【現代思想とジャーナリスト精神】

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【沖縄から全国へむかう~2018・8・18報道特集~】

2018-08-18 21:41:17 | 政治・文化・社会評論


                櫻井 智志


 辺野古基地移転は、沖縄県だけの問題ではなく、日本全体の問題である。当時自民党県連幹事長の翁長雄志さんは基地問題を沖縄県民全体に覆いかぶさる苦難の課題として考えた。激烈な沖縄戦を経験した沖縄県民にとり、1972年の沖縄返還はニクソンー佐藤栄作米日トップの秘密協定により沖縄返還は空洞化した実質的な占領の延長でしかなかった。翁長さんが追求した課題は、日本の主権と民族独立の課題である。この課題は、政府が沖縄県とともに基地移転に動くのが本質としてあるべきものだろう。米軍基地問題で見えてきたものは政府と国民内部からの凄まじい差別と切り捨ての様相だ。
 自公側は早期から翁長氏への対抗馬を探していた。立候補をうかがう安里氏を制し、現役宜野湾市長擁立を決めた。反翁長側の選挙参謀格が「オール沖縄は選挙用」の発言は情けない。沖縄県民はつらさにめげず、歴史を生き抜いてきた。もう来月30日投票の選挙準備は、8月18日時点で翁長知事の後継候補者も決まっていないことからすれば、形勢は明らかに不利だ。
 沖縄県は今年統一地方選挙の年にあり、9月からも以下の選挙があり、とくに9月はなんと22の選挙がある。
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(沖縄県選挙管理委員会参照)
9月2日投票
沖縄県本部町長選挙、議会選挙は沖縄県北谷町・沖縄県名護市・沖縄県沖縄市・沖縄県宜野湾市・沖縄県南城市・沖縄県石垣市

9月9日投票
首長選挙は沖縄県伊是名村長選挙・大宜味村長選挙、議会選挙は沖縄県東村・沖縄県大宜味村・沖縄県伊江村・沖縄県読谷村・沖縄県中城村・沖縄県西原町・沖縄県南風原町・沖縄県八重瀬町・沖縄県渡名喜村

9月16日投票
沖縄県うるま市議会選挙

9月30日
沖縄県知事選・沖縄県議補選うるま市選挙区、沖縄県議補選石垣市選挙区

さらに、市長選は、下記5つの選挙がある。
豊見城市長選挙 10月14日
那覇市長選挙 10月21日
渡嘉敷村長 10月28日
恩納村長選挙 未定1月以降
嘉手納町長選挙 未定2月以降
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 突然の事態を迎えた知事選は、形勢は不利だ。けれど、それぞれの選挙を9月30日の知事選・県議選補選と収斂する選挙戦を展開すれば、「絶対に」勝てない選挙ではない。
翁長雄志氏は、「イデオロギーよりアイデンティティ」の画期的な発想の転回を提起した。それは本土ヤマトンチューの反権力側の内部抗争と主導権争いをも撃つ。
「オール沖縄」の思想は、9月知事選を超えてもなお持続されることを翁長氏は望み、沖縄県民はそれを実行してゆく。
 むしろ、沖縄から全国に継承されていくために全国の立憲野党がどれだけ協同に心を開いて闘うか否かだ。全国で「安倍総裁下自民党」を打破していけば、それは沖縄への強力な支援となって、沖縄米軍基地の日本国外退去を実現するちからとなる。