英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『HERO』 第3話

2014-07-30 22:02:16 | ドラマ・映画
今話は、久利生が担当したキャビンアテンダントの覚せい剤の所持・使用の起訴田村が担当していた暴行致死事件の被疑者死亡による不起訴の件の2件が主要イベント。そして、事務官の入れ替えによって、メンバー(特に田村検事と事務官の遠藤、末次、麻木)が心を動かされるというストーリーであった。


 容疑を認め、反省もしているようなので、起訴して落着するのが通常らしいが、久利生はそれで片を付けない。家族、友人、同僚に話を聞いて、「被疑者のキャラを掴む」というのだ。
 罪状だけでなく被疑者を一人の人間として向かい合い、自分の犯した罪の重さをしっかり理解してほしいという考えなのである。

 末次事務官の言葉を借りると
「まだ帰らないの、末次さん」(田村)
「久利生検事についちゃいましたから、私。いろいろ調べものとか増えちゃって」
「しつこいんだな、あいつ」(田村)
「昔からですよ。……でも、まあ…ああいうのもありかも」
「あり?」(田村)
「久利生さんが担当する被疑者はみんな、納得して処分を受け入れますからねぇ。泣きわめいたり、暴れたりしないんで、事務官、助かります」
「どうして?」(田村)
「ちゃんと、向き合っているからでしょうねぇ。ガチンコって言うの?傍で見ていると、ヒヤヒヤしちゃうけど」


 この末次との会話より、田村が改心?
 遺族との対話を逃げていた田村が、しっかり向き合い、説明し、謝罪までした。

 田村を嫌がっていた遠藤も、しっかりフォローしていた。


さて、反省し気持ちを切り替えて前向きの姿勢の涼子に対し、
職場の同僚や兄の気持ちを伝える久利生だが、
「大丈夫です。もう覚せい剤なんてやりませんから。早く処分を決めてください」と涼子。
ここで、久利生が深く考え込む。

「ひょっとして…………投げやりになってません?」
「なってません。早く終わって、吹っ切りたいんです」
「人生をやり直す?」
「はい」
「………川邊さん、やっぱり……自分がやったこと、分かってないですよ」
「え?」
「前の取り調べの時、おっしゃてましたよね、“ちょっとつまずいただけだ”って」
「だって、そうなんだから」
「末次さん、覚せい剤に手を出す動機って、だいたいの人、同じですよね」
「最初は、軽い気持ち。不規則な生活による疲れを解消するためとか」(末次)
「もうまさに…(あなただ)。でも、それがシャレになんないんですよね」
「覚せい剤は精神的依存はもちろん、肉体的依存も強く、常用すれば幻覚や妄想を発症する危険な薬物です」(末次)
「そんなこと、分かっています!でも私はまだ…」
「確かに、初めてですし、周りの誰にも迷惑かけていないと思っているかもしれませんけど、それ違いますよ!……ね、末次さん」
「あなたが売人に払ったお金は、暴力団や海外の犯罪組織の資金になります」(末次)
「そのお金が別の新しい犯罪に利用される。…はぁ、他の誰かが、また傷つけられる」
「だから…反省してるって言ってるじゃないですか」
「甘く見ない方がいいですよ。
 今までも、そういう方たち、たくさんいらっしゃいましたけど、覚せい剤を断ち切るのって滅茶苦茶大変なんですよ!強烈に中毒性のある薬物ですし。あなたが思っているように、簡単にはやめられないじゃないんですかね。
 今、あなたはちょっとつまずいたって言ってますけど。あなたは大失敗やらかしちゃってんですよ。自分は大丈夫だってすぐ立ち直れるって、強がってる場合じゃないんですよ。
 初犯ですし、反省もされてますから。まあ裁判では、執行猶予がつくと思いますけど。
 でもお願いします……気ぃ緩めないでください。あなたには心から心配してくれる人たちがたくさんいるんです!
 そのことだけは、絶対っに忘れちゃダメなんです。お願いします…川邊さん、お願いします

