「ヒトラーに抵抗した人々」 對馬達雄著 ”命令でも人道に反することは抵抗できるか？”

・ヒトラー暗殺の計画は・未遂は40件余にのぼる。その代表的なものがヒトラーの暗殺と軍事クーデターをはかった＜1944年7月20日事件＞である。国防軍の版ヒトラー派が実行した。だがヒトラー自身は軽傷を負っただけである。

・軍人グループや特定組織とも無縁でナチ体制を拒否した人々として、ミュンヘン大学の学生であったショル兄妹らの＜白バラ＞グループがある。ヒトラー体制の打倒を訴えたが、1943年に全員断罪された。

・ヒトラー政権が雇用の拡大と経済回復に取り組んだのは政権を安定させることが目的であり、それによってナチ思想を実現しようとしたためである。ヒトラーが4年以内に国家の再建と経済再生をなしとげると約束し、憲法規定を停止状態にして議会の立法権を政府に預ける全権委任法を成立させたのは、右のような意味において国全体をナチ化する狙いがあったためである。

・潜伏し戦後に生きのびたユダヤ人の概数はベルリンで1400人以上、ドイツ全土で5000人と見積もられ、救援に関わった人々はそれをはるかに超えていたからである。

・ナチ体制を特徴づける密告について。ゲシュタポ職員の他に最大200万人におよぶナチ党地区班長や隣組の組長が配置され、監視網が作られていた。これを一般住民が警察の目となり耳となって補うのが、密告制度である。1939年11月8日ヒトラーの演説がミュンヘン市の大規模ビアホールで開催された。演説は２時間ｈどが予定されていたが、30分ほどはやく切り上げられ、ヒトラー一行は21時7分にミュンヘン中央駅に向かった。飛行機でベルリンから往復する予定が霧発生のため、帰路を21時35分発の列車に替えたからである。演壇は無人となり、ヒトラーたちが車中にあった21時20分、一発の爆弾が炸裂し、桟敷や演壇の辺り一帯は吹き飛び屋根も崩落した。予定通りであれあ、演説の最中である。これを行ったのはエルザー一人と言われている。ヒトラーがドイツを破滅させると見抜いて、一身を賭して事にあたった。1998年3月「エルザー記念館」が開館になった。2000年には基幹学校用の教科書には彼は包括的に描かれている。また小さな記念館には毎年2000人の参観者がある。

被迫害者たちを救援した多くの「沈黙の勇者」たちがいたことである。人間としてまっとうに生きることが難しい異常な時代であったからこそ、彼らはその本来の姿を示すことができたといえるかもしれない。

感想；
命令が人道に反する場合、その命令に抵抗できるか？
戦争中、上官の命令で「捕虜を射殺しろ！」と言われた場合、抵抗できるだろうか？
上官の命令に背くことは殺されても仕方がない。

ドイツにおいてヒトラーを支持した人がいれば、抵抗して殺された人もいた。
ユダヤ人を匿った人々もいた。
まさに究極の状況で自分がどうするかが問われるのだと思います。
できれば、そのような究極の状況にならないようにその前に行動していきたいものである。
まさに今度の参議院選挙もその大きな一つなのでしょう。
日本は秘密保護法で政府がやっていることを国民に知らせない。
集団自衛権で戦争リスクが高まった。
そして憲法を改訂して９条を変えて自衛隊を軍隊にして、軍隊を海外に出せるようにしようと計画があるのでしょう。
そのためには借金を増やして経済を活発化させようとしているのは、憲法改訂のための議席数を確保することが目的なのでしょう。