https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170626-00072573/ まさのあつこ | ジャーナリスト 6/26(月)
「1校に限り」と規制緩和に規制をかけた安倍総理名の告示
なんのための告示だったのか。「1校に限り」という告示を巡り奔走した人々は、馬鹿馬鹿しくなっているのではないか。安倍首相は、官邸での会見に引き続いて、神戸「正論」懇話会
(6月24日)で講演し、次のように語ったと言う。
「国家戦略特区は民間メンバーが入った諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて、議論をすすめ、決定されています。議事は全て公開しています」「私の友人だから認めてくれ、などという訳のわからない意向がまかり通る余地などまったくありません。」(産経新聞)
「まずは1校だけに限定して特区を認めました。」「すみやかに全国展開を目指したい。地域に関係なく2校でも3校でも、意欲あるところにはどんどん獣医学部の新設を認めていく。」(産経新聞)
議事は「原則非公開・非公表可」
しかし、その「説明」や「ご意向」には首を傾げざるを得ない。第1に、「議事は全て公開」とは言えない。実際は、11月1日に内閣府の藤原審議官が文科省と行った水面下の打合せで物事が決した(既報)。
また、加計学園に最終決定した「広島県・今治市国家戦略特別区域会議」は、「広島県・今治市国家戦略特別区域会議(本会議)運営規則」により「原則非公開」で、「広島県・今治市国家戦略特別区域の事業の推進に重大な支障を及ぼす恐れがある場合は、会議の決定を経て当該資料の全部又は一部を非公表とすることができる」としていた。
「1校に限る」告示は取り消すのか
第2に、「2校でも3校でも」と口先で言っても、「ゆがめられた」と批判される行政手続を通して「規制緩和」を告示で「規制」し、加計学園「1校に限り」応募できるようにした場は、この原則非公開の「広島県・今治市国家戦略特別区域会議」だった。その告示を文部科学大臣と連名で内閣総理大臣が出したのは今年1月だ。安倍総理大臣の舌の根はもう乾いたの
か。
(*)
この告示の決定プロセスを以下に記しておく。首相が「行政手続」とはどのようなもので、なぜ「ゆがめられた」と批判されているかが理解できていない様子だからだ。
諮問会議による「国家戦略特区における追加の規制改革事項」
2016年11月9日開催の「第25回 国家戦略特別区域諮問会議」では、閣議決定(石破4条件)に反する要件を追加するために、有識者が意見を文書で残して、「国家戦略特区における追加の規制改革事項」を決定した。
そこで石破4条件の「既存の大学・学部では対応困難な場合」が削除され、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」が加わった (既報)。
内閣府によるパブリックコメント1カ月
告示案は、2016年11月18日から12月17日の1カ月の間、国民からの意見(パブリックコメント)が募集された。
2017年1月4日には、その結果を「内閣府地方創生推進事務局」と「文部科学省高等教育局」が連名でパブコメの結果を発表。そして、同1月4日、一足飛びに、「内閣府地方創生推進事務局」が「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議の構成員の公募について」として、以下のように事業者を募集した。
別紙に定める要件を満たす特定事業を実施しようとする者を公募します。別紙に定める特定事業を実施しようとする者であれば、個人・法人、国内外を問いません。
厳しい要件と開校時期の要件が付いた公募はたった7日間
「問いません」と言っても、公募期限は1月11日(水)までの1週間で、「別紙に定める要件」とは以下のようなものだ。
(1)「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成 28年11月9日国家 戦略特別区域諮問会議とりまとめ)に適合している。
(2)平成 30年度の開設に向けた事業の確実な実施が見込まれる。
(1)は、先述した通り、「既存の大学・学部では対応困難な場合」が削除され、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」が加わったことで、2016年10月17日に京都産業大学が綿密に用意して発表した獣医学部設置構想がはねられる規制要件となった。
(2)の開校時期は、文部科学省の「学設置・学校法人審議会」が審議すらしていない「加計学園」でさえ、危うい見切り発車のタイミングだ。以下に述べるように文科省は「お含みおきいただきたい」との意見で釘を刺している。
締切翌日に今治市分科会
そして、公募締め切りの翌日12日に「今治市分科会」が開催された(これも原則非公開)。
