いよいよ始まった『へろ』……否、『HERO』!
コテコテのボケはさておき、実は「2」が始まるの、忘れていました。見逃さなくてよかった。
一言で感想を言うと、『HERO』は『HERO』だった。
映画を除くと13年ぶりだが、
久利生は相変わらず、形式に囚われず、マイペース、信念・正義を貫く。
メンバーの入れ替わりはあるが、東京地検城西支部の独特の会話や雰囲気も引き継いでいる。
個人的には、前シリーズから13年経ていること自体、大きな驚きなのだが、
にも拘わらず、『HEROの世界』が変わっていないことに嬉しさを感じてしまう。
ただ、冷静に考えると、「変わらない久利生君、進歩しなくていいの?」と思ってもしまう。
さて、第1話であるが……
宝石強盗と居酒屋暴行事件の真相は見え見えで、真相解明よりも、久利生の検事としての正義感を描くのが目的だったのだろう。
また、真相が見え見えの分、久利生や城西支部のメンバーの心内を、視聴者には“どんでん返し”に思わせるようにしている。(こういった構成は、前シリーズでも見られた)
久利生の意図の逆転の構図
「時効が迫っている。早く起訴しないと時効が成立してしまう」という世間(上司)の声に対し、
「凶器の指紋だけでは、起訴できない」という久利生の主張
これが、今回の主題で、
「人生を左右しかねない起訴を、“取りあえず起訴”といういい加減な気持ちでしてはいけない。罪を犯したという確信がなければ起訴してはいけない。冤罪は絶対にあってはいけない」
という久利生や検事の正義を描いている。
話の流れ的には、
「指紋だけが証拠の容疑者の無実を証明しよう」と久利生が新事実を発見・証明していくのではと見せかけるのだが、
如何せん真相が見え見えなのが残念。
ただ、(無実を信じて調べるのではなく)確信がなければ起訴してはいけないという久利生の信念は描くことができた。
城西支部メンバーの逆転の構図
①大西が犯人に違いない。さっさと起訴すべきだ
②いざ担当が回ってきてみると、起訴できない
この流れから受ける印象は
Ⅰ起訴するだけの証拠も確信もなく起訴できない
Ⅱ本当に犯人なのだろうかと検事たちが疑心暗鬼になる
が、メンバーの心の内だと推し量ってしまう。
Ⅰについては、馬場&井戸コンビが徹夜で資料を読んだり、川尻部長検事が報道陣にキレて「(容疑者が)他にいないから“お前が犯人だ”って言うわけにはいかないんだよっ!」「時効になったら“残念でした”とあきらめるしかないんだよ。そういうルールなんだから」と怒鳴ってしまうが、これも久利生の信念と同じものであった。
それはともかく、『それを言っちゃあお終い』的な失言をしてしまったシーンは面白く、一見、久利生と正反対に見えて、同じ主張をしている点が秀逸である。
Ⅱについては、麻木を除いた他の検事たちも、実は「大西はクロ」と思っていたという逆転の構図があった。
こういう構図は、今回だけでなく前シリーズでもよく見られ、“後出しジャンケン”的過ぎるのが不満であった。今回も同じ印象を持った。
「15年前の事件など、3日で起訴なんかできるかよ」
「大西は犯ってるな」
「犯ってるな」
と云う会話を、最終盤に入れるのはどうかと思う。
「15年前の事件など、3日で起訴なんかできるかよ」など、冒頭にあっても全く不思議ではない台詞だ。
【その他の感想】
・牛丸次席検事が記者会見中、携帯に着信があり、記者たちに背を向けるシーンがあるが、後ろ向きの次席検事が映像で流れていたのが笑えた
・事項間際での暴行事件の聴取は、思わせぶり過ぎでテンポが悪かった
・久利生をよく知っているはずの前シリーズからの事務官が、初見の検事たちと同じように久利生の評価が低いのはおかしい。
・『サラリーマンNEO』のキャスター役でお馴染みの中田有紀さんが、さりげなくニュースキャスター役を演じていた
【ストーリー】番組サイトより
とある居酒屋で食事中の久利生公平(木村拓哉)。店員に、自分は引っ越してきたばかりなど久利生が話をしていると、店内で争う音が。と、他の店員が客に突き飛ばされて階上から落下してくる。どうやら、客に突き飛ばされたようだ。久利生は、突き飛ばした客を追いかけ、必至の抵抗に遭いながらも、何とか取り押さえた。
その頃、東京地検城西支部のメンバーは、新たに着任する検事の話題で持ち切り。特に、事務官の麻木千佳(北川景子)は、新任検事とコンビを組むことになっているので、他のメンバーから注目されていた。そんな朝、出庁した千佳が自分の担当する検事室に行くと、見慣れない男が腹筋の真っ最中。唖然としてドアを閉め、フリースペースに戻った千佳に、川尻健三郎検事部長(松重豊)が新任検事の名前がわかったと伝える。その名は、久利生公平。この名前、いや本人を知る事務官の遠藤堅司(八嶋智人)、末次隆之(小日向文世)は驚きの反応。すると、部屋から当の久利生が出てきた。検事の田村雅史(杉本哲太)ら久利生を知らない検事たちは、ジーパン姿に茫然。これからコンビを組む千佳は、軽い目眩を感じる。
着任したばかりの久利生は、早速取り調べを開始。最初の被疑者は、大西祐二。先日、久利生自ら取り押さえた男。だが、大西の指紋が15年前の宝石強盗犯人のものと一致。しかも、時効成立は3日後に迫っていた。大西は強盗事件関与を否定するが…。
