今話は、久利生が担当したキャビンアテンダントの覚せい剤の所持・使用の起訴と田村が担当していた暴行致死事件の被疑者死亡による不起訴の件の2件が主要イベント。そして、事務官の入れ替えによって、メンバー(特に田村検事と事務官の遠藤、末次、麻木)が心を動かされるというストーリーであった。
容疑を認め、反省もしているようなので、起訴して落着するのが通常らしいが、久利生はそれで片を付けない。家族、友人、同僚に話を聞いて、「被疑者のキャラを掴む」というのだ。
罪状だけでなく被疑者を一人の人間として向かい合い、自分の犯した罪の重さをしっかり理解してほしいという考えなのである。
末次事務官の言葉を借りると
「まだ帰らないの、末次さん」(田村)
「久利生検事についちゃいましたから、私。いろいろ調べものとか増えちゃって」
「しつこいんだな、あいつ」(田村)
「昔からですよ。……でも、まあ…ああいうのもありかも」
「あり?」(田村)
「久利生さんが担当する被疑者はみんな、納得して処分を受け入れますからねぇ。泣きわめいたり、暴れたりしないんで、事務官、助かります」
「どうして?」(田村)
「ちゃんと、向き合っているからでしょうねぇ。ガチンコって言うの?傍で見ていると、ヒヤヒヤしちゃうけど」
この末次との会話より、田村が改心?
遺族との対話を逃げていた田村が、しっかり向き合い、説明し、謝罪までした。
田村を嫌がっていた遠藤も、しっかりフォローしていた。
さて、反省し気持ちを切り替えて前向きの姿勢の涼子に対し、
職場の同僚や兄の気持ちを伝える久利生だが、
「大丈夫です。もう覚せい剤なんてやりませんから。早く処分を決めてください」と涼子。
ここで、久利生が深く考え込む。
「ひょっとして…………投げやりになってません?」
「なってません。早く終わって、吹っ切りたいんです」
「人生をやり直す?」
「はい」
「………川邊さん、やっぱり……自分がやったこと、分かってないですよ」
「え?」
「前の取り調べの時、おっしゃてましたよね、“ちょっとつまずいただけだ”って」
「だって、そうなんだから」
「末次さん、覚せい剤に手を出す動機って、だいたいの人、同じですよね」
「最初は、軽い気持ち。不規則な生活による疲れを解消するためとか」(末次)
「もうまさに…(あなただ)。でも、それがシャレになんないんですよね」
「覚せい剤は精神的依存はもちろん、肉体的依存も強く、常用すれば幻覚や妄想を発症する危険な薬物です」(末次)
「そんなこと、分かっています!でも私はまだ…」
「確かに、初めてですし、周りの誰にも迷惑かけていないと思っているかもしれませんけど、それ違いますよ!……ね、末次さん」
「あなたが売人に払ったお金は、暴力団や海外の犯罪組織の資金になります」(末次)
「そのお金が別の新しい犯罪に利用される。…はぁ、他の誰かが、また傷つけられる」
「だから…反省してるって言ってるじゃないですか」
「甘く見ない方がいいですよ。
今までも、そういう方たち、たくさんいらっしゃいましたけど、覚せい剤を断ち切るのって滅茶苦茶大変なんですよ!強烈に中毒性のある薬物ですし。あなたが思っているように、簡単にはやめられないじゃないんですかね。
今、あなたはちょっとつまずいたって言ってますけど。あなたは大失敗やらかしちゃってんですよ。自分は大丈夫だってすぐ立ち直れるって、強がってる場合じゃないんですよ。
初犯ですし、反省もされてますから。まあ裁判では、執行猶予がつくと思いますけど。
でもお願いします……気ぃ緩めないでください。あなたには心から心配してくれる人たちがたくさんいるんです!
そのことだけは、絶対っに忘れちゃダメなんです。お願いします…川邊さん、お願いします」
「…はい……(ひぃっく、ひっく)……」
気持ちを切り替えて、前向きに歩もうと思っている人間に、「あなたは大失敗やらかしちゃってんですよ」って、言いきっちゃっていいの?と思いました。
おそらく、逮捕後、涼子には考える時間はたくさんあり、「自分のしたこと、そして、それによって、会社を解雇される、今後の人間関係も変わってしまう」ということも、考え及んだはずである。
そして、久利生もそういう彼女の気持ちも理解していたはずである。
久利生は同僚などの話を聞いて、涼子のしっかりした人間性を把握し考慮したうえの言葉だったのだろう。覚せい剤がらみでなかったら、また違う言葉になったのかもしれない。
それにしても、久利生の言葉は厳しいが、同じ目線で語っているので、説得力があるなあ。
キムタクでなければ、久利生の味が出ないという気がする
今シリーズは「捻りが足りない」という評価もたまに見る。正直、私も少し思っている。
今回、久利生が聞き込む裏には、≪もしかしたら、彼女は誰かを庇っているのでは?≫なんて勘ぐってしまったが、深読みし過ぎであった。
もしかしたら、視聴者のそういう猜疑心を考慮して、二重に捻り1回転させた?