予定をあけて待っていたのか、「今治商工会議所特別顧問」の加戸守行・前愛媛県知事や菅良二・今治市長、有識者や加計学園から3名、藤原豊・内閣府 地方創生推進事務局審議官が、勢揃いして、藤原審議官が「1件、学校法人加計学園からの応募がございまして」と報告、加計学園が説明、文部科学省高等教育局長が「今後、その構想に沿った形で設置認可申請をしていただくことが必要になりますので、法令にのっとって適切に準備を進めていただく必要があると考えておりますので、その点はぜひお含みおきいただきたい」と発言した。
最終的に「広島県・今治市国家戦略特別区域会議」で
2017年1月20日の「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議」の席で、「広島県 ・今治市 国家戦略特別区域 区域計画(案)」が審議され、以下のように加計学園の獣医学部新設が了承された。
学校法人加計学園が、獣医学部の設置の認可を受けた上で、愛媛県今治市において、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するための獣医学部を新設する。【平成30年4月開設】
加計学園1校に絞られた告示案のパブコメ
ここであえて、先述した、加計学園が1校に絞られることになった告示案へのパブコメ結果も見ておきたい。意見は1カ月で976件。
特筆できるのは、告示案とは関係がないことへの期待や、非論理的なものが散見されるにも関わらず、「ご意見を踏まえ」るされた意見である(▼は各意見で筆者が感じる違和感だ)。
●獣医師の定住促進が見込まれ、ひいては地域・職域偏在解消に寄与することが期待できる。(同旨のご意見:60件)(▼大学周辺で「定住」するとは限らず、もし「定住」するなら、「産業医が少なく犬猫病院などの獣医が多い」という全国的な「地域・職域偏在」の解消には寄与できない。)
●現場での実習等、地域との繋がりを密にし、感染症、食品安全、研究開発等の幅広い分野で活躍できる獣医師を養成する獣医学部となることに期待。(同旨のご意見:55件)(▼告示案の趣旨とは関係がない期待。)
●より多くの研究者が養成され、日本の医療研究推進に繋がることに期待。(同旨のご意見:14件)(▼告示案の趣旨とは関係がない期待。)
以上、パブコメ結果より。
逆に、退けられた意見は、以下のように11月以降に削除・追加された「要件」(太字筆者)への異論である。
●既存の大学への助成等(獣医学部の定員増を含む)による教育基盤等の充実の方が効率的である。(同旨のご意見:161件)
●獣医師の需給については、獣医師の職域・地域偏在が課題なのであって、獣医学部の新設では対応出来ない。(同旨のご意見:123件)
●広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限定する要件や平成30年度開設に限定する要件は不要ではないか。(同旨のご意見:47件)
こうした意見には、判で押したような同じ回答が繰り返されていた。
今回の獣医学部の新設については、「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成28年11月9日国家戦略特別区域諮問会議決定)の趣旨を踏まえ、新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応することのできる獣医師の養成を目的とするものであり、この目的が実現されるよう、取り組んでまいります。
つまり、告示への異論が退けられた理由は、「国家戦略特区における追加の規制改革事項」以外にはない。それが石破4条件(閣議決定)を覆すものだったことを鑑みれば、途中から「加計学園」ありきにゆがんだことを表している。
それが批判された途端に「地域に関係なく2校でも3校でも」とするなら、このすべてのプロセスはなんだったのか。今になって「全国展開を目指したい」と首相が述べること自体が、いかに、首相が、公正公平であるべき行政手続を軽んじ、「官邸のご意向」で曲げてよいものだと考えているかを、如実に表しているのではないか。
(*)告示「文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件」
感想;
安倍首相の思い付きで、行政は変ってしまうのでしょうか?
多くの国会議員、自民党にも多くの国会議員がいますが、安倍首相お一人のお考えで行政は変ってしまうのでしょうか?
それだとまるで、民主主義という衣服をまとった独裁と同じではないでしょうか?
同じ自民党内に「おかしい」と言う人はいないのでしょうか?
公明党は「お目付け役」と自認されていますが、今は従順な僕と同じではないでしょうか?
平和を願う党が、秘密保護法、集団自衛権、共謀罪成立に力を貸しました。
創価学会の二代目会長 戸田城聖氏が生きておられたら、何とおっしゃったでしょうか?