「…はい……(ひぃっく、ひっく)……」

 気持ちを切り替えて、前向きに歩もうと思っている人間に、「あなたは大失敗やらかしちゃってんですよ」って、言いきっちゃっていいの?と思いました。
 おそらく、逮捕後、涼子には考える時間はたくさんあり、「自分のしたこと、そして、それによって、会社を解雇される、今後の人間関係も変わってしまう」ということも、考え及んだはずである。

 そして、久利生もそういう彼女の気持ちも理解していたはずである。
 久利生は同僚などの話を聞いて、涼子のしっかりした人間性を把握し考慮したうえの言葉だったのだろう。覚せい剤がらみでなかったら、また違う言葉になったのかもしれない。

 それにしても、久利生の言葉は厳しいが、同じ目線で語っているので、説得力があるなあ。
 キムタクでなければ、久利生の味が出ないという気がする



 今シリーズは「捻りが足りない」という評価もたまに見る。正直、私も少し思っている。
 今回、久利生が聞き込む裏には、≪もしかしたら、彼女は誰かを庇っているのでは?≫なんて勘ぐってしまったが、深読みし過ぎであった。
 もしかしたら、視聴者のそういう猜疑心を考慮して、二重に捻り1回転させた?
 いや、今シリーズは、久利生の検事としての志や信念を、真正面から描くつもりなのかもしれない。捻りを加えるのは、後半から?

 もう一つの、今シリーズのチェンジした点は、キャストの交代。
 特に目立つのは、やはり、ヒロインの麻木。演じる北川さんは、前シリーズの雨宮(松たか子)と比較されて大変だ。彼女も頑張っていると思う。
 気の毒なのは、麻木というキャラが、まだ未熟で、今後、久利生に感化されて変化していくという設定みたいなので、現在の彼女が魅力が不足気味なってしまっていることで、北川さんの演技や魅力によるものではないように思う。今後に期待したい。

 私が気になるのは、濱田岳さん演じる宇野検事。彼も、今後変わると予想されるが、麻木に対する粘着質的行為にはストレスを感じてしまう。濱田君は好きな役者なんだけど。

 今回、川尻部長の爆発が、不発気味だったのが残念。



↓このあらすじ、今回、久利生が起訴したキャビンアテンダントの覚せい剤使用については何も書かれていない。
 サブタイトルが「真実の行方 コンビ解消の危機!?絶対に謝らない検事」だから良いのかもしれないが、少し不満。

【ストーリー】番組サイトより
 久利生公平(木村拓哉)の担当事務官は、多忙な毎日。他の検事たちより取り調べに時間がかかるからだ。もちろん、麻木千佳(北川景子)も例外ではない。その日の夜も、久しぶりに仕事が早く終わったので、大好きな食べ歩きをしようと店に入って、注文した料理が来たところに久利生から電話。久利生が城西支部の夜当番の日だった。千佳は仕方なく料理をテイクアウトして、久利生に呼び出された城西署へ向かう。
 城西署では、取調中の被疑者、佐伯亘(山崎画大)が留置場で亡くなっていた。立ち会った医師は、心筋梗塞と判断。久利生と千佳は、佐伯の死に事件性がないことを確認して城西署を後にする。
 翌日の城西支部で、佐伯を取り調べていた田村雅史(杉本哲太)が、もう少しで起訴出来たと歯嚙みしていると、長谷川洋介という人物から電話がかかってきた。その名に驚く田村と遠藤賢司(八嶋智人)。なぜなら、洋介は佐伯に殺害された被害者なのだ。電話を受けていた千佳が確認すると、相手は洋介の父、長谷川誠一(前田吟)と判明。誠一は、佐伯の裁判がいつ始まるかを知りたかった。電話を変わった遠藤が被疑者死亡で起訴されないと説明すると、誠一は絶句してしまう。
 この日から、誠一が、城西支部を何度も訪ねたり、電話をかけてくるようになってしまう。担当検事に会わせて欲しいと訴える誠一。だが、当の田村は相手をしようとせず、遠藤に応対を押し付けてしまう。
コメント (2)
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『軍師官兵衛』 第30話「中国大返し」

2014-07-30 00:41:42 | ドラマ・映画
本能寺の変により、秀吉の第一義は「明智討伐」となった。

そのため、
Ⅰ毛利と和睦(前話)
Ⅱ中国大返し(今話)
Ⅲ山崎の合戦(今話?)

