goo blog サービス終了のお知らせ 

【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

しんぶん赤旗電子版特集【2021世界は進む 正義を求めて】

2021-12-31 11:07:27 | 転載と私見
Ⅰ:2021世界は進む 正義を求めて
1⃣抵抗 香港民主派弾圧 強まっても
2021年12月31日【特集】

 香港では、自由や人権を重視する民主派への弾圧が一層強化されました。

 前年6月に施行された国家安全維持法(国安法)のもと、民主派支持を明確にしてきた香港紙「蘋果(ひんか)日報」(リンゴ日報)が停刊(6月)に追い込まれたほか、今月29日にはインターネットメディア「立場新聞」の幹部6人が逮捕されました。

 1989年の天安門事件以降、中国本土で唯一、追悼集会を組織してきた「香港市民愛国民主運動支援連合会」(支連会)も9月に解散。民主派労組の「香港職工会連盟」も10月に解散を余儀なくされました。

 3月に中国の全国人民代表大会(全人代)が改変した選挙制度のもとで12月19日に実施された香港立法会選では、ほぼ親中派が議席を占めましたが、市民は過去最低の投票率で抗議の意志を表明しました。

 24日には中文大学で学生が、ロウソクをたて天安門事件の犠牲者を追悼するなど、激しい弾圧の下でも抵抗を続けています。

2⃣2021世界は進む 正義を求めて
抵抗 ミャンマー 軍政終わるまで

2021年12月31日【特集】

 ミャンマー国軍は2月1日、アウンサンスーチー国家顧問ら、国民民主同盟(NLD)の政権幹部を拘束し、非常事態宣言を発令し、全権掌握しました。

 ミャンマー国民は、この暴挙に、各地で街頭デモを行いました。公立病院や学校で働く公務員らも「市民不服従運動(CDM)」とストライキに参加。税金の不払いや国軍関連商品の不買運動も広がりました。

 軍政は激しい弾圧で応じますが、国内での国民からの抵抗と経済・社会危機から、追い詰められています。

 民主派と国民は「軍の独裁が終わるまでたたかう」との決意を示しています。

3⃣2021世界は進む 正義を求めて
格差 ワクチン不平等 世界を荒廃

2021年12月31日【特集】

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)から2年。感染者は累計2億8千万人超、死者も約540万人超です。

 この間、先進国と途上国の「ワクチン格差」が深刻さを増しています。世界保健機関(WHO)によると、アフリカ諸国でワクチン接種を完了した人は全人口の8・6%にすぎません。一方で、先進国はオミクロン株の流行で、3回目の接種を開始しています。

 国連のグテレス事務総長は16日の記者会見で「ワクチンの不平等によって変異ウイルスが猛威を振るい世界の人々の健康と経済を荒廃させている」と指摘。「ワクチン格差」の是正に世界が取り組むよう訴えました。


4⃣2021世界は進む 正義を求めて
権利 労働環境の改善 労組結成も

2021年12月31日【特集】

 労働者の運動により労組の結成や、労働環境の改善が前進しました。

 欧州では、アプリなどを通して単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」の権利擁護が進みました。2月、英国の最高裁は大手配車サービス「ウーバー」の運転手は会社と雇用関係にある「労働者」だと認める判決を出しました。その後、各国でも同様の判決が続出。欧州連合(EU)の欧州委員会は、ギグワーカーを会社の従業員として認め、最低賃金や有給休暇を認める法案を発表しました。

 米国では、農機大手のディアやシリアル食品大手ケロッグなどで賃上げと労働条件の改善を勝ち取りました。また大手コーヒーチェーン・スターバックスには初めて労組が結成されました。ネット通販アマゾンでも労組結成の動きが出ており、注目を集めています。

5⃣2021世界は進む 正義を求めて
打開 続く災害 気候危機が焦点に

2021年12月31日【特集】

 欧州やアジアの大洪水、米国の竜巻や山火事など、世界各地で気候変動が一因とされる自然災害が相次ぎ、政治的にも経済的にも注目されました。

 ドイツでは7月、100年ぶりともいわれる大洪水が発生。政府は支援に520億円を投入しました。9月の連邦議会選挙では環境問題が争点に。

 11月に英グラスゴーで開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では産業革命前と比べ「1・5度に抑える努力を追及すると決意」と明記し、石炭火力発電の段階的削減の加速などを表明した成果文書を採択しました。

 同地では気候正義を求める人々がデモ行進。水没の危機にある島しょ国の人々や中南米の先住民など世界中から10万人が参加。

6⃣2021世界は進む 正義を求めて
抗議 進むジェンダー平等 逆行も

2021年12月31日【特集】

 ジェンダー平等を求める市民運動により、各国でさまざまな進展がありました。

 フランスでは、学生団体による「生理の貧困」実態調査を受け、政府は2月、学生への生理用品の無償提供を決めました。元セーリング選手の告発を機に「#MeToo」運動が広がったギリシャは2月、性犯罪の処罰を厳格化。南米チリでは12月、圧倒的多数の賛成で同性婚が合法化されました。

 一方、女性の権利を後退させる動きも。トルコ政府は3月、女性を暴力から守る「イスタンブール条約」からの脱退を表明。米国では、南部テキサス州が9月、性的暴行による妊娠も含め、胎児の心拍確認後の中絶を禁止しました。

