・英国のユーモアのセンスはとりわけ独特であり、それは英国の人々がアイロニーと風刺を楽しむからだと書かれていました。
・その世
この世とあの世のあわいに
その世はある
騒々しいこの世と違って
その世は静かだが
あの世の沈黙に
与していない
風音や波音
雨音や密かな睦言
そして音楽が
この星の大気に恵まれて
耳を受胎し
その世を統べている
とどまることができない
その世のつかの間に
人はこの世を忘れ
知らないあの世を懐かしむ
この世の記憶が
木霊のようにかすかに残るそこで
ヒトは見ない触らない ただ
聴くだけ
・本『ぼく』谷川俊太郎作
子どもの自死を描いている。
・私(谷川俊太郎)は幽霊よりもお化けの方が性に合っていて、子ども向けのお話や舞台によく登場してもらいますが、さまざまなお化けが登場することで、日常を少々超えたノンセンスな次元が出現するのが何故楽しいのかなと考えてしまうことがあります。幽霊は足があると失格ですが、お化けは足の有無にこだわらない、というのは私の思いこみでしょうか。
感想;
『その世とこの世』
その世の詩を作る谷川俊太郎さんとこの世から発信するプレイディみかこさんの言葉の逢瀬の作品とのことです。
この世、あの世、その世
AIで調べたら、その世とはこの世とあの世以外とありました。
来世もその世に含まれるとか。
自分だけの想像の世界は”その世”になるのでしょう。
『あわいの力』安田登 著
異界と現実の間(あわい)に関する本もありました。
「大いなるもの」の存在を意識するかしないか。
「天知る地知る我知る人知る」の言葉があります。
まさに”天知る”は”あわい”を認識するかどうかなのでしょう。
二度童子、ノンセンスの言葉は知らなかったです。
本を読むと①いろいろ考える、②知識を得る、③言葉を知るがあります。
それと日本語の文章の流れというか、良い文とは何かが身に付くように感じています。
幽霊とお化けの違いをAIに尋ねたら、
幽霊は人が亡くなったので出てくるもので、お化けはもっと広く自然なども含めて出てくるものとありました。
日本の怪談は主に”幽霊”ですね。
”ゲゲゲの鬼太郎”はお化けですね。
歌に「お化けは死なない」とあります。
お化けは死なないので怖いものがありません。
人も死ぬ覚悟があれば、案外いろいろなことができるのかもしれません。
ヤクザも「死ぬことを恐れない人」を恐れると書いてあった記事がありました。
ヤクザも組で出世したいので、一般人を殺しても組で出世にならず妨げです。
相手を恐れさせて、うまい汁を吸えるかですから、恐れない人を相手にするのは大変だとありました。
石山本願寺に門徒が立てこもり、織田信長に抵抗し、信長は抵抗に苦慮しました。
門徒は「死ぬと極楽に行ける」との思いで死を恐れずに向かってきます。
武士は「生きて手柄を立てたい」との思いで戦っているので、「刺し違える」ことは避けたいのです。
幽霊の絵画というと、松井冬子さんが浮かびます。
松井冬子さんが描く幽霊には足のある作品もありました。