【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

【転載】東洋経済オンライン

2024-01-16 10:28:09 | 転載と私見
1⃣ 東洋経済オンライン転載
京都市長選、本番入り目前で「構図一変」の異常事態 告示直前、国民は一転「自公+立民」候補に相乗り

泉 宏 によるストーリー • 1 時間



架空の政治資金パーティー開催疑惑についての記者会見する元市議の村山祥栄氏(写真:時事)
© 東洋経済オンライン
今年の地方選挙の中で、中央政界が結果に注目している京都市長選(1月21日告示―2月4日投開票)が、本番入り目前に激戦が想定されていた選挙戦の構図が一変する異常事態に陥っている。

一部の事前情勢調査などで、最有力候補とされる自民、立憲民主、公明各党が推薦する元内閣官房副長官の松井孝治氏(63)と競り合う勢いを見せていた元京都市議の村山祥栄氏(45)=日本維新の会、教育無償化を実現する会(昨年末結党、前原誠司代表)などが推薦=に「政治と金」のスキャンダルが発覚、急遽すべての推薦が取り消されたからだ。

同市長選には松井、村山両氏のほか、元京都府議の二之湯真士氏(44)、弁護士の福山和人氏(62)、市民団体代表の寺田浩彦氏(62)がいずれも無所属での出馬を表明している。すべての推薦が取り消された村山氏も出馬を明言したが、選挙戦は「非共産対共産」の図式となり、過去の例からも「松井氏有利」(選挙アナリスト)となりそうだ。

その一方で、思わぬ不戦敗を余儀なくされる維新と、京都が地元の前原氏にとって、大きな政治的痛手となることは間違いない。

村山候補に「架空パーティー」疑惑発覚

馬場伸幸・維新代表、前原氏、国民民主党京都府連と地域政党・京都党の両代表は13日、京都市内で共同記者会見し、そろって村山氏の推薦取り消しを表明した。村山氏側が年末年始に企画した政治資金パーティーの「架空開催」疑惑が発覚したことで、有権者の理解が得られないと判断したためだ。維新と教育などは自主投票を選択したが、国民民主は党本部が松井氏への相乗り推薦を決めた。

共同記者会見では馬場氏が、自民党の巨額裏金事件に絡めて「政治家の資金集めに注目と関心が集まる中で、(村山氏の疑惑は)受け入れられるものではないと判断した」と説明。前原氏も「政治と金の問題には厳しくなくてはいけない」と足並みをそろえた。

その一方で村山氏も同日の京都市内での記者会見で、「昨年12月19日から今年1月9日までに計9回のパーティーを企画し、支援者らに券を販売したが、うち8回に来場者がおらず開催を見送った」と説明。併せて①パーティー券は1枚2万円②未開催となった計8回のパーティーで計約1100枚を販売したがすべて返金した――として、違法性は否定した。

そのうえで村山氏は、4党の推薦取り消しについて「私の誤った認識にすべての責任がある。大変反省しているが、有権者の選択肢を狭めることはしたくない」として出馬は取りやめない考えを示した。

維新、京都進出の目論見が水泡に


今回の京都市長選は、2008年の初当選以来4期16年務めた門川大作市長(73)の不出馬表明を受けて、各党がそれぞれの思惑で推薦候補を決めた経緯がある。

なかでも維新は、今回の市長選を京都進出の足掛かりとすることを狙い、「勝利への手ごたえは十分」(幹部)だったのに、あえなく不戦敗・自主投票を余儀なくされた。13日の共同会見に先立ち、同党の吉村洋文共同代表(大阪府知事)は12日、府庁で記者団に「馬場代表からコンプライアンス(法令順守)上許容できない事案があると報告を受けた。私自身も許容できない」と語ったが、無念さは隠せなかった。

一方、衆院京都2区選出の前原氏は、昨年11月27日に馬場、村山両氏とともに記者会見し、国民民主党京都府連として、村山氏の推薦を表明した。ただ、前原氏はその直後の11月30日に国民民主離党を表明、12月末にいわゆる「前原新党」となる「教育無償化を実現する会」を5人の国会議員で結党し、教育無償化を最重点政策の1つとして掲げる維新との連携を模索してきた。

