英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season21 第16話「女神」

2023-02-10 11:53:10 | ドラマ・映画
~各々の思惑が交錯し、山荘で繰り広げられる心理戦、財宝の在りかは?~……興味をそそる展開だったが、どこか既視感を伴い、疑問も多いストーリーだった

まず、面白かった点
《悔しがるイタミン》
 “現場百篇”(“篇”と“編”はほぼ同意で、どちらを使用しても良いようです。“篇”は常用漢字ではないので、“編”を使う方が無難ですが、雰囲気を感じさせる“篇”を使いました)
 「“現場百篇”だ」と40年前の強盗犯・竹村彰二の殺害現場を調べまくるなど、『今度こそは特命係に先んじて“ホシを挙げる”』と意気込むイタミンだったが、行く先々で、右京の後追いしていることを知り、結局、右京がお膳立てした犯人を悔しさを滲ませて“連行するだけ”になってしまった。
《右京の洞察力・推理力vs志織の対話力・心情察知能力》
 詩織は“右京夫妻が偽りであること”を見抜き、右京も“志織が独身であること(結婚指輪はフェイク)”であることを見抜く。序盤の会話では志織が押し気味であったが、右京は詩織の事情や心情を見抜き、彼女が復讐を果たそうとするのを制止した。
《ひとり悩む亀山薫》
 ドラマ冒頭で、美和子に飲み物(水?)を顔にぶちまけられてしまう亀山。夫婦カウンセリングに参加させられ、離婚の危機に悩む。
 美和子の真意は、結婚詐欺の取材のためカウンセリングへの潜入取材だった。亀山は嘘が下手なので、腹を立てた芝居をしたのだった(右京も当然見抜いていた)。結婚詐欺や殺人や財宝のことなどについて全く気づかず、ひとり悩む亀山の様子が可笑しかった。対照的に、右京の妻役を楽しそうに演じる小手鞠も面白かった。
《性別のフェイクによるミスリード》
 “鈴木司”という名前や、養護施設の施設長が「鈴木君」と呼んだこと。また、強盗犯の一人についても“大沢”と呼び捨てにし、“一緒に強盗したヤツ”と呼ぶ)による性別をミスリードさせた。
 まあ、キャストの配置具合から、志織(銀粉蝶)が大沢であることは想像易しで、《結婚詐欺に騙されている眼鏡女子も実は…》というパターンぽかった。

 この他、自主返納?された財宝のケースを開ける際、参事官が爆弾処理の装備(顔を覆っていないので、効果薄)で恐る恐る処理ている姿とかも面白かったが、疑問なども多かった。
疑問点など
(最初の疑問以外は“重箱の隅つつき”だと思って書いているので、気にしないでください)

《40年前の強盗の動機》
 「皆が幸せになるためにやったことのはずだった。そのせいで離ればなれになってしまった」という志織の言葉。
 強盗の被害者が極悪人で、施設に3000万円寄付するなど義賊的意味合いがあったようだが、強盗までする理由が、今一つよく分からなかった。
 《強盗の罪を犯したら幸せになれない》ということは通常は分かると思うが、《金さえあれば皆が幸せになれる》という若気の至りと解釈はできる。それでも、当時の二人の切迫した事情が語られなかったので、やはり、強盗までするものなのか?
《強盗後の経過》
 “時効”とか“強盗”(強盗殺人ではない)と用語が使用されていたので、殺人は犯していないようだ。被害者は反撃して志織の首を切ったので、顔は視ていなかったのだろうか?相方の女性が首まで斬られたら、男(竹村彰二)は逆上して殺害してしまうと思う。
 それほど用意周到な犯行とは思えないので、被害者の目撃証言他にも証拠が残っていたはずだ。しばらく、二人は山荘に潜んでいたというが、警察は何をしていたのだろうか?
《志織のその後》
 《強盗をしたので、二人は離れ離れになってしまった》《愛し合うふたりが別れないように、夫婦カウンセリングを開いている》と言っていたが、《強盗をしたから別れなければならなかった》というのは、少し違うだろう。カウンセリングをすると言う結論もおかしい。
 《約束の場に竹村が来てくれなかったことを恨んでいない》と達観できたのかもしれないが、彼の身を案じることはなかったのだろうか?
 竹村の復讐を果たそうとしたのは理解できるが、竹村の寂しい最後の暮らしを悲しみ悔いる様子がないのはどうなのか?
《山荘夫婦カウンセリング?の採算などは?》
 山荘はかなりの不動産。購入費用は財宝で賄ったとしても、購入の際、財務課や税務署に目を付けられたかどうかは措いておくとしても、管理費や手間はどうしていたのだろう。
 そもそも、宿泊を受け入れる際の食事(料理、食材の仕入れ)やベッドメーキング・清掃などの部屋の世話を志織ひとりでこなしていたのだろうか?
 右京夫妻が飛び入り?参加しなかったら、たった二組の参加者。採算は合うのだろうか?(3組でも採算合わないだろう)

 その他の疑問、感想として、
・眼鏡女子はツーショットを撮る時、なぜ、眼鏡をはずしたのだろうか?
・竹村の最期の言葉「女神が持っている」ではなく、「女神が待っている」だったらしいが、実は「メガネが曇ってる」「何ぃっ?うるせえ、このジジイ」と逆上し殺害した…だったりして

 

第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」(初回SP)
第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
第3話「逃亡者 亀山薫」
第4話「最後の晩餐」
第5話「眠る爆弾」
第6話「笑う死体」
第7話「砂の記憶」
第8話「コイノイタミ」
第9話「丑三つのキョウコ」
第10話「黒いコートの女」
元日SP第11話「大金塊」
第12話「他人連れ」
第13話「椿二輪」
第14話「まばたきの叫び」
第15話「薔薇と髭と菫たち」

【ストーリー】(番組サイトより)
右京が“夫婦”でカウンセリングへ
狙いは山荘に隠された10億の“死を呼ぶ財宝”!?


 美和子(鈴木砂羽)が薫(寺脇康文)の態度に腹を立て、夫婦喧嘩が勃発。美和子の一方的な提案で、自然豊かな山荘に泊まり掛けで夫婦カウンセリングを受けることに。その件に興味を持った右京(水谷豊)は、「プロフィールだけ貸してほしい」と小手鞠(森口瑤子)に頼み、夫婦を装って参加する。
 カウンセラーは、橘志織(銀粉蝶)という女性。ただ、美和子の狙いはカウンセリングではなく、実は別の思惑があった。いっぽう、右京の興味も別にあった。志織がカウンセリングに使っている山荘は、40年前、二人組の強盗が奪った10億の財宝を隠したと噂される曰く付きの物件。
 さらに最近、逃げ続けていた強盗犯の一人が殺害され、その犯人が財宝を探しに山荘に姿を見せるのではないかと推理したのだ。それぞれの思惑の中、志織のカウンセリングが始まるが…!?

40年前に隠された財宝は山荘に眠っている?
鍵を握るのは右京さえ舌を巻くカウンセラー
二転三転の末、明らかになる驚愕の事実とは!?

ゲスト:銀粉蝶

脚本:神森万里江 
監督:内片輝
コメント (2)
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