いや、今シリーズは、久利生の検事としての志や信念を、真正面から描くつもりなのかもしれない。捻りを加えるのは、後半から?
もう一つの、今シリーズのチェンジした点は、キャストの交代。
特に目立つのは、やはり、ヒロインの麻木。演じる北川さんは、前シリーズの雨宮(松たか子)と比較されて大変だ。彼女も頑張っていると思う。
気の毒なのは、麻木というキャラが、まだ未熟で、今後、久利生に感化されて変化していくという設定みたいなので、現在の彼女が魅力が不足気味なってしまっていることで、北川さんの演技や魅力によるものではないように思う。今後に期待したい。
私が気になるのは、濱田岳さん演じる宇野検事。彼も、今後変わると予想されるが、麻木に対する粘着質的行為にはストレスを感じてしまう。濱田君は好きな役者なんだけど。
今回、川尻部長の爆発が、不発気味だったのが残念。
↓このあらすじ、今回、久利生が起訴したキャビンアテンダントの覚せい剤使用については何も書かれていない。
サブタイトルが「真実の行方 コンビ解消の危機!?絶対に謝らない検事」だから良いのかもしれないが、少し不満。
【ストーリー】番組サイトより
久利生公平(木村拓哉)の担当事務官は、多忙な毎日。他の検事たちより取り調べに時間がかかるからだ。もちろん、麻木千佳(北川景子)も例外ではない。その日の夜も、久しぶりに仕事が早く終わったので、大好きな食べ歩きをしようと店に入って、注文した料理が来たところに久利生から電話。久利生が城西支部の夜当番の日だった。千佳は仕方なく料理をテイクアウトして、久利生に呼び出された城西署へ向かう。
城西署では、取調中の被疑者、佐伯亘(山崎画大)が留置場で亡くなっていた。立ち会った医師は、心筋梗塞と判断。久利生と千佳は、佐伯の死に事件性がないことを確認して城西署を後にする。
翌日の城西支部で、佐伯を取り調べていた田村雅史(杉本哲太)が、もう少しで起訴出来たと歯嚙みしていると、長谷川洋介という人物から電話がかかってきた。その名に驚く田村と遠藤賢司(八嶋智人)。なぜなら、洋介は佐伯に殺害された被害者なのだ。電話を受けていた千佳が確認すると、相手は洋介の父、長谷川誠一(前田吟)と判明。誠一は、佐伯の裁判がいつ始まるかを知りたかった。電話を変わった遠藤が被疑者死亡で起訴されないと説明すると、誠一は絶句してしまう。
この日から、誠一が、城西支部を何度も訪ねたり、電話をかけてくるようになってしまう。担当検事に会わせて欲しいと訴える誠一。だが、当の田村は相手をしようとせず、遠藤に応対を押し付けてしまう。
容疑を認め、反省もしているようなので、起訴して落着するのが通常らしいが、久利生はそれで片を付けない。家族、友人、同僚に話を聞いて、「被疑者のキャラを掴む」というのだ。
罪状だけでなく被疑者を一人の人間として向かい合い、自分の犯した罪の重さをしっかり理解してほしいという考えなのである。
末次事務官の言葉を借りると
「まだ帰らないの、末次さん」(田村)
「久利生検事についちゃいましたから、私。いろいろ調べものとか増えちゃって」
「しつこいんだな、あいつ」(田村)
「昔からですよ。……でも、まあ…ああいうのもありかも」
「あり?」(田村)
「久利生さんが担当する被疑者はみんな、納得して処分を受け入れますからねぇ。泣きわめいたり、暴れたりしないんで、事務官、助かります」
「どうして?」(田村)
「ちゃんと、向き合っているからでしょうねぇ。ガチンコって言うの?傍で見ていると、ヒヤヒヤしちゃうけど」
この末次との会話より、田村が改心?
遺族との対話を逃げていた田村が、しっかり向き合い、説明し、謝罪までした。
田村を嫌がっていた遠藤も、しっかりフォローしていた。
さて、反省し気持ちを切り替えて前向きの姿勢の涼子に対し、
職場の同僚や兄の気持ちを伝える久利生だが、
「大丈夫です。もう覚せい剤なんてやりませんから。早く処分を決めてください」と涼子。
ここで、久利生が深く考え込む。
「ひょっとして…………投げやりになってません?」
「なってません。早く終わって、吹っ切りたいんです」
「人生をやり直す?」
「はい」
「………川邊さん、やっぱり……自分がやったこと、分かってないですよ」
「え?」
「前の取り調べの時、おっしゃてましたよね、“ちょっとつまずいただけだ”って」
「だって、そうなんだから」
「末次さん、覚せい剤に手を出す動機って、だいたいの人、同じですよね」
「最初は、軽い気持ち。不規則な生活による疲れを解消するためとか」(末次)
「もうまさに…(あなただ)。でも、それがシャレになんないんですよね」
「覚せい剤は精神的依存はもちろん、肉体的依存も強く、常用すれば幻覚や妄想を発症する危険な薬物です」(末次)
「そんなこと、分かっています!でも私はまだ…」
「確かに、初めてですし、周りの誰にも迷惑かけていないと思っているかもしれませんけど、それ違いますよ!……ね、末次さん」
「あなたが売人に払ったお金は、暴力団や海外の犯罪組織の資金になります」(末次)
「そのお金が別の新しい犯罪に利用される。…はぁ、他の誰かが、また傷つけられる」
「だから…反省してるって言ってるじゃないですか」
「甘く見ない方がいいですよ。
今までも、そういう方たち、たくさんいらっしゃいましたけど、覚せい剤を断ち切るのって滅茶苦茶大変なんですよ!強烈に中毒性のある薬物ですし。あなたが思っているように、簡単にはやめられないじゃないんですかね。
今、あなたはちょっとつまずいたって言ってますけど。あなたは大失敗やらかしちゃってんですよ。自分は大丈夫だってすぐ立ち直れるって、強がってる場合じゃないんですよ。
初犯ですし、反省もされてますから。まあ裁判では、執行猶予がつくと思いますけど。
でもお願いします……気ぃ緩めないでください。あなたには心から心配してくれる人たちがたくさんいるんです!
