です。アメリカによる広島と長崎への原爆投下で数十万人が亡くなりました。あと遺された時間はわずかです。日本政府の皆さん、健二の命を救ってください。
「皆さまのお力で健二の命を救ってほしい」。石堂さんは涙をうかべながら、声を詰まらせて話した。
 今回の渡航について、後藤さんからは事前に知らされていなかったといい、「この三日間、ただただ悲しかった」と話した。22日に後藤さんの妻からの電話で、二週間前に子どもが生まれたばかりであること。先に拘束されていた知人の湯川遥菜さんを「何が何でも助けるために」と言って後藤さんが渡航したことなどを知ったという。
 「健二は小さいころから心の優しい子だった。いつも戦地の子どもたちの命を救いたい、と言っていた。乳飲み子を置いてまで、捕らえられた同胞、友達を救いたい、と言っていた。乳飲み子を置いてまで、捕らえられた同胞、友達を救おうと正義感を燃やしたのではないか」
 グループはビデオ声明で、安倍晋三首相がイスラム国対策で二億ドルの供与を表明したことを批判しているが、石堂さんはグループに向けて「日本は戦争をしないと憲法九条に誓った国。イスラム教諸国の敵ではなく、友好関係を保ってきた」と強調した。
 日本政府に対しては、「あと遺された時間はわずかです。健二の命を救ってください」と訴えた。これまでに、日本政府からの接触はなかったという。協会によると、会見は石堂さん側から人を介して、「世界に向けてメッセージを発信したい」との申し入れで開かれた。
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 まさに石堂順子さんの発言こそ、戦後の日本国憲法のもとで非戦平和のもとに生き抜いてきた日本国民の道義であり大義でもある。しかし、「特定秘密保護法」を強行採決して「集団的自衛権」を発動をめざし、「積極的平和主義」というデマゴギーのスローガンを掲げる安倍自公政権は、最初日本国民を戸惑わせ、ついには「日本は自らの憲法を捨て去り、軍事大国の仲間入りした」という事実が世界中にバレてしまった。
 それでも理性にのっとって、失墜発言をおこなった安倍首相の面子をもたてて、海外特派員協会で訴えた。それはまさに日本国の統治の法的倫理的規範に則ったものである。アメリカやイギリスのグループに入れば自国国民のことなど構わないというのが本音だとしたら、後藤=石堂親子の素晴らしい行為が気の毒すぎる。
 なお、私はTBSテレビのMEWS23の中心的ジャーナリストである岸井成格さんの言葉が心に残った。岸井氏はこう語った。
「日本では自己責任(論)という言い方がされていますが、慎重に使いたいものです。すべてを個人の責任ですませて社会が何も関わらないというのはどうでしょうか」(1月22日の番組中)。
 まさに後藤さんたちの人質は安倍総理と日本国民宛に向けられている。「イスラム国」の矛盾と問題とは別に、日本国民がいままで多くの先人の努力によってになわれてきた「非戦平和日本国」のくにの姿が厳しく試されている。