戸田城聖氏が書かれた「人間革命」を読みましたが、志は高く人の幸せと平和を願うものだったと思います。
やはり、国民が「おかしい」と声をあげ、選挙で示すことなのでしょう。
「1校に限り」と規制緩和に規制をかけた安倍総理名の告示
なんのための告示だったのか。「1校に限り」という告示を巡り奔走した人々は、馬鹿馬鹿しくなっているのではないか。安倍首相は、官邸での会見に引き続いて、神戸「正論」懇話会
(6月24日)で講演し、次のように語ったと言う。
「国家戦略特区は民間メンバーが入った諮問会議や専門家を交えたワーキンググループにおいて、議論をすすめ、決定されています。議事は全て公開しています」「私の友人だから認めてくれ、などという訳のわからない意向がまかり通る余地などまったくありません。」(産経新聞)
「まずは1校だけに限定して特区を認めました。」「すみやかに全国展開を目指したい。地域に関係なく2校でも3校でも、意欲あるところにはどんどん獣医学部の新設を認めていく。」(産経新聞)
議事は「原則非公開・非公表可」
しかし、その「説明」や「ご意向」には首を傾げざるを得ない。第1に、「議事は全て公開」とは言えない。実際は、11月1日に内閣府の藤原審議官が文科省と行った水面下の打合せで物事が決した(既報)。
また、加計学園に最終決定した「広島県・今治市国家戦略特別区域会議」は、「広島県・今治市国家戦略特別区域会議(本会議)運営規則」により「原則非公開」で、「広島県・今治市国家戦略特別区域の事業の推進に重大な支障を及ぼす恐れがある場合は、会議の決定を経て当該資料の全部又は一部を非公表とすることができる」としていた。
「1校に限る」告示は取り消すのか
第2に、「2校でも3校でも」と口先で言っても、「ゆがめられた」と批判される行政手続を通して「規制緩和」を告示で「規制」し、加計学園「1校に限り」応募できるようにした場は、この原則非公開の「広島県・今治市国家戦略特別区域会議」だった。その告示を文部科学大臣と連名で内閣総理大臣が出したのは今年1月だ。安倍総理大臣の舌の根はもう乾いたの
か。
(*)
この告示の決定プロセスを以下に記しておく。首相が「行政手続」とはどのようなもので、なぜ「ゆがめられた」と批判されているかが理解できていない様子だからだ。
諮問会議による「国家戦略特区における追加の規制改革事項」
2016年11月9日開催の「第25回 国家戦略特別区域諮問会議」では、閣議決定(石破4条件)に反する要件を追加するために、有識者が意見を文書で残して、「国家戦略特区における追加の規制改革事項」を決定した。
そこで石破4条件の「既存の大学・学部では対応困難な場合」が削除され、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り」が加わった (既報)。
内閣府によるパブリックコメント1カ月
告示案は、2016年11月18日から12月17日の1カ月の間、国民からの意見(パブリックコメント)が募集された。
2017年1月4日には、その結果を「内閣府地方創生推進事務局」と「文部科学省高等教育局」が連名でパブコメの結果を発表。そして、同1月4日、一足飛びに、「内閣府地方創生推進事務局」が「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議の構成員の公募について」として、以下のように事業者を募集した。
別紙に定める要件を満たす特定事業を実施しようとする者を公募します。別紙に定める特定事業を実施しようとする者であれば、個人・法人、国内外を問いません。
厳しい要件と開校時期の要件が付いた公募はたった7日間
「問いません」と言っても、公募期限は1月11日(水)までの1週間で、「別紙に定める要件」とは以下のようなものだ。
(1)「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成 28年11月9日国家 戦略特別区域諮問会議とりまとめ)に適合している。
(2)平成 30年度の開設に向けた事業の確実な実施が見込まれる。
(1)は、先述した通り、「既存の大学・学部では対応困難な場合」が削除され、「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」が加わったことで、2016年10月17日に京都産業大学が綿密に用意して発表した獣医学部設置構想がはねられる規制要件となった。
(2)の開校時期は、文部科学省の「学設置・学校法人審議会」が審議すらしていない「加計学園」でさえ、危うい見切り発車のタイミングだ。以下に述べるように文科省は「お含みおきいただきたい」との意見で釘を刺している。
締切翌日に今治市分科会
そして、公募締め切りの翌日12日に「今治市分科会」が開催された(これも原則非公開)。