そのことだけは、絶対っに忘れちゃダメなんです。お願いします…川邊さん、お願いします」
「…はい……(ひぃっく、ひっく)……」
気持ちを切り替えて、前向きに歩もうと思っている人間に、「あなたは大失敗やらかしちゃってんですよ」って、言いきっちゃっていいの?と思いました。
おそらく、逮捕後、涼子には考える時間はたくさんあり、「自分のしたこと、そして、それによって、会社を解雇される、今後の人間関係も変わってしまう」ということも、考え及んだはずである。
そして、久利生もそういう彼女の気持ちも理解していたはずである。
久利生は同僚などの話を聞いて、涼子のしっかりした人間性を把握し考慮したうえの言葉だったのだろう。覚せい剤がらみでなかったら、また違う言葉になったのかもしれない。
それにしても、久利生の言葉は厳しいが、同じ目線で語っているので、説得力があるなあ。
キムタクでなければ、久利生の味が出ないという気がする
今シリーズは「捻りが足りない」という評価もたまに見る。正直、私も少し思っている。
今回、久利生が聞き込む裏には、≪もしかしたら、彼女は誰かを庇っているのでは?≫なんて勘ぐってしまったが、深読みし過ぎであった。
もしかしたら、視聴者のそういう猜疑心を考慮して、二重に捻り1回転させた?
いや、今シリーズは、久利生の検事としての志や信念を、真正面から描くつもりなのかもしれない。捻りを加えるのは、後半から?
もう一つの、今シリーズのチェンジした点は、キャストの交代。
特に目立つのは、やはり、ヒロインの麻木。演じる北川さんは、前シリーズの雨宮(松たか子)と比較されて大変だ。彼女も頑張っていると思う。
気の毒なのは、麻木というキャラが、まだ未熟で、今後、久利生に感化されて変化していくという設定みたいなので、現在の彼女が魅力が不足気味なってしまっていることで、北川さんの演技や魅力によるものではないように思う。今後に期待したい。
私が気になるのは、濱田岳さん演じる宇野検事。彼も、今後変わると予想されるが、麻木に対する粘着質的行為にはストレスを感じてしまう。濱田君は好きな役者なんだけど。
今回、川尻部長の爆発が、不発気味だったのが残念。
↓このあらすじ、今回、久利生が起訴したキャビンアテンダントの覚せい剤使用については何も書かれていない。
サブタイトルが「真実の行方 コンビ解消の危機!?絶対に謝らない検事」だから良いのかもしれないが、少し不満。
【ストーリー】番組サイトより
久利生公平(木村拓哉)の担当事務官は、多忙な毎日。他の検事たちより取り調べに時間がかかるからだ。もちろん、麻木千佳(北川景子)も例外ではない。その日の夜も、久しぶりに仕事が早く終わったので、大好きな食べ歩きをしようと店に入って、注文した料理が来たところに久利生から電話。久利生が城西支部の夜当番の日だった。千佳は仕方なく料理をテイクアウトして、久利生に呼び出された城西署へ向かう。
城西署では、取調中の被疑者、佐伯亘(山崎画大)が留置場で亡くなっていた。立ち会った医師は、心筋梗塞と判断。久利生と千佳は、佐伯の死に事件性がないことを確認して城西署を後にする。
翌日の城西支部で、佐伯を取り調べていた田村雅史(杉本哲太)が、もう少しで起訴出来たと歯嚙みしていると、長谷川洋介という人物から電話がかかってきた。その名に驚く田村と遠藤賢司(八嶋智人)。なぜなら、洋介は佐伯に殺害された被害者なのだ。電話を受けていた千佳が確認すると、相手は洋介の父、長谷川誠一(前田吟)と判明。誠一は、佐伯の裁判がいつ始まるかを知りたかった。電話を変わった遠藤が被疑者死亡で起訴されないと説明すると、誠一は絶句してしまう。
この日から、誠一が、城西支部を何度も訪ねたり、電話をかけてくるようになってしまう。担当検事に会わせて欲しいと訴える誠一。だが、当の田村は相手をしようとせず、遠藤に応対を押し付けてしまう。