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『検証ナチスは「良いこと」もしたのか? 歴史学からみてナチスは評価できるてんはあるか?』小野寺拓也/田野大輔共著 ”知らないことたくさありました”

2024-08-28 13:46:46 | 本の紹介
・歴史的事実をめぐるこうした問題を別の観点から整理すると、<事実><解釈><意見>の三層に分けて検討することができるかもしれない。

・ナチスの家族政策に関して忘れてはならないのはこうした支援策の対象となったのが、
①ナチ党にとって政治的に信用でき、
②「人種的」に問題がなく、
③「遺伝的に健康」で、
④「反社会的」でもない人々だけだったという点である。
社会主義者や共産主義者などの政治的敵対者やユダヤ人、障害者や「反社会的分子」とされた人々は、そこから排除されていた。

・しかしそうした「団結」や「調和」にはもちろん、裏の側面があった。それはユダヤ人、シンティ・ロマ(ジプシー)、政治的敵対者(共産主義者・社会主義者)、同性愛者や障害者など、「共同体の敵」とされた人々を徹底的に排除するという側面だった。

・実際にも、ナチスはヴィマール時代を通じて左翼政党と激しい抗争を繰り広げ、政権掌握後には社会主義者と共産主義者を一斉逮捕して強制収容所に送るなど、徹底的にこれを弾圧した。

・こうした状況を一変させたのが、1929年10月に始まる世界恐慌である。1928年5月の国会選挙で2.6%の得票にすぎなかったナチ党は、1930年9月の選挙で18.3%の票を獲得し、一気に第二党に躍り出た。・・・1932年7月の国会選挙では37.4%の票を得て、ついに第一党の座を占めるに至った。

・ヒトラーも一人の人間で、角の生えた悪魔ではなかったというのはたしかにその通りだろう。だが仮にヒトラーに「優しい心」があったとしても、それはユダヤ人虐殺を命じた事実を否定する根拠にも、免責する理由にもなり得ない。

・さらに第一次世界大戦に敗北すると、ユダヤ人などの内部の「裏切り者」のせいでドイツは負けたのだという、「背後からの突き」伝説が唱えられるようになった。こうした状況のもとで、1918年以降反ユダヤ主義的な扇動や暴力、差別が急速に拡大していく。ユダヤ人が路上で極右に襲われるということが珍しくなくなったのである。

・たとえばユダヤ人が職(大学教授や医師、弁護士のポスト)を失うことで、ドイツ人が職を得ることもあった。東部へ移送されるユダヤ人の財産は、ドイツ人によって安く買いたたかれ、不動産業者や銀行、弁護士などもそのおこぼれにあずかった。家具や絨毯、毛布などは空襲被害者や新婚夫婦に優先的に割り当てられたほか、一般市民ににも捨て値で売りに出された。気に食わない相手を追い落とすために、「ユダヤ人と親密な関係にある」と(場合によってはでっち上げの内容をゲシュタポ(秘密国家警察)に密告する人々もいた。これらの多くは、イデオロギー的な革新というよりは個人的な動機によるものであった。ナチ体制のもとでユダヤ人迫害に関与することで、個人的な利益が得られたのである。

・軍需・戦時経済
1)巨額の負債でまかなわれた軍需経済
2)収奪の経済
 ①占領地からの収奪
 ②ユダヤ人からの収奪
  ナチ・ドイツによるユダヤ人財産の略奪総額は、アリーの推計によると150憶ないし200億RM(約8兆6千億~11兆5戦億円)に達し、ドイツの戦時収入全体の5%弱に相当するという。
 ③そして外国人労働者こ強制労働
   1944年9月の段階で戦争捕虜を含めて約760万人なしい890万人の外国人労働者、さらに強制収容所の囚人約50万人がドイツ国内で働き、ドイツ労働人口のおよそ1/4~1/5に相当する数に達した。

・そこでヒトラーは政権を握るとすぐに左翼政党や労働組合の弾圧。解体に乗り出し、それに代わるナチ的な労働者組織の設立に着手した。労働組合の活動家やメンバーが逮捕される一方で、5月初めには全国の労働組合が一斉に占拠。解体され、その資産をもとにナチ党付属の労働団体であるドイツ労働戦線が設立された。