 こうした動きに、女性たちは抗議の声を上げ続けています。


7⃣2021世界は進む 正義を求めて
抗議 アジア人差別 危機感と怒り

2021年12月31日【特集】

 米南部ジョージア州で3月、アジア系女性6人を含む8人が白人男性によって殺害される銃撃事件が起き、新型コロナウイルスの感染拡大とともに急増したアジア人を狙う憎悪犯罪に対し、危機感と怒りが広がりました。全米各地で抗議デモが起きました。

 バイデン大統領は「構造的な人種差別と白人至上主義は米国にはびこる醜い毒」だと非難。5月、ヘイトクライム(憎悪犯罪)への対応強化を定めた法律が成立しました。

 アジア系の女優サンドラ・オーさんは抗議行動に参加し「アジア人であることを誇りに思う。ここが私の居場所だ」と表明。世界的人気の韓国のヒップホップグループBTSも、SNSで「暴力を非難する」とメッセージ。ツイッター社によると、21年の最もリツイートされた投稿となりました。


8⃣2021世界は進む 正義を求めて
撤退 泥沼20年 アフガンから米軍

2021年12月31日【特集】

 米軍は8月31日、アフガニスタンから完全撤退しました。2001年9月11日の米国の同時多発テロに対する報復として、アフガンに米軍が攻め込んでから約20年。米兵は約2500人が戦死し、アフガンの民間人は約4万6千人が犠牲になりました。

 米軍のアフガン侵攻後、世界にテロが拡散し、それを軍事力で抑え込もうとする「対テロ戦争」は、戦争とテロの悪循環をつくり出しました。撤退後にイスラム組織タリバンが実権を掌握するなか、国外へと脱出する人が続出。多数が押し寄せたカブール空港ではテロが発生。180人超が死亡しました。

 人権侵害が多発し、各国が制裁を科すなかで、飢餓など人道状況が深刻化しています。


9⃣2021世界は進む 正義を求めて
発効 核兵器禁止条約 ついに始動

2021年12月31日【特集】

 1月22日、核兵器禁止条約が発効しました。今月28日時点で59カ国が批准しています。

 史上初めて核兵器を違法とする条約の誕生に、「ふたたび被爆者をつくるな」と長年訴え続けてきた被爆者は「歴史的成果だ」「世界は変わる」と歓迎しました。

 海外の支援団体も「私たちがこれから米国に圧力を加えなければいけない」「国際法が私たちの味方になった。なぜ条約への参加を拒むのかと政府に問いかけていく」と決意を新たにしました。

 来年3月にはウィーンで核兵器禁止条約締約国会議が初めて開催されます。


🔟2021世界は進む 正義を求めて
転換 米大統領 バイデン氏が就任

2021年12月31日【特集】

 昨年11月の米大統領選挙で共和党の現職トランプ大統領を破った民主党のバイデン氏が1月20日、第46代米国大統領に就任しました。副大統領には女性・非白人として初めて、ハリス氏が就任しました。

 その直前の6日には一部のトランプ支持者が連邦議会議事堂を襲撃。それを受けてバイデン氏は就任式で「国民の結束」や「民主主義」を訴えました。

 閣僚に女性や人種少数派、性的少数者を積極的に起用しました。就任直後、地球温暖化対策の国際条約「パリ協定」への復帰、世界保健機関(WHO)脱退撤回などの大統領令に次々と署名。トランプ政権の米国第一主義を転換し、国際協調路線に復帰する姿勢を鮮明にしました。




【私見】

 「2021年に世界は進んだのか?」しかも「正義を求めて」。
「正義」の概念を日本の唯物論哲学者たちが研究していることを、書籍のタイトルから知った。新鮮であるとともに、「正義」はどのようなカテゴリーでとらえられるのか、疑問に思った。
 このしんぶん赤旗電子版の10編から成る特集は、常識的民衆側から提起されている。そして10の項目は、正義を求めて日本共産党はどのような見解をもつかがわかりやすくしかも明瞭に表現している。
 ここで大事なのは、「正義」の概念的追求以上に、「正義を求めて」どのような闘いをおこなってきたか。その事実の把握なのだ。

 敷衍していうが、2021総選挙で「立憲民主党は日本共産党と共同したから負けた」という俗説が意図的に流された。最大の選挙敗北は自民党ではないか。幹事長甘利明氏、自民党都連会長石原伸晃氏らは小選挙区も比例区も国会に議席をもつことがかなわなくなった。立憲民主欧は敗北したというけれど、小選挙区議員は自民党議員は前回276今回261へ15議席減。立憲民主党は109から96へ13議席減。
詳細はいくつもあるが、NHKの結果 https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/2021/  がある。
野党共闘なかんずく共産党がメンバーに入ったら敗北するというようなフェイクニュースは結果一覧を見ればすぐみぬけるとうなものだ。

 日本共産党が掲げた10の観点ごとの実態と明日からの展望を、具体的に掲げた視点からふりかえり、あすからの展望を国民各自の足元から一歩ずつ具体化することが、大事な社会的民主主義運動のアンテナでありチャートでもある。(了)