英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋世界7月号のインタビュー記事…からの “和田はな女流1級考” 「その3」

2023-06-15 19:26:00 | 将棋
“和田はな女流1級考” 「その1」「その2」の続きです。


 図より、和田女流1級は▲5三と寄。自然な一着だが、この局面に於いては速度が足りなかった。
 つまり、次に▲6二と寄としても、△8一玉と普通に逃げられて、すぐには攻めが届かない。
 直前に▲8二金(第6図)と打って清算した為、

飛角の壁形が解消してしまっている。後手の木村女流1級が▲8二金に△同角と応じたのも、第7図となれば、先手から速い追撃はないと判断したからだろう。

 しかし、第7図では▲6二とがあった。△同玉に▲5三角と打てば、角が7一まで利いていて、しかも、次に▲3五角行とすれば、角2枚の追撃隊は超速である。おまけに、6四の金取りにもなっている。
 同じような狙いで、第7図で▲5三角と打つ手もあるが、この手には△6三金打と頑張る手があるので、▲6二とより劣る。

 ところが、木村女流1級は△6一歩。《守る必要がないのに、守った》という意味で疑問手。
 しかも、▲6一とと取る手がある。

 第7.5図に比べると変化図2は、手番は同じ後手ではあるが、先手の持ち歩が1枚増え、さらにと金が後手玉に近づいている(▲6二と上がる△8一玉に▲7一とが生じている)
 なので、▲6一とに△6一同玉とするしかないだろう。これは大きな利かしである。
 ここで▲6三歩とすれば形勢はともかく、先手が勝ちやすそう。

 ▲6三歩では、▲7五角や▲4六角と角を活用する手の方が良いかもしれない。

 実戦は、▲6一とではなく▲3五角。ここでの▲3五角は攻め駒が重複しているように感じる。
 攻め合う手もありそうだが、木村は△7四銀上と、抜け穴を開ける。(受けが好きだなあ)
 和田女流1級は▲7五歩。銀を上ずらせ、6三に利かなくさせる手筋だが、木村女流1級はここで一転、△3八飛。角取りと同時に先手玉への足掛かりを作る。
 和田女流も、飛車が自陣から遠のくので、角を取られるのは構わないと、▲7四歩と銀を取る。
 木村女流も手抜きで△7六桂! 現在7三の桂取りになっているのも放置、只で取れる角にも目もくれない。一気に、スパークだ。
 △7六桂は詰めろ。▲7三歩成と王手で桂を取られても、集中放火されそうな6二から逸れるのが大きい。

 和田女流は一旦、▲6三銀と攻めるが……

……先手の攻め駒の重複感が半端ない。実際、△8一玉とかわされてみると、渋滞感がさらに強まった。

 以下は、順調に木村女流1級が勝ち切った。


 本局を含めて7局、和田女流1級の将棋を並べた。
 実は、今まで持っていたモノとは、違う印象を持った。
 それについては「その4」で。

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