超多様性トークショー!なれそめ NHK
恭子「ひきこもっているときは、『こうあるべき』『こうでなくてはならない』というものに、ずっと苦しめられていた気がします。私自身がそうだったように、生きづらさを抱えている人たちはどうしても自分を否定しがち。でも本人はこれ以上できないほど頑張って生きている。私たちみんなが、もっと自由に、お互いの違いを認め合い、尊重していくことで、生きやすい社会になっていけばいいなと思っています」
・私は、高校二年生で不登校になり、二十代ひきこもったことのある「ひきこもり経験者」だ。もう一度この社会な中で生きてみようと思えるまでには二十年という月日がかかった。
・「ひきこもり・生きづらさについての実態調査2019」
①「現在ひきこもり」の平均年齢は20代が36.1%で最多、次に40代が27.1%。
②ひきこもりの期間の平均8.6年、年代ごとに長期化していく。
・内閣府の調査では男性が76.6%、女性が23.4%と男性の比率が高い。しかしUX会議の調査では女性が61.3%と女性のほうが多かった。
・調査結果からは、全国に61.3万人の中高年のひきこもりがいて、2016年調査の15~19歳の推計54.1万人を上回り、高年齢化していることが実証された。
・150回以上ひきこもりUX女子会をやってきて、今でも毎回感動するのが参加した女性たちの帰りの様子だ。来たときは緊張で倒れるのではないかと思うほどだった女性たちが、一様に笑顔で、声を出し、軽やかささえ纏い会場を出ていく。
・運営で工夫していること
①ひきこもり・生きづらさの当事者・経験者限定
②予約制にしないこと
③開催時間は平日の平日の午後
④遅刻、早退、休憩自由
・長年、ひきこもりのゴールは「就労」であり「自立」だといわれてきた。でもこれは家族や支援者にとってのゴールだと私は思う。
・「生きていていいと思えない」当事者にとっては、面接の受け方や履歴書書き方、コミュニケーション能力を高めることが必要なのではなく、「生きていていい」と思え、安心して自分らしくいられる場や関係性が必要だ。
・「参加したくなる場」を、本人が「早期発見」しやすく「早期対応」しやすい環境をつくり出すことこそ、支援側は力をいれるべきだと思うのですよ。
(丸山康彦;「不登校新聞」483号、2018年6月1日 )
・自治体に求める役割
①窓口の明確化・職員の育成
②広報
③支援団体への資金面の支援
④地域の協力者の開拓
⑤マイノリティへの配慮
・信じられない思いで帰途についた。話が通じた、わかってもらえたという喜びと感激で足が床につかないまま、歩いているような気がした。
その日を境に通院を止め、大量に飲んでいた薬も一錠も飲まなくなった。
・ある日もう限界だと思った私は、当時米国への留学のために休業した臨床心理士から、1年という期限付きで担当が変わっていたI医師に「もうこれ以上やっていけないから、もう(生きるのを)終わりにしたいと思います」と伝えた。するとI医師は「やってみたらいいですね」と言った。そして「でも、本当のあなたはあなたの奥のほうに眠っているだろうから、そのあなたまでいなくなるのは残念ですね」と言った。
その、思いとどまるよう説得されるでも励まされるでもなく、淡々と言った主治医の言葉を、とても静かな気持ちで聞いていた。あとになって思ったが、死にたいという気持ちを否定されなかったことは、あのときに自分にとってありがたいことだった。
・そして思った。自分は今、生きるとか死ぬということを自分の意志で決められるような気でいるけれど、そうではないのではないか。頭や心では「死ぬしかない」ということを確信しているけえど、身体(肉体)は生きようとしているのではないか。人は必ずいつか死ぬ。であるならばそのときが来るまで、もう何のために生きるのか、それか、何かの役に立たなければならないなどは考えずに、道端の植物や野生動物のようにただの「生物」として、いつか来る終わりの時までただ生きればいいのではないか。
・親にしてほしいこと
①ポジティブなメッセージを送ってほしい
②NGワードとOKワード
NG; 同世代と比べる
「これからどうするの?」
「お父さんもうすぐ定年なんだけど」
「もううちにはお金がない」など
プレッシャーをかけるような声掛けもNGだ。
OK; 社会問題や話題になっている人の話、
本人の好きなことや趣味についてなどだ。
③「わかり合えない」から始める
④本人のことは本人に聞く
⑤親には親の人生を生きてほしい
⑥親が変わると子どもも変わる
⑦社会に目を向ける
⑧本気で向き合うとは
本気で命をかけた言葉をもってして初めて、何かしらの返答があるのではないかと思う。
⑨家族支援の必要性
感想;
”ひきこもり”からの脱出のゴールは”就職”(自活)だと思っていました。
そうではなく、まずは”生きること”なのではないかと思いました。
「生きてみよう」「私の人生生きる価値はある」と自分が心から思える状態がゴールなのです。
これは”ひきこもり”だけでなく、私たち皆に言えることなのだと思いました。
そして、「どうするか?」を考えることなのでしょう。
著者は20年ひきこもっていましたが、その20年があるから、今の活動につながっているのでしょう。そしてステキな出会いもありました。
”ひきこもり”は人とのコミュニケーションの苦手な人が多いようです。
”ひきこもり”からの脱出は人とのコミュニケーションがきっかけになるようです。
「人は人によって傷付けらる。でも人によって癒される」
ほどよい付き合い方を身につけることができると良いのでしょう。
親や社会が子どもに期待します。その期待に応えられると良いのですが、期待が大きすぎたり、子どものやりたいことと違っていると、期待に応えられなくなります。
そしてそれが症状に出てきます。お腹や頭が痛くなる。朝起きられない。
それは自分を守るための自己防衛なのですが、それを”怠けている”と判断してしまい、さらに苦しめます。その苦しさから逃れる手段として自殺してしまう人もいます。
家族や社会が見守ることができると良いのですが。
周りに理解する大人がいることで”ひきこもり”から巣立っていく人も多いです。
自分が自分を苦しめることほど、苦しいことはありません。
”
人惑(にんわく)”を自覚することが出発点かもしれません。
『それでも僕の人生は希望でいっぱい どんな時でも必ず元気が湧き出す「生き方」の教科書』ニック・ブイチチ著より
精神科医で作家のエリザベル。キューブラ=ロスは、人はステンドグラスの窓のようなものだといっています。
「陽のある間は光を反射しますが、暗くなったときは中に灯りがないと輝きません。本当の美しさが明らかになるのはそのときです」
自分で限界を決めずに自由に生きるには、心に灯りをともさなくてはなりません。自分のまわりでどんな嵐が吹き荒れようと、決して消えないことがない灯りを。
それはつまり、「生きる目的」です。
無限の可能性に目覚める第一歩は、生きる目的を見つけることなのです。
常に希望を持ち、可能性を信じていれば、試練の中にあってもその目標に近づいていくことができます。
ただし、成功したり幸せになったりする資格が自分にあると心から思えない限り、あなたの心が満たされることはありません。だからこそ、自分を愛する必要があるのです。