・「母親名誉十字章」
 子ども四人産んだ母親には青銅、
 六人産むと銀、八人以上で金の十字章が与えられた。
 しかしそれ以上によく知られているのが、母親に対する経済的支援であろう。
 結婚カップルに1000RM(現在の価値で約71万4千円)が貸与され、一人産むごとに1/4が返済不要となった。

・家畜用運搬車にぎゅうぎゅうに押し込まれ、十分な食事も水も与えられることのないまま、少なからぬユダヤ人が移送の途上で命を落とした。「必要な配慮」「必要な空間」「十分な飼料や水分」、いずれも与えらえなかったのだ。・・・
 「排除」すると決めた人間を胴部以下の扱いにして何が悪いのかという、開き直りにも似た姿勢があったことも忘れてはならない。

・本書に目を通せば、「ナチスは良いこともした」などという主張がいかに不正確で一面的であるかがよく理解できるはずである。

感想
 自分たちの仲間、アーリヤ人は大切にするが、差別する対象の人々は家畜以下で財産だけでなく、強制労働させ、その揚げ句には殺害したのです。
 忘れてはいけないことは、ヒトラー一人ではできなかったのです。
多くの賛同者や協力者、ヒトラーの考えを実践したのです。

 斎藤兵庫県知事は問題です。
でもその知事に従う人、擁護する人も問題だということなのでしょう。

斎藤兵庫県知事をかばい続けた「維新」に激震…地元・大阪の「市長選」でダブルスコアの大惨敗 それでも県連幹事長は「知事の資質を欠いてはいない」 ”正常な判断できない維新の幹部&維新に任せて大丈夫?”

2024-08-28 10:48:10 | 社会
https://news.yahoo.co.jp/articles/ac0b76cfbf6b3f792a8002c19f872ddac848d0df 8/28(水) 6:10配信デイリー新潮</div>
 8月25日に投開票された大阪府箕面市の市長選は、自民党を離党して無所属で立候補した元大阪府議の新人・原田亮氏(38)が初当選し、大阪維新の会が公認した現職・上島一彦氏(66)が敗れた。大阪維新の現職首長が落選したのはこれが初めて。維新の地盤の関西で、何が起こっているのか。
 箕面市長選を取材したジャーナリストの吉富有治氏はこう分析する。 「原田氏は3万2448票、上島前市長は1万8309票とダブルスコアに近く、僅差で敗れたわけではありません。つまり、箕面市民の大半が前市長にNOを突きつけたことになる。その原因としてまず上げられるのは、上島前市長の暴言でしょう。彼は6月の市議会で、大阪・関西万博について言及した市議に『万博行くなよ! 出入り禁止や!』と言い放ち、発言の撤回に追い込まれたばかりでした」  
 大阪維新の会代表で日本維新の会共同代表の吉村洋文・大阪府知事(49)も「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日)でコメンテーターを務める玉川徹氏に、大阪万博への“出禁”を発言して謝罪したっけ。 「上島前市長は暴言直後、訂正・謝罪はしないと言っていましたが、吉村知事からの助言があって撤回することになりました。維新は今、大阪万博の予算が当初の倍になって不評であること、自民党の裏金事件を受けた政治資金制度改革を巡っての対応や、維新の議員にも裏金疑惑が持ち上がるなど疑問符がついたことは間違いありません。原田氏は、昨年の大阪府議選に敗れた後、地元で早朝から街頭演説を行っていたことが市民の目に届いたことも勝因に挙げられるでしょう」(吉富氏)  さらにもうひとつ。

