英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『相棒 eleven』 第3話「ゴールデンボーイ」

2012-10-25 12:54:47 | ドラマ・映画
事件の悲しい顛末と享の信条
 荒木(趙和)は根っからのボクサーで純粋だった。そして、それ故の悲劇。荒木に接近し、捜査の枠を超えるほどの関わりを持った享は、荒木を救えなかった自分の無力さを悔い、それを忘れないと決意する。

 今回も享のキャラを描くのが中心で、上記の無垢な純粋さと享曰く「警察官だから」持っていて当然の洞察力と推理力を展開する(右京から見ればまだまだではある)
 あと、事件発生現場に入る時、カーテンの揺らめきに気を取られ、隠れていた犯人を逃してしまった可能性が強いことを指摘され、普通、享でなくても見逃してしまう状況だったが、「ごめんなさい」と謝る素直さが光った。

 純粋なボクサー荒木が欲にまみれた悪人に罠にはめられ、「暴力団のトップから借金した」という事実に付け込まれてしまった。八百長を強要され、それを拒んだはずみで宮坂を殴り殺してしまった。さらに、そのことが原因でパンチを打てなくなってしまう。
 スキャンダル、殺人罪、トラウマ(パンチが打てない)という状況に追い込まれ、自ら命を絶ってしまった。本当にやるせない事件だった。
 享が荒木にであった時点では、既に救えない状況であった。突っ込んで考えれば、金を借りて脅された時点で、ジムのトレーナーに相談し公にして、協会、あるいは世間の判断に委ねるのがベストだったと思うが、なかなか、そのように判断できないだろうなあ。(この場合に限らず一般的に、困った時は信頼できる人に相談した方が良いであろう)
 ところで、借りた金はどうなったのだろう?そもそも、世界チャンピオンになればジムに恩返しが出来たのだろうに…

右京について
 事件現場のカーテンに疑問を感じ、偽装に気づいたのはさすが!
 しかし、メインが享と荒木だったため、その後は(違法捜査をして)スポーツ賭博を摘発したぐらいで、傍観者的役割が強かった。
 そのせいで、荒木の死、トレーナーが殺人を犯すのを止められなかったのが残念。それならそれで、巨悪を糾弾して欲しかったがそれもなしなのも、やるせなさが強く残った一因である。(罪を犯したのは荒木とトレーナーだったが、その原因で、遥かに悪の連中を賭博を摘発しただけで、それ以外は糾弾しなかった)

 右京に息子の事を忘れてしまいたいという甲斐(石坂浩二)。時間は前後してしまうが、この会話の後に「覚えておきたいんです。何も出来なかったことを…」というシーンを挿入した方が良いように思う。



【ストーリー】番組サイトより
 笛吹悦子(真飛聖)と食事へ行こうとしていた甲斐享(成宮寛貴)は、矢先に近くのマンションの管理人に呼び止められてしまう。人が転落したというのだ。転落した男=宮坂はすでに死亡していた。玄関をあけて中へ入ると、パソコン画面に遺書めいた文字が残されているだけだった。

 伊丹(川原和久)ら一課の調べによると、どうやら借金を苦に飛び降り自殺したらしい。
 右京は現場の状況から自殺説に疑問を抱く。右京の指示で米沢が調べると、室内からルミノール反応を検出。何者かが宮坂を室内で殺害、その後自殺に見せかけるために窓から投げ落とした可能性が高くなる。
 宮坂の死因は撲殺と判明。やはり自殺ではなく他殺だった。その宮坂が死ぬ直前、パソコンでボクシングの動画を見ていたことがわかり、右京と享はそのボクサー、荒木(趙和)が所属するジムへと向かう。
 スポーツ記者の松井(渡嘉敷勝男)によると、荒木は代役として出場した試合で世界ランカーをKO。一気に世界タイトルへの挑戦権を手に入れ、ゴールデンボーイともてはやされているボクサーだという。元ボクサーでトレーナーの石堂(山本龍二)や荒木の話では、殺された宮坂は荒木の同郷の先輩。なぜか石堂の手は包帯で覆われていた…。
 享は捜査のため自ら率先して荒木のボクシングジムに入門し、激しいトレーニングを受けつつ石堂や荒木らの様子をうかがう。だが、そのとき荒木に信じられないような異変が…。

 世界チャンピオンを狙うボクサーが事件に巻き込んだのか、巻き込まれたのか? 享が自らの体を酷使しながらたどり着いた驚くべき結末とは?

ゲスト: 山本龍二 趙和 若杉宏二 渡嘉敷勝男

脚本:太田愛
監督:和泉聖治
コメント (4)
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