幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

てんかん薬成分でも無届け変更 山本化学工業 ”無知なのか、意図的なのか?”

2017-06-27 08:53:48 | 社会
https://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/ASK6R7D89K6RUTIL065.html 06月26日

 多くの風邪薬で使われているアセトアミノフェン(AA)に安価な中国製AAを無届けで混入させていた原薬メーカー「山本化学工業」(和歌山市)が、てんかん発作の治療薬に使われる「ゾニサミド」の製造でも混ぜる薬剤を無届けで変更していたことが同社関係者の話でわかった。厚生労働省の立ち入り調査でもこうした事実が確認されている。
 山本化学は、AAとは別の原薬でも無届けで製造過程を変更していたことになり、薬の安全性を軽視する体質が浮かんだ。
 ゾニサミドはパーキンソン病の治療薬としても使われている。関係者によると、ゾニサミドは複数の原料を混ぜ合わせてつくるが、山本化学は数年前に、原料を混ざりやすくするための薬剤を変更した。

感想
2003年の改正薬事法では、品質保証において下記の点が大きく変わりました。
1)製造販売承認書に製造場所/保管場所/外部試験機関を記載する。
2)製剤の詳細な製造方法を記載する。記載事項は、軽微変更届と一変申請事項に分けて記載する。
3)それまであった原薬の承認書がなくなり、製剤の製造販売承認書に原薬の詳細な製造方法を記載するか、もしくは原薬メーカーがMF(マスターファイル;原薬の詳細な製造法を記載)登録する。
4)海外の製造所は外国製造所認定を得ないといけない。
5)医薬品の承認を得るためには、製造所のGMP適合性調査を受けて合格しないといけない。

よって、山本化学の違反は、
1)中国メーカーの外国製造所認定がなければ違反。
2)MFを使っている場合は、MFの記載齟齬
3)そのMFを使う場合、製造販売承認書に中国メーカー記載と中国メーカーを使ったMF番号記載ができていない。
4)変更は一変申請事項になるので、山本化学だけでなく、その原薬を使っている製造販売業者も違反になる。

無知でレギュレーション対応を最初知らなかったため違反していた。その後それに気づいたが、違反を当局に報告する勇気がなく、隠す方向に経営判断をしてしまわれたのかもしれません。
それは熊本県の化血研と同じです。
GMP遵守/レギュレーション遵守は、やはり経営者の姿勢に寄るのでしょう。

ここで疑問は出てきます。
対お客様、対当局の責任は山本化学工業の原薬を使っている製造販売会社です。
それが今の薬機法の責任になります。
つまり、原薬メーカーの品質保証をしていなかった製造販売会社の責任が問われます。
 1)GMP査察で発見できなかったのか?(県も同じ)
 2)指導をしてこなかったのか?
ところが、まったく責任ある製造販売会社が出てきません。
当局のこれまでの指導例を見ていると
 1)違反していた原薬を使った製品の回収
 2)製造販売会社に対して、指導(後日改善命令&製造停止?)
が行われています。
今後のことなのか、それともそこは公表せずに、顛末書で対応されるのかは当局の考え方によるかと思います。
「今のMF制度、原薬メーカーの品質保証の責任は、製造販売会社が担う」と当局の方が発言されたことがありました。

日本の行政は、かなり当局のその場の判断に左右されるようです。
山本化学工業が悪いのは当然です。
ただ、その原薬を購入し、使用している製造販売会社の責任もあります。
そして、県、厚生労働省の責任もあります。
問題解決のためには、山本化学工業だけでなく、全体としての改善が必要になるのではないでしょうか?
化血研では化血研だけが悪者になっていますが、それまで査察していたの厚生労働省とPMDAでした。
そこの責任と改善がまったく見えてきません。

熊本県の化血研の問題があり、無通告で査察するように当局は指導を行っています。
ますます、今回のケースを踏まえ、無通告査察が増えるかと思います。

注)無通告査察
これまでは事前に査察日と査察内容を伝えていたので、隠す/記録を偽造するなどができていた。