斎藤知事=維新
「兵庫県の斎藤元彦知事(46)の影響です。パワハラ疑惑などを問われる斎藤知事は維新に所属しているわけではありませんが、実質的に維新の支援を得て兵庫県知事になった。大阪以外で初めて誕生した維新系知事と言われています。関西では連日、斎藤知事のパワハラやおねだりが報じられ、テレビをつければ斎藤知事が追求される姿が映し出される。支持も地に落ちました。にもかかわらず、今でも維新の県議だけが斎藤知事を擁護していることから、“斎藤知事=維新”という認識が生まれているのです。この認識が箕面市長選に影響したことは少なくないでしょう」(吉富氏)  実際、昨年まで勝ち続けてきた維新の勢いが落ちたのは、斎藤知事が告発された春以降と時期が重なる。 
4月21日【大阪府大東市長選】維新が公認した候補が落選 
6月30日【大阪府河内長野市長選】公認候補を擁立できず不戦敗 
7月7日【京都市議補選】維新の公認候補が落選 
7月28日【大阪府議補選】維新の公認候補が落選  
 これらの選挙結果に、箕面市長選での現職市長の落選が続いたのだ。また、箕面市長選の翌26日、大阪府守口市では市が補助金の交付対象を拡充した過程が不透明だとして百条委員会(地方自治法に基づく調査特別委員会)の設置が決定した。守口市長と補助金交付先の代表を務める大阪府議は、いずれも維新の会の所属である。吉富氏が続ける。 「日本維新の会の馬場伸幸代表(59)は記者会見で『維新の会の県議団が隠し立てや知事の盾になるということは全くない』と話し、維新と斎藤知事が無関係であることを強調しています。しかし、本当に無関係であるのなら、維新から進んで斎藤知事の不信任決議に踏み切るべきでしょう。そうでなければ同じ穴のムジナと思われるだけです」

維新県議は未だに擁護
 8月24日には、維新の創設者である橋下徹氏(55)が読売テレビのトークバラエティ番組「今田耕司のネタバレMTG」に出演し、こう突き放した。 橋下:維新が腹くくって不信任決議をやるとなれば、不信任決議になるんです。ところが、維新は自分たちが応援した知事でもあるし、百条委員会で出てくる事実はおねだりとかパワハラとか辞めるほどでもないと思っているからピントがずれている。そこじゃないんですよ、問題は。権力の使い方と仕事が止まっていることが問題なのにね。  
 こうした発言が影響したためか、とうとう維新会派が斎藤知事に対する不信任案を提出するのではないかというウワサが流れたという。それでも維新の県議は斎藤知事の擁護をやめない、と呆れるのは兵庫県職員だ。 
 「維新会派のNo.2で幹事長を務める門隆志・県議(57)は、自身のXで不信任案提出を否定した挙げ句、《知事の資質に欠く行為は確認されていない》とまで書き込んで失笑を買っています」  
 門県議のXにはこうある。 《維新県議団が知事に不信任案を出すというのは全くのデマです。/3年前の知事選で応援した責任もあり、知事としての資質に欠く行為が出てきた場合は引導を渡す必要があるかもしれませんが、現時点では知事の資質に欠く行為は確認されていないという認識です。》(8月25日付)  
 この期に及んで、斎藤知事には《資質に欠く行為は確認されていないという認識》だそうである。 「なんでも維新会派では、近々に緊急役員会が開かれるそうです。箕面市長選で維新が敗れたことに相当動揺しているようです。それでも斎藤知事を擁護し続けるのか、注目していますよ」(県職員)  前出の吉富氏は言う。 「箕面市の現職市長が敗れたことで、今後は維新の対応も変わらざるを得なくなるでしょう。自民党総裁選後には衆議院選挙が行われると言われていますが、このままでは維新の議員にまで影響が及びかねません。斎藤知事の“損切り”に踏み切る可能性は大いにあると思います」
デイリー新潮編集部

感想
 斎藤兵庫県知事はの問題だけでなく、かばい続ける維新議員や責任者の問題です。こんな維新に政治を任せて、大丈夫かの不安です。
 これでも維新に投票する人はよほどメリットがあるのかと勘ぐってしまいます。


◇兵庫・斉藤知事告発文書の疑惑7項目 
(1)人事=ひょうご震災記念21世紀研究機構の副理事長2人が突然解任 
(2)知事選=2021年知事選で幹部職員らが斎藤元彦氏の選挙を手伝い 
(3)知事選=次期知事選に向けた投票依頼のため、商工会などに出向いた 
(4)贈答品受領=地元企業からコーヒーメーカーやロードバイクなどを受け取った (5)パーティー券=副知事らが斎藤氏の政治資金パーティー券を商工会などに大量購入させた 
(6)優勝パレード=阪神・オリックス優勝パレード費用を信用金庫などから不正に集めた 
(7)パワハラ=机を叩いて激怒したり、職員を怒鳴り散らしたりした

 それを擁護している維新も同罪で最悪のように思うのですが。