予定をあけて待っていたのか、「今治商工会議所特別顧問」の加戸守行・前愛媛県知事や菅良二・今治市長、有識者や加計学園から3名、藤原豊・内閣府 地方創生推進事務局審議官が、勢揃いして、藤原審議官が「1件、学校法人加計学園からの応募がございまして」と報告、加計学園が説明、文部科学省高等教育局長が「今後、その構想に沿った形で設置認可申請をしていただくことが必要になりますので、法令にのっとって適切に準備を進めていただく必要があると考えておりますので、その点はぜひお含みおきいただきたい」と発言した。
最終的に「広島県・今治市国家戦略特別区域会議」で
2017年1月20日の「広島県・今治市 国家戦略特別区域会議」の席で、「広島県 ・今治市 国家戦略特別区域 区域計画(案)」が審議され、以下のように加計学園の獣医学部新設が了承された。
学校法人加計学園が、獣医学部の設置の認可を受けた上で、愛媛県今治市において、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するための獣医学部を新設する。【平成30年4月開設】
加計学園1校に絞られた告示案のパブコメ
ここであえて、先述した、加計学園が1校に絞られることになった告示案へのパブコメ結果も見ておきたい。意見は1カ月で976件。
特筆できるのは、告示案とは関係がないことへの期待や、非論理的なものが散見されるにも関わらず、「ご意見を踏まえ」るされた意見である(▼は各意見で筆者が感じる違和感だ)。
●獣医師の定住促進が見込まれ、ひいては地域・職域偏在解消に寄与することが期待できる。(同旨のご意見:60件)(▼大学周辺で「定住」するとは限らず、もし「定住」するなら、「産業医が少なく犬猫病院などの獣医が多い」という全国的な「地域・職域偏在」の解消には寄与できない。)
●現場での実習等、地域との繋がりを密にし、感染症、食品安全、研究開発等の幅広い分野で活躍できる獣医師を養成する獣医学部となることに期待。(同旨のご意見:55件)(▼告示案の趣旨とは関係がない期待。)
●より多くの研究者が養成され、日本の医療研究推進に繋がることに期待。(同旨のご意見:14件)(▼告示案の趣旨とは関係がない期待。)
以上、パブコメ結果より。
逆に、退けられた意見は、以下のように11月以降に削除・追加された「要件」(太字筆者)への異論である。
●既存の大学への助成等(獣医学部の定員増を含む)による教育基盤等の充実の方が効率的である。(同旨のご意見:161件)
●獣医師の需給については、獣医師の職域・地域偏在が課題なのであって、獣医学部の新設では対応出来ない。(同旨のご意見:123件)
●広域的に獣医師系養成大学の存在しない地域に限定する要件や平成30年度開設に限定する要件は不要ではないか。(同旨のご意見:47件)
こうした意見には、判で押したような同じ回答が繰り返されていた。
今回の獣医学部の新設については、「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(平成28年11月9日国家戦略特別区域諮問会議決定)の趣旨を踏まえ、新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応することのできる獣医師の養成を目的とするものであり、この目的が実現されるよう、取り組んでまいります。
つまり、告示への異論が退けられた理由は、「国家戦略特区における追加の規制改革事項」以外にはない。それが石破4条件(閣議決定)を覆すものだったことを鑑みれば、途中から「加計学園」ありきにゆがんだことを表している。
それが批判された途端に「地域に関係なく2校でも3校でも」とするなら、このすべてのプロセスはなんだったのか。今になって「全国展開を目指したい」と首相が述べること自体が、いかに、首相が、公正公平であるべき行政手続を軽んじ、「官邸のご意向」で曲げてよいものだと考えているかを、如実に表しているのではないか。
(*)告示「文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件」
感想;
安倍首相の思い付きで、行政は変ってしまうのでしょうか?
多くの国会議員、自民党にも多くの国会議員がいますが、安倍首相お一人のお考えで行政は変ってしまうのでしょうか?
それだとまるで、民主主義という衣服をまとった独裁と同じではないでしょうか?
同じ自民党内に「おかしい」と言う人はいないのでしょうか?
公明党は「お目付け役」と自認されていますが、今は従順な僕と同じではないでしょうか?
平和を願う党が、秘密保護法、集団自衛権、共謀罪成立に力を貸しました。
創価学会の二代目会長 戸田城聖氏が生きておられたら、何とおっしゃったでしょうか?
戸田城聖氏が書かれた「人間革命」を読みましたが、志は高く人の幸せと平和を願うものだったと思います。
やはり、国民が「おかしい」と声をあげ、選挙で示すことなのでしょう。