櫻井智志
2018年4月14日土曜日。国会議事堂前の抗議集会からいま帰宅。集まった五万人(主催者発表)の国民の安倍総理不審と懸念は、憎悪さえも伴っている。離れた場所で林立する日の丸に応援された安倍支援団体が二箇所盛大に盛り上がっていた。国会前の市民は「安倍私怨」。ごく当たり前の中村愛媛県知事の発言が際だって素晴らしく思える。もう安倍政権の実質的倒壊開始だ。
安倍総理は、自らを「現人神」のように権力を過度に盲信しているのだろうか。少なくとも国会議事堂の外は全く異なる空気だ。国民はうそを肌で見抜いている。このような総理を政治の頂点にいただくことは、日本国民が世界の嗤い者となっている。「総理は裸だ」と言える人が官邸に皆無か。
熊本地震は、原発事故の福島とは異なる普通の地震だ。大分県にも及び何度も強い余震が続いた。過去に兵庫や新潟や北海道でも大地震はあった。しかし、県民をこれほど痛め付けているのは、国土交通省など国政の明白な対応の不十分さがある。開発を豪語するより、国土保全と復興は急務だ。
熊本城も阿蘇山も九州の、日本のシンボルであり財産の一つ。会津磐梯山や猪苗代湖の美しい自然も中世から由緒ある土地だ。琉球王国は豊かな海洋貿易の国家として富んでいた。沖縄・福島・熊本。
誰かが貶めて、誰かが当然の人間的栄誉を剥奪している。私は覚えていて忘れない。東京に2020年のオリンピック・パラリンピックを誘致するための最終選考会。外国からの質問に答えた安倍内閣総理大臣は、こう言った。
《福島原発からの汚染水は、川から海に流れ出てはいない。》
なんと安倍晋三氏は、きわめて僅かな数値、1立法メートル程度の、聴いていて唖然とするような虚偽の数値を発言したのだ。開始から東京五輪は虚偽から生み出された。そして今も福島原発は1号基から4号基まであるが、今も不気味な状態で放射能は終焉していない。原発事故に従事する原発労働者は、利益が多い東京五輪工事に多くの人出が駆り出され、福島原発の労働者は経験が蓄積されずに若者が新たに取り組んでいる。
小池百合子東京都知事は、しらっとして道路に関わる東京都条例を通過させた。それは、今後の使い方によっては治安立法として、政府や権力への批判を道路や公園で行うことを封じ込める危険性があり、識者からは警戒を喚起された条例である。
東京五輪を期に、日本を全体主義国家に歪めるなら、今からでも東京五輪・パラ五輪を返上しても、福島原発や熊本地震の復興に国政の全力を注ぎ、「日本沈没」を阻止するのが、国政統治の正統性を帯びるものだ。
(写真:小生がガラケイで撮った現場のスナップです)