コテコテのボケはさておき、実は「2」が始まるの、忘れていました。見逃さなくてよかった。
一言で感想を言うと、『HERO』は『HERO』だった。
映画を除くと13年ぶりだが、
久利生は相変わらず、形式に囚われず、マイペース、信念・正義を貫く。
メンバーの入れ替わりはあるが、東京地検城西支部の独特の会話や雰囲気も引き継いでいる。
個人的には、前シリーズから13年経ていること自体、大きな驚きなのだが、
にも拘わらず、『HEROの世界』が変わっていないことに嬉しさを感じてしまう。
ただ、冷静に考えると、「変わらない久利生君、進歩しなくていいの?」と思ってもしまう。
さて、第1話であるが……
宝石強盗と居酒屋暴行事件の真相は見え見えで、真相解明よりも、久利生の検事としての正義感を描くのが目的だったのだろう。
また、真相が見え見えの分、久利生や城西支部のメンバーの心内を、視聴者には“どんでん返し”に思わせるようにしている。(こういった構成は、前シリーズでも見られた)
久利生の意図の逆転の構図
「時効が迫っている。早く起訴しないと時効が成立してしまう」という世間(上司)の声に対し、
「凶器の指紋だけでは、起訴できない」という久利生の主張
これが、今回の主題で、
「人生を左右しかねない起訴を、“取りあえず起訴”といういい加減な気持ちでしてはいけない。罪を犯したという確信がなければ起訴してはいけない。冤罪は絶対にあってはいけない」
という久利生や検事の正義を描いている。
話の流れ的には、
「指紋だけが証拠の容疑者の無実を証明しよう」と久利生が新事実を発見・証明していくのではと見せかけるのだが、
如何せん真相が見え見えなのが残念。
ただ、(無実を信じて調べるのではなく)確信がなければ起訴してはいけないという久利生の信念は描くことができた。
城西支部メンバーの逆転の構図
①大西が犯人に違いない。さっさと起訴すべきだ
②いざ担当が回ってきてみると、起訴できない
この流れから受ける印象は
Ⅰ起訴するだけの証拠も確信もなく起訴できない
Ⅱ本当に犯人なのだろうかと検事たちが疑心暗鬼になる
が、メンバーの心の内だと推し量ってしまう。
Ⅰについては、馬場&井戸コンビが徹夜で資料を読んだり、川尻部長検事が報道陣にキレて「(容疑者が)他にいないから“お前が犯人だ”って言うわけにはいかないんだよっ!」「時効になったら“残念でした”とあきらめるしかないんだよ。そういうルールなんだから」と怒鳴ってしまうが、これも久利生の信念と同じものであった。
それはともかく、『それを言っちゃあお終い』的な失言をしてしまったシーンは面白く、一見、久利生と正反対に見えて、同じ主張をしている点が秀逸である。
Ⅱについては、麻木を除いた他の検事たちも、実は「大西はクロ」と思っていたという逆転の構図があった。
こういう構図は、今回だけでなく前シリーズでもよく見られ、“後出しジャンケン”的過ぎるのが不満であった。今回も同じ印象を持った。
「15年前の事件など、3日で起訴なんかできるかよ」
「大西は犯ってるな」
「犯ってるな」
と云う会話を、最終盤に入れるのはどうかと思う。
「15年前の事件など、3日で起訴なんかできるかよ」など、冒頭にあっても全く不思議ではない台詞だ。
【その他の感想】
・牛丸次席検事が記者会見中、携帯に着信があり、記者たちに背を向けるシーンがあるが、後ろ向きの次席検事が映像で流れていたのが笑えた
・事項間際での暴行事件の聴取は、思わせぶり過ぎでテンポが悪かった
・久利生をよく知っているはずの前シリーズからの事務官が、初見の検事たちと同じように久利生の評価が低いのはおかしい。
・『サラリーマンNEO』のキャスター役でお馴染みの中田有紀さんが、さりげなくニュースキャスター役を演じていた
【ストーリー】番組サイトより
とある居酒屋で食事中の久利生公平(木村拓哉)。店員に、自分は引っ越してきたばかりなど久利生が話をしていると、店内で争う音が。と、他の店員が客に突き飛ばされて階上から落下してくる。どうやら、客に突き飛ばされたようだ。久利生は、突き飛ばした客を追いかけ、必至の抵抗に遭いながらも、何とか取り押さえた。
その頃、東京地検城西支部のメンバーは、新たに着任する検事の話題で持ち切り。特に、事務官の麻木千佳(北川景子)は、新任検事とコンビを組むことになっているので、他のメンバーから注目されていた。そんな朝、出庁した千佳が自分の担当する検事室に行くと、見慣れない男が腹筋の真っ最中。唖然としてドアを閉め、フリースペースに戻った千佳に、川尻健三郎検事部長(松重豊)が新任検事の名前がわかったと伝える。その名は、久利生公平。この名前、いや本人を知る事務官の遠藤堅司(八嶋智人)、末次隆之(小日向文世)は驚きの反応。すると、部屋から当の久利生が出てきた。検事の田村雅史(杉本哲太)ら久利生を知らない検事たちは、ジーパン姿に茫然。これからコンビを組む千佳は、軽い目眩を感じる。
着任したばかりの久利生は、早速取り調べを開始。最初の被疑者は、大西祐二。先日、久利生自ら取り押さえた男。だが、大西の指紋が15年前の宝石強盗犯人のものと一致。しかも、時効成立は3日後に迫っていた。大西は強盗事件関与を否定するが…。