大戦略であるが、

明智に勝利するため、秀吉・官兵衛は万全の策を施す
(「中国大返し」についての考察は後述)
①「共に明智を討つべし」という書状を畿内一円の武将に、幾度も送る
②兵たちを実家に帰さない

 里心がついて、士気が下がるのを避けた
 (この指令を出した官兵衛は、その手前、光に会うのを遠慮するという官兵衛らしさを演出)
③金銀や米をすべて兵たちに分け与える
 士気を上げる
④明智に使者を送り、宣戦布告
・明智軍を動揺させる
・「義(信長の弔い)は秀吉軍にあり」と公言することで、近辺の諸将(世論)を味方に付け、味方の士気は上がり、敵の士気は下がる
⑤悪日に出陣を吉報と嘯く狂言を仕組む
 悪日出陣の畏れを一掃し、士気を上げる
⑥摂津の大名衆(池田恒興、中川清秀、高山右近)をとり込む
 摂津衆、秀吉の髷を切って示した覚悟に感服。大返しの迅速さで、羽柴軍の強さを感じる
⑦信孝(丹羽長秀)を軍に加える
 信長の血筋を立てることで、大義を得る


これに対し、明智光秀の敗因 

1“大義なき逆臣”
 「戦闘準備のない主君に夜襲を掛けた」という事実で、諸将は明智に付くことを躊躇った

2公家を味方に付けるが、公家たちは何の役にも立たない
 室町末期は、都の腐敗より戦乱の世となった。その都(天皇・公家)中心の世を復活させようとしても説得力はない

 敗走の際、「この国の為にしてきたことは、間違いだったのか?」とつぶやいたが、方向を間違えたと言わざるを得ない。
 自分の大志をアピールするため、信長の非道さをアピールし、安土城に火をつけるぐらいのパフォーマンスが必要だったのかもしれない。


 それにしても………
 「中国大返し」は迅速だったが、それを遥かに上回る瞬殺だった「山崎の合戦」


ナレーション
「6月13日午後4時、山崎に於いて両軍は激突した。
 羽柴軍4万、明智軍1万3千。
 すでに勝敗は見えていた(えっ?そうなの…)」

ナレーション後、戦況報告を待つ光秀の不安と諦めの混じった表情を10秒ほど映し、
「松田正親、伊勢忠興様、お討ち死に」
「斎藤利三様、お討ち死に」(小木茂光さん、見せ場なく退場)
頼りの腹心・斎藤利三討ち死にの報によろめく光秀、
「………こんなはずでは……こんな」

(瞬時の場面転換で敗走の場面)
「この国の為にしてきたことは、間違いだったのか?」
(「何を仰せか?そのようなこと、断じてありませぬ」)
「そうか、わしは間違っておらぬか………ぐはっ……」

ナレーション
「光秀は、あっけなくその生涯を終えた。本能寺の変から、わずか11日後のことであった」

 先のナレーション(すでに勝敗は見えていた)から、わずか2分弱のことであった。


こぞって官兵衛を持ち上げる登場人物
光秀「官兵衛か?あの男が何か考えおったのか?………やりおったな、官兵衛!」
おね「官兵衛殿、此度は官兵衛殿の策がことごとく当たったとか?
   官兵衛殿のおかげで勝ったようなものですね」




中国大返しについての疑問
ナレーション
「備中から姫路まで、およそ80kmの道のりを秀吉軍はわずか1日で走破した。驚異的な早さであった」


 意外と近距離。
 夜を徹して走ったらしいので20時間走ったと仮定すると、時速4km。………遅くない?
 いや、昼間の暑さを避けるため夜間に行軍したのかもしれない。
 でも、松明の準備も大変だぞ。あまり大がかりにすると、明智に動きが漏れる怖れも。

 確かに、握り飯、味噌、松明と「中国大返し」の為、用意周到さは認める。
 官兵衛自身も危惧していたが、走り続けた兵の疲労が1日の休息で取れるのか?
 走るより、重い荷物を馬や荷車を使って効率的に、無理をせず進軍した方が良いように思うが……
コメント (2)
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