英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

思いつきの政策で現場が難儀する事例  その1「保育所保育指針の改定(2018年)」

2023-02-20 16:47:01 | 時事
NHK『おはよう日本』では、現代社会の問題点や課題にスポットを当てて、紹介・解説するコーナーがある。保育園の現状と問題点や課題も、時々取り上げられている。
以前の時も、《大変だなあ》《制度(指針)改定が改悪になっている》などと、憤慨に近いものを感じたが、数日前のレポートもその続編で、同様な感想を持った。

「保育所保育指針」が2018年に改訂された。
大きな変更点としては、「保育所とは、養護だけではなく、幼児教育を行う施設である」と明記されたこと。

「仕事の忙しい保護者に代わって、子どもを養護する」→「養護だけではなく、幼児教育を行う」と保育所(保育園)の役割が変更(追加)されたのである。


《ここからが、『おはよう日本』のコーナーの内容》============
「保育に高い質が求められるようになったが、今の人数では実現不可能」
「保育内容が変わり、理想と現実のギャップに悩んでいる」

という現場の声。
【この声の保育士への取材】……2歳児12人を保育士2人で担当してる
 《一人一人が何をしたいか》――『こどもの主体性を重視した保育』が求められるようになった……と言う。

〈実際の取材映像〉――
 園庭で遊ぶ子供が多いが、部屋でお絵描きをする園児も2、3人いるという状況……園児ひとりひとりの主体性を尊重
 「おもちゃを探して」という園児の要求にこたえていると、一方で「抱っこして」とせがむ園児も。「少し待ってね」と言うと、泣き出してしまう。→抱っこしながらおもちゃを探す――

「安全に気を配りながら、一人一人の声に耳を傾けるのは、簡単ではない」
「もう一人(保育士が)いると、対応しやすい」

と言う。

【現状などを解説】
◆保育内容の変化
かつて 《協調性などを身に着けさせる》――集団での保育
        ↓
5年前、《子どもの主体性を尊重する》として保育指針を改定
 一人一人の関心や意欲を大切にするよう現場に求めた


 しかし、質の高い教育?(本当に質が高いかも疑問)を求めておきながら、国は配置基準は変えない(75年前から変わっていない)
  保育士一人当たり 0歳児  3人
  保育士一人当たり 1・2歳児 6人
  保育士一人当たり 3歳児  20人
  保育士一人当たり 4・5歳児 30人
 ………常にギリギリの人数で、さまざまな対応を求められている

再び、【保育士への取材】
 45分間の休憩時間に、食事をそこそこに切り上げて、保護者への連絡帳を記入
 帰宅後、子どもたちが作る凧の下準備


 出来るだけ家庭で子どもを見るようにしているという保護者の協力や、地域で清掃など保育士でなくても良い作業を補助するなどの動きはあるが ………
     ………残業が多く、人が足りないという保育の現状である
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 10年以上前、公民館で将棋教室を開いたことがあった。
 小学生5~8人、中学生4~6人、高齢者7~9人だった(多少増減)。7年ぐらい開講したと思う。
 小学生6人でも大変だった。心の中で《こいつら、幼稚園児か?》とよく思った。小学校の先生は大変だな……まして、幼稚園や保育園の先生は本当に大変だなあと。(小学校の教師は、保護者の相手も大変か)
 10年前でも、こんな感じ(私の修行が足りないのかも)だった。それが、《ひとりひとりの主体性を尊重》しなければならないとは!
 “ひとりひとりの主体性”と言えば聞こえが良いが、それをあまりにも尊重すると、一人一人の考えを主張する(我慢せずわがまま放題の)人間がたくさん育つのではないだろうか?
(小学生時代、体育会が近づくと、開会式の練習(行進、マスゲーム、応援合戦など)で、毎日、暑さと理不尽さ(練習の非合理性)を我慢していた。現代とは真逆に近かったが、おかげで忍耐力はついたかも)

 話が逸れてしまった。
 国は思いつきで政策を立てるが、現場が振り回されるだけとか、却って、改悪になっていることが多い。(教育で言うと、“総合学習”とか大学入試制度の改定)
 最近、そういうことを感じることが多い。余裕があれば、「その2」以降も書きます。
コメント
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