その結果、もともと憲法観や外交安保など国の基本政策で認識が一致する馬場、前原両氏は親交を深め、京都市長選での推薦取り消しを表明した13日の共同会見でも、馬場氏が「(維新、教育)両党の国政での協力関係にひびが入ることはない」と強調すると、前原氏も「政策本位での野党協力に向けた取り組みは、これからも続けていきたい」と、改めて維新との国政と地方レベルでの協力関係構築に意欲をにじませた。

これも踏まえ、馬場、前原両氏は15日午後の共同記者会見で、1月26日召集の次期通常国会での維新、教育による統一会派結成を正式表明した。

国民民主の混乱と迷走も際立つ

一方、今回の京都市長選の各党対応の中では、党内外に複雑な事情を抱える国民民主の混乱と迷走が際立った。そもそも、同党京都府連が昨年11月27日に村山氏の推薦を決めた際、それを主導した当時の国民民主府連会長は前原氏だったが、直後に離党した。これに対し、国民民主の支持母体でもある労働組合組織「連合」は松井氏を支持していたため、同党労組系の京都府議が離党するという事態となった。

こうした混乱も踏まえ、同党の榛葉賀津也幹事長は、村山氏の推薦を取り消して新たに松井氏を推薦することを決める際、「党を離れざるを得なかった議員もいる。これは二重三重の罪だ。パーティー(疑惑)がきっかけだが、もともとグレーの推薦だった」と指摘し、離党した府議についても復党を働きかける考えを示した。

さらに榛葉氏は松井氏への“乗り換え”についても、「松井氏は『知の巨人』。人柄も素晴らしく、(政策も)一致しまくりだ」と大仰な表現で持ち上げてみせた。

そうした中、中央政界では今回の京都市長選をめぐる一連のゴタゴタについて「一番打撃を受けたのは維新」(自民幹部)との声が広がる。というのも、本質的には大阪の地域政党という体質を持つ維新にとって、隣接する京都への進出は「次期衆院選での野党第1党になるための重要なポイント」だった。このため維新も「絶好のチャンスがフイになった」(幹部)と苦渋の表情を隠せない。

しかも、維新に対しては、元日の能登半島地震の発災直後からネット上で「万博中止」がトレンド入りし、政財界など各方面でも「大阪万博を中止して、開催費用を能登の復興に振り向けるべきだ」との声が高まっている。

「万博の効用」主張する維新に批判相次ぐ

これに対し、維新・馬場氏は5日、「ひとつの財布で国家の財政運営がされているわけではない」として、万博は被災地復興の障害にはならないと反論。さらに、「万博が開催される2025年には復興が進んでいるはずで、北陸のみなさんにも、明るい将来に歩みを進めてもらえるイベントになるのではないか」と万博開催の効用をアピールした。

この馬場氏の言い分について立憲民主党の蓮舫参院議員はXで「優先すべきは被災地の復興復旧」「今なお余震が続く被災地のためにできることは大阪万博の夢や希望ではなく、被災地支援しかない。そのための政治でしょう。維新のみなさん」などと維新の対応に疑問を投げかけ、維新以外の野党などからも同趣旨の批判が広がっている。

最新の世論調査でも維新の政党支持率の下落が目立っており、同党内でも「このままでは、今年4月の万博開催1年前の段階で、中止・延期論がさらに拡大し、それが維新攻撃に結びつくのでは」(若手幹部)との危機感を隠せないのが実態だ。

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2⃣【私見】


京都市長選は、非共産対共産と記事の中で泉氏は述べているが、不正確だ。京都府知事選や京都市長選に出馬経験のある弁護士福山和人氏は、出馬の最初から、政党の支持推薦を受けないと明言している。「無所属市民派」と宣言しそのように選挙運動を進めているし、日本共産党京都府渡辺委員長は、福山和人氏推薦をせず、福山和人氏の無所属市民派のスタンスを尊重している。ここには、憲法を守る政党と自立した市民の相互尊重の具体像が見られる。
おそらく選挙情勢を見て、自公派の危機感があるのかもしれない。また維新の会や前原氏の教科書無償化の会などが、主観的な考えは別にあるのかわからないが、容易に自民党にすり寄っていく政党に過ぎないことを客観的に立証している。
無所属市民派の福山和人氏の早くから街頭に立ち続け、権威に頼らず京都市民のこえを聴き続けている姿を、京都市民はどのように見ているか。今から5日後に京都市の市長は決まる。

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